賃金162(医療法人A会事件)

おはようございます。 今週も一週間お疲れ様でした。

今日は、賞与の支給額の差異について労働契約法20条違反が否定された裁判例を見てみましょう。

医療法人A会事件(新潟地裁平成30年3月15日・労経速2347号36頁)

【事案の概要】

本件は、Y社に非正規(有期雇用契約)職員として雇用されていたXが、雇用期間中、正規(無期雇用契約)職員には冬期賞与として基本給2か月分の賞与が支給されるのと異なり、非正規職員には冬期賞与として基本給1か月分の賞与しか支給されないという相違があることが、期間の定めがあることによる不合理な労働条件の禁止を定めた労働契約法20条に違反すると主張して、同条に基づき、冬期賞与として支給されるべき賞与と実際に支給された賞与との差額である基本給1か月分の給与相当額17万5000円+遅延損害金の支払を求める事案である。

原審がXの請求を認容したところ、Y社が控訴した。

【裁判所の判断】

原判決を取り消す。
→請求棄却

【判例のポイント】

1 賞与には、一般に労働の対価としての意味だけでなく、功労報償的意味及び将来の労働への意欲向上策としての意味があるとされ、勤怠査定に基づいて算定されるY社における正規職員の賞与についても同様の意味合いが認められる。期間の定めがなく長期雇用を前提とし、将来にわたる勤務の継続が期待される正規職員に対し、労働に対するモチベーションや業績に対する貢献度の向上を期待してインセンティブ要素を付与することには、一定の人事施策上の合理性が認められるから、期間の定めがあり、将来にわたる勤務の継続が期待される雇用形態となっていない非正規職員との間で相違を設けること自体が不合理であるということはできない。そして、Y社においては、正規職員には、賞与を基本配分と成績配分に区分し、成績配分の額により支給総額が増減する仕組みとする一方、非正規職員には、個別労働契約によって支給額を定額化し、成績配分の額により支給総額が増減することのない仕組みとしているところ、かかる取扱いが不合理ということはできない。
また、その相違の程度についてみると、Y社において平成27年度に事務職員に対して支給された冬期賞与の額は、正規職員は平均で基本給2.1か月分、非正規職員は一律で基本給1か月分であり、その差額は基本給約1か月分にすぎず、実際に非正規職員であったXに支給された冬期賞与とY社が正規職員の常勤Iであった場合に支給される冬期賞与の差額は、17万5000円程度であり、Xによれば、Xを常勤Iで採用したと想定した場合に得られる年間収入見込額とXが現実に得た収入額の差はほぼ賞与の差によるものであるところ、その割合は約8.25パーセントというのであるから、賞与の前記目的に沿った相違として合理的に認められる限度を著しく超過しているとはいえない。したがって、Y社が、賞与について、正規職員と非正規職員との間で前記相違を設定したことが不合理であるとは認められず、労働契約法20条に違反するとはいうことはできない。

上記判例のポイント1の理由はさておき、賞与については労働契約法20条違反になりにくいことはこれまでの裁判例の流れですね。

本の紹介826(「大人の人づきあい」でいちばん大切なこと)

おはようございます。

今日は本の紹介です。
「大人の人づきあい」でいちばん大切なこと (だいわ文庫)

男性であれば一度は読んでおいても損はない本だと思います。

もっとも、20代のときにこの本に書かれていることが理解できたかというとなかなか難しかったかもしれません。

今ではよく理解できるものばかりです。

さて、この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

仕事関係にしても、ケチでは役に立たない。およそ商売とは、いかに稼ぐかの前に、いかにお金を使うかが成否のカギを握る。ここ一番という場面でお金をドンと出すことができないと、せっかくのチャンスを逃してしまうのである。これは、慣れの問題でもある。ふだんからケチケチしていては、お金の使い方もわからない。たとえ遊びでも豪快に使った経験があれば、どういうリターンが得られるかという勘どころはわかる。それが仕事に生かせるのである。」(214頁)

全くその通り!

