本の紹介120 フロイトで自己管理(企業法務・顧問弁護士@静岡)

おはようございます 昨夜は、久しぶりに雨が降りましたね。
写真 12-09-02 11 24 49←先日、久しぶりに「うなぎ亭」に行ってきました。

前にも書きましたが、今のところ、コスパで言えば、うなぎ亭が一番です。

安くておいしいです。

今日は、午前中は、沼津の裁判所で裁判です

夜は、事務所のスタッフの誕生日会です。

今日も一日がんばります!!

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さて、今日は、本の紹介です。
フロイトで自己管理 (角川oneテーマ21)
フロイトで自己管理 (角川oneテーマ21)

齋藤孝さんの本です。

齋藤さんは、同じ静岡県出身です。

4年程前の本ですが、もう一度読んでみました。

フロイトでどうやって自己管理するんだろう・・・ということはひとまず置いておきます(笑)

学ぶべきは、インプットしたことを新しい切り口で表現することです。

これができれば、ネタは永遠になくなりません。 

さて、この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

フロイトその人の生き方に私が非常に共感するのは、こんな部分だ。
『先週、ひどく働いた晩があって・・・・・・私は、深いで苦痛な状態だったのですが、そういうときに私の頭痛は一番よく働くのです。』
『私は仕事が多い時にもっとも調子がいい』
『集中的な仕事に必要な適度の量の不幸がまだはじまっていないので、私はこのところ大層なまけています』
快哉を叫びたくなる。私もこのとおりの人間である。
」(112~113頁)

仕事が多いときにもっとも調子がいいという感覚、よくわかります。

時間が有り余っている状態では、集中力を保つことが難しいです。

多忙の中、限られた時間の中でこそ、潜在的な力が発揮される気がします。

常に自分を追い込んで、最高の仕事をしたいと思います。

現時点で、私の事務所は、相当数の事件を抱えていますが、まだまだ限界だなんて思っていません。

1年前と比較しても、比べものにならないくらい、事務所全体の力は上がっています。

来年は、さらにパワーアップしていると確信しています。

今後、どこまでパワーアップできるのか、楽しみです。

不当労働行為47(明静事件)

おはようございます。

さて、今日は、組合役員の解雇と不当労働行為に関する命令を見てみましょう。

明静事件(中労委平成24年5月9日・労判1049号92頁)

【事案の概要】

Y社は、平成21年6月当時、従業員56名をもって川口支店等において物流センター等の製品(食品)の入出荷業務全般の管理・運営、フォークリフト荷役作業等のアウトソーシング受託を行っていたが、顧客から業務委託契約を解約され、24年1月現在、従業員はいない。

平成21年3月から4月にかけて川口支店で班長として勤務していたAは、未払賃金、年休取得等について、所轄の労基署等に赴き、その後、組合を結成し、Aが執行委員長に、Bが執行委員、Cが副執行委員長に就任した。

平成21年5月、組合は、Y社に対して組合結成を通知し、団交を申し入れた。

Y社は、A及びCを解雇した。

【労働委員会の判断】

A及びCの解雇は不当労働行為にあたる。

Bの解雇は不当労働行為にはあたらない。

【判例のポイント】

1 (1)Y社が「解雇通知書」において、Aの解雇理由ないしその細目として掲げる事項は、解雇理由とするに足りる具体性を欠いていたり、解雇理由として相当ではない上に疑問のあるものばかりであり(2)Aには一部問題行為も見受けられるが、Y社はこれに対して解雇以外の処分を検討することなく、過去、全く問題としていなかった協力会社会議への無断遅刻・欠席等を列挙して、突如として同人を解雇しており、(3)Y社はY社における同人の労働条件改善活動を遅くとも21年4月上旬に、組合結成行為を遅くとも5月21日までには察知して、同行為を問題視していたことが認められるのであるから、Aに対する解雇は同人が組合の結成活動を中心的に行ったことを敵視し、それ故に意図的に行ったものであると考えざるを得ない。
したがって、Aに対する解雇は、労組法第7条第1号の不利益取扱いに該当する。また、Aに対する解雇は、組合の中心人物である同人を会社から排除することにより、同人が中心となって活動する組合及び組合の活動等を指導するフード連合を弱体化させる行為として同条第3号の支配介入にも該当する。

