労働者性28(イヤシス事件)

おはようございます。

今日は、労基法上の労働者性と最低賃金適用の有無に関する裁判例を見てみましょう。

イヤシス事件(大阪地裁令和元年10月24日・労判ジャーナル95号24頁)

【事案の概要】

本件は、リラクゼーションサロンの経営等を目的とするY社の運営する店舗において整体やリフレクソロジー等の施術等の業務を行っていたXらが、XらとY社との間の契約が業務委託契約ではなく労働契約であると主張して、Y社に対し、労働契約に基づき、それぞれ未払の時間外割増賃金等の支払、また、労働基準法114条に基づき、上記未払賃金と同額の付加金等の各支払を求めた事案である。

【裁判所の判断】

労基法上の労働者性肯定

【判例のポイント】

1 Xらの労働基準法上の労働者性について、Xらは、Y社によって業務従事時間の拘束を受けていたといわざるを得ず、また、Xらの報酬は、歩合制であったけれども、1日当たり6000円又は5000円の最低保証額が定められており、しかもXらの業務従事時間が8時間に満たない場合には減額されていたのであるから、Xらの報酬は労働の対価と評価せざるを得ず、そして、Xらが顧客の施術の依頼を自由に断れるわけではないこと、Y社が運営する店舗として他の店舗と同等のサービスを実施してもらう必要があったこと、XらがY社に対し、Y社データや売上兼出勤簿等によって業務報告をしていたこと、Xらの業務従事場所が本件店舗と定められていたこと、本件店舗自体及びその備品をY社が提供していたこと、Xらの報酬がほとんど最低保証額であって最低賃金を下回るものであり、Y社の他の従業員に比して高額なものであったとはいえないこと、本件各契約書には、「遅刻」や「始末書」等労働契約を前提とした文言が記載されていること等から、Xらは、労働基準法上の労働者に当たると認められる。

2 消滅時効について、Xらは、いずれも雇用者として勤務した期間の賃金が支払われていないとして、大阪府の最低賃金とY社の最低保証額の差額、残業代等の支払いを求める書面を送付しており、請求金額が本件請求とは一致しないとしても、同記載から雇用期間の最低賃金額とY社の最低保証額との差額や割増賃金を請求する趣旨であることが読み取れるから、催告として事項の中断効が認められるから、上記各催告から6か月以内に本件訴訟を提起している以上、Xらの本件賃金請求権は時効消滅していない。

リラクゼーションサロンをFCでやっている経営者のみなさん、スタッフと業務委託契約をしている方も多いかと思いますが、契約内容如何によっては、雇用とみなされますので、十分気を付けてください。

本の紹介1021(痩せない豚は幻想を捨てろ)

おはようございます。 今週も一週間がんばりましょう。

今日は本の紹介です。

ダイエットも仕事も、方法論を教えることも大切ですが、やり続けるための意識付けのほうが100倍大切です。

どれだけ正しいやり方を知っていても、継続できなければ、何をやっても結果は出ません。

さて、この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

人間は『本当に力の限りやったか?妥協してないか?俺は本当に頑張ったのか?と、知らず知らずのうちに自分自身に問い続けているのだ。自信の有無は、そのアンサーである。そこに他人の評価は関係ない。そのためにまず他人の評価を気にすることから抜け出すのが第一歩だ。例えば、SNSで『いいね』を多くもらおうとする事、それ自体が最も自信を手に入れる事から遠ざけていたりする。」(76頁)

全く同感。

自分の人生を生きる上で、他人の評価ほど不要なものはありません。

他人の評価は、他人が勝手にすればいいのです。

自分の人生とは何の関係もありません。

評価が良くても悪くても、いずれにせよ「だから何?」という話です。

生きたいように生きればいいのです。

解雇323(JFS事件)

おはようございます。 今週も一週間お疲れさまでした。

今日は、懲戒解雇と就業規則の存在に関する裁判例を見てみましょう。

JFS事件(大阪地裁令和元年10月15日・労判ジャーナル95号26頁)

【事案の概要】

本件は、Y社の元従業員Xが、Y社と雇用契約を締結し稼働していたところ、Y社から懲戒解雇されたが、同解雇は無効であるとして、地位確認、未払賃金等の支払を求めた事案である。

