Category Archives: 不当労働行為

不当労働行為256(医療法人健和会事件)

おはようございます。 今週も一週間がんばりましょう。

今日は、介護老人保健施設で介護職員として勤務してきた組合員を解雇したことが不当労働行為に当たらないとされた事案を見てみましょう。

医療法人健和会事件(大阪府労委令和2年4月13日・労判1229号102頁)

【事案の概要】

本件は、Y法人の設置運営する介護老人保健施設で介護職員として勤務してきた組合員を解雇したことが不当労働行為に当たるかが争われた事案である。

【労働委員会の判断】

不当労働行為にあたらない

【命令のポイント】

1 Y法人がB利用者への虐待行為があったと判断したことには理由があり、かつ、Y法人が虐待行為を重視し、虐待行為を行った職員を解雇することが不合理であるといえないことからすると、29.7.18通知書等に記載されたもののうち、B利用者への虐待の件だけを取り上げてみても、解雇には相応の理由があったというべきである。
・・・したがって、Y法人が、平成29年8月24日をもってF組合員を解雇したことは、組合員であるが故の不利益取扱いには当たらない。

2 Y法人は、本件団交の2日後に、29.8.23解雇通知書を送付しているが、Y法人が、F組合員の処遇についての結論を急いだことに、理由がなかったわけではないといえ、また、組合が、29.7.26団交要求書の要求内容について継続して協議する意向を持っていたかについて疑念が残るといわざるを得ず、これらのことを考え合わせると、Y法人が、本件団交の2日後に29.8.23解雇通知書を送付したことをもって、団交を一方的に打ち切ったとまではいえない

上記命令のポイント2のように、使用者側から団交を打ち切ると不誠実団交の疑いが生じます。

打ち切りの合理的理由があるかどうかについては慎重に判断することが求められますのでご注意ください。

不当労働行為255(エヌ・シイ・シイ事件)

おはようございます。

今日は、出席生徒数の減少を理由に非常勤講師である組合員2名の担当クラスを閉鎖したことが不当労働行為に当たらない、Y社がストを行う場合に事前予告を求める内容の文書をX労組に交付したことが不当労働行為とされた事案を見ていきましょう。

エヌ・シイ・シイ事件(東京都労委令和2年2月4日・労判1225号105頁)

【事案の概要】

本件は、①出席生徒数の減少を理由に非常勤講師である組合員2名の担当クラスを閉鎖したこと、及び、②Y社がストを行う場合に事前予告を求める内容の文書をX労組に交付したことが不当労働行為に該当するかが争われた事案である。

【労働委員会の判断】

①は不当労働行為にあたらない

②は不当労働行為にあたる

【命令のポイント】

1 Y社が、出席生徒数が定員の3分の1にも満たないA3及びA4の担当クラスを閉鎖したことは、非組合員の場合と異なる対応であったとはいえず、Y社が、両人が組合員であることを理由に担当クラスを閉鎖したとまで認めることはできない。

2 本件要求書には、単に事前の予告を要請するだけではなく、その要請を受け入れない場合には、「正当なストライキではないと判断します」と記載されている。これは3日前までに予告のないストライキをした場合には、Y社が組合員に対して懲戒処分をするなどの可能性があることを示しているといえる。Y社の要請を受け入れなければ組合員へ不利益が生じる可能性があることを示しながらストライキの3日前までの事前予告を求める対応は、単なる要請ではなく、Y社が一方的に決めたルールを強要してストライキの実施運用に介入する行為であると評価せざるを得ない
したがって、Y社が組合に対し本件要求書を交付したことは、組合の運営に対する支配介入に当たる。

上記命令のポイント2は単なる要請であれば不当労働行為とは評価されないでしょうが、今回はそれを超えた内容であったため、不当労働行為と評価されています。

不当労働行為254(ワットラインサービス事件)

おはようございます。

今日は、Y社と請負契約を締結してY社の計器工事に従事する作業者は労組法上の労働者に当たり、同人らの加入する労組の申し入れた団交に応じないY社の対応が不当労働行為とされた事案を見てみましょう。