普段セコいといざというときにも日頃のセコさが出てしまうのです。

損をしたくないの一心。 そのことしか考えていないのです。

しかし、損をするかもしれないというリスクを負わなければ、リターンなどあり得ません。

また、何かに投資をする場合(最もリターンの良い投資先は自分自身です。)でもすぐにリターンを求めてはいけません。

考え方がセコい。

このように考えることができる人の共通点は、日頃からお金を使い慣れているということ、仮に損失が出たとしても、また稼げばいいやと思っていること(稼ぐ自信がある)ということでしょうか。

お金の使い方がダサい大人にはなりたくないですねー。

労働時間50(富士保安警備事件)

おはようございます。

今日は、2人勤務体制における仮眠時間の労働時間性が肯定された裁判例を見てみましょう。

富士保安警備事件(東京地裁平成30年1月30日・労経速2345号27頁)

【事案の概要】

本件は、Y社の元従業員であるXらが、Y社はXらの労働時間を過小計上し、東京都の最低賃金を下回る賃金しか支給されず、割増賃金もほとんどが支給されていなかったなどと主張して、Y社に対し、労働契約に基づく未払賃金(割増賃金を含む。)+遅延損害金の支払いを求めるとともに、労働基準法114条に基づく付加金+遅延損害金の支払を求める事案である。

【裁判所の判断】

Y社は、X1に対し、338万7088円+遅延損害金、付加金283万9453円+遅延損害金を支払え。
Y社は、X2に対し、364万5521円+遅延損害金、付加金250万9350円+遅延損害金を支払え。

【判例のポイント】

1 Y社が証人申請したY社従業員も、巡回終了後に休憩を取得することは特別になく、仮眠時間以外の拘束時間については対応を求められる状況にあったことを証言しているうえ、Xらは、巡回時以外には、警備ボックス又は守衛室での常駐を義務付けられており、仮眠時間以外に定められた休憩の時間帯はなく、仮眠時間帯であっても、守衛室から離れることは許されていなかった。そして、実際にも、本件センターは、150名弱の留学生が学生寮において生活を送っていたため、トラブル等が発生することも多く、近隣住民(とりわけ、パイロットマンションの住人)から直接苦情の電話が入ったり、近隣住民からの通報を受けた警察が来訪するなど、仮眠時間帯であっても、対応(実作業)を要する事態が発生することも少なくなかったものである。

2 警備員が2名体制となる午後5時から午前8時までの15時間のうち、午後5時から午後6時まで及び午前6時から午前8時までの3時間を除く12時間については、いずれかの警備員が仮眠に入っていたものであるから、警備員1名による勤務と基本的に相違がないと考えられる。そして、仮眠時間帯であっても2名での対応を要したり、仮眠を取る警備員が交代する際の引継ぎに時間を要する場合もあると考えられる。

仮眠時間の労働時間性が問題となる場合、形式面のみならず、実質面についても考慮されます。

上記判例のポイント1の「実際にも」以下がそれです。

ここで、確かに守衛室からルール上は離れることができなかったけれど、実際に何かが起こるのは年に1,2回だけとなると判断が変わり得ます。

本の紹介825(「孤独」が男を変える)

おはようございます。

今日は本の紹介です。
「孤独」が男を変える:男は、嫌われてこそ、一流

サブタイトルは「男は、嫌われてこそ、一流。」です。

そういうもんですかね。よくわかりませんが。

いつもながら、著者のオリジナリティが光っています。

さて、この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

私が、『女性向けの恋愛書はもう書かない』と言ったら、いろんな女性から、『たったひとつ、男性を選ぶ時に重要なことがあるとしたらなんですか』と訊かれるので、いつもこう答えている。『人を妬まない男にしなさい』と。嫉妬を辞書で引くと、『自分よりも優れている者を妬むこと』と書いてある。情けない感情だ。・・・問題は成功者や何かに優れている人を妬むことで、その男はどうしようもなくカッコ悪い。」(107~108頁)

