本の紹介1006(医者が教える食事術2 実践バイブル)

おはようございます。

今日は本の紹介です。

以前紹介しました「医者が教える食事術 最強の教科書」の続編です。

著者は「健康に必要なのはうそを見抜ける『知性』だ!」と説きます。

多くの場合、誤った生活習慣は「無知」に起因します。

正確な情報を知り、実践し続けることができれば、人生が変わります。

さて、この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

私たち人間の思考にはバイアスがかかっており、どうしても『自分の信じていることが正しい』という思いに引きずられます。誰だって、『それまで信じていたことが間違いだった』と知るのはつらいものです。・・・しかし、本当に健康にいい食事を摂ろうと考えるなら、そういう思考からは自由になるべきです。」(10~11頁)

これは食事に限ったことではなく、あらゆることに妥当します。

これまで当たり前だと思っていたことが、ある日突然、間違いだったとわかることがあります。

そんなときは、柔軟に思考や生き方を変えていくほうが、生きやすいです。

何かに縛られて生きるのは、息が詰まります。

その時にそうしたかったからそうしました、みたいな生き方のほうが楽しいのです。

労働時間59(北九州市営バス事件)

おはようございます。

今日は、バス運転手の待機時間が概ね労働時間にあたらないとされた裁判例を見てみましょう。

北九州市営バス事件(福岡地裁令和元年9月20日・労経速2397号19頁)

【事案の概要】

本件は、Y市の運営する市営バスの運転手として勤務するXらが、それぞれ、Y市に対し、未払時間外割増賃金を含む未払賃金+遅延損害金の支払を求めるとともに、労働基準法114条本文に基づき、上記未払時間外割増賃金と同額の付加金+遅延損害金の支払を求める事案である。

【裁判所の判断】

一部認容

【判例のポイント】

1 Xらは、乗務員は待機時間中も臨機応変にバスを移動させる必要があったことから、待機時間は手待時間として労基法上の労働時間に当たると主張する。
まず、戸畑駅、折尾駅西口及び折尾駅(北口)の各転回場所については、同時に複数のバスが停止していることがあったものの、運行指示表又は発車順番表により各転回場所で待機するバスの発車時刻を知ることができ乗務員が臨機応変にバスを移動させることができるように常に待機していなければならなかったとはいい難い。確かに、他のバスの遅延や周囲の交通状況により、運行指示表又は発車順番表のとおりに運行することができない場合もあると考えられるが、証拠によれば、これらの転回場所においても、乗務員が待機時間中にトイレ以外の理由でもバスを離れることがあったことがうかがわれ、このことからすると、上記の事情を考慮しても、乗務員が待機時間中に予定外の移動を行わなければならないことが度々あったとは認められないから、これらの事情は上記認定を左右するまでのものとは考え難い。
次に、二島駅の転回場所についても、同時に複数のバスが停止していることがあったものの、平成26年6月のダイヤ改正により、ダイヤ上複数のバスが同時に待機することはなくなった上、証拠及び弁論の全趣旨によれば、同転回場所においては、仮に複数のバスが同時に待機することになったとしても、本来の待機場所及びそれとは異なる場所で待機することができ、その場合であっても他のバスが通過することのできる程度の間隔があったものといえるから、同転回場所において、乗務員が常に待機時間中の突発的な移動に備えておかなければならなかったものとは認め難い
また、本城陸上競技場(待機場側)の転回場所については、後に来たバスが先に出発する場合、先に来たバスは、運行指示表上の指示により、これにより突発的な移動の必要性が生じることを回避することができたと考えられる。確かに、証拠によれば、本来は先に到着しているはずのバスが遅れてきたことにより、そのバスが出発するために、先に到着したバスが転回場所から移動せざるを
得ない状況が生じることがあったと認められるが、証拠及び弁論の全趣旨によれば、同転回場所で複数のバスが同時に待機することは、ダイヤ上平日に各2回あったにすぎないことが認められ、このことに照らすと、上記のような状況が度々生じるものであったとは認められない。そうすると、同転回場所についても、上記のような状況が生じていたことから、待機時間中に乗務員が手待ち状態にあったということはできない