ワットラインサービス事件(東京都労委令和2年2月4日・労判1225号104頁)

【事案の概要】

本件は、Y社と請負契約を締結してY社の計器工事に従事する作業者は労組法上の労働者に当たり、同人らの加入する労組の申し入れた団交に応じないY社の対応が不当労働行為にあたるかが争われた事案である。

【労働委員会の判断】

不当労働行為にあたる

【命令のポイント】

1 計器工事作業者は、ア Y社の計器工事の遂行に不可欠な労働力として、会社組織に組み入れられており、イ Y社が契約内容の主要な部分を一方的・定型的に決定しており、ウ 計器工事作業者に支払われる報酬は、労務提供に対する対価としての性格を有しており、エ 個々の業務の依頼に対して、基本的に応ずべき関係にあり、オ 広い意味でY社の指揮監督の下に労務の提供を行っていると解することができ、労務の提供に当たり、一定の時間的場所的拘束を受けているということができる一方、カ 事業者性が顕著であるとはいえない。
これらの事情を総合的に勘案すれば、計器工事作業者は労組法上の労働者に当たることは明らかである。

2 Y社は、労組法上の労働者に当たる計器工事差御者を組織する組合の団体交渉申入れに応ずべき立場にあるところ、Y社が団体交渉事項を拒否する正当な理由は認められないのであるから、組合が申し入れた団体交渉にY社が応じなかったことは、正当な理由のない団体交渉拒否に該当する。

労組法上の労働者性に関する判断です。

上記命令のポイント1の考慮要素を理解しておきましょう。

不当労働行為253(フォーラム事件)

おはようございます。 今週も一週間がんばりましょう。

今日は、勤務態度および勤務成績不良を理由に組合員1名を解雇したこと及び団交におけるY社の代理人弁護士らによる不適切な発言が不当労働行為とされた事案を見てみましょう。

フォーラム事件(大阪府労委令和2年3月13日・労判1225号103頁)

【事案の概要】

本件は、勤務態度および勤務成績不良を理由に組合員1名を解雇したこと及び団交におけるY社の代理人弁護士らによる不適切な発言が不当労働行為にあたるかが争われた事案である。

【労働委員会の判断】

不当労働行為にあたる

【命令のポイント】

1 Y社が解雇理由証明書で示した5つの解雇理由については、X組合員の勤務態度及び勤務成績が不良であり、かつ、それらが解雇というY社から排斥すべき程度に重大なものであったと認めることができず、したがって、本件解雇には合理的な理由があるとまではいえない。
Y社は、X組合員の勤務成績や勤務態度を組合加入前から問題視し、それを理由に退職を求めていたものの、組合が未払残業代の支払い要求、パワハラへの抗議、他の社員分の残業代請求と、組合活動を活発化させた時期に本件解雇の予告に踏み切ったとみるのが相当である。

2 30.7.6団交におけるY社の代理人弁護士らによる6月12日の段階では団体交渉の申入れが行なわれていない旨の発言及び組合の権限をめぐるやり取りの際の一連の対応は不誠実というほかなく、かかるY社の対応は、労働組合法7条2号に該当する不当労働行為である。

団交に参加した使用者側代理人の発言によっても、不誠実団交と評価されますので注意が必要です。

不当労働行為252(エム・ケイ運輸ほか事件)

おはようございます。

今日は、会社の代表取締役がスト中の組合員2名の自宅を訪問し、退職を勧奨する発言を行ったことが不当労働行為とされた事案である。

エム・ケイ運輸ほか事件(大阪府労委令和2年1月7日・労判1223号102頁)

