本の紹介173 99%の社長がカン違いしていること(企業法務・顧問弁護士@静岡)

おはようございます
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←先日、事務所の近くにある「橡面坊」(とちめんぼう)に行ってきました。

写真は、「とびっきりカレーうどん」です。いろんな野菜が入っています。

このお店の特徴は、桜エビのラー油がついているところです。

好みが分かれるのかもしれませんが、僕は好きですね。 チャレンジ精神がすばらしい。

今日は、午前中は、裁判が2件、新規相談が1件入っています。

午後は、刑事裁判が1件と社団法人の理事会が入っています。
 
今日も一日がんばります!!

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さて、今日は本の紹介です。
99%の社長がカン違いしていること
99%の社長がカン違いしていること

大阪の税理士の先生が書かれた本です。

難しい話はまったく出てきません。

非常にわかりやすく、内容も共感できることがほとんどです。

久しぶりにとてもいい本に出会いました。 おすすめです!

「銀行の言うことは信じるな」と言うあたり、素敵ですね(笑)

実際、レベルの低い担当者の言うことを聞いているととんでもないことになるので気を付けましょう。

さて、この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

もうこれ以上、目先の利益のために長期の利益を犠牲にするのはやめてください。・・・成功しない中小企業の社長はお金を得ることばかり考え、成功する中小企業の社長はみんなが幸せになるように考えています。自分の大好きなことをして、お客様の問題を解決してお金を稼ぐ方法を見つける。」(72頁)

成功している中小企業の採用基準は、その業界にどれだけいたかではありません。即戦力ではなく、自社の経営方針である『お客様を喜ばせること』にどれだけ親身になって対応してくれるかを基準にしているところが多いです。」(105頁)

私たち弁護士も、仕事柄、さまざまな経営者にお会いしますが、著者の上記意見と全く同意見です。

お金のことしか考えていない経営者には、全く魅力を感じません。

従業員、顧客、社会のことを考えながら、経営をしている経営者には、同じように考える支援者が自然と集まってくるものです。

自分のことしか考えていない経営者の周りには、同じように自分のことしか考えていない者しか集まってきません。

類は友を呼ぶとはよく言ったものです。

「私はこの人を幸せにするために何ができるだろうか」ということを自然に考えられる人と一緒に仕事をしたいと思います。

不当労働行為63(ミトミ建材センターほか事件)

おはようございます。 

さて、今日は、労働組合の街宣活動等の禁止に関する仮処分決定を見てみましょう。

ミトミ建材センターほか事件(大阪地裁平成24年9月12日・労経速2161号3頁)

【事案の概要】

Y社は、土木工事及び建築工事の請負並びに設計施工等を目的とする会社である。

本件は、Y社らが、X組合に対し、X組合が、Y社の生コン納入現場付近、Y社が受注する工事現場周辺、Y社代表者Aの自宅付近で、街頭宣伝活動やシュプレヒコール等を行ったことにより、Y社らの営業権や人格権が侵害されたとして、X組合の行う街宣活動等の禁止を求める仮処分命令を申し立てたところ、これを認容する原決定がなされたのに対し、X組合が、X組合が行っている街宣活動等は、労働組合活動の一環として行われているもので適法な行為であるなどと主張して、異議を申し立てた事案である。

【裁判所の判断】

労働組合の街宣活動等の禁止を求める仮処分命令には理由があるとして認可した

【決定のポイント】

1 労働組合は、組合員である労働者のために、その労働条件をはじめとする経済的地位の維持・向上を目指して活動することが許されており、その活動が、組合活動として正当な範囲内にある限り、違法性は阻却される。そして、組合活動が正当なものとして許されるためには、その目的、態様、内容、使用者側が受ける不利益その他の事情を総合考慮し、社会通念上相当と認められることが必要であると解するのが相当である