2 以上に述べるところからすると、待機時間は、Xらが主張するところとは異なり、概ね休憩時間と認めるべきものということができる。しかし、これら判示したところに照らしても、例えば、転回時間内に終了できない業務が発生したり、転回場所や始発場所におけるバスの移動等においても、なお労働時間と考えられる時間が全く存在しないとまでは見受けられず、他方において、遅れ報告書の提出が必ずしも普及していない現状に鑑みると、このような労働時間を存しないものとして割り切ることには躊躇を感ぜざるを得ない
また、路線バスにおける一つの系統の運転業務と次の系統の運転業務との間の時間の一部であるという待機時間の性質に鑑みると、その間が短い待機時間においては、仮にその間に実作業が生じなかったとしても、乗務員は、待機時間の開始後直ちに次の運転業務に備える必要があったということができるから、転回時間の存在を考慮しても、乗務員がその前後の労働から解放されていたとはいい難く、むしろ、乗務員は、なおY市の指揮命令下に置かれていたものと評価することができると
いうべきである
そこで、以上に述べるような事情に加え、証拠及び弁論の全趣旨から認められる各待機場所の性質及び待機時間の長さに鑑みて、待機時間の1割を労基法上の労働時間に当たるものと認めるのが相当である。

待機時間の労基法上の労働時間性が問題となっていますが、この裁判例では、割合的に労働時間性を認定しています。

この論点は、いつもとても悩ましいので、参考にしてください。

本の紹介1005(金のなる人)

おはようございます。

今日は本の紹介です。

決して投資のみを薦める本ではありません。

お金の稼ぎ方、使い方等お金に関するさまざまな側面が書かれています。

さて、この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

都会に住んでいる人に顕著だと思うが、ステータスにお金を使われている人はかわいそうだ。家や車、豪華な食事などは、心から楽しんでの消費というよりも、ステータスでやっているように見える。それで肝心の手元にお金がないというのなら、今すぐに考え直したほうがいい。」(53~54頁)

まあ、物欲なし夫君の私には関係のないことですが。

ステータスを気にして、ほしくもない物を買うなんて見栄っ張りのやることです。

全く興味がありません。

無理して見栄を張っても、全然幸せではないのですよ。

有期労働契約90(シェーンコーポレーション事件)

おはようございます。 今週も一週間がんばりましょう。

今日は、法定外年休をも対象とする計画年休制度の有効性に関する裁判例を見てみましょう。

シェーンコーポレーション事件(東京高裁令和元年10月9日・ジュリ1540号4頁)

【事案の概要】

Xは英会話学校を経営するY社と平成27年3月1日から期間1年の有期労働契約を締結し、講師として複数の学校で勤務した。Xの契約は1回更新されたが、2回目の更新はなされなかった。これに対する労働契約上の地位確認及び未払賃金請求が原審で棄却されたため、Xが控訴した。

Y社就業規則17条は「勤続6か月に達した講師には、年間20日間の有給休暇を与える。ただし、・・・5日を超える有給休暇(15日間)については、取得する時季を指定して一斉に取得する計画年休とし、その時季は、講師カレンダーに示される。」と規定していた(計画的年休制度)。法定の年休とそれを超える部分である会社有給休暇との区別はなく、計画年休協定(労基法39条6項)も締結されていなかった(平成28年10月に講師代表3名とY社が協定を締結したが、この3名は一般の従業員を除く講師のみの投票で選ばれており、かつ事業場である学校毎ではなく複数校をまとめたエリア毎の代表であった。)。

【裁判所の判断】

原判決取消し、Xの請求認容

【判例のポイント】

1 Y社では講師の希望があれば遅刻が多いあるいは授業の質が低いなどの事情がある場合を除き通常は契約の更新をしている。・・・このことからすれば、Xには本件当時「契約が更新されるものと期待することについて合理的な理由があった。

2 労基法39条6項の要件を満たす労使協定は締結されていないので、法定年次有給休暇について、その時季をY社が指定することはできず、Xを含む従業員が自由にその時季を指定することができた。会社有給休暇については労基法の規律を受けず、Y社が時季指定を行えるが、法定分についてY社は時季指定できない。そしてY社は、法定年次有給休暇を区別することなく15日を指定しており、そのうちどの日が会社有給休暇に関する指定であるかを特定することはできない
したがって、上記の指定は、全体として無効というほかなく、年間20日の有給休暇の全てについて、Xがその時季を自由に指定することができる。計画的年休として指定された14日はY社がXの就労を免除したものとなる。Xが有給休暇として取得した休暇は正当な理由のない欠勤には該当しない