2 Y社は、20年9月頃より業務改革を押し進めており、社内規律改善のための管理体制の強化等から解雇がなされたものである旨主張するが、B以外にも検便未提出者が存在する中で、同人から事情を聴取することなく、弁明の機会も与えず、他の処分を検討することなく同人をいきなり解雇しているのであるから、上記Y社の主張は首肯し難く、同人の解雇自体には合理的理由があるといえるか疑わしい
ところで、Bに対する解雇について不当労働行為が成立するためには、Y社が同人の解雇をするに当たって、Aらの組合結成活動を察知し、また、Bがそれに加わっていたといえることが必要である。
・・・Y社が、Bが組合結成活動について関与していたことを察知していたことを認めることはできないから、Y社のBに対する解雇が同人が組合結成に関わったことの故をもって行われたと認めるには足りず、Bに対する解雇を不当労働行為とすることはできない

解雇の有効性に関する判断は、よくあるパターンですね。

重要なのは、Bに対して、解雇の有効性には疑問があるとしつつ、結論として、不当労働行為性を否定している点です。

これは、「故をもって」の要件との関係で、Y社に不当労働行為意思があるとは認められないと判断したものです。

このように解雇の有効性と不当労働行為は要件が異なるため、解雇自体が無効であっても、不当労働行為とはならないこともあるわけです。

組合との団体交渉や組合員に対する処分等については、まずは事前に顧問弁護士から労組法のルールについてレクチャーを受けることが大切です。決して素人判断で進めないようにしましょう。

本の紹介119 決断という技術(企業法務・顧問弁護士@静岡)

おはようございます 今日で8月も終わりですね。 あっという間に過ぎていきます。
写真 12-08-28 20 17 31 (1)
←先日、SEの方と昭和町にある「うっかり」に行きました

写真は、もつ鍋です。 ホルモンがめちゃくちゃおいしいです。

間違いなく、また行きます。 おすすめです!!

今日は、午前中は証人尋問です。

午後も、裁判が2件、新規相談が3件入っています。

今日も一日がんばります!!

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さて、今日は本の紹介です。
決断という技術
決断という技術

経済学者、投資家、アスリートの会話が本になっています。

タイトルがいいですね。

決断することは「技術」なんだ、という発想ですね。 訓練をすれば、決断力は身につけられるという発想です。

とても共感します。

「決断力がある」というのは、性格の問題ではなく、単に決断する技術がある、決断する方法を知っている、ということなんだと思います。

さて、この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

・・・先ほどもいいましたけれど、失敗って極めて効率のいい行動であるということを理解してほしいですね。特に人生のように一発勝負ではなく、いくつもの分岐点がつづく事の場合、途中経過で成功しても、次に成功する確率が高まるわけではないけれど、失敗したら、次に成功する確率は確実に上がりますからね。」(203頁)

「失敗」を前向きに捉えています。

「失敗」を繰り返すことにより、着実に次のステージに上がることができると思っています。

「失敗」とどのように向き合うか。 「失敗」から何を気づけるか。

落ち込んで終わるのか、教訓を得て、次につなげるのか。

これは性格や才能の問題ではありません。 習慣の問題だと確信しています。

「失敗」を前向きに考えることができれば、それは単なる「失敗」ではなくなります。

「失敗」は、成功への途中経過にすぎません。

起こることすべては、捉え方一つで、プラスにもマイナスにもなります。

そうであれば、すべてのことをプラスにするほうがいいに決まっています。

労働時間29(阪急トラベルサポート(派遣添乗員・第3)事件)

おはようございます。

さて、今日は、国内・海外旅行添乗員の事業場外みなし時間制適用に関する高裁判決を見てみましょう。

阪急トラベルサポート(派遣添乗員・第3)事件(東京高裁平成24年3月7日・労判1048号・26頁)

【事案の概要】

Y社は、募集型企画旅行において、主催旅行会社A社から添乗員の派遣依頼を受けて、登録型派遣添乗員に労働契約の申込みを行い、同契約を締結し、労働者を派遣するなどの業務を行う会社である。

Y社は、募集型企画旅行の登録型派遣添乗員として、Xらを雇用した。

Xらは、A社が作成した行程表に従って業務を遂行するとともに、実際の旅程結果について添乗員日報を作成して報告するように指示されていた。また、携帯電話が貸与されており、随時電源を入れておくように指示されていた。