2 ・・・以上の事情を総合すると、X組合の行ったY社らに対する街宣活動は、少なくとも10回にわたって行われ、その内容もY社とその労働者との関係にとどまらず、Y社を違法業者と認定し、その公共事業に関することにまで及んでいる上、Y社に関連する工事現場の近くを何度も巡回する方法で行っているのであって、X組合の街宣活動は、社会通念上相当と認められる範囲を超えているといえる。したがって、X組合のY社等に対する街宣活動は、正当な組合活動と認められるものではなく、Y社等の営業活動を不当に妨害する行為であるというべきである

3 上記において認定したX組合の街宣活動等の態様に加え、疎明資料及び審尋の全趣旨によれば、X組合の街宣活動によってY社等の取引先が取引に躊躇していることがうかがえることも併せ考慮すると、X組合の街宣活動等によって、Y社等に著しい損害が生じ得るといえるので保全の必要性は認められる。

本件では、労働組合からの異議申立てが認められず、差し止めの仮処分が認可されました。

取引先等別企業に対する街宣活動(二次的争議行為)と経営者の私邸付近での街宣活動については、組合活動の正当性が否定される傾向にあります。

組合との団体交渉や組合員に対する処分等については、まずは事前に顧問弁護士から労組法のルールについてレクチャーを受けることが大切です。決して素人判断で進めないようにしましょう。

不当労働行為62(パナソニックエコシステムズ事件)

おはようございます。

さて、今日は、組合の申立人適格、会社の使用者性等に関する命令を見てみましょう。

パナソニックエコシステムズ事件(愛知県労委平成24年9月24日・労判1057号170頁)

【事案の概要】

Xは、人材派遣会社からY社に派遣され、有圧換気扇の試作品の性能実験業務に従事してきた。

Y社は、平成21年3月、Xに対する労働者派遣契約を解除すると通知した。

Xは、平成21年4月、組合に加入し、組合は、Y社に直接雇用を求めて団体交渉を申し入れた。

Y社は、自らは単なる派遣先であって団交を行う立場にないと回答して、団交に応じなかった。

【労働委員会の判断】

労働組合の申立人適格は認められる

Y社の労組法上の使用者性は否定

【命令のポイント】

1 Xが、平成21年4月に組合に加入し、組合がY社に対し、Xを直接雇用することを求め団体交渉を申し入れたこと、同人が同月末をもってY社での派遣就労を終えたことは、・・・で認定したとおりであり、Y社で就労する派遣労働者であったXについて、Y社での派遣就労の終了に際し、組合により直接雇用の申込義務の有無について問題が提起され、本件において争われているのであるから、この限りにおいて、現時点においても同人は、その加入する労働組合による団体交渉を通じて、労働条件等について交渉する権利を有する「労働者」の地位にあるものといえる

2 Xが学習塾の経営者としての側面を有するようになったことにより、組合の自主性が失われていること及び同人がY社の利益代表者に該当することについての疎明はない。また、同人が雇用するアルバイト4名が、いずれも組合に加入したことがないことは、・・・で認定したとおりであり、同人が、組合に対する関係で、労組法第2条第1号に規定する使用者の利益代表者に当たるとはいえない。
よって、組合は労組法第2条に適合する労働組合ではなく申立人適格を有しないとのY社の主張は採用できない。

3 Xに関して、Y社は派遣受入期間の制限を超えて同人の労務の提供を受けていたものの、同人を会社の社員と同様に扱っていたとはいえず、採用及び賃金額決定への関与、労働時間の管理、配置権限の行使及び雇用契約打切りへの関与等の各点においても、派遣先の立場を超えて、雇用主と同視しうる程度に具体的に支配、決定できる地位にあったとまでは認められない
また、これらのことを合わせ総合的に判断しても、Y社が、Xとの労働関係について、雇用主と同視できる程度に具体的に支配、決定できる地位にあったとまではいえない
したがって、Xについて、Y社が労組法上の使用者に当たるとはいえない

