本の紹介907(ブチ抜く力)

おはようございます。 今週も一週間お疲れ様でした。

今日は本の紹介です。
ブチ抜く力

久しぶりの与沢さんの本です。

痩せましたね!

今回の本は「一つの事に魂を売れ!」がテーマです。

結果を出す人がどんなことを考えているのかがよくわかります。

さて、この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

10年あれば基本的に人は何者にでもなれます。ですが、惰性で生きたら人は衰退していくだけです。10年後に自分はどうなっていたいのか。これは本当に真剣に考えた方がいい事です。
・・・常に種を蒔き、10年後に最も華やかなもの、場所、銘柄、ビジネスなどを想像しながら先手を打っていく事が必要です。リスクを取らなければ、大きなリターンはあり得ません。10年後にこうあるべきだと思うならば、そのゴールを目指して今から着手していく事が重要です。未来を放置する事は、自分の人生を放置するのと同じ事です。
」(144~145頁)

以前にも書きましたが、自分の商品価値を向上させる努力・準備を日々するか、しないか。

ただそれだけの話です。

忙しいのはみんな同じです。

それでもやる人はやっているのです。

僕たち凡人は、人が休んでいる時、人がスマホをいじっている時に努力を積み重ねるしかないのです。

自分の人生は自分で切り開く。

その覚悟があれば絶対にできます。

賃金172(学校法人産業医科大学事件)

おはようございます。

今日は、正社員との基本給の相違が労働契約法20条に反するとした裁判例を見てみましょう。

学校法人産業医科大学事件(福岡高裁平成30年11月29日・労経速2370号3頁)

【事案の概要】

本件は、Y社の臨時職員であるXが、使用者であるY社に対し、両者間の労働契約に係る賃金の定めが有期労働契約であることによる不合理な労働条件であって、無期労働契約を締結している労働者(正規職員)との間で著しい賃金格差が生じており、労働契約法20条及び公序良俗に違反するとして、不法行為に基づき、損害金824万0750円+遅延損害金の支払を求めた事案である。

原判決は、Xの請求を棄却したところ、Xが控訴をした。

【裁判所の判断】

原判決を変更する。
→Y社はXに対し、113万4000円+遅延損害金を支払え

【判例のポイント】

1 これらの事情を総合考慮すると、臨時職員と対照職員との比較対象期間及びその直近の職務の内容並びに職務の内容及び配置の各変更の範囲に違いがあり、Xが大学病院内での同一の科での継続勤務を希望したといった事情を踏まえても、30年以上の長期にわたり雇用を続け、業務に対する習熟度を上げたXに対し、臨時職員であるとして人事院勧告に従った賃金の引き上げのみであって、Xと学歴が同じ短大生の正規職員が管理業務に携わるないし携わることができる地位である主任に昇格する前の賃金水準すら満たさず、現在では、同じ頃採用された正規職員との基本給の額に約2倍の格差が生じているという労働条件の相違は、同学歴の正規職員の主任昇格前の賃金水準を下回る3万円の限度において不合理であると評価することができるものであり、労働契約法20条にいう不合理と認められるものに当たると解するのが相当である。

2 Xは、Y社と正規職員との俸給の差は不合理なものであるから、本件労働契約における賃金の定めが公序良俗に反すると主張するが、労働者の賃金の定めに関する労働条件は、労働者の職務内容及び変更範囲により一義的に定まるものではなく、使用者は、雇用及び人事に関する経営判断の観点から、労働者の職務内容及び変更範囲にとどまらない様々な事情を考慮して、労働者の賃金に関する労働条件を検討するものということができるというのが相当である。そして、労働者の賃金に関する労働条件の在り方については、基本的には、団体交渉等による労使自治に委ねられるべき部分が大きいということができ、前記認定事実に加え証拠によれば、Y社は、団体交渉を経て、臨時職員の退職金についての労働条件を一部改善し、また、平成25年4月からは嘱託職員への切り替えによる3万円の基本給引上げも実施したことが認められ、これらからすれば、Xが主張する事情から、本件労働契約における賃金の定めが公序良俗に反するということはできない

高裁判決ですが、労契法20条に関する裁判例はまだもう少しの間、揺れ動くでしょう。

個々の事案ごとの判断が求められるため、前の2つの最高裁判決が出ても一向に判断が落ち着く気配がありません。

もう少し様子をみるほかないでしょう。

本の紹介906(一切なりゆき~樹木希林のことば~)

おはようございます。

今日は本の紹介です。
一切なりゆき 樹木希林のことば (文春新書)