Y社では、事業場外みなし労働時間制が採用されていた。

Xは、Y社に対し、(1)派遣添乗員には、労働基準法38条の2が定める事業場外労働のみなし制の適用はなく、法定労働時間を超える部分に対する割増賃金が支払われるべきである、(2)7日間連続して働いた場合には、最後の1日は休日出勤したものとして休日労働に対する割増賃金が支払われるべきであると主張し、未払時間外割増賃金、付加金等を求めた。

【裁判所の判断】

事業場外みなし労働時間制の適用を受ける場合にあたらない。

【判例のポイント】

1 この制度は、労働者が事業場外で行う労働で、使用者の具体的な指揮監督が及ばないため、使用者による労働時間の把握が困難であり、実労働時間の算定が困難な場合に対処するために、実際の労働時間にできるだけ近づけた便宜的な労働時間の算定方法を定めるものであり、その限りで使用者に課されている労働時間の把握・算定義務を免除するものと解される。
そして、使用者は、雇用契約上、労働者を自らの指揮命令の下に就労させることができ、かつ、労基法上、時間外労働に対する割増賃金支払義務を負う地位にあるのであるから、就労場所が事業場外であっても、原則として、労働者の労働時間を把握する義務を免れないのであり(労基法108条、同規則54条参照)、同法38条の2第1項にいう「労働時間を算定し難いとき」とは、当該業務の就労実態等の具体的事情を踏まえて、社会通念に従って判断すると、使用者の具体的な指揮監督が及ばないと評価され、客観的にみて労働時間を把握することが困難である例外的な場合をいうと解するのが相当である。
本通達は、事業場外労働でも「労働時間を算定し難いとき」に当たらない場合についての、発出当時の社会状況を踏まえた例示であり、本件通達除外事例(1)(2)(3)に該当しない場合であっても、当該業務の就労実態等の具体的事情を踏まえ、社会通念に従って判断すれば、使用者の具体的な指揮監督が及びものと評価され、客観的にみて労働時間を把握・算定することが可能であると認められる場合には、事業場外労働時間のみなし制の適用はないというべきである

2 指示書等の記載は確定的なものではなく、合理的な理由による変更可能性を有するものというべきである。しかし、指示書等は、募集型企画旅行契約に基づき参加者に対して最終日程表に記載された旅行日程どおりの旅行サービスを提供する義務を負っている旅行主催会社である阪急交通社が、その義務を履行するために、添乗員に対して最終日程表に記載された旅行日程に沿った旅程管理をするよう業務指示を記載した文書であるものと認めるのが相当であって、上記変更可能性を有するからといって指示書等の添乗員に対する拘束力そのものが否定されるべきものではないことは明らかである。

3 ・・・そうすると、本件添乗業務においては、指示書等により旅行主催会社である阪急交通社から添乗員であるXに対し旅程管理に関する具体的な業務指示がなされ、Xは、これに基づいて業務を遂行する義務を負い、携帯電話を所持して常時電源を入れておくよう求められて、旅程管理上重要な問題が発生したときには、阪急交通社に報告し、個別の指示を受ける仕組みが整えられており、実際に遂行した業務内容について、添乗日報に、出発地、運送機関の発着地、観光地や観光施設、到着地についての出発時刻、到着時刻等を正確かつ詳細に記載して提出し報告することが義務付けられているものと認められ、このようなXの本件添乗業務の就労実態等の具体的事情を踏まえて、社会通念に従って判断すると、Xの本件添乗業務には阪急交通社の具体的な指揮監督が及んでいると認めるのが相当である

やはり適用範囲はかなり狭いですね。

むやみにみなし制度を使うとやけどしますので注意しましょう。

労働時間に関する考え方は、裁判例をよく知っておかないとあとでえらいことになります。事前に必ず顧問弁護士に相談することをおすすめいたします。

本の紹介118 一億人に伝えたい働き方(企業法務・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。

さて、今日は、本の紹介です。
一億人に伝えたい働き方 無駄と非効率のなかに宝物がある (PHP新書)
一億人に伝えたい働き方 無駄と非効率のなかに宝物がある (PHP新書)

