本の紹介948(「ウケる」は最強のビジネススキルである。)

おはようございます。 今週も一週間お疲れさまでした。

今日は本の紹介です。

たしかにそうかもしれませんね。

つまらない人と一緒にいてもつまらないですからね。

さて、この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

例えば俺が、営業マンで、お前がお客さんだとして礼儀正しいだけの人間から買うか?本当に買いたいのは『この人また会いたいな』と思える人からのはずや」(26頁)

ニッチな産業は違うにしても、大抵の商品に大きな差はない。そこで差別化されるのは販売している人間になる。商品が売れてもその後、何度も会うことが多い。長いお付き合いになるってことや。そしたら人間的な魅力があるやつから買うやろ?」(27頁)

値段が最優先事項だという人は別ですが、やはり「この人だから買う」というのがビジネスの基本です。

特に継続的取引の場合、そうですよね。

どれだけ商品が良くても、売っている「その人」がよくないと買いませんよね。

結局、最後は「人」だということです。

だからこそ、売れない理由を商品のせいにしている営業マンはいつまでたってもトップセールスマンにはなれないのです(笑)

会社のせい、商品のせいにしているうちは、だめなのです。

賃金178(X事件)

おはようございます。

昨日、「栗坊トマト」の種を植えました。

はやく芽が出ないかなー。

今日は、時間外手当相当額を控除する出来高払制賃金の計算方法を有効とした裁判例を見てみましょう。

X事件(大阪地裁平成31年3月20日・労経速2382号2頁)

【事案の概要】

本件は、貨物自動車運送業等を目的とするY社との間で労働契約を締結し、集荷、配達業務に従事していたXらが、Y社に対し、Y社は、Xらに支給する能率手当の計算に当たり、業務結果等により算出される出来高(賃金対象額)から時間外手当に相当する額を控除しているため、労働基準法37条所定の割増賃金の一部が未払であるなどと主張して、労働契約に基づく賃金請求として、未払割増賃金及び労基法114条の付加金+遅延損害金の支払を求める事案である。

【裁判所の判断】

請求棄却

【判例のポイント】

1 時間外手当Aと能率手当は、それぞれ独立の賃金項目として支給されており、能率手当も含めた基準内賃金に対し、所定の計算式によって時間外労働等に対する時間外手当が算出され支給されていることが認められるところ、Y社とXらとの間の労働契約において、賃金対象額と同額を能率手当として支払うなどとする合意の存在は認められず、本件計算方法は、飽くまでも能率手当の算出方法を定めたものにすぎないといえるのであるから、能率手当の具体的な算出方法として、「能率手当=賃金対象額ー時間外手当A」という過程を経ているとしても(上記のとおり、能率手当は賃金対象額が時間外手当Aを上回る場合に支給されるものであって、賃金対象額が時間外手当Aを下回る場合にマイナスとなるものではない。)、Y社は、現実に時間外手当Aを支払っていると解するのが相当である

2 また、労基法37条は、労働契約における通常の労働時間をどのように定めるか特に規定していないことに照らせば、労働契約の内容となる賃金体系の設計は、法令による規制及び公序良俗に反することがない限り、私的自治の原則に従い、当事者の意思によって決定することができるものであり、基本的に労使の自治に委ねられていると解するのが相当である。
そして、本件における能率手当は、労働の成果に応じて金額が変動することを内容とした出来高払制賃金であると解されるところ、出来高払制賃金の定め方を指定し、あるいは規制した法令等は特に見当たらず、出来高払制賃金について、いわゆる成果主義の観点から労働効率性を評価に取り入れて、労働の成果が同じである場合に労働時間の長短によって金額に差が生ずるようにその算定過程で調整を図ること自体は特段不合理なものであるとはいえない。したがって、能率手当の算定に当たって、賃金対象額と時間外手当Aとを比較した超過差額を基準とする本件計算方法は、労働時間に応じた労働効率性を能率手当の金額に反映させるための仕組みとして、合理性を是認することができるというべきである。
以上説示した点に鑑みると、本件計算方法は、労基法37条の趣旨に反するとか、同条の潜脱に当たるとはいえない。