【事案の概要】

本件は、会社の代表取締役がスト中の組合員2名の自宅を訪問し、退職を勧奨する発言を行ったことが不当労働行為にあたるかが争われた事案である。

【労働委員会の判断】

不当労働行為にあたる

【命令のポイント】

1 B社長は、スト中であった組合員個人の住居を訪問して退職勧奨を行っており、また、請求書兼相殺通知書に記載されていた損害賠償請求権と社会保険料立替分支払債務の対当額での相殺について、送付元の代理人に直接、異を唱えたり、訴訟を提起するといった対応をしないまま、かかる言動を行っていることから、本件言動における退職勧奨は、組合員の動揺を誘い、組合活動に悪影響を及ぼす支配介入に当たるとみるのが相当である。
さらに、7.11言動において、B社長は、これ以上言われても、とりあえず組合に確認する旨述べたE組合員に対し、「これ言うてもわからんのか。自分も大の大人やろ。子どもも嫁はんもおって、確認するって自分らあんなアホに確認して何すんねん。お前、おかしいやろ。あんなアホみたいなやくざみたいな・。」と言ったことが認められ、E組合員が組合に確認しようとしたことを非難し、組合を侮辱する発言をしたと判断することができる。

2 以上のとおりであるから、B社長らが、事前の連絡なく、スト中の本件組合員らの住居を訪問し、本件組合員らに対し、退職を勧奨する発言をしたことは、会社による組合に対する支配介入であって、労働組合法第7条第3号に該当する不当労働行為である。

使用者側は労働組合法(特に7条)の理解をしっかりする必要があります。

何はやってよくて、何をやると不当労働行為になるかというレクチャーを顧問弁護士からしてもらうことをおすすめします。

不当労働行為251(学校法人神奈川歯科大学(復職)事件)

おはようございます。 今週も一週間お疲れさまでした。

今日は、休職を命じた組合員から就労が可能であるとの診断書および復職願が提出されても復職を認めなかったことを不当労働行為とした事案を見てみましょう。

学校法人神奈川歯科大学(復職)事件(中労委平成31年2月8日・労判1222号139頁)

【事案の概要】

本件は、休職を命じた組合員から就労が可能であるとの診断書および復職願が提出されても復職を認めなかったことが不当労働行為にあたるかが争われた事案である。

【労働委員会の判断】

不当労働行為にあたる

【命令のポイント】

1 25年休職命令が発令されてからも、法人と組合との間で、Aの勤務場所、勤務内容をめぐって労使間の対立が継続していたところ、同人の復職要求をめぐって、労使間の対立が深刻化し、法人は、組合活動が活発化し、休職していた同人の復職により組合の影響力が拡大することを警戒していたことがうかがわれる。
このように緊張した労使関係の下で、法人がAから相応の医学的根拠のある一連の診断書及び復職願いが出されたにもかかわらず、25年7月1日から26年10月9日までの間、合理的な理由もなく組合及びAからの復職の要求を認めなかったことは、Aの休職を継続させることにより、同人及び同人を支援する組合の影響力を職場から排除しようとしたものであり、組合を嫌悪してなされたものとみるのが相当である。

2 法人がAの復職を認めなったことに対する救済として、初審命令は、Aに対する25年7月1日から26年10月9日までの間のバックペイ及び文書手交を命じているが、Aが提起した未払賃金請求訴訟において、27年8月6日、横浜地裁は、未払賃金の支払を法人に命じる判決を言い渡し、同判決に基づいて、法人は、27年8月14日、上記未払賃金をAの代理人であったC弁護士に支払っており、同判決は確定している。
そうすると、法人がAの復職を認めなかったことによる同人の経済的損害は既に回復されているといえ、さらに、Aが産業廃棄物管理室へ復帰し勤務していることなど本件に現れた一切の事情も併せ鑑みれば、バックペイを命じる必要はなく、文書交付のみ命じるものとする

一般的に、休職期間満了後の復職の可否の判断は、非常に難しいです。

主治医の診断書は多くの場合、「復職可」と記載されていますので、会社が、いかなる場合も例外なく主治医の診断書を鵜呑みするというわけにはいきません。

もっとも、本件では、法人と組合との対立が深刻化している状況も考慮され、結果として、不当労働行為に判断されています。

不当労働行為250(学校法人名古屋自由学院事件)