男の嫉妬ほどみっともないものはありません。

成功している人の悪口を言い、それで結果を出せていない自分を安心させたいのでしょうか。

「人を妬まない男にしなさい」という著者のアドバイスは、「成功している男にしなさい」もしくは「成功を目指していない男にしない」の2つを含んでいるようにも思えます。

成功している人は、人を妬む必要がありませんので、これに該当します。

成功を目指していない人は、そもそも歩んでいる道が違うので妬むという感情が起こらないのではないでしょうか。

そうすると、女性が選んではいけない男というのは、成功したいという気持ちは人一倍持っているくせに、たいした努力もしないで成功者の悪口を言うようなやつを言うのでしょう(笑)

そんな男、選ぶ人、いる? ださっ。

労働時間49(ナック事件)

おはようございます。 今週も一週間がんばりましょう。

今日は、携帯電話を保有する営業社員に事業場外みなし制の適用が認められた事案について見てみましょう。

ナック事件(東京地裁平成30年1月5日・労経速2345号3頁)

【事案の概要】

Xは、株式会社であるY社に勤務する営業担当社員であったところ、Y社は、平成25年12月19日、Xに自宅待機を命じた上、「Xが、顧客に対し、虚偽の契約条件を説明し、Y社の印鑑を悪用して作成した書面を提示するなどの不正な営業活動を行って、顧客との間で不正に契約を締結しながら、正当に契約が成立したかのように装って、Y社から契約実績に応じた成績給を詐取し、業務上の混乱及び経済的損害を与えた」旨の理由を主張して、遅くとも平成26年3月4日までにXを懲戒解雇した。

本訴事件、反訴事件は、解雇前の労働契約関係及び解雇理由とされた不正な営業活動に関連して、それぞれ賃金や不当利得、損害賠償等を請求する事案である。

【裁判所の判断】

事業場外みなし労働時間制の適用肯定

【判例のポイント】

1 労働基準法38条の2第1項によれば、事業場外労働みなし制を適用するためには、「労働者が労働時間の全部又は一部について事業場外で業務に従事し」,かつ「労働時間を算定し難い」ことを要する。
この「労働時間を算定し難い」ときに当たるか否かは、業務の性質、内容やその遂行の態様、状況等、使用者と労働者との間で業務に関する指示及び報告がされているときは、その方法、内容やその実施の態様、状況等を総合して、使用者が労働者の勤務の状況を具体的に把握することが困難であると認めるに足りるかという観点から判断することが相当である(最判平成26年1月24日参照)。
なお、携帯電話等の情報通信機器の活用や労働者からの詳細な自己申告の方法によれば労働時間の算定が可能であっても事業場外労働みなし制の適用のためには労働時間の算定が不可能であることまでは要さないから、その方法の実施(正確性の確認を含む。)に過重な経済的負担を要する、煩瑣に過ぎるといった合理的な理由があるときは「労働時間を算定し難いとき」に当たるが、そのような合理的な理由がないときは使用者が単に労働時間の算定を怠っているに過ぎないから、「労働時間を算定し難いとき」に当たらないというべきである。

2 ①Xは、営業担当社員として事業場(支店)から外出して複数の都道府県にまたがって顧客のもとを訪問する営業活動に従事することを主要な業務としていたこと、
訪問のスケジュールは上司が具体的に決定することはなく、チームを構成する原告ら営業担当社員が内勤社員とともに決定していたこと、
③訪問のスケジュールの内容は内勤社員による把握やスケジュール管理ソフト入力である程度共有化されていたが、上司が詳細又は実際との異同を網羅的に把握したり、確認したりすることはなかったこと
④訪問の回数や時間はXら営業担当社員の裁量的な判断に任されていたこと、
⑤個々の訪問を終えた後は、携帯電話の電子メールや電話で結果が報告されていたが、書面による出張報告書の内容は簡易で、訪問状況が網羅的かつ具体的に報告されていたわけではなく、特にXに関しては、出張報告書に顧客のスタンプがあっても本当に訪問の事実があったことを客観的に保証する効果はなかったこと
⑥出張報告書の内容は、添付された交通費等の精算に関する領収書に日時の記載があれば移動の事実やそれに関連する日時は確認できるが、それ以外の内容の客観的な確認は困難であり、Y社から訪問先の顧客に毎回照会することも現実的ではないこと
⑦上司は、Xら営業担当社員に業務の予定やスケジュールの変更につき具体的に指示を出すことはあったが、Xら営業担当社員の業務全体と比較すると、その割合が大きいとはいえないこと
⑧Xら営業担当社員の訪問に上司その他の監督者が同行することはなく、チームを組む内勤社員もXの上司その他の監督者ではなかったこと
⑨Y社は、Xが訪問の際、不当営業活動を繰り返していたことを相当期間把握できないままであったことが認められる。これらの認定事実を総合すると、Xの労働時間の大部分は事業場外での労働であり、具体的な業務の性質、内容やその遂行の態様、状況等、使用者と労働者との間で業務に関する指示及び報告の方法、内容やその実施の態様、状況等に照らして、Y社がXの勤務の状況を具体的に把握することは、かなり煩雑な事務を伴わなければ不可能な状況にあったということができるから、Y社がXの事業場外労働の状況を具体的に把握することは困難であったというべきである。

