Monthly Archives: 10月 2020

本の紹介1081 ワークマンは商品を変えずに売り方を変えただけでなぜ2倍売れたのか(企業法務・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。 今週も一週間お疲れさまでした。

今日は本の紹介です。

タイトルのとおり、ワークマンについてとても詳しく書かれています。

どのようなことを考えて経営しているのかがとってもわかりやすく書かれています。

業界を問わずおすすめです。

さて、この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

新型コロナウイルスは、老舗企業をも容赦なくのみ込んだ。しかし、経営が立ち行なかった企業には共通点があるという。立ち位置が定まっていないのだ。『日本の経営は、Me Too(ミートゥー)なんですよ。同質経営、同質競争が多すぎる。特にアパレルはみんな一緒。同じ価格帯で、同じようなデザインで、同じようなターゲットでと、同じところに固まりすぎている。経済成長してパイが広がっていればまだいいが、今度のコロナウイルスが狭まる可能性もある。同業者と同じことをやっていては勝てない』。」(275~276頁)

みんなと同じことをやってみんなと違う成果を期待する。

これを「わがまま」と言います。

景気が良いときは、みんなと同じことをやっていても生きていくことはできましたが、

アフターコロナの日本においては、もはや通用しない考え方です。

「どれも似たり寄ったり」では選ばれないのです。

いかに顧客にとって有益な差別化を図れるか。

ここにかかっています。

不当労働行為249 労組分会長に対する配転命令の不当労働行為該当性(労務管理・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。

今日は、労組の分会長Gを太陽光発電事業部からメンテナンス事業部に配転し、草刈り作業等に従事させたことが不当労働行為とされた事案を見てみましょう。

Qvoc事件(大阪府労委令和2年2月10日・労判1222号134頁)

【事案の概要】

本件は、労組の分会長Gを太陽光発電事業部からメンテナンス事業部に配転し、草刈り作業等に従事させたことが不当労働行為にあたるかが争われた事案である。

【労働委員会の判断】

不当労働行為にあたる

【命令のポイント】

1 G組合員は、入社後一貫して営業職に従事していたにもかかわらず、本件配転命令によって、それまでの知識や経験とは無関係の草刈り業務に従事することになったのであり、しかもそれまで部長職であったにもかかわらず、外部委託業者であった者が直属の上司になったことも考慮すれば、本件配転命令が、G組合員にとって精神的不利益性を有するものであったことは否定できない。

2 本件配転命令には合理性がなく、G組合員が組合に加入して分会長として会社の方針に反対するなど積極的に組合活動を行っていたことを会社が嫌悪して行った、同人が組合員であるが故の不利益取扱いに当たるといわざるを得ず、またこれにより、組合活動を委縮させ、組合の弱体化を企図したものということができる
したがって、会社が、G組合員に対し、平成30年8月20日付けで太陽光発電事業部からメンテナンス事業部への配転を行い、同日以降に草刈り作業等に従事させたことは、労働組合法第7条第1号及び第3号に該当する不当労働行為である。

上記命令のポイント1のような配転命令は、よほどの合理的説明ができない限り、違法と判断される可能性が高いです。

組合との団体交渉や組合員に対する処分等については、まずは事前に顧問弁護士から労組法のルールについてレクチャーを受けることが大切です。決して素人判断で進めないようにしましょう。