本の紹介90 一流の人に学ぶ自分の磨き方(企業法務・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。 

さて、今日は本の紹介です。
一流の人に学ぶ自分の磨き方

一流の人に学ぶ自分の磨き方

典型的な自己啓発本ですね(笑)

一流の人と二流の人の差は紙一重だとし、考え方のちょっとした違いが、大きな差として表れるようです。

小さなものが寄せ集まると最後には決定的な違いとなってあらわれるようです。

実際そうですよね。

オーソドックスな内容で、変な変化球もなく、すーっと入ってくる本です。

いい本だと思います。

さて、この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

二流の人は失敗を苦痛とみなし、プライドを守るために失敗を避けるべきだと考える。だからできるとわかっていることしかしようとしない。
一流の人はプライドを守ることに興味がない。彼らに興味があるのは、学習し、成長し、変身することだ。
一流の人は失敗を成功の条件とみなし、失敗を教師として教訓を学ぼうとする。
・・・一流の人は失敗を軌道修正の好機とみなす。それは快適とは限らないが、ビジョンの実現に必要な知恵を得るために不可欠だと考える。
二流の人は失敗しないことに集中して多くの時間を空費する。
一流の人は失敗を生かして成功に結びつけることを考える。
」(148~149頁)

一流か二流かはさておき、失敗についてどのように考えるかによって、人生や仕事での幸福感がかなり変わってくると思います。

これは完全に考え方の問題であって、性格の問題ではありません。

つまり、誰でも考え方を変えれば、今よりも幸福感を感じることができると思っています。

「失敗を成功の条件とみなし、失敗を教師として教訓を学ぼうとする」姿勢が身につけば、そう簡単には心が折れなくなります。

新しいことに挑戦し続ける以上、死ぬまで失敗がついてまわります。

失敗するのがいやなら、ずっと同じことをしていればいいのです。

でも、そんなのつまらないですよね。 生きている心地がしません。

失敗したときにこそ、もう一つ上のステージに上がれるチャンスととらえることは誰にでもできることです。

幸い、僕は、このような考え方ができるようになったので、失敗を単なる失敗として終わらせることはありません。

どんどん挑戦して、失敗をしながら、すすんでいくしかないのです。

それが人生なんだと思います。

不当労働行為41(京都市事件)

おはようございます。

さて、今日は、嘱託契約不更新、団交応諾義務と不当労働行為に関する命令を見てみましょう。

京都市事件(京都府労委平成24年2月28日・労判1044号93頁)

【事案の概要】

平成22年4月から平成23年3月まで非常勤嘱託員として京都市の行財政局総務部総務事務センターに任用されていたXは、22年9月、同センター長Aの提案した文書運搬業務の変更について、同僚の嘱託員と共に再検討を求め、同年11月、Aは提案を撤回した。

AはXに対し、勤務時間中にパソコンを使って業務と関係のないホームページの閲覧を行ったこと等について面談を行い、AはXに服務指導に応じるよう命じる旨の業務命令書を交付した。

組合は、市に嘱託員の雇用継続等を求めて団交を申し入れ、Aの服務指導がパワハラに当たるおそれがあるとし中止を求めるやりとりを行った。

23年2月、行財政局人事部長Bは、組合の役員に対し、Xが服務指導を受けない限り任用の更新はできない、服務指導に応じれば「一旦リセットして考える」などと述べ、Xは服務指導に応じた。

組合は、嘱託員の雇用継続およびXに対する服務指導のあり方に関する団交を申し入れたが、京都市は、団交申入れの際に組合役員が職場内で大声を発したことなどを理由として団交に応じなかった。

同年3月末、京都市は、Xに対し4月末まで任用するが、同日をもって任用を更新しないと通知した。

【労働委員会の判断】

嘱託契約不更新は不当労働行為にはあたらない

団交に応じないことは不当労働行為にあたる

【命令のポイント】

1 ・・・このような事実からすれば、AがXに対する服務指導に係る対応の経過はいささか不自然であると考えざるを得ない。さらに、Aは、業務命令書まで発してXを面談に応じさせようとしており、これについてはIも異常と発言している。
このような不自然な経過及び態様からすれば、AがXに対してとった服務指導に係る対応には行き過ぎがあったものといわざるを得ない。そして、その後も、平成23年2月8日の団体交渉で、京都市自身が、Aの対応がパワハラかどうか検討する間、Xに対する働きかけを凍結する旨回答し、・・・Xの任用の更新に対する期待について十分な合理性が認められることをあわせ考えれば、京都市の主張する面談拒否等をもって、Xの任用の更新を行わないまでの理由とすることには、その合理性に疑念を抱かざるを得ない