あまり見たことがない論点ですが、このように解さざるを得ないと思います。

本の紹介1004(頭がいい人は脳を『運動』で鍛えている)

おはようございます。 今週も一週間お疲れさまでした。

今日は本の紹介です。

医学・科学的に実証された方法のみを紹介してくれています。

タイトルのとおり、運動をすると脳に対して良い影響を与えることが記載されています。

さて、この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

『健全なる精神は健全なる身体に宿る』ローマの詩人ユベナリスの『風刺詩集』にある、『大欲を抱かず、健康な身体に健全な精神が宿るように祈らなければならない』の一部が訳され広まったこの言葉ですが、これほどまでに広まったのは、フィジカルとメンタルを切り離すことができないという実体験が、私たち人間には多いからだと思われます。」(48~49頁)

日頃からトレーニングをしている人はみなさんわかっていることです。

フィジカルとメンタルは密接に関連しています。

ジムで筋トレしている人でネガティブな人っているんですかね?

探せばいるか・・。

医学・科学のお話はさておき、実感としても、体を鍛えることと心を鍛えることは関連がありますので、やはりトレーニングは継続すべきということです。

解雇319(尾崎織マーク事件)

おはようございます。

今日は、事業所廃止に伴う解雇の有効性と定年後再雇用契約の成否等に関する裁判例を見てみましょう。

尾崎織マーク事件(京都地裁平成30年4月13日・労判1210号66頁)

【事案の概要】

本件は、Y社に雇用されていたXが、①平成28年3月15日に「同年4月16日をもって解雇する。」旨の解雇通知が解雇権の濫用(具体的には整理解雇の要件を充足していない)から無効であるとして、定年(平成28年8月3日)までの未払賃金+遅延損害金の支払を求めるとともに、②上記①記載の解雇が無効であれば、当然に定年後は再雇用されることが予定されていたとして、再雇用後の労働契約上の地位の確認と、それを前提にした未払賃金+遅延損害金の支払を、それぞれ求めている事案である。

【裁判所の判断】

Y社はXに対し、11万0810円+遅延損害金を支払え

Y社はXに対し、137万1447円+遅延損害金を支払え

Y社はXに対し、401万0423円+遅延損害金を支払え

【判例のポイント】

1 Aセンター閉鎖が決定されたことに伴うXの処遇が平成27年9月から平成28年3月にかけて重要な課題であったところ、その最中にY社東京支店において営業担当社員の新規採用が行われていた事実が認められる。そうすると、経費削減の一環として本件解雇がなされた一方で、Y社東京支店に所属する営業担当社員を2名新規採用するといった対応は、一貫性を欠くものと評価されてもやむを得ない少なくともX側に対して東京支店への配転の打診は行うべきであったといえるところ、それをした形跡も窺われないから、解雇回避のための努力を尽くしたと評価するには至らない。

2 定年後の再雇用(雇用継続)について、再雇用を希望する者全員との間で新たに労働契約を締結する状況が事実上続いていたとしても、労働契約が締結されたと認定・評価するには、強行法規が存在していれば格別、そうでない場合には、賃金額を含めた核心的な労働条件に関する合意の存在が不可欠である。したがって、本件において、XとY社の間で嘱託社員としての再雇用契約締結に関する合意は全く存在しない以上、その契約上の地位にあることも認められない
ただし、Xが、定年後に嘱託社員としてY社に再雇用(継続雇用)されることを期待していたことは明らかであり、Y社において労働者が再雇用を希望した場合に再雇用されなかった例は記憶にないとのY社代表者の供述も勘案すると、Y社は、前記のとおり、違法無効な整理解雇通知をしたものであり、これによってXの雇用継続の期待権を侵害した不法行為責任を負うと言わなければならない。
・・・また、損害発生期間については、定年退職後の再雇用規程の第1条によると、最大で満65歳に達するまで再雇用(継続雇用)されることが期待できるものの、Xの健康状態が5年間維持されるとは必ずしも断定できないことから、控えめに見て少なくとも3年間の更新は期待できるものとして、期待権侵害による損害賠償額は3年分相当額(ただし、3年に対応する中間利息はライプニッツ方式により控除するのが相当である。)と認めるのが相当である。