派遣先会社への直接雇用を要求する団体交渉を申し入れた事案ですが、労働委員会は、派遣先会社の労組法上の使用者性を否定しました。

上記命令のポイント3は押さえておくといいと思います。

これに対し、派遣労働者に対するセクハラの事案について、派遣先会社を団交義務を負う使用者とした日本製箔事件(滋賀県労委平成17年4月1日)や派遣契約解除に関する事案について派遣先会社に団交義務を負う使用者としたタイガー魔法瓶事件(大阪府労委平成20年10月10日)などがあります。

組合との団体交渉や組合員に対する処分等については、まずは事前に顧問弁護士から労組法のルールについてレクチャーを受けることが大切です。決して素人判断で進めないようにしましょう。

本の紹介172 「大発見」の思考法(企業法務・顧問弁護士@静岡)

おはようございます
__←先日、新しいスタッフの採用面接のためスタッフ全員に休日出勤をしてもらいました。

そのため、お昼は、みんなでホテルセンチュリー内の「ラ フルール」にごはんを食べにいきました

ビュッフェのため、食べ過ぎてしまいます。午後は仕事になりません

静岡では、ここのカレーが一番おいしいと思います。カレーだけ食べてもいいくらいです。

今日は、午前中は、建物明渡の裁判が1件と顧問先会社との打合せが入っています。

午後は、外部での法律相談、裁判の打合せが2件入っています。

今日も一日がんばります!!

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さて、今日は本の紹介です。
「大発見」の思考法 (文春新書)
「大発見」の思考法 (文春新書)

山中教授と益川教授の対談形式の本です。

ノーベル賞受賞者がどのようなことを考えているのか、というのはとても興味をそそられます。

お二人の考え方がばんばん出ていて、とてもおもしろいです。

さて、この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

はたから見たら、僕の人生は、遠回りで非効率に見えるかもしれませんし、無駄なことばかりやっているように思えるかもしれません。もっと合理的な生き方が出来たんじゃないの?と思われるかもしれませんが、そうやって回り道したからこそ今の自分があるんじゃないかと思います。」(78頁)

もちろん、一つのことにずっと取り組むことも美徳だと思います。でも、無駄を省いて全てを合理性で突き詰めた生き方をしていると、いつか壁にぶつかるんじゃないかな。僕の研究室を見てもらえればわかるけど、物理の本なんてほんの少ししかないの。・・・いつも僕は目の前にある面白いことで遊んでいるだけなんです。」(81頁)

最初の発言は、山中教授のもので、次の発言は、益川教授のものです。

周りの人は、成功した結果しか見えないため、その結果が出るまでの過程がいかに遠回りであったか、いかに非効率的であったかはわかりません。

だからこそ、成功者を見ると、「この人は、もともと天才だったんだ」「僕は天才ではないから無理だ」と思ってしまいがちです。

でも、多くの成功者は、何の失敗もなく、一直線にゴールにたどり着いてはいません。

何度も失敗を繰り返し、その都度、何かを学び、軌道修正をしながら、少しずつ、ゴールにたどり着いています。

課題を克服できる人は、天才ではなく、課題を克服する方法を知っている人なんだと思います。

常に課題は一直線には克服することはできないこと、何の失敗もせずに克服することはできないことを知っている人は、失敗しても、そう簡単にはあきらめません。

そもそも課題を克服する過程は常にそのようなものだとわかっているからです。

たいていのことは、自分からあきらめなければ、克服できることを知っているからです。

解雇95(コアズ事件)

おはようございます。

さて、今日は、営業開発部長の降給・降格処分と解雇の有効性に関する裁判例を見てみましょう。

コアズ事件(東京地裁平成24年7月17日・労判1057号38頁)