2 Xは、本件非更新の理由に合理性がないことから、本件非更新がXの組合活動の故であることが推認されると主張するが、単に本件非更新の理由に合理性がないからといって、直ちに、それが組合活動の故になされたものであるとはいえない。
・・・本件非更新の理由は、もともと服務指導に応じるよう求められていたXが、この指導に応じなかったことにあり、組合がこのような指示を行ったか否かにかかわりなく、本件非更新は行われたものと推認されるから、本件非更新は組合活動の故になされたものとはいえない
。よって、組合の主張は採用できない。

3 以上、判断したとおり、本件非更新は労組法7条第1号の不利益取扱いには該当せず、よって、同条第3号の支配介入にも該当しない。

京都市が団交に応じなかったことは不当労働行為に該当するとの判断は、いつもの通りです。

それに対して、Xを更新しなかったことについては、合理性に疑問があるにもかかわらず、組合活動の故になされたものではないと判断し、不当労働行為には該当しないということです。

Xとすれば、京都市を相手として、民事訴訟で任用不更新の効力を争うのとともに、慰謝料請求をすることが考えられますね。

なかなか任用不更新の効力を覆すのは大変ですが。

組合との団体交渉や組合員に対する処分等については、まずは事前に顧問弁護士から労組法のルールについてレクチャーを受けることが大切です。決して素人判断で進めないようにしましょう。

本の紹介89 議論に絶対負けない法(企業法務・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。

さて、今日は本の紹介です。

議論に絶対負けない法: 欲しいものを手に入れる「必勝のセオリー」
議論に絶対負けない法: 欲しいものを手に入れる「必勝のセオリー」

アメリカの弁護士が書いた本です。

この本は、今から15年以上前に出版された本を再編集したものです。

内容的には、かなりすっきりしたため、とても読みやすくなりました。

もっとも、最初に出された本を読んだことがある人は、この本を読むと、少し味気なく感じると思います。

さて、この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

『一に準備、二に準備!』 私がそう言うと、若い弁護士は当てがはずれたような顔をする。彼らは労働を迂回できるような、楽な方法を知りたくて仕方がないのだ。しかし、本当の準備は労働などではない。
準備とは、創造する喜びだ。準備とは人生を苦労して前進すること、悩みながら生きていくこと、波にもまれながら生きていくこと、人生を生きることだ。
並はずれたIQを持っているが準備をするチャンスに恵まれなかった人よりも、力強い議論の準備を整えているふつうの人になりたい。
結局、天才とは脳細胞を決定したDNAのことを言うのではない。天才とはエネルギーだ。天才は準備で作られる。
」(101~102頁)

心に響きますね。

準備とは、創造する喜びだ。

準備とは、人生を苦労して前進することだ。

準備とは、悩みながら生きていくことだ。

準備とは、人生とは波にもまれながら生きていくことだ。

準備とは、人生を生きることだ。

悩みながら進んでいくこと自体を楽しめるようになったら、もうひとつ上のステージに上がれるような気がします。

早くこの問題から解放されたいと考えるのではなく、徹底的に問題と向き合うことで見えてくることがあります。

問題から目を背けても何の解決にもならないことは経験上よくわかっています。

徹底的に向き合うしかないわけです。

もうひとつ上のステージに上がるチャンスと捉えることができれば、あとはやるべきことをやるだけです。

有期労働契約29(リンゲージ事件)

おはようございます。

さて、今日は、語学教室外国人講師に対する雇止めの有効性に関する裁判例を見てみましょう。

リンゲージ事件(東京地裁平成23年11月8日・労判1044号71頁)

【事案の概要】

Y社は、リンガフォン事業、グローバルスタディ事業等を事業内容とする会社である。

Xは、平成10年、A社と期間1年の雇用契約を締結し、英会話の授業等の業務に従事した。

同契約は8回にわたり更新された。その後、Y社は、A社は、A社から事業譲渡を受け、その事業を引き継いだ。

Y社における組合の組合員はXを含め3名となり、組合が再結成され、Xが執行委員長に就任した。

Y社は、組合活動再開の動きの中で、各校の管理者に宛てて、本件組合の組合員3名について、「どんなに小さいことでも気になる行動は報告」すること等を求める内容の電子メールを発出した。