3 Y社は、カードリーダーで労働時間管理も実施し、朝礼出席も指示しているが、朝礼に出席せず、顧客訪問に直行することもあり、事業場外労働の開始及び終了の各時点をある程度把握可能であるにとどまり、事業場外労働全体の実情を困難なく把握可能であったとはいえない
前掲最判平成26年1月24日で労働時間算定の困難性が否定された事案は、スケジュールの遵守そのものが重要となる旅行日程の管理を業務内容とし、また、ツアー参加者のアンケートや関係者に対する問合せで具体的な報告内容の正確性の確認が可能であり、本件とはかなり事案を異にするものといえる。

4 以上によれば、Xは労働時間の一部について事業場外で業務に従事しており、かつ、Xの事業場外労働は労働時間を算定し難い場合に当たる。

事業場外みなし労働時間制の適用が肯定された例です。

上記判例のポイント2をよく読んでみましょう。

適用範囲はそれほど広くはありません。

本の紹介824(行ったり来たり僕の札束)

おはようございます。 今週も一週間お疲れ様でした。

今日は本の紹介です。
行ったり来たり 僕の札束: 日本一有名な整形外科医が初めて語る医者とカネ

高須院長の本です。

こういう感じのタイトルでも全く嫌味がないところがすごいです(笑)

帯には「あと数十億円使い切って死ぬ」と書かれています。

さすがです。

さて、この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

売り上げは、対前年比とか言って上げるのを目標にしちゃダメなんだ。内部を充実していかないと。広げていくと品質が落ちる。僕は、広げるだけ広げてそのあと縮めたから、レベルが上がった。すごくおいしいレストランでも、多店舗展開すると、必ずまずくなる。まずくなると必ず客が減っていく。次は経営が傾く。自分で限度を定めてやっているところは、安定している。」(99頁)

飲食店に限らず、すべてにおいて、広げると薄まるのです。

成功すると拡大したくなるところですが、モノには限度というものがあります。

適正な範囲で自分の力を発揮できる状況をつくることのほうがよほど大切です。

賃金161(井関松山製造所事件)

おはようございます。

今日は、家族手当、住宅手当、精勤手当の支給の相違が労働契約法20条違反とされた裁判例を見てみましょう。

井関松山製造所事件(松山地裁平成30年4月24日・労経速2346号18頁)

【事案の概要】

本件は、Y社との間で期間の定めのある労働契約を締結して就労している従業員であるXらが、Y社と期間の定めのない労働契約を締結している従業員との間に、賞与、家族手当、住宅手当及び精勤手当の支給に関して不合理な相違が存在すると主張して、Y社に対し、①当該不合理な労働条件の定めは労働契約法20条により無効であり、Xらには無期契約労働者に関する就業規則等の規定が適用される労働契約上の地位に在ることの確認を求め、②平成25年5月から平成27年4月までに支給される本件手当等については、主位的に、同条の効力によりXらに当該就業規則等の規定が適用されることを前提とした労働条件に基づく賃金請求として、予備的に、不法行為に基づく損害賠償請求として、実際に支給された賃金との差額+遅延損害金の支払を求め、③平成27年5月から平成29年10月までに支給される本件手当等について、不法行為に基づく損害賠償請求として、実際に支給された賃金との差額+遅延損害金の支払を求めた事案である。