サブタイトルがいいですね。

無駄と非効率のなかに宝物がある

いいですね。

普通は、無駄を省くこと、効率的に行うことが重視されますが、その逆にこそ宝物が眠っているわけです。

とにかくみんなとは逆のことをやる。 こういうの大好き。

この本では、ユニークな11社が紹介されており、業界は違いますが、参考にすべきところがあります。

この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

世の中のものは、すべて組み合わせで成り立っています。組み合わせの作用効果によって、まったく新しいものができる。例えば、Uナットはナットとワッシャーを組み合わせたもの。ハードロックナットは、ナットにくさびを付け加えたものです。・・・みんな、発明は難しいと言うけど、決してそんなことはありません。結局は、組み合わせなんですよ。世の中が複雑になればなるほど、組み合わせに使える要素がいっぱいあるんですから。」(138頁)

これは、大阪府東大阪市のハードロック工業株式会社の若林社長の言葉です。

まったく新しいものはない。組み合わせが新しいだけであるということは、よく言われることですね。

無から有を創り出すのではなく、有から有を創り出す。

この発想を持っている人は、初動がとても速いです。

「なにか新しいことないかな~」と漠然と考えても、いきなり新しい発想は降りてきません。

とにかく気になるものをどんどん集めて、組み合わせてみる。

それをひたすら繰り返す。 そうするとどこかでぴたっとはまる「新しいもの」に出会うわけです。

みなさんも、是非参考にしてみてください。

労働時間28(阪急トラベルサポート(派遣添乗員・第2)事件)

おはようございます。

今日は、海外旅行派遣添乗員の事業場外みなし時間制適用の可否に関する控訴審判決を見てみましょう。

阪急トラベルサポート(派遣添乗員・第2)事件(東京高裁平成24年3月7日・労判1048号6頁)

【事案の概要】

Y社は、募集型企画旅行において、主催旅行会社A社から添乗員の派遣依頼を受けて、登録型派遣添乗員に労働契約の申込みを行い、同契約を締結し、労働者を派遣するなどの業務を行う会社である。

Y社は、フランス等への募集型企画旅行の登録型派遣添乗員として、Xを雇用した。日当は1万6000円であり、就業条件明示書には、労働時間を原則として午前8時から午後8時とする定めがあった。

Y社では、従業員代表との間で事業場外みなし労働時間制に関する協定書が作成されており、そこでは、派遣添乗員が事業場外において労働時間の算定が困難な添乗業務に従事した日については、休憩時間を除き、1日11時間労働したものとみなす旨の記載があった。

Xは、Y社に対し、未払時間外割増賃金、付加金等を求めた。

【裁判所の判断】

事業場外みなし労働時間制の適用を受ける場合にあたらない。

【判例のポイント】

1 この制度は、労働者が事業場外で行う労働で、使用者の具体的な指揮監督が及ばないため、使用者による労働時間の把握が困難であり、実労働時間の算定が困難な場合に対処するために、実際の労働時間にできるだけ近づけた便宜的な労働時間の算定方法を定めるものであり、その限りで使用者に課されている労働時間の把握・算定義務を免除するものと解される。
そして、使用者は、雇用契約上、労働者を自らの指揮命令の下に就労させることができ、かつ、労基法上、時間外労働に対する割増賃金支払義務を負う地位にあるのであるから、就労場所が事業場外であっても、原則として、労働者の労働時間を把握する義務を免れないのであり(労基法108条、同規則54条参照)、同法38条の2第1項にいう「労働時間を算定し難いとき」とは、当該業務の就労実態等の具体的事情を踏まえて、社会通念に従って判断すると、使用者の具体的な指揮監督が及ばないと評価され、客観的にみて労働時間を把握することが困難である例外的な場合をいうと解するのが相当である。
本通達は、事業場外労働でも「労働時間を算定し難いとき」に当たらない場合についての、発出当時の社会状況を踏まえた例示であり、本件通達除外事例(1)(2)(3)に該当しない場合であっても、当該業務の就労実態等の具体的事情を踏まえ、社会通念に従って判断すれば、使用者の具体的な指揮監督が及びものと評価され、客観的にみて労働時間を把握・算定することが可能であると認められる場合には、事業場外労働時間のみなし制の適用はないというべきである