その後、Xは、レッスン中、生徒に自分の腹部を触らせる等の問題行動、不適切行為、業務命令違反が数多く発覚した。そのため、Y社はXに対して、3度にわたり警告書を発出したが、Xは、同警告書に署名することを拒否した。

Y社は、平成20年11月、Xに対し同年12月の期限経過をもって本件契約が更新されない旨を通知した。

【裁判所の判断】

雇止めは無効

【判例のポイント】

1 本件雇止めを受けるまで10年間にわたり、A社ないし同社から事業譲渡を受けたY社において雇用され、その間、A社とは8回、Y社とは1回の契約更新を経ているXが、本件契約が更新されると期待することに合理性があるとして、本件雇止めに解雇権濫用法理が類推適用されるものと解するのが相当である

2 A社及びY社においては、外国人講師の契約更新時に、当該講師のレッスン内容や適格性に応じた契約内容の見直しが一定程度予定されていたものと認められるから、本件雇止めに解雇権濫用法理の類推適用が認められるとは言っても、その際の判断基準は、通常の期間の定めのない契約における解雇の場合に比して、必ずしも厳格なものであることを要しないと解するのが相当である。

3 本件雇止めは、組合員のみをターゲットにした情報収集によって得られたネガティブ情報に基づいて行われたものであり、当該情報収集がなければ、本件雇止め自体が存在しなかったという関係にあるものと認められるから、本件雇止めが社会的に相当なものであると言えるかについては重大な疑問が存すると言わざるを得ない

4 本件雇止めについては、厳密な意味で不当労働行為に該当するかはともかく、Xが本件組合の組合員であったことに起因して課せられた不利益であると評価せざるを得ず、そうであるとすれば、本件雇止めは、社会的に相当なものであるとは認め難いから、無効と言うほかはない

雇止めを無効と判断した理由が変わっていますね。

情報収集のしかたが、相当でないことを理由としています。

このような理由から雇止めや解雇が無効になる可能性があるということは頭に入れておきたいですね。

有期労働契約は、雇止め、期間途中での解雇などで対応を誤ると敗訴リスクが高まります。

事前に顧問弁護士に相談の上、慎重に対応しましょう。

本の紹介88 コンフィデンス・シンキング(企業法務・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。 

さて、今日は本の紹介です。
コンフィデンス・シンキング ~成功のための7つの絶対原則~
コンフィデンス・シンキング ~成功のための7つの絶対原則~

コンフィデンス・シンキング・・・?

自信思考・・・?

帯には、「自信に根拠はいらない。その『自信』がすべてを可能にする。」と書かれています。

全体を通して、根拠のない自信の重要性が説かれています。

わかりやすいことばでいいことが書かれています。

さて、この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

『絶対的な自信』を持つことを阻む要素が、あなたのすぐ身近に存在します。それは『他者の声』です。悪いことに、そして多くの人がこの事実に気づいていないのですが、家族、恋人、友人など、身近な人であればあるほど、ドリームキラー(夢の殺し屋)となって、あなたが自信を持つことを阻むのです。
・・・『無理に決まっているだろ!』『夢みたいなこと言って。ちゃんと現実を見なさい。』・・・というふうに、完全否定されるケースが圧倒的多数を占めます。
」(34~35頁)

他人の声に揺れて自信を失うことが、ひいては、自分の人生を他人に支配されることが、いかに自分の無限の可能性を自分で狭めることになるか分かると思います。根拠はなくてかまいません。」(39頁)

自信を持つ、自信を持たせることの大切さは、よくわかります。

自信を持つことにより、自分の選択がぶれなくなる気がします。

根拠のない自信でも構わないとは思いますが、やはり、根拠のある自信の方がよりいいですよね。

自分で自分はごまかせないですから。

単に「僕はできる!僕ならできる!」と念仏を唱えていても、心の中では、「失敗したらどうしよう・・・」と不安に思っているのです。

そうではなくて、根拠のある自信、つまり、これまでの経験や成功体験に裏づけられた自信を持つべきだと思います。

そのためにはどうしたらよいか。

やはり、小さな成功を繰り返すしかないんだと思います。

小さな目標を設定し、着実に達成していくことが最も効果的だと思います。

大きな問題は、できるだけ小さい問題に分けて、解決できるところからどんどん解決していくということを習慣化すれば、自ずと「根拠のある自信」が生まれてくると信じています。