上記判例のポイント2は十分に気を付けなければいけません。

3年分相当額の賠償額というとかなりの金額になりますので、注意しましょう。

本の紹介1003(もしも一年後、この世にいないとしたら。)

おはようございます。

今日は本の紹介です。

著者は、国立がん研究センター中央病院精神腫瘍科長の医師です。

帯には「人生の締切を意識すると明日が変わる」とあります。

有限だからこそ日々を大切に生きていかなければいけないと思うのです。

さて、この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

『must』の自分のほうが主役になり、常に『弱音を吐いてはダメだ』という声が『want』の自分を強烈に縛ってしまうようなあり方は、なかなか大変です。もしその努力により、たとえ社会的な成功を手に入れたとしても、『want』の自分が悲鳴を上げてしまい、こころの奥底には虚しさが漂ってしまうように思います。」(120~121頁)

社会的に成功しても幸せを感じられないのであれば、何の意味もありません。

mustが強すぎて、多くのことを我慢して生きているのは、本当にもったいないことです。

wantを全面に出して生きてもいいのです。

自分の人生なのだから。

どうせ人生なんてあっという間に終わるのですから。

ずっと我慢して気づいたらおじいちゃんなんて、まっぴらごめんです。

セクハラ・パワハラ59(食品会社A社(障害者雇用枠採用社員)事件)

おはようございます。 今週も一週間がんばりましょう。

今日は、上司の発言等によるうつ病悪化の有無と自殺に対する損害賠償請求に関する裁判例を見てみましょう。

食品会社A社(障害者雇用枠採用社員)事件(札幌地裁令和元年6月19日・労判1209号64頁)

【事案の概要】

本件は、Y社での勤務開始当初からうつ病にり患していたXが自殺した原因は、Xの上司の発言及びY社がXの要望に応じて業務量を増加させなかったことなどにより、極度に強い心理的負荷を与えられたXがうつ病の程度を悪化させたことにあるとして、Xの母であるAが、XのY社に対する損害賠償請求権を相続したこと、また、A及びXの妹であるBがXの死亡によって精神的苦痛を受けたことを理由として、Y社に対し、Xの損害賠償請求権の相続に伴う損害を含むXの損害7879万9773円及びBの損害330万円+遅延損害金の支払を求めた事案である。

【裁判所の判断】

請求棄却

【判例のポイント】

1 一般に、使用者側は、雇用する労働者の配置及び業務の割当て等について、業務上の合理性に基づく裁量権を有すると解されるが、労働者に労務提供の意思及び能力があるにもかかわらず、使用者が業務を与えず、又は、その地位、能力及び経験に照らして、これらとかけ離れた程度の低い業務にしか従事させない状態を継続させることは、業務上の合理性があるのでなければ許されない。そして、上記の状態の継続は、当該労働者に対し、自らが使用者から必要とされていないという無力感や恥辱感を生じさせる危険性が高いといえ、上記の状態に置かれた期間及び具体的な状況等次第で、労働者に心理的負荷を与えることは十分にあり得るところである。

2 Dは、XがY社に雇用される前の時点において、Xがうつ病にり患していることを認識していたところ、使用者には、障害者基本法上、個々の障害者の特性に応じた適正な雇用管理が求められていること、精神障害を有する者は、ささいな心理的負荷にも過大に反応する傾向があることを踏まえると、一貫してXの上司であったDには、Xに対する安全配慮義務の一内容として、Xから業務量に関する申出があった場合には、現在の業務量による心理的負荷があるか、あるとしてどの程度のものかなどを検討し、業務上の合理性に基づく裁量判断を経て、対応可能な範囲で当該申出に対応し、対応が不可能であれば、そのことをXに説明すべき義務を負っていたというべきである。