【事案の概要】

Y社は、警備業務等を業とする会社である。

Xは、平成20年2月頃、Y社に採用された後、営業開発部長として就労してきたが、降給処分を受け、営業開発部長から降格された後、解雇された。

Xは、上記降給、降格の各処分および解雇がいずれも無効であると主張して、Y社を相手として提訴した。

なお、Xは、本件訴訟係属中に、破産手続開始の申立をしたため、途中から破産管財人が訴訟手続を受継した。

【裁判所の判断】

給与の減額は無効

第一営業部長から「独任官」と称する地位への降格は無効

解雇は無効

【判例のポイント】

1 賃金が、労働者にとって最も重要な権利ないし労働条件の1つであることからすれば、上記給与規程の定めが存するとはいえ、その変更を、使用者の自由裁量で行うことが許容されていると解することはできず、そのような賃金の減額が許容されるのは、労働者側に生じる不利益を正当化するだけの合理的な事情が必要であり、そのような事情が認められない以上、同賃金減額は無効になると解するのが相当である。そして、そのような賃金減額の合理性の判断に当たっては、減額によって労働者が被る不利益の程度、労働者の勤務状況等その帰責性の有無及び程度、人事評価が適切になされているかという点など、その他両当事者の折衝の事情を総合考慮して判断されるべきであると解される。

2 ・・・以上を総合するに、まず、本件給与減額1については、その減額幅は30万円を超えるもので著しく大きく、これによりXの受ける不利益には甚大なものがあるといわざるを得ない。他方、Xの帰責性という点に関し、Y社主張にかかる10名の営業部長の採用という業務については、それが実現されなかった場合に給与減額等につながることが合意されていたとはいえない上、実質的にも、Y社において、給与減額の理由とすることは明らかに不合理である。また、Xの勤務状況、勤務態度等についてみても、Y社主張の客観性が担保されているとはいえない状況であるのみならず、恣意的な人事が行われている状況も窺われることからすれば、いずれも、かような多額の給与減額の根拠とはなり得ないものである。
なお、Y社は、Xが本件給与減額1の後、約1年以上も明確な異議を申し立てていないことを挙げて、同Xが同給与減額に同意していた旨主張する。仮に、かようなXの態度をもって同意と評価することができるにしても、同給与減額が大幅な減額である以上、それなりの合理的な事情に基づくのでなければ、真意に基づく同意があるとは推認し難いところ、前記のとおり、そのような合理的な事情は認められないのであるから、これを真意に基づく同意であると認めることはできない
これらの事情によれば、本件給与減額1は無効と認めるのが相当である。

3 職位の引下げとしての降格については、使用者は、人事権の行使として、広範な裁量権を有するが、その人事権行使も、裁量権の逸脱、濫用に当たる場合には無効になると解される。
これを本件についてみるに、Xは、平成22年4月に、D本部長が「独任官」と称する部下のいない地位に降格されているが、Y社が特命事項と称する10名の営業部長の採用を実現できなかったことが降格の理由となり得ないことは明らかであるし、Xの勤務状況は、Y社が主張するほどに劣悪であったとは認められず、降格に値するような確たる非違行為があったわけでもないこと、Y社において恣意的な人事が行われている実態が窺われることなどに照らすと、Xに対する本件降格処分については裁量権の濫用があるというべきであって、これを無効と認めるのが相当である

4 以上にみたとおり、Xの本件特命事項の不履行、同Xの勤務成績、勤務状況の低劣さといった主張により、降給処分及び降格処分の有効性を基礎付けることはできないことからすれば、いわんやそれよりも重い処分である解雇の有効性を基礎付けることはできないのは明らかである。したがって、本件解雇は無効である。

給与減額については、それを使用者の裁量で行うことができる規定があったとしても、相当な合理性がなければ認められません。

また、この裁判例は、Y社において恣意的な人事が行われている実態が窺われることを間接事実として評価しています。

解雇を選択する前には必ず顧問弁護士に相談の上、慎重かつ適切に対応することが肝心です。決して、素人判断で進めないようにしましょう。

本の紹介171 突破する力(企業法務・顧問弁護士@静岡)