配転・出向・転籍13(C株式会社事件)

おはようございます。

さて、今日は、営業担当者に対する配転命令の適法性に関する裁判例を見てみましょう。

C株式会社事件(大阪地裁平成23年12月16日・労判1043号15頁)

【事案の概要】

Y社は、スイスに本社を、世界各国に支社・営業所等を置き、陸・海・空にわたる国際的な運送業務を主な営業内容とするA社の100%出資にかかる日本法人である。

Xは、アメリカの大学を卒業し、日本において国際輸送業務を扱う企業数社に勤務した後、平成18年11月、Y社と雇用契約を締結した。

Xは、Y社入社後、大阪営業所の営業担当として勤務していた。

Y社は、親会社からの売上減少による人件費削減の指示を受け、退職勧奨を開始した。

Xは、Y社からの退職勧奨を拒絶したところ、Y社から整理解雇する旨の通知を受けた。

Xは、大阪地裁に対し、本件解雇は無効であるとして、地位保全、賃金仮払いの仮処分申立てを行ったところ、大阪地裁は、賃金仮払いの一部を容認する決定をした。

Y社は、その後、本件解雇を撤回すること、名古屋営業所の「輸出入カスタマーサービススタッフ」としての勤務を命ずる旨の辞令を発した。

Xは、本件配転命令は無効であると主張し、提訴した。

【裁判所の判断】

配転命令は無効

Y社に対し、慰謝料として50万円の支払を命じた

【判例のポイント】

1 ・・・これらの点からすると、Xが主張するような勤務地限定の合意があったとは認められない。

2 確かに、遠隔地異動に際しては、当該対象者の意向を尊重することは望ましく、これまでY社としてもかかる取扱いをしてきたことがうかがわれるが、同取扱いが上記就業規則や雇用契約上の条項等に優先した労使慣行になっていたとまで認めるに足りる的確な証拠は見出し難い。したがって、その限りにおいて、Xの上記主張は理由がないといわざるを得ない

3 配転命令については、業務上の必要性が存しない場合又は業務上の必要性が存する場合であっても、当該配転命令が他の不当な動機・目的をもってなされたものであるとき若しくは労働者に対して通常甘受すべき程度を著しく超える不利益を負わせるものであるとき等特段の事情が存する場合には権利の濫用として無効であると解するのが相当である(東亜ペイント事件最高裁判決)。

4 (1)名古屋営業所においては、Xが配属されるまで、Xが担当する輸出案件に特化したカスタマーサービススタッフはおらず、名古屋営業所における輸出案件は、主としてO社員が担当していたこと、(2)名古屋営業所のL社員は、K業務部長に対し、Xにいかなる業務を担当させたらいいのかという趣旨のメールを送信したのに対して、K業務部長は、Xが担当する輸出案件は多くない旨のメールを返信していること、(3)本件配転命令後、Xが名古屋営業所において実際に従事した業務内容は、特に輸出案件に特化したものではなく、その点について、特に直属の上司であるK業務部長から個別具体的な指示等があったとは認められないこと、Y社は、平成22年7月輸出業務に必要な免許を取得し、同年8月16日から輸出業務の自営が開始されたところ、本件配転命令の時点で、特に、輸出業務に特化したカスタマーサービススタッフが必要であったとまでは認められないこと、(4)船の請求書や実際の輸出のドキュメントを作成したり、顧客と直接コンタクトをとって、集荷の手配等のいわゆるオペレーション業務については、大阪営業所で行っており、名古屋営業所では行っていなかったこと、一方、(5)大阪営業所においては、Xが配転した後、同じ営業職の後任者は配属されておらず、同事務所全体としては、輸出案件に特化した(あるいは、輸出もできる)カスタマーサービススタッフを大阪営業所に配置することも十分に可能かつ容易であったと考えられること、以上の事実が認められ、これらの事実を総合的に勘案すると、本件解雇を撤回し、Xが職場復帰するという平成22年3月時点において、あえてXを輸出案件に特化した、あるいは輸出案件もできるカスタマーサービススタッフとして名古屋営業所に配転する必要性及び合理性があったとまでは認め難い。