2 ・・・そうすると、本件添乗業務においては、指示書等により旅行主催会社である阪急交通社から添乗員であるXに対し旅程管理に関する具体的な業務指示がなされ、Xは、これに基づいて業務を遂行する義務を負い、携帯電話を所持して常時電源を入れておくよう求められて、旅程管理上重要な問題が発生したときには、阪急交通社に報告し、個別の指示を受ける仕組みが整えられており、実際に遂行した業務内容について、添乗日報に、出発地、運送機関の発着地、観光地や観光施設、到着地についての出発時刻、到着時刻等を正確かつ詳細に記載して提出し報告することが義務付けられているものと認められ、このようなXの本件添乗業務の就労実態等の具体的事情を踏まえて、社会通念に従って判断すると、Xの本件添乗業務には阪急交通社の具体的な指揮監督が及んでいると認めるのが相当である

3 労基法32条の労働時間とは、労働者が使用者(本件では派遣先の阪急交通社。)の指揮命令下に置かれている時間をいい(最高裁平成12年3月9日判決)、労働者が実作業に従事していない時間であっても、労働契約上の役務の提供を義務付けられていると評価される場合には、使用者の指揮命令下に置かれているものであって、当該時間に労働者が労働から離れることを保証されていて初めて、労働者が使用者の指揮命令下に置かれていないものと評価することができると解するのが相当である(最高裁平成14年2月28日判決)。
本件添乗業務の内容によれば、添乗員は、実際にツアー参加者に対する説明、案内等の実作業に従事している時間はもちろん、実作業に従事していない時間であっても、ツアー参加者から質問、要望等のあることが予想される状況下にある時間については、ツアー参加者からの質問、要望等に対応できるようにしていることが労働契約上求められているのであるから、そのような時間については、労働契約上の役務の提供を義務付けられているものであって、労働からの解放が保障されておらず、労基法上の労働時間に含まれると解するのが相当である

なかなか厳しい判断ですが、裁判所の判断傾向からすれば驚く話ではありません。

労働時間に関する考え方は、裁判例をよく知っておかないとあとでえらいことになります。事前に必ず顧問弁護士に相談することをおすすめいたします。

本の紹介117 ゲーテのコトバ(企業法務・顧問弁護士@静岡)

おはようございます また一週間が始まりましたね。 もう8月も今週で終わりです。
写真 12-08-25 12 35 56
←先日、SEの方と、事務所の近くの「つむら屋」に行ってきました。

いつも鴨せいろを注文してしまいます。

今日は、午前中は、労務管理に関する新規相談が入っています。

午後は、証人尋問の打合せと離婚調停が入っています。

夕方から、月一恒例のラジオです。

今日も一日がんばります!!

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さて、今日は本の紹介です。
ゲーテのコトバ (ゲーテビジネス新書)
ゲーテのコトバ (ゲーテビジネス新書)

「ゲーテとの対話」「イタリア紀行」「ゲーテ格言集」から、ゲーテの言葉を抜粋し、その言葉について、著者が思うところを書いている本です。

「ゲーテビジネス新書」で「ゲーテのコトバ」というタイトル。 ゲーテづくし。

さて、この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

探求と誤ちは結構なことだ。探求と誤ちを通して人は学ぶのだからね。」(73頁)

負けること。落ちること。あやまること。自らの領域を耕していく上で、こうしたことほど大事な体験はないと私は思う。なぜならば、領域を立体化し、豊かにしていくためには、転がり落ちた場所からの視線も必要だからだ。」(75頁)

これは、私の人生観、仕事観にとても近いです。

失敗をいかに次につなげるか、ということばかり考えています。

どれだけ準備をしても、100%完璧ということは、まずありません。

人生や仕事は、失敗との向き合い方で成長のしかたが全く変わってくると確信しています。

すべては、次のステージへ上がるために必要だからこそ起こっていると考えています。

死ぬまで向上していきたいです。

向上心がなくなったら、この仕事、やめますよ。

労働時間27(阪急トラベルサポート(派遣添乗員・第1)事件)

おはようございます。

さて、今日から、3回連続で、派遣添乗員の労働時間算定に関する高裁判決を見ていきます。

今日は、国内旅行派遣添乗員の事業場外みなし時間制適用の可否に関する控訴審判決を見てみましょう。

阪急トラベルサポート(派遣添乗員・第1)事件(東京高裁平成23年9月14日・労判1036号14頁)