おはようございます 3連休も終わり、また一週間が始まりましたね。今週もがんばっていきましょう!
__←先日、いつもお世話になっている社長と一緒に「博」に行ってきました

写真は、とらふぐの白子です。 絶品としか言いようがありません。

いつもきんきの煮付けの写真になってしまうので、今回は別の写真ということで。

親方、おいしゅうございました。

今日は、午前中は、裁判の打合せが1件と顧問先会社でのセミナーが入っています。

午後は、交通事故の裁判が1件、顧問先会社の打合せ、臨時株主総会が入っています。

今日も一日がんばります!!

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さて、今日は本の紹介です。
突破する力 (青春新書インテリジェンス)
突破する力 (青春新書インテリジェンス)

現東京都知事の猪瀬さんの本です。

サブタイトル「希望は、つくるものである

いいですね。 その通りだと思います。

なんとなく買ってみた本ですが、内容は、すばらしいです。 

猪瀬さんの20代の話などが書かれています。

みんな一緒なんだなと感じます。結果を出そうともがいている様子が伝わってきます。

おすすめです!

さて、この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

当時、駆け出しのライターたちは、よく新宿のゴールデン街で飲んでいた。編集者に誘われて、僕もときどき顔を出した。そこでは作家のタマゴたちがムキ出しの夢を語り、お互いを刺激し合っていた。しかし、場がどれほど盛り上がっても、夜10時には店を出た。ふたたび仕事場に戻り、自分と向き合うためだ。
みんなで群れて夢を語れば、そこになんとなく希望が存在しているように見える。しかし、それは幻にすぎず、一夜明ければ酔いとともに消えていく。希望は、バーカウンターなどにありはしない。ある種の孤独を抱え、徹底的に仕事と対峙した先に、ようやく見えてくるものなのだ。
」(4頁)

猪瀬さんは、お酒の席を適当なところで切り上げる習慣はいまも変わっていないそうです。

猪瀬さん、さすがですね。

私も、だいたい一次会で切り上げ、23時には寝ています。

ただ、猪瀬さんとは違い、ふたたび仕事場に戻り、自分と向き合うためではなく、単に眠たいからです(笑)

完全な朝型人間なので、夜はすぐに寝てしまいます。

人それぞれ違うとは思いますが、私は、朝の方が断然、仕事がはかどります。

朝は、まだ脳みそが疲れていないので、考えなければいけないいわゆる「重たい仕事」は朝やるに限ります。

というわけで、最近では、一次会のみ参加するようにしています。

不当労働行為61(東洋エージェント事件)

おはようございます。 

さて、今日は、誠実交渉義務に関する命令を見てみましょう。

東洋エージェント事件(中労委平成24年9月5日・労判1057号173頁)

【事案の概要】

Y社は、従業員約300名をもって、道路交通法に基づく放置車両の確認および標章の取り付けに関する事務等を行っている会社である。

平成22年3月、組合はY社に対して、組合事務所の貸与、組合掲示板の設置、基本日給の引き上げ等8項目を要求して団交を申し入れた。

これに対して、Y社は、十分な対応をしなかったため、組合は、救済申立てを行った。

初審は、Y社に対して、誠意をもって団交に応じることと、文書手交を命じた。

Y社はこれを不服として、中労委に再審査を申し立てた。

【労働委員会の判断】

Y社が団交において誠実に対応しなかったことは不当労働行為にあたる

【命令のポイント】

1 Y社は、組合事務所の貸与及び組合掲示板の設置に応じられない理由として、組合事務所の貸与及び組合掲示板の設置が労組法7条3号に抵触するものであって、利益供与に当たるという考えに固執し、一貫して組合事務所の貸与及び組合掲示板の設置を検討する姿勢をみせなかったものといえる。
しかしながら、最小限の広さの組合事務所の貸与が、労組法7条3号で規定する利益供与に当たらないことは同号ただし書から明らかである。また、会社の監視事業部長名の文書において同条3号を示していることからすれば、Y社は同号ただし書についても了知していたものと認められる
・・・以上のとおりであるから、組合の要求事項のうち、組合事務所の貸与及び組合掲示板の設置については、Y社は、これを設置・貸与することで生じる支障等を具体的に説明していないのであり、組合の要求に応じられないとする理由を十分に説明したとはいえず、かかるY社の対応は不誠実団交に当たる。