【裁判所の判断】

解雇無効

【判例のポイント】

1 本件契約の性質について、c専務が、Y社の規程として研修期間があるので、役員の場合は給料が45万円だがそれより5万円アップの50万円で、3か月だけは様子は見よう、それでだめなときは契約しませんよという話をXにしたこと等から、「3か月」というのは、試用期間であり、Y社代表者が、平成29年12月28日に、Y社訴訟代理人に対し、Xに対する解雇通知を出してほしいと相談し、その意を受けて、Y社訴訟代理人が、Xに対し、「誓約書(入社時)」に違反したことを理由とする懲戒解雇の意思表示として本件内容証明郵便1を送付したこと、以上の点を併せみれば、Y社代表者自身の認識及び行動に基づいてみても、XとY社との間の本件契約は、試用期間付き雇用契約であるとみるほかない

2 使用者が労働者を懲戒するには、あらかじめ就業規則において懲戒の種別及び事由を定めておくことを要するところ、Y社が、Xに対し、懲戒解雇の意思表示をした当時、Y社に就業規則が存在しなかったことについては当事者間に争いがないから、Y社のXに対する平成29年12月28日付け及び平成30年2月9日付けの懲戒解雇の意思表示は、いずれも懲戒権の根拠を欠き、無効というべきであるから、Xの地位確認請求は理由がある。

前記判例のポイント2は、初歩中の初歩のレベルの話です。

しっかり、顧問弁護士・顧問社労士の指導の下で労務管理をしましょう。

本の紹介1020(異端のすすめ)

おはようございます。

今日は本の紹介です。

帯には「短い人生、リスクを恐れている暇はない。」と書かれています。

橋下さんが言うととても説得力があります。

本の内容もとてもいいです。是非、読んでみて下さい。

おすすめです。

さて、この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

今は、何となく周囲から見くびられている気がするかもしれません。でも、周囲の見る目というものは、自分の商品価値を映す鏡です。見くびられていると感じるのなら、まだ自分には、見くびられるくらいの商品価値しかないということです。」(85頁)

他人の目や評価は気にしないというのも一つの生き方ではあります。

それはそれで全く問題ありません。むしろそのほうが気が楽ですし。

一方、他人から見くびられたくないという人はどうしたらいいか。

端的に言って、自分の商品価値を上げる努力をしまくるか、環境を変えるかのどちらかでしょう。

多くの人は、そもそも自分の商品価値を上げることに関心がありませんし、仮にあったとしても、目の前の仕事や雑用で手一杯のため、自分の商品価値を上げる時間的・体力的余裕がありません。

だからこそ、毎日コツコツ努力をすれば、それだけで相対的に商品価値は嫌でも上がっていくのです。

あとはやるかやらないか。

やり続けられるか、途中で投げ出すか。

ただそれだけの話。

管理監督者43(エルピオ事件)

おはようございます。

今日は、総務人事課長の管理監督者性に関する裁判例を見てみましょう。

エルピオ事件(東京地裁令和元年9月27日・労判ジャーナル95号32頁)

【事案の概要】

本件は、Y社との間で労働契約を締結していたXが、所定労働時間を超える残業を行ったとして、労働契約に基づく割増賃金請求権に基づき、平成26年10月分から平成28年6月分までの間の割増賃金合計約375万円等の支払を求めるとともに、労働基準法114条に基づく付加金請求として約367万円等の支払を求めた事案である。

【裁判所の判断】

未払時間外割増賃金請求は一部認容

付加金等請求は棄却

【判例のポイント】

1 Xが実質的な決定権限を有していたのは、人事関係業務の一つである採用面接のうち一次面接までで採否を決することができる応募者に関する採否権限という使用者が有する人事権の一部にすぎず、その業務内容に照らしても、労働時間規制の枠を超えた活動を要請されざるを得ない重要な職務や権限を有していたとか、その責任を負っていたとまでは評価できず、また、Xがこのような実質的な決定権限を行使するにあたって労働時間に関する裁量を有していたことを認めるに足りる適切な証拠もないから、Y社におけるXの処遇が高水準であると評価できる点を最大限斟酌するとしても、Xが労基法41条2号の管理監督者であったと認めることはできない

2 Y社が割増賃金を支払わなかったのは、Xを管理監督者と認識していたためであるところ、結果としては管理監督者とは認められないものの、Xの会社内における肩書や処遇に照らすと、Y社がXを管理監督者に該当すると認識したことには一応の理由があると解され、Y社がXに割増賃金を支払わなかったことが悪質であるとは評価できないから、本件において、Y社に付加金の支払を命ずるのは相当でない。