5 (1)本件配転命令は、配転命令権を濫用する無効なものであって、XにはY社の名古屋営業所において就労する義務があるとはいえないこと、(2)本件配転命令が本件解雇に関する仮処分決定後、本件解雇を撤回した後、Xを元の職場である大阪営業所に復帰させることなくなされていること、(3)大阪営業所には、Xを受け入れることが不可能な状況にあったとはいえないことからすると、本件配転命令は、業務上の必要性及び合理性がないにもかかわらず、本件仮処分決定を契機としたXの復帰に当たって、不当な動機目的をもってなされたものと推認することができ、かかる経緯等にかんがみると、損害賠償請求権を発生させるに足りる違法性を有しているといえ、不法行為に該当すると認めるのが相当である

まず、勤務地限定の合意については、裁判所はそう簡単には認めてくれません。

今回のケースは、解雇に関する仮処分決定が事前に出されている点が大きいですね。

これが、不当な動機目的を推認させる事情となっています。

こういうわかりやすい事情があると従業員側としては、戦いやすいですね。

会社側とすれば、時期をずらすなどの工夫が必要です。

実際の対応については顧問弁護士に相談しながら行いましょう。

本の紹介87 仕事は99%気配り(企業法務・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。

さて、今日は本の紹介です。
仕事は99%気配り (朝日新書)
仕事は99%気配り (朝日新書)

かばんはハンカチの上に置きなさい」の著者川田さんの本です。

川田さんの具体的な気配りのしかたが書かれており、大変勉強になります。

どんどん取り入れていきたいと思います。

さて、この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

相手をよく観察して、自分にできることは何かを考え、その人のために役に立てることが、ビジネスにおいての『気配り』になるのではないでしょうか?」(180頁)

自分の思いを正直に伝えて、契約をゴールとして考えず、『ご縁』を育てることをゴールとして考えたことが、10年以上経ってから、とんでもなく大きな花を咲かせてくれたのです。人の縁というのは、様々な花の咲かせ方があるんだと思います。」(206頁)

目先の利益だけを追うのではなく、長くお付き合いをすることが大切です。

長くお付き合いをする上で大切だと思うのが、まずは相手の利益を考えることです。

自分だけ得をすればいいという発想では長いお付き合いはできません。

相手にどうしたら喜んでもらえるかを考え、相手のためにできる限りの「気配り」をする、これが王道だと思います。

お互いにそのように思える方と仕事をしているととても気持ちがいいです。

「自己犠牲からしか信頼は生まれない」ということなんだと思います。

不当労働行為40(ヤンマー事件)

おはようございます。

さて、今日は、期間従業員の雇止めと不当労働行為に関する命令を見てみましょう。

ヤンマー事件(滋賀県労委平成24年2月15日・労判1044号94頁)

【事案の概要】

Y社は、平成20年8月、びわ工場で就労する派遣労働者を期間従業員として直接雇用する旨を公表した。

派遣会社に雇用され、派遣労働者としてびわ工場組立グループおよび機械グループに従事していたX2とX3は、それぞれ契約期間を20年9月から21年2月までとする期間従業員としてY社に雇用された。

Y社は21年1月、組立グループおよび機会グループの期間従業員を対象に雇用契約に関する説明会を開催し、リーマンショックによる受注の急激な減少により組立グループは期間従業員全員の雇用契約を更新できない旨を、また、機械グループは期間従業員の一部の者と契約を更新できなくなった旨を説明した。

当時期間従業員の中で組合員であったのは14名であったが、そのうち組立グループのX2を含む11名全員および機械グループのX3は雇止めとなった。

組合は、X2およびX3の雇止めが不当労働行為であるとして本件救済を申し立てた。

【裁判所の判断】

雇止めは、不当労働行為にはあたらない

【判例のポイント】

1 ・・・以上を総合考慮すると、Y社がTNエンジンの受注回復の見通しの立たない平成20年12月の段階で、平成21年2月に雇用期間満了を迎える期間従業員の雇止めの方針を決定し、これを実行したことはやむを得ない措置であったといわざるをえない
組合は、TNエンジンの生産は同年5月度には増加に転じていることからするとY社はこれは予測可能であり、少なくとも半年くらいのスパンでリーマンショックの影響について分析して人員整理の必要性等を検討すべきであったのに平成20年12月という早い段階で期間従業員の雇い止めの方針を決定したのは不当である旨主張する。しかし、前記のとおり、Y社が受注回復についての見込みがたてられたとは認められず、毎月大きく受注量が減少していくなかで長期のスパンでの人員計画をするというのも困難であったと認められるから組合の主張は理由がない。