2 Y社が、賃金引上げができない根拠として、経費や収支の問題があることを示唆したことは認められるものの、経費や収支に関して、組合に対して一切説明していない
団交において使用者は、自らの主張の根拠を具体的に説明し、開示し得る客観的な資料を提示するなど、組合の理解を得るべく誠実に団交に応じる必要があるというべきであるところ、Y社が主張するような組合が求める資料開示による企業秘密の漏えいの懸念が、客観的にみて根拠を伴ったものであると認めるに足る証拠はない仮に当該懸念があり、確認事務の性質から経費の内訳が開示できないというのであれば、そのことについて組合の理解を得るべく、具体的に説明を行うべきであるのにもかかわらず、Y社は、経費にかかわるすべての情報が確認事務に関する守秘義務の範囲に入ることの根拠を十分に説明していない。
以上のことからすると、基本日給の引上げを議論するに当たり、Y社は、賃金体系について十分説明していない上に、正当な理由なく就業規則の提示を拒否しているのであるから、このようなY社の対応は不誠実団交に当たる。

最小限の広さの組合事務所の貸与については、不当労働行為(利益供与)にあたらないことは条文上明らかです。

使用者側がどこまでの説明をしなければならないのかは悩ましいところですが、上記命令のポイント2は、参考になるのではないでしょうか。

使用者側としてはなかなか理解しづらいかもしれませんが、法的な判断はこのような感じになります。

組合との団体交渉や組合員に対する処分等については、まずは事前に顧問弁護士から労組法のルールについてレクチャーを受けることが大切です。決して素人判断で進めないようにしましょう。

本の紹介170 99%無理な仕事をやり切る方法(企業法務・顧問弁護士@静岡)

おはようございます
__←先日、事務所のスタッフと一緒に「リボン」に行ってきました

写真は、てんこ盛りのホタルイカです。 別に大盛りを注文したわけではありません。

いつ行っても安くておいしいです!! 超おすすめです。

今日は、午前中は、新規相談が2件入っています。

午後は、浜松の裁判所で労働事件の裁判が2件、離婚調停が1件入っています

夜は、そのまま浜松で遺言作成に関する新規相談が入っています

今日も一日がんばります!!

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さて、今日は本の紹介です。
99%無理な仕事をやり切る方法 -孫正義から学んだ仕事術-
99%無理な仕事をやり切る方法 -孫正義から学んだ仕事術-

元ソフトバンク社長室長の本です。

孫さんから学んだ仕事術が書かれています。

孫さんの仕事のしかたを垣間見ることができて、とてもおもしろいです。

この本を読んで思ったのは、やはり、仕事の進め方、軌道への乗せ方を知っている人は強いということです。

さて、この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

孫正義が使っている手法の中に、私が名付けた『わらしべ理論』というものがあります。
わらしべ長者の話というのはご存知の方も多いと思いますが、最初はわらを交換するところからはじまって、最後は家、屋敷になるという話ですね。交換するたびに、だんだん大きなものになっていくわけですが、孫正義の経営手法もそうです。
ナンバーワンになるために、まずは土俵を小さく設定します。土俵を小さくしても、ナンバーワンであることで、さまざまな経営資源を集めてほかの企業と提携したりと、もう少し大きな事業ができるようになります。大きくなった事業で再びナンバーワンになれば、そこからもう一つ大きなものにしていけるというのが『わらしべ理論』です。
」(29頁)