3 ①集配職に支給される賃金は、能率手当以外の基準内賃金とこれらに対する割増賃金である時間外手当A及び時間外手当C、出来高払制賃金である能率手当とこれに対する割増賃金である時間外手当B並びにその他の基準外賃金(通勤手当、扶養手当等)により構成されていること、②以上の賃金のうち、能率手当を含む基準内賃金が、通常の労働時間の賃金に当たる部分であり、時間外手当A、時間外手当B及び時間外手当Cが、労基法37条の定める割増賃金に当たる部分に該当すること、以上の点が認められ、これらの点に鑑みると、集配職の賃金は、通常の労働時間の賃金に当たる部分と労基法37条の定める割増賃金に当たる部分とが明確に区分されて定められていると認められる

4 Y社は、能率手当以外の基準内賃金に対する割増賃金として時間外手当Aを支給しており、これとは別に所定の計算式により算出された賃金対象額(これ自体は「通常の労働時間の賃金」として支給が定められたものではない。)が時間外手当Aの額を上回る場合に、超過差額を能率手当として支給しているのであって、能率手当に係る本件計算方法の過程で、通常の労働時間の賃金から時間外労働Aに相当する額を控除しているわけではないというべきであるから、時間外手当Aは、その内容に鑑みて、労基法37条に定める割増賃金に該当すると解するのが相当である。また、能率手当は、出来払制の賃金であるが、労働の成果のみならず、労働効率性を評価に取り入れて、成果の獲得に要した労働時間によって金額が変動するものとしても、成果主義的な賃金として、通常の労働時間の賃金としての実質を欠くものとはいえない。

非常に重要な裁判例です。

賃金制度を適切に設計・運用することは労務管理のキモです。

特に拘束時間の長い運送業においては必要不可欠ですので、是非、弁護士のアドバイスの下に適切に労務管理をしてください。

本の紹介947(お金儲け2.0)

おはようございます。

今日は本の紹介です。

タイトルのとおり、これからのお金儲けについての考え方について書かれています。

好みの問題ですが、個人的にはうーん・・・という感じでした。

さて、この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

ほとんどすべての人に信用スコアが付く未来、信用スコアはスマホのカメラをかざすと顔認証技術で表示されるようになり、信用スコアが高い人は誰からも歓迎され、信用スコアが低い人は誰からも避けられるような社会になります。・・・相手の信用スコアがわかれば、安心して仕事を頼めます。また、仕事をきちんとしなければ低い評価をすればいいだけなので、管理者はいらなくなるのです。」(31~32頁)

近い将来、信用スコアが実用化されて、あらゆる取引、契約の際に影響を与えることになるはずです。

現代の管理社会、監視社会やAIと親和性があるため、実用化はそれほど遠くないと思います。

制度上の問題もありますが、ほぼ間違いなく実用化されると思います。

信用を図る複数のファクターにより点数化され、典型例で言えば、融資の可否、融資額、金利等が機械的に決まるようになり、そうなれば、自然と金融機関の融資担当はもはや必要なくなります。

もちろん、これは金融機関に限ったことではなく、さまざまな分野で応用可能なため、「信用」をベースとしたビジネスでは広く取り入れられることが予想されます。

解雇304(トーア事件)

おはようございます。

今日は、代表取締役に対する暴行等と退職慰労金等支払請求に関する裁判例を見てみましょう。

トーア事件(大阪地裁平成31年3月7日・労判ジャーナル88号35頁)

【事案の概要】

本件は、本訴において、Y社の元従業員Xが、①Y社並びにY社の代表取締役であったC及びBが、長年にわたってXに過重労働を強いたため、Xがうつ病に罹患し、精神的苦痛を被ったとして、Y社らに対し、安全配慮義務違反(債務不履行)ないしは不法行為に基づき、慰謝料800万円等の支払、②XがY社を退職したとして、Y社に対し、雇用契約に基づき、退職慰労金約478万円等の支払を求め、反訴において、Bが、Xに対し、①平成24年3月以降平成27年11月まで計約1227万円を支払わせた、②脅迫して計250万円を支払わせた、③Bの顔面を殴打するなどの暴行を加えて傷害を負わせた、④上記平成22年以降の言動に加え、Bの体を縄で縛って写真を撮影するなどしてBの人格権を侵害し、精神的苦痛を被らせたとして、Xに対し、各不法行為に基づき計約1969万円等の支払を求めた事案である。

【裁判所の判断】

未払賃金等支払請求棄却

損害賠償等請求一部認容

【判例のポイント】

1 Xは、平成9年以降、Y社から、退職するまでの間、深夜までの残業を強いられ、土日も休むことができなかった旨主張するが、具体的な各日の労働時間の主張・供述がない上、タイムカードのデータを見ても、そのような深夜までの残業を行っていたことは窺われず、そのほかXが残業を行っていたことを裏付けるに足りる証拠はなく、Xが平成9年以降過重労働を行っていたことを認めるに足りる証拠はないから、Y社らの過失によるXの法益侵害ないしY社の安全配慮義務違反Xの主張は、その前提を欠く。