管理監督者に関する主張を会社側で主張するメリットとすれば、付加金の支払を免除してもらえる可能性があることくらいでしょうか。

ほぼ管理監督者性は否定されますので、賃金に関する消滅時効が2年から3年、5年と延長されることを考えれば、すべての管理職の管理監督者扱いにメスを入れることを強くお勧めします。

本の紹介1019(やってのける)

おはようございます。

今日は本の紹介です。

タブタイトルは「意志力を使わずに自分を動かす」です。

意志力なるものがいかなるものかはよくわかりませんが、ともかく行動すること、継続することが苦手な人向けの本です。

さて、この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

特別な能力や才能は不要です。目標を達成する能力を高めるには、別の人に生まれ変わる必要などないのです。必要なのは、本当に効果的なものは何かという知識と、行動への意欲を持ち、それを実行することです。・・・残るは行動だけです。行動は、いまからでも始められます。」(266頁)

行動しなければ何も変わらないという知識を持っていても、行動に移すことは、結局できないのです(笑)

できる人は簡単にできるのに、できない人は未来永劫できないという類の話です。

意志力などというよくわからない力の有無ではなく、結局は、継続する技術を持っているか。ただそれだけです。

継続できる人は、何をやってもたいてい結果が出ます。

当然です。結果が出るまで継続できるのですから。

詰まるところ、勉強も仕事も運動もすべて継続できた者勝ちという話です。

有期労働契約93(シェーンコーポレーション事件)

おはようございます。 今週も一週間がんばりましょう。

今日は、雇止めの有効性が争われた裁判例を見てみましょう。

シェーンコーポレーション事件(東京高裁令和元年10月9日・労判ジャーナル95号30頁)

【事案の概要】

本件は、Y社が、Xとの間で、期間を平成27年3月1日から平成28年2月28日までの1年間とする有期労働契約を締結してXを雇用し、1度、契約を更新したが、その後、契約更新を拒絶したため、Xは、労働契約法19条により契約が更新されたものとみなされると主張して、Y社に対し、労働契約上の地位の確認を求めるとともに、平成29年3月分以降、判決確定の日までの賃金等の支払を求めた。

原判決は、Xの請求を棄却したため、Xが控訴した。

【裁判所の判断】

原判決取消し
→請求認容

【判例のポイント】

1 労働契約法19条2号該当性について、Y社は、従業員講師とは一律に1年間の有期労働契約を締結しているが、契約の更新を希望する講師との間では、遅刻が多かったり、授業の質が低いなどの事情がある場合を除き、通常は契約の更新をしており、Xとの間でも、平成27年3月1日に1年間の有期労働契約を締結し、その後、Xから授業観察の申出を拒否されたり、前日の午後11時29分になってから翌日のストライキを通知されたり、Xの授業を観察した上司が7項目について改善必要との講評をしたとの事情があったものの、その後の平成28年3月1日、Xと契約を更新し、このような経緯からすると、Xにおいて本件雇用契約の契約期間の満了時に同契約が更新されるものと期待することについて合理的な理由があったと認めるべきである。

2 Xが有給休暇として取得した休暇について、正当な理由のない欠勤であったと認めることはできず、また、Y社は、Xの勤務内容が不良であるとして、種々の主張をするが、いずれも雇止めをするかどうかの判断に際して重視することを相当とするようなものとは認められないから、本件雇止めは、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であるとは認められないといわざるを得ず、Y社は、本件雇用契約の内容である労働条件と同一の労働条件により契約締結の申込みを承諾したものとみなされるから、Xは、Y社に対し、労働契約上の権利を有する地位にあることの確認及び平成29年4月から本判決確定の日まで毎月15日限り25万7800円の賃金の支払を求めることができる。

雇止めの理由として小さいミス等をいくつ積み重ねても、結局、取るに足らない場合には合理的な理由にはなりません。

本の紹介1018(食べる投資)

おはようございます。 今週も一週間お疲れさまでした。

今日は本の紹介です。

いかなる食生活を続ければ、日常生活におけるパフォーマンスを上げることができるのかがよくわかります。

仕事で成果を出し続けるためには、疲れにくく、病気になりにくい身体をつくることがとても重要です。

まさにタイトル通り、食べることは自身の身体に対する「投資」です。

「運動」、「栄養」、「休養」の3要素を常に意識しながら生活をしています。

さて、この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

チベット仏教の法王、ダライ・ラマ14世が『世間の人間を見て、最も驚くことはどんなことでしょうか』というインタビューの質問に対して答えたという言葉をご紹介したいと思います。・・・
『金を稼ぐために健康を害し、今後は病を治すために、稼いだ金を使う。将来の心配ばかりをして、現在を楽しむことをしない。その結果、人々は現在にも未来にも生きていない。あたかも人生が永遠に続くかのように生きているが、真の意味での人生を全うすることなく死んでいく』」(193頁)