3 本件発言は、Xに心理的負荷を与えるものであったといえる。
しかしながら、本件発言は、DとXの2人だけの場においてされたものであって、DがXに対して本件発言をしたことが周囲に認識されたわけでもなく、このような発言が繰り返されたわけでもない
また、Dは、本件発言後の本件面談において、Xに対して業務量の増加を検討すると説明し、Xは、そのことを受け、喜び、また、その数日後には、仕事がもらえ、手が空くことが少なくなったと認識していることからすれば、Xは、本件発言によって心理的負荷を受けたものの、以降その状態が継続したと認めることはできない
・・・これらによれば、本件発言によって、Xがうつ病の程度を悪化させ、それによって自殺したとは認められない。
以上によれば、Dの注意義務違反とXの自殺との間に因果関係は認められない。

上記判例のポイント2は、障碍者雇用の基本的考え方ですので、是非理解をしておいてください。

本の紹介1002(みんなで筋肉体操語録)

おはようございます。 今週も一週間お疲れさまでした。

今日は本の紹介です。

おなじみの「みんなで筋肉体操」での名言を取り上げた本です。

筋トレに限らず生きる上で力となる言葉が並べられています。

さて、この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

自分ではできているつもりだけど、実際にはごまかしているだけで、ちっともできていない。筋トレ以外でも、そんなことって結構あると思います。そのふるまいは本当にごまかさずにきちんとできていますか?それは、浅はかなスクワットではありませんか?厳しい言い方ですが、自己評価が高い人ほど、また見栄っ張りな人ほど、そうではないでしょうか。」(32頁)

筋トレでも仕事でも「浅はかなスクワット」で誤魔化しながら回数を重ねて行っても何の成果も出ません。

だからこそ、誰も見ていなくたって、しっかり正しいやり方で筋トレをしなければ意味がないのです。

正しいフォームで適切な重量で筋トレをやった翌日は、筋肉痛のなり方が違います。

誤魔化したかどうかは自分が一番よくわかっているのです。

不当労働行為231(学校法人大阪YMCA(雇止め)事件)

おはようございます。

今日は、希望退職の応募者が定員に達しなかったことを理由に、有期雇用の嘱託職員である組合書記長を雇止めにしたことが不当労働行為とされた事案を見てみましょう。

学校法人大阪YMCA(雇止め)事件(大阪府労委平成31年2月22日・労判1209号84頁)

【事案の概要】

本件は、希望退職の応募者が定員に達しなかったことを理由に、有期雇用の嘱託職員である組合書記長を雇止めにしたことが不当労働行為にあたるかが争われた事案である。

【労働委員会の判断】

不当労働行為にあたる

【命令のポイント】

1 組合はY社あての平成28年9月5日付けの団交申入書にて、同年度の人事異動に伴う学院高校の労働強化問題を議題とする団交を申し入れたこと、②この申入書には、(1)同年7月14日の団交にて、組合は、学院高校の業務量の改善を申し入れ、職場の実態について説明を求めたが、Y社は、校務分掌に基づく形式をなぞるだけで、労働強化はないとし、同26年度から始まった奨学制度について制度自体を知らないと述べるなど、職場の実態は明らかにされなかった、(2)同27年夏以降、現場の事務職の総意として業務達成には現行の人数でぎりぎりであることをJ副校長及びK事務長に伝えていたにもかかわらず、これを全く考慮せず、異動を強行し、おざなりな現場調査と形式論で労働強化はないとするY社に抗議する旨の記載があったこと、がそれぞれ認められ、学院高校の労働強化問題について労使間で対立が生じていたということができる

2 以上によれば、Y社は、C組合員とその組合活動を好ましからざるものとみていたと推認することができ、Y社が、本件希望退職の定員に達しなかった人員数を雇止めにすることにし、その対象にC組合員を含めたことは、C組合員が組合員であることを理由にしたものというのが相当である。

労使間の対立がある状態で、組合員に対して不利益処分を行う場合には、不当労働行為の問題が生じます。

合理的理由を主張立証できるように準備しておくことが求められます。