2 Bが、共謀したXらから暴行を受け傷害を負ったと認められ、また、Xによる脅迫等の事実が認められ、これらの認定事実は、少なくとも就業規則懲戒事由に該当すると認められ、さらに、上記各事実について、Y社の代表者に対するものであること、多数回にわたり暴行に及んでいること、肋骨骨折等その結果の重大性、執拗な脅迫の態様、支払わせた金額が大きいこと等に照らせば、本件懲戒解雇は、客観的に合理的な理由があり、社会的に相当であると認められるところ、Xは、懲戒解雇が弁明の機会も付与することなく行われており、適正手続も欠くと主張するが、上記のとおり、懲戒事由の内容がY社の代表者であるBに対する暴行・傷害であり、脅迫であることに鑑みれば、Y社がXに弁明の機会を付与しなかったからといって、上記相当性を失わせるものではなく、Xの行為は、これまでの勤続の功を抹消するほどの著しい背信行為であるといえるから、Xの退職慰労金請求には理由がない。

上記判例のポイント2は押さえておきましょう。

弁明の機会を与えなかった場合、手続的要件を欠くと争われますが、懲戒事由が重い場合、手続的要件を欠いたとしても、それだけで相当性要件を否定されるわけではありません。

本の紹介946(ハッタリの流儀)

おはようございます。 今週も一週間がんばりましょう。

今日は本の紹介です。

過去最高に表紙がぶっ飛んでいますが、本の内容は、いつもと同じ堀江節です。

タイトルの内容に限らず、さまざまなことが書かれていますが、書かれているメッセージはいつも同じです。

結局、堀江さんの本を何百冊読もうとも、動かない人は決して動きません。

やる人はいつでもやるし、やらない人はいつまでもやらないのです。

さて、この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

つまり、世間の99パーセントの人が持っているような『こうあるべき』という常識を頭から外さなければハッタリはかませない。ハッタリはその業界その世界の人間たちが眉をひそめるようなことでなくてはならない。『もっともらしい言葉』には未来の真実はない。過去の結果でしかない。まずは頭の中から『もっともらしい言葉』を捨てよう。まるで地球の常識など知らない宇宙人のような脳みそに変えていこう。」(113頁)

人生も仕事も「こうあるべき」論に従いたい人とそうでない人がいます。

別にどちらでもいいのです。好きなように生きればいいのですから。

ただ、「こうあるべき」というレールにのりたくない人が我慢して世間の常識に従う必要はないということです。

いつもこのブログで書いているとおり、自分の人生なのですから、自分が生きたいように生きればいいのです。

何歳くらいには結婚して、子どもを持って、家を建てて、安定した職業について・・・

「べき」論なんて、多くの場合、同調圧力から来る義務感によるものです。

幸せの感じ方は人それぞれです。

世間体を気にして、1度しかない人生を我慢して生きないことが、幸福感につながります。

解雇303(ヤマト運輸事件)

おはようございます。 今週も一週間お疲れさまでした。

今日は、わいせつ行為を理由とする懲戒解雇に関する裁判例を見てみましょう。

ヤマト運輸事件(大阪地裁平成31年2月7日・労判ジャーナル88号44頁)

【事案の概要】

本件は、本訴請求において、Y社の元従業員が同人に対する懲戒解雇処分が無効であることを理由として、労働契約上の地位確認を求めるとともに、民法536条2項に基づき、平成27年12月25日から本判決確定日までの間、毎月25日に支払われるべき賃金等の支払を求め、反訴請求において、Y社が、上記懲戒解雇処分の理由である、Xの就業時間中における女性に対するわいせつ行為によって、使用者として示談金の支払を余儀なくされたとして、民法715条3項に基づき、示談金相当額の求償を求めるとともに、同わいせつ行為によって、社会的信用が著しく毀損されたことを理由として、民法709条に基づき、損害賠償を求めた事案である。

【裁判所の判断】

懲戒解雇は有効

示談金相当額の求償は認容

社会的信用が毀損されたことを理由とする損害賠償請求は棄却

【判例のポイント】

1 Xは、集荷業務中に集荷先企業の女性従業員Aに対し、その意に反して身体を抱きしめ、左胸を触る行為をしたものであり、かかる行為は、会社就業規則の42条9号、同条4号、同条14号及び同条15条に該当するということができ、そして、同行為の性質や内容に照らすと、本件懲戒解雇が不当に重いものとはいえないから、同処分が権利濫用に該当し無効であるとはいえないから、本件懲戒解雇が無効であることを前提とする本訴請求は、いずれも理由がない。