【事案の概要】

Y社は、旅行その他旅行関連事業を行うことを等を業とする会社である。

Xは、Y社の派遣添乗員として、阪急交通社に派遣され、同社の国内旅行添乗業務に従事している。

Y社では、派遣添乗員につき、事業場外みなし労働時間制が採用されている。

Xは、Y社に対し、未払時間外割増賃金、付加金等を求めた。

【裁判所の判断】

事業場外みなし労働時間制の適用を受ける場合にはあたらない。

【判例のポイント】

1 事業場外みなし労働時間制は、使用者の指揮監督の及ばない事業場外労働については使用者の労働時間の把握が困難であり、実労働時間の算定に支障が生ずるという問題に対処し、労基法の労働時間規制における実績原則の下で、実際の労働時間にできるだけ近づけた現実的な算定方法を定めるものであり、その限りで労基法上使用者に課されている労働時間の把握・算定義務を免除するものということができる
そして、使用者は、雇用契約上従業員を自らの指揮命令の下に就労させることができ、かつ、労基法上時間外労働に対する割増賃金支払義務を負う地位にあるのであるから、就労場所が事業場外であっても、原則として、従業員の労働時間を把握する義務があるのであり、労基法38条の2第1項にいう「労働時間を算定し難いとき」とは、就労実態等の具体的事情を踏まえ、社会通念に従い、客観的にみて労働時間を把握することが困難であり、使用者の具体的な指揮監督が及ばないと評価される場合をいうものと解すべきこと及び旧労働省の通知が発出当時の社会状況を踏まえた「労働時間を算定し難いとき」の例示であることは、原判決の判示するとおりである

2 確かに、使用者の指揮監督が及んでいなくとも、従業員の自己申告に依拠した労働時間の算定が可能な限りは「労働時間を算定し難いとき」に当たらないというのであれば、「労働時間を算定し難いとき」はほとんど想定することができず、事業場外みなし労働時間制が定められた趣旨に反するというべきである。しかし、本件で問題となっているのは、自己申告に全面的に依拠した労働時間の算定ではなく、社会通念上、事業場外の業務遂行に使用者の指揮監督が及んでいると解される場合に、補充的に従業員の自己申告を利用して労働時間が算定されるときであっても、従業員の自己申告が考慮される限り、「労働時間を算定し難いとき」に当たると解すべきかということであり、事業場外みなし労働時間制の趣旨に照らすと、使用者の指揮監督が及んでいるのであれば、労働時間を算定するために補充的に自己申告を利用する必要があったとしてもそれだけで直ちに「労働時間を算定し難いとき」に当たると解することはできず、当該自己申告の態様も含めて考慮し、「労働時間を算定し難いとき」に当たるか否かが判断されなければならない

3 添乗員による行程管理が指示書の記載に捕らわれず、その場の事情に応じた臨機応変なものであることを要求されるという意味では、添乗員の行程管理がその裁量に任されている部分があるといえるとしても、添乗員の裁量はその限りのものであって、そのような裁量があることを理由に添乗員が添乗業務に関する阪急交通社の指揮監督を離脱しているということはできない。また、添乗日報は、添乗員が指示書により指示された行程を実際に管理した際の状況を記載して報告した文書であり、一部に記載漏れや他の記載との若干の齟齬はみとめられるものの、その記載は詳細であって、事実と異なる記載がされ、あるいは事実に基づかないいい加減な記載がされているというような事実は認められない。なお、指示書の記載と異なる点が多くある理由は前記のとおりであって、指示書の記載と異なる点が多いからといって、添乗日報の記載の信用性は減殺されない。
・・・添乗員の行程管理については多くの現認者が存在しており、添乗日報の到着時刻や出発時刻について虚偽の記載をすればそれが発覚するリスクは大きく、その点も添乗日報の記載の信用性を高める状況の一つということができる。そして、現に、Xが作成した本件各ツアーに係る添乗日報の信用性を疑うべき事情は何ら認められない。

4 ・・・社会通念上、添乗業務は指示書による阪急交通社の指揮監督の下で行われるもので、Y社は、阪急交通社の指示による行程を記録した添乗日報の記載を補充的に利用して、添乗員の労働時間を算定することが可能であると認められ、添乗業務は、その労働時間を算定し難い業務には当たらないと解するのが相当である

上記判例のポイント1、2の規範はしっかり押さえておきましょう。

かなり適用範囲は狭いので注意が必要です。

労働時間に関する考え方は、裁判例をよく知っておかないとあとでえらいことになります。事前に必ず顧問弁護士に相談することをおすすめいたします。

本の紹介116 日本人の美徳を育てた「修身」の教科書(企業法務・顧問弁護士@静岡)

おはようございます 今日もいい天気ですね!
写真 12-08-20 21 57 36
←先日、事務所の近くの「小だるま亭」に行きました。炙りしめさば。

うまかったです。

今日は、午前中は、裁判が3件入っています。

お昼は、ラジオの打合せです。

午後は、刑事裁判が入っています。その後は、裁判の打合せが入っています。

めいっぱい予定が入っています。

今日も一日がんばります!!