【裁判所の判断】

家族手当、住宅手当及び精勤手当については労働契約法20条に違反する。

賞与については同条に違反しない

【判例のポイント】

1 Xらと同一の製造ラインに配属された無期契約労働者との間で、その定常業務の内容に相違はなく、管理業務及び新機種関連業務は重要な業務であるものの、無期契約労働者のうち一部の者について業務が異なるにすぎず、その他の業務に大きな差異も認められないことからすると、Xらと比較対象となる無期契約労働者との業務の内容に大きな相違があるとはいえない

2 有期契約労働者については、定期的な教育訓練は実施されておらず、有期契約労働者を中途採用制度により無期契約労働者とする場合であっても、職制に就任させるためには3年程度の無期契約労働者としての勤務経験を経ることが必要である。そのため、有期契約労働者全体について、将来、組長以上の職制に就任したり、組長を補佐する立場になったりする可能性がある者として育成されるべき立場にあるとはいえない。
したがって、Xらと無期契約労働者の間には、職務の内容及び配置の変更の範囲に関して、人材活用の仕組みに基づく相違があると認められる。

3 中途採用は、ほぼ毎年実施されており、現に平成28年2月時点では、Y社において採用された無期契約労働者であって職制にある11名のうち、9名が有期契約労働者から中途採用されており、無期契約労働者と有期契約労働者の地位が必ずしも固定的でないことは、本件相違の不合理性を判断する際に考慮すべき事情といえる。

4 ・・・Xらにも夏季及び冬季に各5万円の寸志が支給されていること、中途採用制度により有期契約労働者から無期契約労働者になることが可能でその実績もあり、両者の地位は必ずしも固定的でないことを総合して勘案すると、一季30万円以上の差が生じている点を考慮しても、賞与におけるXらと無期契約労働者の相違が不合理なものであるとまでは認めれらない。

5 Y社においても、家族手当は、生活補助的な性質を有しており、労働者の職務内容等とは無関係に、扶養家族の有無、属性及び人数に着目して支給されている。上記の歴史的経緯並びにY社における家族手当の性質及び支給条件からすれば、家族手当が無期契約労働者の職務内容等に対応して設定された手当と認めることは困難である。・・・有期契約労働者に家族手当を支給しないことは不合理である。

6 Y社の住宅手当は、住宅費用の負担の度合いに応じて対象者を類型化してその者の費用負担を補助する趣旨であると認められ、住宅手当が無期契約労働者の職務内容等に対応して設定された手当と認めることは困難であり、有期契約労働者であっても、住宅費用を負担する場合があることに変わりはない。したがって、・・・不合理であると認められる。

7 精勤手当の趣旨としては、少なくとも、月給者に比べて月給日給者の方が欠勤日数の影響で基本給が変動して収入が不安定であるため、かかる状況を軽減する趣旨が含まれると認められる。・・・有期契約労働者は、時給制であり、欠勤等の時間については、1時間当たりの賃金額に欠勤等の合計時間数を乗じて額を差し引くものとされ、欠勤日数の影響で基本給が変動し収入が不安定となる点は月給日給者と変わりはない。したがって、・・・不合理であると認められる。

先日出された最高裁判決がベースになってきますが、とはいえ、やはりどこまでいっても個別の判断が求められます。

通勤手当や賞与についてはある程度固いところではありますが、それ以外の手当については個々の事情をどう評価するかによって結論が変わり得ると思います。

本の紹介823(髙田明と読む世阿弥)

おはようございます。

今日は本の紹介です。
髙田明と読む世阿弥 昨日の自分を超えていく

生涯ビジネスマンの髙田社長の本です。

そのバイタリティゆえでしょうか、いつまでも本当にお若いです。

さて、この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

私は、『信と疑』という言葉を大切にしています。一途にやり続けるのも力が要ります。それには、自分を信じること。自分を信じきれないから途中で諦めてしまうのです。『努力をしている人は必ず神様が見てくれている。自分の思う通りの自分になれるよ』と社員に言ってきました。と同時に、自分自身を疑うことも大切です。いくつになってもできていないことを謙虚に受け止めて、自己更新を図る。」(52頁)