私は、最初は小さく始めるというのは、ビジネスの王道だと思っています。

小さく初めて、徐々に大きくしていく、というのが健全です。

最近では、あまり大きくしすぎないということにも留意しています。

ちょうどいい動きやすさみたいなものを追求しています。

孫さんの「ナンバーワンになるために、まずは土俵を小さく設定する」というのも、まさに同じです。

風呂敷を広げすぎない。

特定の小さな分野でまずは1番を目指すことから始めるのが近道ではないでしょうか。

何をやるかというよりも、何をやらないかだと思います。

管理監督者29(ピュアルネッサンス事件)

おはようございます。

さて、今日は、退職した元部長からの時間外割増賃金・減額賃金差額請求に関する裁判例を見てみましょう。

ピュア・ルネッサンス事件(東京地裁平成24年5月16日・労判1057号96頁)

【事案の概要】

Y社は、美容サロンの経営、化粧品等の販売を目的とする会社で、ネットワークビジネスの運営、健康食品の製造販売、美容サロンの経営またはフランチャイズ、化粧品等の美容商品の製造販売を行うA社グループのグループ会社である。

Xは、平成17年11月、Y社に管理職(部長)として入社し、Y社が企画する化粧品販売イベントの運営等に従事してきた。

Xは、平成18年5月にY社の取締役、19年6月に常務取締役、20年12月に専務取締役に選任された。

Xは、21年9月に退職した後、Y社に対し、時間外割増賃金および減額賃金の差額分を請求した。

【裁判所の判断】

1 Xは管理監督者に該当する。
→深夜割増賃金部分約98万円の支払いを命じた

2 減額賃金の差額5万円の支払いを命じた

3 付加金として除斥期間が到来していない時間外手当と同額の約92万円の支払いを命じた

【判例のポイント】

1 もともとY社は、その規模に比して取締役の数が不自然に多く、Xには終始一貫して基本給と役職手当という名目で対価が支払われており、雇用保険にも継続して加入していることに加え、提出された証拠だけからはXの報酬額が変更される都度、取締役会の決議がなされたことは認められない。また、Y社の取締役会、役員会議、経営会議においては、具体的な討論がなされたような形跡がなく、実質的なオーナーとみされるB会長の指示を伝達する場にすぎなかったことが認められるし、Xが取締役に選任された前後においてその担当する業務について具体的な変更があったことは証拠上見当たらない。そうすると、Xは、基本的にB会長の指示や許可を受けて業務に従事することが多かったものといえる。また、Xが一度Y社を退社した上で取締役に選任されたような事実も認められない
したがって、Xは、Y社との関係において、取締役としての地位を有していたが、労働者であったと認めるのが相当である

2 労基法41条1項2号の管理監督者とは、部長、工場長等労働条件の決定その他労務管理について経営者と一体的な立場にある者をいうとされる。
管理監督者に該当するか否かは、(1)事業主の経営に関する決定に参画し、労務管理に関する指揮監督権限を認められているか否か、(2)自己の出退勤をはじめとする労働時間について裁量権を有しているといえるか否か、(3)一般の従業員に比しその地位と権限にふさわしい賃金上の処遇を与えられているか否かを実態に即して判断することになる。