おはようございます。

今日は、労組に対する平成29年4月3日付で組合ニュースの教職員用メールボックスへの投函を禁止したことが不当労働行為とされた事案を見てみましょう。

学校法人名古屋自由学院事件(愛知県労委平成31年3月8日・労判1222号138頁)

【事案の概要】

本件は、労組に対する平成29年4月3日付で組合ニュースの教職員用メールボックスへの投函を禁止したことが不当労働行為にあたるかが争われた事案である。

【労働委員会の判断】

不当労働行為にあたる

【命令のポイント】

1 組合ニュースの内容は組合の組合員を含む教職員の労働条件及び処遇に直接関係するもの及び何らかの形で影響を与えると考えられるもの並びに一般的な組合活動に関するものであるといえ、組合ニュースの表現は個人及び学院の運営に関するひぼう中傷とまではいえず、また、A執行委員長に対する中傷ビラがメールボックスに投函され、組合から調査を求められたことを施設管理規程ないし経理規則を厳格に適用するようになった契機ということもできないことから、施設管理規程ないし経理規則を厳格に適用したことに正当な理由がある旨の学院の主張には合理的な理由が採用できない

2 以上より、学院が組合による組合ニュースのメールボックスへの投函を禁止したことは、長年にわたり許容し、容認してきた取扱いを大きく変更し、その取扱いに一方的な制限を加えようとするもので、組合活動に大幅な不便や不利益を生じさせるものであるにもかかわらず、学院は、事前にその取扱いの変更について組合と協議を尽くさず、また、合理的な理由もなく当該行為を行ったものであって、さらに、学院の当該行為が、組合と学院との関係が相当悪化していた時期に行われたことに鑑みれば、組合の組合活動を制限することを意図した支配介入であるというべきである。

既得権益を侵害する対応は、合理的理由がしっかり説明できないと、本件のように不当労働行為と判断されますのでご注意ください。

不当労働行為249(双葉産業事件)

おはようございます。 今週も一週間がんばりましょう。

今日は、有期雇用契約の組合員を期間満了を理由に雇止めにしたことが不当労働行為に当たらないとされた事案を見てみましょう。

双葉産業事件(大阪府労委令和2年2月10日・労判1222号135頁)

【事案の概要】

本件は、有期雇用契約の組合員を期間満了を理由に雇止めにしたことが不当労働行為に当たるかが争われた事案である。

【労働委員会の判断】

不当労働行為にあたらない

【命令のポイント】

1 確かに、30.2.8面談の内容は、組合脱退勧奨ととられても仕方のないものであり、また、社長ではないとしても、それ以外の会社関係者がY氏に何らかの依頼をした疑いもぬぐい切れないとはいえ、Y氏自身や会社がそれを否定している状況において、会社の指示によるものと明確に認めることまではできない。
もっとも、Y氏に組合との対応について知恵を貸してほしいと依頼したのは会社であり、また、30.2.8面談の際、Y氏がX組合員に話してもよいかと許しを求めた際に、社長は「大丈夫です」としてそれを許しているのだから、30.2.8面談におけるY氏の言動に対して、会社にも一定の責任があるというべきであるが、そのことから、会社が組合を嫌悪していたとまで認めることはできない

2 会社は、組合と事前協議合意に関する協定を結んでおきながら、組合と協議することなく、本件雇止め通告を行ったといえ、会社が本件雇止めを行うまでに30.3.9団交及び30.3.16団交を行ったことなどを考慮しても、会社の対応は、事前協議合意に関する協定である29.6.1協定書を軽視した行動であるといえる。
しかしながら、①本件雇止め通告の際、社長はX組合員に、アルバイトでもいいのであればと、引き続き会社での就労を容認する発言を行ったこと、②会社はX組合員だけでなく、同組合員より勤務期間の長い非組合員2名も併せて雇止めとしていることが認められ、これらの事実と前記の判断を併せ考えると、X組合員が組合員であることを理由に雇止めとなったとまで認めるに足る疎明はないと言わざるを得ない。