希林さんのことばをまとめた本です。

言葉言葉に生き方、考え方がストレートで出ており、飾らない人柄が伝わってきます。

さて、この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

着飾っても甲斐がないし、光りものも興味がない。それより住むところを気持ちよくしたいなあって。若い頃は安物買いの銭失いだったんですよ。でも、モノがあるとモノに追いかけられます。持たなければどれだけ頭がスッキリするか。片付けをする時間もあっという間。」(24頁)

希林さんも物に囚われないことの大切さを伝えています。

あれが欲しい、これが欲しいと物欲には際限がありません。

どこまでいっても満たされないのです。

日常生活をより快適にしたいという願望は私も持っていますが、よりいい時計や車を持ちたいという願望は皆無です。

物に対する執着・こだわりがないので、特に不足を感じません。

このような状態を幸せというのではないかと思います。

セクハラ・パワハラ51(プラネットシーアール・プラネット事件)

おはようございます。

今日は、未払賃金請求とパワハラ等に基づく損害賠償等請求に関する裁判例を見てみましょう。

プラネットシーアール・プラネット事件(長崎地裁平成30年12月7日・労判ジャーナル84号20頁)

【事案の概要】

本件は、A社に採用されて休職した労働者が、A社から時間外労働に対する賃金が支払われていないとして、A社に対し、未払賃金合計約258万円等の支払、A社との間で労働契約上の地位を有することの確認を求め、前記休職は上司であったCのパワハラ等が原因で精神疾患を発病したことによるものであり、労働者は休職後も月例賃金及び賞与の請求権を失わないと主張して、A社に対し、休職後の月例賃金及び賞与等の支払を求め、Cに対し、不法行為に基づく損害賠償金約330万円等の支払を求めるとともに、A社に対してはCの使用者(民法715条1項)として、Bに対してはA社の代理監督者(同条2項)として、それぞれ前記金員の連帯支払を求め、また、本件訴訟係属中におけるA社の労働者に対する文書送付に基づき、A社に対し、慰謝料等110万円等の支払等を求めた事案である。

【裁判所の判断】

1 未払賃金等支払請求は一部認容

2 労働契約上の地位確認請求は却下

3 損害賠償請求は一部認容

【判例のポイント】

1 上司であったCの叱責は、内容的にはもはや叱責のための叱責と化し、時間的にも長時間にわたる、業務上の指導を逸脱した執拗ないじめ行為に及ぶようになっていたところ、Xは、職場の状況から、多くの作業を抱え込み、長時間労働を余儀なくされており、更にCの前記のような嫌がらせ、いじめ行為を含む継続的な叱責を受けたため、強い精神的負荷を受け、その結果、適応障害を発病して休職を余儀なくされたと推認され、Xの休業が労働災害によるものと認められ、労働者が休業補償給付決定を受けたことからも肯認でき、Cの前記行為は、Xの人格権等を違法に侵害する不法行為(民法709条)に当たるというべきであり、Cは、Xの損害を賠償する責任を負うというべきであり、また、Cの当該行為はA社の業務を行うにつきされたものであるから、A社も、使用者責任(民法715条1項、709条)に基づき、Xの損害を賠償する責任を負うというべきである。

2 文書5、6は、文書1~4が訴訟代理人間で法的主張を交換する中でされたり、使用者の業務権限に基づいてされたものであるのと異なり、直接労働者に宛てて、全体として、労働者が自らのパワハラ被害を訴えてA社及びB社を批判し、本件訴訟で係争すること自体が非常識で分をわきまえない行為であるかのように労働者を見下して一方的に非難し、貶めたりするものであって、これらの文書を送付する行為は、労働者の名誉感情を侵害する違法な侮辱行為に当たり、不法行為を構成するものと認められ、また、文書5、6は、専らA社・B社の代表者であるDの意思で作成され、同時期に送付されたものであるから、文書5、6の送付行為は、D、B社代表者及びA社代表者の意思連絡の下でされた共同不法行為に当たると解するのが相当であるから、D、A社及びB社は、民法719条1項、709条、会社法350条に基づき、文書5、6の送付により労働者の被った損害を連帯して賠償する義務を負うと解するのが相当であり、労働者の精神的苦痛を金銭をもって慰謝するには20万円が相当である。

この類の訴訟は今も昔もとても多いです。

管理職に対して、パワハラに関する研修を定期的に実施するを強くお奨めします。

本の紹介905(人生でいちばん大切な三つのことば)

おはようございます。 今週も一週間がんばりましょう。

今日は本の紹介です。
人生でいちばん大切な三つのことば

ときどきお坊さんの本を読むと心が落ち着きます。

慌ただしい生活を送っていると忘れてしまいがちな大切なことを教えてくれています。

さて、この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

仏教は声高に『世のため、ひとのため』とは言いません。ある日師匠が『世のためひとのためと言っている者にかぎって、じぶんのためにやっている人間がおる。だから『人』の『為』と書いて『偽り』というんだ』とおっしゃっていました。」(65頁)