3 Xは、経営会議等の重要な会議に参加しており、実情は、B会長が決めた方針の伝達が行われることが多かったとはいえ、取締役という地位で参加しており、サロンの開設や従業員の採用など個別的に重要な業務の担当を任されるようになっている。
Xは労務担当の取締役とされていたが、従業員の採用や人事考課の権限等、労務管理についての一般的に広範な権限が与えられていたわけではない。しかしながら、Y社は規模の小さい個人企業であるため、人事考課自体が行われていたのか疑問であり、また採用にあたってもB会長に決定権があったとしても必ずしも不自然とはいえず、その後、Y社の業務が拡大するとともに、従業員の採用について、Xに権限が与えられるようになっている。また、Xは、従業員やスタッフの勤務時間についての集計や、訂正の確認などを行っており、他の従業員などの勤務時間に関する労務管理の権限がある程度与えられていたものといえる
Xは、タイムカードによって厳格な勤怠管理が義務づけられていたとはいえず、タイムカードも本来許されていない手書きでの修正が許されたり、他の従業員とは異なる扱いがなされるなどしているし、パーティーや懇親会、麻雀などへの参加時間も労働時間としてタイムカードが打刻されている。また、Xの主張する業務量に比して、労働時間が不自然に長時間となっており、勤務時間中に業務以外のことをしていた事情もうかがえることからすると、Xについては、厳密な労働時間の管理がされていたとはいえず、労働時間について広い裁量があったといえる。
そして、Xは、基本給として月額35万円、役職手当として月額5万円から10万円の給与をもらっており、一般従業員の基本給と比べて厚遇されていたことは明らかである。
以上からすると、Xは、労基法41条2号の管理監督者に該当するとみるのが相当である。

4 Xは、労働者ではあるが、管理監督者に該当するため、その請求できる時間外手当は深夜割増賃金に限られる。

5 Xは、労働者として労基法の適用を受ける地位にあるから、Xが、管理監督者に該当するとしても、Y社において深夜割増賃金に相当する時間外手当の支払いを免れることはない。それにもかかわらず、Y社は、Xに対し、時間外手当の支払を一切していない。こうした事情に加えて、Y社が労基法の適用を免れようとして労働者を取締役 に選任するといった意図が認められる等の本件の実情を照らし合わせると、本件については、付加金として、労基法114条ただし書きの除斥期間が到来していない平成20年1月分ないし平成21年9月分の時間外手当と同額の付加金の支払を命じることが相当である。

上記判例のポイント1では、取締役の労働者性が争点となっており、これを肯定しています。

事実認定の方法について参考になります。

また、この裁判例では、珍しく管理監督者性が肯定されています。

なかなか普通の会社で、管理監督者であることを前提として、割増手当を全く支払わないという労務管理の方法は、リスクが非常に高いことは間違いありません。

それゆえ、あまり、おすすめはしません。

管理監督者性に関する対応については、会社に対するインパクトが大きいため、必ず顧問弁護士に相談しながら進めることをおすすめいたします。

本の紹介169 「圧倒的利益」を生み出すキュレーション・マーケティング(企業法務・顧問弁護士@静岡)

おはようございます
__←先日、住宅会社の社長と両替町の「入船鮨」で新しい試みについて打合せをしました

このお店は、個室があるので、打合せをするにはいいですね。

きっとおもしろいコラボができると思います! 

今日は、裁判の打合せが5件入っています。 久しぶりに裁判がない1日です。

今日も一日がんばります!!

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さて、今日は本の紹介です。
「圧倒的利益」を生み出すキュレーション・マーケティング―独自性を創出する10の視点
「圧倒的利益」を生み出すキュレーション・マーケティング―独自性を創出する10の視点

最近、よく「キュレーション」という言葉を耳にしますが、この本では「価値の再構築」という意味で使っています。

一般的には、集めた情報をつなぎ合わせて、新しい価値を作り出すみたいな意味なのでしょうか。

よくわかりません。

この本のいいところは、発想を変えることの大切さ、独自性を目立たせる方法をさまざまな成功例を通じて教えてくれているところです。

とても参考になります。

私がこの本を読んで改めて感じたのは、「切り口、角度」の重要性です。

ほんの少しの工夫で結果は大きく変わってくることがよくわかります。

大切なのは、異なる業界の「キュレーション」の例から「切り口、角度」を読み取り、自分の業界に応用することのできる力とそれを実行に移す力を持つことです。

やはりここでも「とりあえずやってみる」という精神が重要なんでしょうね。