2 XのAに対する行為は、就業時間中になされたものであり、Y社の事業の執行につきなされたものであるといえるから、Y社はAに対し、民法715条1項による損害賠償責任を負い、その損害賠償責任を果たしたY社は、Xに対し、民法715条3項による求償を請求することができ、そして、XがAに対して故意にわいせつ行為に及んだものであること、Xの行為がY社就業規則のうち特に42条9号に違反するものであること、Xが以前にも女性に対する性的な行為を原因としてY社から懲戒処分を受けていたことに照らすと、業務上生じた損害の公平な分担の見地に照らしても、Y社のXに対する求償権を制限するのが相当であるとはいえないが、他方、Y社においては、XのAに対する行為によって、Aに対する示談金の支払を余儀なくされた以上に、社会的信用が毀損され損害が生じたと認めるに足りる的確な証拠はないから、民法709条に基づき、社会的信用を毀損されたことに対する損害賠償の支払いを求める部分は理由がないものというべきであり、XはY社に対し、民法715条3項に基づき、120万8026円等を支払う義務がある。

事案によっては、求償権を制限される事案もありますので注意が必要です。

本の紹介945(時間術大全)

おはようございます。

今日は本の紹介です。

どうやったら自分の時間が増えるのかについて著者の考えがまとめられています。

目から鱗が落ちることはありませんでしたが、いろいろな工夫をすることで時間は生み出せることは事実です。

さて、この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

僕のスマホは、まるで『指輪物語』の指輪がビルボ・バギンズを呼ぶように、ポケットのなかからいつも僕を呼んでいた。ほんの少しでも退屈を感じたその瞬間、まるで魔法のように手のひらにスマホが現れたものだ。でもいまは無限の泉アプリがないおかげで、そわそわしなくなった。前なら反射的にスマホに手を伸ばしていたような暇なときも、いまはただひと休みするほかないーでもそんな時間はちっとも退屈じゃないことがわかった。」(122~123頁)

スマホのあらゆるアプリにどれだけの時間を費やしていることか・・・。

1日のうちの何時間をスマホいじりに使っているのでしょう。

フローの時間をストックの時間に置き換える人生が変わり始めます。

インスタやフェイスブックで他人の行動をチェックしているだけでは人生は1ミリも変わりません。

管理監督者42(日産自動車事件)

おはようございます。

今日は、労働時間の裁量と管理監督者該当性に関する裁判例を見てみましょう。

日産自動車事件(横浜地裁平成31年3月26日・労判ジャーナル88号26頁)

【事案の概要】

本件は、Y社の課長職を務めていた亡Xの妻が、Xの死亡によりその賃金請求権の3分の2を相続したとして、Y社に対し、雇用契約による賃金請求権に基づき、平成26年9月から平成28年3月までの時間外労働分につき、労働基準法上の割増率による割増賃金約525万円等並びに労働基準法114条の付加金支払請求権に基づき、未払時間外割増賃金と同額の付加金等の支払を求めた事例である。

【裁判所の判断】

管理監督者に該当しない
→請求の一部認容

付加金等支払請求は棄却

【判例のポイント】

1 D部に配属されていた当時のXのその他の職責及び権限を考慮しても、その当時のXが、実質的に経営者と一体的な立場にあるといえるだけの重要な職責及び権限を付与されていたとは認められず、また、N部に配属されていた当時のXのその他の職責及び権限を考慮しても、その当時のXが、実質的に経営者と一体的な立場にあるといえるだけの重要な職責及び権限を付与されていたとは認められず、Xは、自己の労働時間について裁量があり、管理監督者にふさわしい待遇がなされているものの、実質的に経営者と一体的な立場にあるといえるだけの重要な職責と責任、権限を付与されているとは認められないから、Xが、管理監督者に該当するとは認められない。

2 Y社が、割増賃金を支払わなかったのは、Xを管理監督者と認識していたためであるところ、Xは、結果として管理監督者とは認められないものの、間接的とはいえ経営意思の形成に影響する職責及び権限を有し、自己の労働時間について裁量も有しており、管理監督者にふさわしい待遇を受けていたことからすれば、Y社がXを管理監督者に該当すると認識したことに、相応の理由があるというべきであり、Y社がX及びXの妻に割増賃金を支払わなかったことについて、その態様が悪質であるということはできないから、本件において、Y社に付加金の支払を命じるのは相当でない