2 ・・・人事評価の成績の下位のものから順次7名を雇い止めの対象者として選定したが、その対象者のなかに組合員X3が含まれていたものである。
余剰人員の決定方法について不合理とされるべき事情は認められず、その人選について人事評価をもって決定したことについても合理性が認められる。

3 以上を総合すると、組合員X2および組合員X3の雇い止めは、専らリーマンショックに端を発する世界同時不況によるY社の業績悪化に対する措置としてやむなく取られたものと認められるのであり、組合の活発な組合活動があり、ビラ配布などをめぐってY社とトラブルがあって両者が緊張関係にあったことを考慮に入れたとしても、これをもって組合員であることを理由とする不利益取扱ないしは組合潰しをねらった支配介入であると認めることはできない。

整理解雇の一環として雇止めの合理性が認められています。

あくまで不当労働行為該当性を判断するにあたって、そのように判断されているものであり、訴訟で整理解雇の有効性が争われた場合に、当然に同じ結論になるとも限りません。

組合との団体交渉や組合員に対する処分等については、まずは事前に顧問弁護士から労組法のルールについてレクチャーを受けることが大切です。決して素人判断で進めないようにしましょう。

本の紹介86 自分の秘密-才能を自分で見つける方法-(企業法務・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。

さて、今日は本の紹介です。
自分の秘密 才能を自分で見つける方法
自分の秘密 才能を自分で見つける方法

そそられる題名だったので、買ってしまいました。

帯には、

誰にも『才能』はある。・・・成功者だけが知っている『秘密』を学べば、どんな人でも、無理なく、『自分の才能』に気づき、上手に活かすことができるのだ。

と書かれています。

才能はみんなあるんだけど、それを活かしていないという発想です。

確かにそうかもしれませんね。

さて、この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

多くの人が行動しようとしてもできないのは、自分の『感情』『思考』に沿わない行動をしようとしているから。『頭でわかっていてもできない』理由です。あなたとは違う『才能の源泉』『能力の源泉』を持つ人を真似ようとしても、それは無理なもの。信じていることが違うからです。
・・・自分と異なる『才能の源泉』『能力の源泉』の人物を真似るのは、まるで別人になろうとするようなもの。・・・自己啓発書をむさぼり読んでも、やる気や行動につながらないとしたら、自分に合った本を選べていない可能性があります。
」(192~193頁)

自分が「こういう人になりたい」と思う人の行動、考え方を真似することは、とても有益だと思います。

それは、複数の人を対象にしてもいいと思います。 1人に限定する理由はありません。

自分が「こういう人になりたい」と思う以上、無理なく真似することができるのではないでしょうか。

ただそれだけの話だと思います。

「こういう人になりたい」と思える人が身近にいる人は、幸せですね。

私のまわりには、そのように思える先輩が何人もいます。 とても幸せなことです。

そういう先輩からはどんどんいいところを吸収しなければ、後輩として損です。

一緒にごはんを食べて、話をして、どんどん吸収しましょう。

きっと、そういう先輩もその先輩から、同じように吸収してきたのですから。

労働者性5(ビクターサービスエンジニアリング事件)

おはようございます。

さて、今日は、業務委託契約の修理業務従事者の労組法上の労働者性に関する最高裁判決を見てみましょう。

ビクターサービスエンジニアリング事件(最高裁平成24年2月21日・労判1043号5頁)

【事案の概要】

Y社は、音響製品等の設置、修理等を業とする会社である。

Y社は、Y社と業務委託契約を締結してその修理等の業務に従事する業者であって個人営業の形態のもの(個人代行店)が加入する組合から、個人代行店の待遇改善を要求事項とする団体交渉の申入れを受けた。