上記文脈を見るとわかるとおり、「信」と「疑」は矛盾するものではなく、成長するためには両方必要なことがわかります。

自分を信じられるかどうかは、過去の成功体験が大きく影響してくると思いますが、これまでにこれといった成功体験がないという方は、覚悟を決めて、初めての成功体験をつくる意気込みで臨むしかありません。

どんな場合でも、一直線にレベルアップしていくことはありません。

むしろ最初のうちは相当期間、停滞期が続くのが一般的です。

不慣れな人は、その時期に「自分は向いていない」と言って努力するのを辞めてしまいます。

あともう少しがまんすればトンネルから抜けられるのに・・・。

不当労働行為199(島崎エンジニアリング(再雇用者雇止め)事件)

おはようございます。

今日は、定年退職後再雇用してきた組合員2名を雇止めにしたことが不当労働行為とされた事例を見てみましょう。

島崎エンジニアリング(再雇用者雇止め)事件(東京都労委平成29年12月19日・労判1178号92頁)

【事案の概要】

本件は、定年退職後再雇用してきた組合員2名を雇止めにしたことが不当労働行為にあたるかが争われた事案である。

【労働委員会の判断】

不当労働行為にあたる

【命令のポイント】

1 Y社は、Aらを本件雇止めとしたのは、Y社の雇用政策に基づき進めた人員の新陳代謝の一環であり、雇用主が高齢者の雇用に関して有する裁量権の範囲で後継者の確保状況やコスト面などを考慮しての措置であると主張する。
しかし、Y社は、Aら及び組合に対し、退職金が一部支払われていないことの補償として70歳まで雇用する旨述べていたところ、70歳までの雇用が困難となったこと等を予告したり説明したりすることなく、同人らに本件雇止めを通知しており、Y社において他の65歳以上の従業員の雇用等は継続していることからすると、本件雇止めの経緯は不自然である。

2 Aらは、Y社から後進指導を指示されていたものの、指導状況の報告を求められることもなかったことからみても、Y社がAらの後継者の確保に危惧を抱いていたとはみられない。そして、Y社は、以前に後継者が確保されたため雇止めをした例があると主張するが、それを裏付けるに足りる具体的な疎明はなく、Aらの本件雇止め後2年以上が経過した本件結審時においても、Aら以外に同様の理由で雇止めとなった者がいないことからすると、Aらのみが、後継者の確保を理由に本件雇止めとされたことは、極めて異例であるということができる。

3 そうすると、Y社は、・・・組合を嫌悪し、組合員をY社から排除するため、Aらを本件雇止めとしたものというほかない。
したがって、Aらを本件雇止めとしたことは、同人らが組合員であることを理由とする不利益取扱いに当たる。

上記命令のポイント1も2も合理的な説明がなされているとはいえないため、結果として不当労働行為と判断されています。

本の紹介822(人生のルールを変える男の器量)

おはようございます。 今週も一週間がんばっていきましょう。

今日は本の紹介です。
人生のルールを変える男の器量 (知的生きかた文庫)

いつもながら著者の率直の意見を楽しく読んでおります。

フェミニストのみなさんは読まないほうがいいです(笑)

気分を害しますので。

さて、この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

なんの経験もないのに、なぜ芸能人の恋愛スキャンダルに、上から目線で非難しようとするのか。なぜ、ツイッター上にいる有名人の大人の男にタメ口で意見をいえるのか。器の話でいうと、実績のない男の上から目線ほど器の小さなものはない。二十一世紀は、人間が羞恥心を失った時代として人類史にその汚点を残すだろう。」(130頁)

自分の実生活とは全く関係がないことについても躍起になって批判をする人っていますよね。

あまり他人の生活に関心がない私とすると、「なんでそんなに怒っているのかしら」と思ってしまいます。

芸能人と通販会社の社長がロシアにプライベートジェットに乗ってサッカーを見に行って、その時の写真をアップしようが、別に好きにすればいいじゃない。

ほんと他人のことを批判するの好きなのねー(笑)