人の為と書いて偽り。なるほど。使わせていただきます。

あと、ビジネスをしているのに、「お金じゃない」という人は信用しません。

いかなるビジネスも利益を上げるために仕事をしているのです。

利益が出なければ従業員に給料を払うこともできませんし、早晩、つぶれてしまいます。

聞こえの良い綺麗事に逃げないことがとても大切だと思っています。

解雇295(シンボリックシティ事件)

おはようございます。今週も一週間お疲れ様でした。

今日は、能力欠如等を理由とする解雇に関する裁判例を見てみましょう。

シンボリックシティ事件(東京地裁平成30年9月13日・労判ジャーナル84号50頁)

【事案の概要】

本件は、シェアハウス等の経営・運営・管理、不動産の所有・売買・仲介・賃貸・管理・あっせん並びにコンサルティング業務等を目的とするY社に雇用されたXが、Y社によって行われた解雇が無効かつ違法であると主張して、Y社に対し、雇用契約上の権利を有する地位にあることの確認とともに、同契約に基づく上記解雇後の賃金の支払を求めた事案である。

【裁判所の判断】

解雇無効

【判例のポイント】

1 Y社は、Xが退職することに応じた旨を主張するところ、本件雇用契約においては、Y社がXに対して解雇通知書を発出して明確に「解雇」の意思表示をしていること、また、その後に解雇理由証明書も発出されて、同書面に解雇理由が列記されていること、さらに、Y社が債権者に宛てて発出した自身の経営状況を知らせる通知においても従業員を解雇するに至った旨が明記されていること、これに加えて、Xが退職勧奨に合意をしていない旨を明らかにしていることからすると、Y社がXを解雇したことが明らかに認められ、これに照らすと、解雇理由証明書においてXの退職合意に関する記載をY社が一方的にしているからといって、これによって、そのような退職合意の事実があったことを推認することはできないから、Xが退職することを合意したとのY社の主張は理由がない。

2 Xは、Y社に入社した当初頃の平成28年11月分の基本給が25万円であったところ、その後に稼働を続けて、本件解雇当時である平成29年12月までには、基本給28万円及び資格手当3万円の月額合計31万円に昇給したばかりでなく、時には報奨金やインセンティブの支払を受けていたことが認められ、これらの事実からすると、Xは、Y社において特段の落ち度なく勤務してきたものと推認されるが、これに対し、Y社は、Xの職務遂行能力が欠如している等の解雇理由を様々に主張するが、そのような事実を客観的に的確に認めるに足りる証拠は一切ないから、本件解雇は客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められないから、解雇権を濫用したものとして無効である。

能力不足を理由として解雇する場合には、しっかり証拠を揃えなければ認定してもらえません。

事前準備なく解雇をしてしまうと訴訟になってからが大変です。

本の紹介904(労働2.0)

おはようございます。

今日は本の紹介です。
労働2.0 やりたいことして、食べていく

オリラジの中田さんの本です。

キングコング西野さんもそうですが、もはやお笑いの枠を完全に飛び越えていますね。

仕事の仕方、発想の仕方など、とても勉強になります。

おすすめです。

さて、この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

もし、成功者に嫉妬などしていたら、そういうチャンスを根こそぎ失います。ライバルだと思う存在、勝てないと思う相手がいたら、良いところを見て吸収するのが得策です。」(187頁)

現在、仕事がうまくいっていない人は総じて、先ほど述べた『成功例を見習えない』という共通点をひそかに抱えている、と私は思っています。」(192頁)

嫉妬なんてしていないで、うまくいっている人の良いところをどんどん参考にすればいいのです。

うまくいくには必ず理由があるのです。

素直に柔軟に良いものは良いと評価できることはとても大切なことです。

成功例はいくつもあるわけですから、そんなに難しいことではありません。

あとはやるかやらないか。ただそれだけの話。

労働者性24(メディカルプロジェクト事件)

おはようございます。

今日は、医師の労基法上の労働者性に関する裁判例を見てみましょう。

メディカルプロジェクト事件(東京地裁平成30年9月20日・労判ジャーナル84号48頁)