管理監督者の制度運用はもうあきらめたほうがいいかもしれませんね。

要件が厳しすぎてほとんど認められる余地がありません。

本の紹介944(経営参謀としての士業戦略)

おはようございます。 今週も一週間がんばりましょう。

今日は本の紹介です。

こういう感じの本は久しく読んでいませんでしたが、アマゾンで上がってきたので読んでみました。

AIに仕事を奪われることを恐れていないというか、早くどんどん煩雑な業務を奪ってください。

さて、この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

・・・これからは、資格ありきでビジネスを考えるのではなく、市場の動きを読んだビジネス展開をして、資格が使えるならば使うという発想のほうがむしろ安全だといえるでしょう。『資格を使わないともったいない』という心理や、『〇〇士の仕事とはこういうものだ』という先入観でビジネスの発想の幅が狭くなり、利益率が低くてもその仕事に固執するのであれば、それは『資格に使われている』状況です。資格は『使われる』ものではなく『使う』ものです。」(151頁)

独占業務は別として、それ以外の仕事について、資格ありきでビジネスを考えることなどもはやほとんどありません。

独占業務に固執する時代はとっくに終わっており、その外にあるビジネスを弁護士としてどう取り扱うかを考えることのほうがはるかに多いです。

だからこそ、AIに仕事を奪われるみたいな話はまったく興味がなく、むしろ代わりにやってくれるのならどんどんやってくださいという話です。

これからますます今までに想像もしなかった仕事が生まれるわけですから、むしろこの状況をポジティブに捉えるべきでしょう。

賃金177(天理交通事件)

おはようございます。 今週も一週間お疲れさまでした。

今日は、バス運転手の未払時間外割増賃金等請求に関する裁判例を見てみましょう。

天理交通事件(大阪地裁平成31年2月28日・労判ジャーナル88号38頁)

【事案の概要】

本件は、バスの運転手としてY社に勤務していたXが、Y社に対し、平成26年10月28日から平成27年11月10日までの間における時間外割増賃金及び付加金の支払を求めた事案である。

【裁判所の判断】

一部認容

付加金等請求は棄却

【判例のポイント】

1 Y社は15日を超えた場合に支給される1日1万2000円の金員は、割増賃金として支給したものである旨主張するが、本件雇用契約書には、「基本給150,000円(1ヶ月15日間拘束・超過日数分は、歩合給として1日につき12,000円)」と記載されていること、Y社がXに対して毎月交付していた給与明細書には、時間外割増賃金とは別に、「所定時間外賃金」の項目が記載されていること、以上の点に、本件雇用契約締結時、Y社がXに対し、Y社就業規則(賃金規程)の該当箇所を見せるなどして、15日を超えた分の賃金が、時間外割増賃金の趣旨で支払われる旨の説明があったことを認めるに足りる的確な証拠はないこと(かえって、同金員について、本件雇用契約書には「歩合給」として支給する旨記載されている)をも併せ鑑みれば、Y社が「所定時間外賃金」として支払っている金員が時間外割増賃金の趣旨で支払われるということについて、XY社間に合意があったとは認められないから、Y社がXに対し、「所定時間外賃金」として支払っている金員については、本件請求期間に係る時間外割増賃金の額算定に当たって基礎賃金に含まれると解するのが相当である。

2 Y社は、Xに対する時間外割増賃金について、支払いを怠り、同賃金支払義務を負っていると認められるが、もっとも、Y社は、Xに対し、毎月、不足額があったとはいえ、時間外割増賃金を一定額支払っていること、Y社がXに対する割増賃金支払義務を負うのは、エンジン停止時間が休憩時間に該当するのか、労働時間に該当するのかというY社の認識の違いによるものであると考えられるところ、休憩時間に該当するか否かは、業務実態の面もさることながら、法的な評価を含む面もあることは否定できないこと(Y社と同様の業種業態の会社等においても、エンジン停止時間や中休時間について、休憩時間として処理している場合もある)、Y社は、本件訴訟に至ってからとはいえ、Xに対し、運転日報等の労働時間に関する資料を任意に交付したこと等本件に関する諸般の事情を総合的に勘案すると、Y社に対し、付加金の支払を命じるのは相当とはいえないと考えるから、XのY社に対する付加金請求については、これを命じないこととする

この事案も賃金システムの運用ミスから生じているものです。