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さて、今日は、本の紹介です。
日本人の美徳を育てた「修身」の教科書 (PHP新書)
日本人の美徳を育てた「修身」の教科書 (PHP新書)

この本は、戦前の尋常小学修身書4~6年生のテキストを、現代語訳したものです。

とてもいい本です。ぜひ、子どもがいる方は、子どもと一緒に読んでみてください。

おすすめの一冊です!

これ、小学校の教科書にすればいいのに。

1つ1つが完結したストーリーとなっており、とても読みやすい本です。

是非、みなさん、読んでみてください。

賃金47(NEXX事件)

おはようございます。

さて、今日は、賃金減額、欠勤控除、普通解雇に関する裁判例を見てみましょう。

NEXX事件(東京地裁平成24年2月27日・労判1048号72頁)

【事案の概要】

Y社は、電子機器、システム開発及び販売等を業とする会社である。

Xは、当初、Y社のアルバイトとして稼動していたが、平成17年1月以降は正社員として、給与は月60万3500円とする契約を締結した。

Y社は、当初、Xに対し、月額60万円を基準として支給していたが、平成18年6月分の給与につき、これまでの額面から20%分(12万円)減額した48万円として、以後、同額を基準として給与を支払うようになった。

Xは、平成21年6月、Y社に対し、要求書により、従前の契約どおり月額60万円の給与の支払いを求めるまで、約3年間にわたって減額後の給与を受領し続けていた。

Y社は、業務命令の無視、反抗の継続、職務遂行能力の欠如等を理由に、平成21年7月、Xを普通解雇した。

【裁判所の判断】

賃金減額は無効
→減額分約324万円の支払を命じた

解雇は有効

【判例のポイント】

1 労働契約の内容である労働条件の変更については、労使間の合意によって行うことができるところ(労働契約法8条)、一般に、この場合の合意は、明示であると黙示であるとを問わないものとされている。しかし、労働契約において、賃金は最も基本的な要素であるから、賃金額引下げという契約要素の変更申入れに対し、労使間で黙示の合意が成立したということができるためには、使用者が提示した賃金額引下げの申入れに対して、ただ労働者が異議を述べなかったというだけでは十分ではなく、このような不利益変更を真意に基づき受け入れたと認めるに足りる合理的な理由が客観的に存在することが必要であるというべきであり、この意味で、Y社側の一方的な意思表示により賃金を改訂することができるものとする本件改訂条項は、労働契約法8条に反し無効というべきである。

2 (1)本件給与減額については、その適用対象者が社長の妻である管理部長以外の正社員2名(X及びA)のみであり、反対の声を上げることが困難な状況にあったこと、(2)減額幅が20%減と非常に大幅なものであるにもかかわらず、激変緩和措置や代替的な労働条件の改善策は盛り込まれていないこと、(3)平成18年4月に実施した本件説明会において、Y社が、売上げ・粗利益ともに振るわない現状にあることから、業績変動時の給与支給水準を設けたい旨を抽象的に説明したことは認められるものの財務諸表等の客観的な資料を示すなどして、Xら適用対象者に対し、このような大幅減給に対する理解を求めるための具体的な説明を行ったわけではないことが認められる。以上によれば、たとえ、約3年間にわたって本件給与減額後の給与をY社から受領し続けていたとしても、Xが、本件給与減額による不利益変更を、その真意に基づき受け入れたと認めるに足りる合理的な理由が客観的に存在するということはできない。よって、本件給与減額につき、Xとの間で黙示の合意が成立していたということはできない。

賃金減額における同意についてはよく問題となりますが、裁判所は同意の認定に非常に慎重です。

労働者の同意の取り方については、事前に顧問弁護士に相談することをおすすめいたします。