【事案の概要】

本件は、美容外科等の診療科目で開設された医院で稼働していた医師Xが、医院の経営に関するコンサルタント業務等を目的とするY社に対し、雇用契約に基づき、平成27年1月分の賃金150万円、平成26年12月分の賃金として支払われるべき未払いのインセンティブ4万7557円、平成26年8月1日から平成27年1月23日までに、所定休憩時間に休憩できず1日8時間を超えて労働したことに対する時間外割増賃金約105万円の合計260万円から、既払い金74万円を控除した残額約186万円等の支払を求めた事案である。

【裁判所の判断】

労基法上の労働者性を肯定

【判例のポイント】

1 本件契約上、Xは、毎月末日を締日とする1か月の期間ごとに、所定の22日間の勤務を行うことが求められ、Y社は、これに対して、月額150万円の報酬を支払うことが定められており、この報酬については、医師の勤務日数が所定の日数を下回る場合には、日割り計算した分を減額されるなど、期間と勤務日数に対応した報酬という性格を有しており、また、本件各院における施術項目や診療体制等を決定していたのは、本件各院を実質的に運営していたY社であると認められ、Xは定められた施術項目や診療体制等に従って、患者の診療・施術等に当たっていたと認められるから、この限りにおいて、Y社の指揮命令に服していたと認められ、Xは、あらかじめ定められたシフトに基づき、勤務日に各院に出勤し、基本的には本件契約に基づく所定の勤務時間に従って、医療行為等の業務に従事していたと認められること等から、本件契約はXがY社に使用されて労働し、Y社がこれに対して賃金を支払うことを内容とする雇用契約(労働契約)に当たり、Xは、労基法9条の「労働者」に該当すると認めるのが相当である。

判決理由を読む限り、指揮命令下に置かれていたことは明らかですね。

本の紹介903(中小企業の「ストックビジネス」参入バイブル)

おはようございます。

今日は本の紹介です。
中小企業の「ストックビジネス」参入バイブル

いかにしてサブスクリプションビジネスを生み出すか。

さまざまな成功事例を紹介し、注意点等を解説してくれています。

同感の点もあれば、「うーん、そうかなー?」と思う点もありました。

さて、この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

このように、連続増収増益の上位企業は、すべてストック性の高いビジネスを展開している企業でした。さらにストックビジネスからの安定収入を他のストックビジネスや新たな店舗に再投資することで多角化(多店舗化)成長している企業が多数含まれていました。この「ストックビジネスの多角化(多店舗化)」こそ、長期にわたり安定成長できる要因なのです。」(55~56頁)

特に目新しいことは書かれていませんが、結局のところ、日頃の単発の仕事をいかにしてストックビジネスにするかを考えることが大切です。

異業種のストックビジネスの手法を知ることで、形を変えて自分の業界に導入してみるというのがいいと思います。

業界の常識に囚われないことで自由な発想で考えてみることがとっても大切です。

管理監督者41(日比谷Bar事件)

おはようございます。 今週も1週間がんばりましょう。

今日は、バーの店長の管理監督者性に関する裁判例を見てみましょう。

日比谷Bar事件(東京地裁平成30年9月28日・労判ジャーナル84号40頁)

【事案の概要】

本件は、Y社との間で雇用契約を締結していたXが、Y社に対し、時間外労働に従事していたと主張して、雇用契約に基づく賃金支払請求として約437万円等の支払を求めるとともに、労働基準法114条に基づく付加金請求として約421万円等の支払を求めた事案である。

【裁判所の判断】

Xは管理監督者に該当しない

【判例のポイント】

1 Xには本件店舗の従業員のシフト作成、アルバイトの本件店舗への配属にかかる面接、本件店舗の予算案の作成、PLの作成といった本件店舗の労務管理に直接ないし間接に関わる職責を果たしている点があるものの、アルバイトの採否自体の判断はXが基本的に関与することはなくY社において行われているなど、アルバイト等の採用、解雇等に関する実質的な権限がXに存するとまでは評価できず、また、本件店舗におけるXの具体的な労務内容が必ずしも明らかではなく、他の従業員とは異なりもっぱら労務管理に関する業務に従事していたとは認められず、さらに、Xの賃金が他の従業員と比較して管理監督者としての職責に見合う程度有意に高額であったことを認めるに足りる証拠もなく、かえって、店長を含めた出勤表が存在することからすれば、店長も他の従業員と同様の業務に従事していたことが推認される上、Xの賃金額は基本給が21万円、店舗管理給等の諸手当を含めても24万5000円ないし25万円とさほど高額であるとは認められず、以上の点を総合考慮すると、Xが労働基準法41条2号の管理監督者に該当するものとは評価できない。

従業員の採用、解雇等に関する実質的な権限の有無が重要な考慮要素となると、世の中の多くの管理職は管理監督者ではないことになります。

だからこそ、多くの裁判で管理監督者性は否定されているわけです。