Y社は、個人代行店はY社の労働者に当たらないなどとして上記申入れを拒絶した。

これに対し、大阪府労働委員会は、Y社に対し、上記申入れに係る団体交渉に応じないことは不当労働行為に該当するとして、団体交渉に応ずべきこと等を命じた。

Y社は、中央労働委員会に対し再審査申立てをしたものの、棄却する旨の命令を受けた。

そこで、Y社は、その取消しを求め、提訴した。

【裁判所の判断】

破棄差戻し

【判例のポイント】

1 ・・・個人代行店は、Y社の事業の遂行に必要な労働力として、基本的にその恒常的な確保のためにY社の組織に組み入れられているものとみることができる。加えて、本件契約の内容は、Y社の作成した統一書式に基づく業務委託に関する契約書及び覚書によって画一的に定められており、業務の内容やその条件等について個人代行店の側で個別に交渉する余地がないことは明らかであるから、Y社が個人代行店との間の契約内容を一方的に決定しているものといえる。さらに、・・・このような実際の業務遂行の状況に鑑みると、修理工料等が修理する機器や修理内容に応じて著しく異なることからこれを専ら仕事完成に対する対価とみざるを得ないといった事情が特段うかがわれない本件においては、実質的には労務の提供の対価としての性質を有するものとして支払われているとみるのがより実態に即しているものといえる。また、・・・個人代行店があらかじめその営業日、業務時間及び受注可能件数を提示し、Y社がこれに合わせて顧客から受注した出張修理業務を発注していることを考慮しても、各当事者の認識や本件契約の実際の運用においては、個人代行店は、なお基本的にY社による個別の出張修理業務の依頼に応ずべき関係にあるものとみるのが相当である。しかも、・・・上記のような通常の業務に費やされる時間及びその対応をも考慮すれば、個人代行店は、基本的に、Y社の指定する業務遂行方法に従い、その指揮監督の下に労務の提供を行っており、かつ、その業務について場所的にも時間的にも相応の拘束を受けているものということができる

2 上記の諸事情に鑑みると、本件における出張修理業務を行う個人代行店については、他社製品の修理業務の受注割合、修理業務における従業員の関与の態様、法人等代行店の業務やその契約内容との等質性などにおいて、なお独立の事業者としての実態を備えていると認めるべき特段の事情がない限り、労働組合法上の労働者としての性質を肯定すべきものと解するのが相当であり、上記個人代行店について上記特段の事情があるか否かが問題となる。
しかしながら、・・・このように、前記事実関係等のみからは、個人代行店が自らの独立した経営判断に基づいてその業務内容を差配して収益管理を行う機会が実態として確保されているか否かは必ずしも明らかであるとはいえず、出張修理業務を行う個人代行店が独立の事業者としての実態を備えていると認めるべき特段の事情の有無を判断する上で必要な上記の諸点についての審理が十分に尽くされていないものといわざるを得ない

3 以上によれば、出張修理業務を行う個人代行店が独立の事業者としての実態を備えていると認めるべき特段の事情の有無を判断する上で必要な上記の諸点について十分に審理を尽くすことなく、上記個人代行店はY社との関係において労働組合法上の労働者に当たらないとした原審の判断には、判決に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反がある。論旨は理由があり、原判決は破棄を免れない。そこで、出張修理業務を行う個人代行店は独立の事業者としての実態を備えていると認めるべき特段の事情のない限りY社との関係において労働組合法上の労働者に当たると解すべきであることを前提とした上で、組合に加入する個人代行店の修理業務の内容、当該個人代行店が独立の事業者としての実態を備えていると認めるべき特段の事情があるか否か、仮に当該個人代行店が労働組合法上の労働者に当たると解される場合においてY社が本件要求事項に係る団体交渉の申入れに応じなかったことが不当労働行為に当たるか否か等の点について更に審理を尽くさせるため、本件を原審に差し戻すこととする。

第1審(東京地裁平成21年8月6日・労判986号5頁)は、労組法上の労働者に当たらないと判断しました。

第2審(東京高裁平成22年8月26日・労判1012号86頁)も、同様に、労組法上の労働者に当たらないと判断しました。

これに対し、最高裁は、特段の事情がない限り、本件個人代行店は労組法上の労働者であると判断しました。

第1審・第2審は、本件委託契約の内容及びそれに基づ
く個人代行店の労務提供の実態からみて、個人代行店がその労働条件等についてY社から現実的かつ具体的に支配、決定されている地位にあるとはいえないし、また、個人代行店が本件委託契約に基づき得る収入が、その労務提供の対価であると認めることもできないとの理由から、個人代行店が、Y社との関係において、労組法上の労働者に当たるとはいえないとしました。

認定の違いからくるものですが、最高裁の判断を考えると、やはり、労組法上の労働者の概念は広いですね。

労働者性に関する判断は本当に難しいです。業務委託等の契約形態を採用する際は事前に顧問弁護士に相談することを強くおすすめいたします。