仕事に限らず、日常生活におけるストレスの感じ方は人によって大きく異なります。

毎日、あわゆることにストレスを感じる人もいれば、その逆に、仕事、私生活を問わず、ほぼストレスフリーな生活をしている人もいます。

毎日毎日の積み重ねですから、その差はとてつもなく大きいです。

ストレスについて考えるとき、2つの観点から見ることができると思います。

1つは、「ストレスのかかる環境」か。

もう1つは、「ストレスを感じやすい性格」か。

前者は外的な要因で、後者は内的な要因です。

この2つの視点で言うと、できるだけストレスがかからない環境に身を置くこととともに、

小さいことにイライラしない的なことが大切なのでしょうね。

まあ、後者については、完全にその人の性格によるので、難しい人もいますね。

賃金192(日本郵便事件)

おはようございます。

今日は、横領行為に基づき不支給とされた未払退職金請求に関する裁判例を見てみましょう。

日本郵便事件(大阪地裁令和元年10月29日・労判ジャーナル95号20頁)

【事案の概要】

本件は、Y社と労働契約を締結して勤務していたXが、横領行為を理由に懲戒解雇され、退職手当についても不支給とされたが、Xによる横領行為は全ての功労を抹消するほどの背信行為ではなく、少なくとも300万円の範囲では退職手当を受領する権利があるとして退職手当300万円等の支払を求めた事案である。

【裁判所の判断】

請求棄却

【判例のポイント】

1 本件横領行為は、正にXが当時従事していたY社の中心業務の1つの根幹に関わる最もあってはならない不正かつ犯罪行為であり、出来心の範疇を明らかに超えたY社に対する直接かつ強度の背信行為であって、極めて強い非難に値し、被害額も多額に上り、その後の隠ぺいの態様も悪質性が高く、動機に酌むべき点も見当たらないから、XとY社との間の労働契約における退職手当は賃金の後払い的な性質をも併せ持つこと、被害については隠ぺい工作の一環によるもの及び金銭の支払いによるものにより回復されていること、Xは、旧郵政省時代から通算して約24年8か月余りの間、大過なく職務を務めており、本件横領行為を行ったc郵便局在勤中お歳暮の販売額に関するランキングで5位以上であったこと、Xが、Y社による事情聴取に応じ、最終的には非を認めて始末書や手記を提出し、本件横領行為の態様、隠ぺい工作、動機等についても明らかにしていることを十分に考慮しても、Xによる本件横領行為は、Xの従前の勤続の功を抹消するほど著しい背信行為といわざるを得ないから、Xは、退職手当規程の本件退職手当不支給条項の適用を受け、Y社に対し、退職手当の支給を求めることができない。

完全に比較衡量の問題ですので、結論としてどちらに流れるかは、担当する裁判官によって異なり得るところです。

もっとも、過去の裁判例を参考におおよその検討はつきますので、それらを参考にしながら退職金の支払いの是非、程度を判断しましょう。

本の紹介1017(お金に支配されない13の真実)

おはようございます。

今日は本の紹介です。

お金があればたいていのことはできますが、お金に支配された人生なんてまっぴらごめんです。

もっとも、物欲がないとそんなにたくさんお金は必要ありません。

さて、この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

わたしたちは幸福とお金の連動性を大きく見積もりすぎる傾向があるとすれば、結果的に、目指す方向を間違っているのではないか。もっと稼ごうとする努力はやめるが勝ちかもしれない。稼いだところで大して幸せにはならないし、全然ならないこともある。」(202頁)

全く同感。

ある一定の収入までは、収入に比例して幸福度も上がりますが、それを超えると収入と幸福度に相関関係がないことはよく言われることです。

私のように物欲なし男君の場合、このことが思いっきり当てはまります。

収入が2倍になっても決して幸福度は2倍にならないことを知っているので、無理をしてもっと稼ごうとする努力はしないわけです。

家もいらない、車もいらない、時計もいらない、ブランド品もいらない・・・

物を所有しても幸福にならない人にとって、お金はたいして必要ないのです。