ぎりぎりの判断ですが、組合員のみならず、非組合員も併せて雇止めとしている点等が影響し、不当労働行為性が否定されています。

もっとも、この雇止めの有効性については別途問題になります。

不当労働行為248(Qvoc事件)

おはようございます。

今日は、労組の分会長Gを太陽光発電事業部からメンテナンス事業部に配転し、草刈り作業等に従事させたことが不当労働行為とされた事案を見てみましょう。

Qvoc事件(大阪府労委令和2年2月10日・労判1222号134頁)

【事案の概要】

本件は、労組の分会長Gを太陽光発電事業部からメンテナンス事業部に配転し、草刈り作業等に従事させたことが不当労働行為にあたるかが争われた事案である。

【労働委員会の判断】

不当労働行為にあたる

【判例のポイント】

1 G組合員は、入社後一貫して営業職に従事していたにもかかわらず、本件配転命令によって、それまでの知識や経験とは無関係の草刈り業務に従事することになったのであり、しかもそれまで部長職であったにもかかわらず、外部委託業者であった者が直属の上司になったことも考慮すれば、本件配転命令が、G組合員にとって精神的不利益性を有するものであったことは否定できない。

2 本件配転命令には合理性がなく、G組合員が組合に加入して分会長として会社の方針に反対するなど積極的に組合活動を行っていたことを会社が嫌悪して行った、同人が組合員であるが故の不利益取扱いに当たるといわざるを得ず、またこれにより、組合活動を委縮させ、組合の弱体化を企図したものということができる
したがって、会社が、G組合員に対し、平成30年8月20日付けで太陽光発電事業部からメンテナンス事業部への配転を行い、同日以降に草刈り作業等に従事させたことは、労働組合法第7条第1号及び第3号に該当する不当労働行為である。

上記命令のポイント1のような配転命令は、よほどの合理的説明ができない限り、違法と判断される可能性が高いです。

不当労働行為247(公益財団法人秋田市総合振興公社事件)

おはようございます。

今日は、環境業務課に勤務する勤続年数23年の労組委員長Aを3級に昇格しなかったことが不当労働行為に当たらないとされた事案を見てみましょう。

公益財団法人秋田市総合振興公社事件(秋田県労委平成31年3月26日・労判1220号131頁)

【事案の概要】

本件は、環境業務課に勤務する勤続年数23年の労組委員長Aを3級に昇格しなかったことが不当労働行為に当たるかが争われた事案である。

【労働委員会の判断】

不当労働行為にあたらない

【命令のポイント】

1 昇格の上申を受けた者全員が昇格するわけではない。また、初任給、昇格、昇給等に関する規程で昇格基準となる経験年数及び在級年数を満たしていることも、昇格を保証するものでない。何れも、昇格の必要条件ではあるが、十分条件とはなっていない
結局は、昇格は、所属長からの上申があり、昇格基準となる経験年数及び在級年数を満たした者の中から、理事長ら4名が勤務態度、自己研さん、協調性、責任感、服務規律等を総合的に判断した上で決定しているのであるから、A委員長だけが例外的に昇格しなかったとはいえない

2 組合役員経験者でも、公社の管理職になる者もおり、組合活動をしたことを理由に不利益な取扱いを受けた組合員は見受けられないとの証言もある
また、昇格については、上申があった昇格者と未昇格者における組合員の比率を比較してみても明確な差異が見られないことに加え、A委員長と同期職員との比較においても、全員が組合員であるにもかかわらず、3級昇格に要した勤続年数には差が見られることから、昇格できない原因が、組合加入の有無と強い相関関係があるとも認められない。本件で見受けられる組合嫌悪の感情は、どちらかといえば使用者の一般的な組合嫌悪の範囲にとどまるものであり、不当労働行為意思があったとまで認めることはできない。

昇格、昇給差別に関する紛争の場合には、上記命令のポイント2のような組合員と非組合員との比較が効果的です。