Author Archives: 栗田 勇

解雇117(Principle One事件)

おはようございます。

さて、今日は、元オフィスマネージャーに対する解雇に関する裁判例を見てみましょう。

Principle One事件(東京地裁平成24年12月13日・労判1071号86頁)

【事案の概要】

本件は、Y社の従業員であるXが、Y社に対し、Y社のXに対する整理解雇の意思表示が無効であると主張して、労働契約上の地位にあることの確認等を求めた事案である。

【裁判所の判断】

整理解雇は有効

【判例のポイント】

1 整理解雇が有効であるために必要とされる①人員削減の必要性、②解雇回避努力、③人選の合理性、④手続の相当性は、整理解雇について解雇権濫用法理の適否を総合判断するための評価根拠事実と評価障害事実とを類型化した要素と解すべきであり、①の人員削減の必要性の程度に応じ、当該企業の目的、従業員の数・構成、資産・負債、売上規模、組合の有無等の諸事情に照らして、②ないし④の各要素の充足の有無及び程度を検討し、当該整理解雇の効力について判断すべきであると解する

2 ・・・Y社は、本件解雇の時点において、経営危機に陥っており、早急に人員を削減しないと会社全体の経営が破綻しかねないような危機的な状況にあったということができるから、人員削減の必要性があったというべきである。

3 Y社は、資本金1000万円、従業員数名の小規模会社であり、平成20年10月頃以降、経営状態の悪化に伴う危機的状況の下、人員削減の高度の必要性があり、社内にXの就労場所を確保することが著しく困難であった中、Xに対し、前件退職から前件判決確定までの間はXの労働契約上の地位を争いながらもその間も賃金全額を支払い、前件判決確定から本件解雇までの間は自宅待機を命じて就労義務を免除しつつもその間の賃金全額を支払って、第1回・第2回団体交渉の場等において、X及び組合の希望を聞きながら、Xに対し、転籍先を探して紹介しようとしていた経緯が認められる。以上の経緯に加えて、人員削減の高度の必要性がある中、Y社の企業規模に照らして選択し得る解雇回避措置の方法は極めて限定的なものとならざるを得ないことを考慮した場合、Y社は、本件解雇の時点において、可能な限りの解雇回避努力を尽くしたものと評価すべきである
この点、Xは、整理解雇に当たっては希望退職者の募集が不可欠であると主張するが、整理解雇に当たっての解雇回避努力の履行として希望退職者の募集が不可欠であるとまでいうことはできないし、本件解雇の時点において、Y社の従業員は4名にすぎず、必要最小限の人員態勢の下で業務を遂行していたことがうかがわれるから、希望退職者を募集することが現実的な選択肢として有り得たということができるか相当に疑問である
また、Xは、そのほかにも、ワークシェアリング、再就職支援等の措置を取るべきであったと主張するが、本件解雇の時点における人員削減の高度の必要性のほか、Y社の企業規模に照らした場合、Y社がX主張の解雇回避措置を取ることは、およそ現実的ではなかったといわざるを得ない

4要素説です。

整理解雇の事案では、通常、解雇回避措置を十分に取ったかが主要な争点となります。

本件では、人員削減の高度の必要性が認められ、かつ、企業規模が小さかったことから、通常、解雇回避措置として求められる希望退職者の募集等については、裁判所も大目に見てくれています。

4要素説の考え方は、上記判例のポイント1にまとめられており、非常に参考になりますね。

解雇を選択する前には必ず顧問弁護士に相談の上、慎重かつ適切に対応することが肝心です。決して、素人判断で進めないようにしましょう。

本の紹介240 やっぱりおまえはバカじゃない(企業法務・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。 昨夜からずっと事務所で書面を作成しています。体力の限界に挑戦しています(笑)

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←先日、税理士K山先生と「天盛楼」に行ってきました。

写真は、絶品の「エビチリ」です。

お店によって当然、味が少しずつ違いますが、ここのエビチリ、最高です。 秀逸です。

今日は、午前中は、離婚調停が1件と裁判の打合せが1件入っています。

午後は、浜松の裁判所で労働事件の裁判が1件入っています。

新幹線の中では、爆睡することはほぼ間違いありません。

今日も一日がんばります!!

さて、今日は本の紹介です。
 やっぱりおまえはバカじゃない (小学館文庫)

東進ハイスクールの吉野先生の本です。

今から10年以上前の本ですが、今と言っていることがまったくぶれていません。

すごいですね。

さて、この本で、「いいね!」と思ったのはこちら。

ちょっとまわりを見て欲しい。要領ばかりよくて、計算高くて、自分に都合のいいことだけしかしなくて得意になっているヤツがたくさんいるだろう。こうやって、実力もないのに成功することばかりを目標にしていては、いつか失敗をしたときに立ち直れなくなるにちがいない。若いうちは、結果なんてどうだっていいじゃないか。『オレは、これくらいしかできない』とか、『こんなもんだ』とわかったような顔をしないで、とことんやってみることに、受験でも恋愛でも意義があるんじゃないか。」(160頁)

みなさんは、思ったことはとことんやってみる、という気持ちをもって毎日、生活していますか?

私は、こういう気持ちで毎日、生活しています。

あとから後悔したくないので。

あまりごちゃごちゃ考えず、即断即決です。

私たちに与えられている時間はそれほど多くはありませんので、ごちゃごちゃ複雑に考えている時間がもったいないのです。

 とことんやって、それでもダメなら、それはそれであきらめがつきますよね。

とことんやらないで、途中であきらめることを考えただけで、気持ちが悪いです。

まあ、そういうことです。

解雇116(学校法人昭和薬科大学事件)

おはようございます。 

さて、今日は、機器購入で不正処理した教授らに対する解職処分に関する裁判例を見てみましょう。

学校法人昭和薬科大学事件(東京地裁平成25年1月29日・労判1071号5頁)

【事案の概要】

X1は、Y大学の教授でR長の地位にあり、X2は、Y大学の専任講師でSアドバイザーの地位にあったところ、Xらが所属する研究室では、平成18年ころ、国庫補助金の支給を受けて光散乱光度計という機器を購入した。ところが、同光度計購入に当たって、当該年度に入る前に当該光度計の納入を受けるという会計年度を跨った処理を行ったなどとして学内で問題となり、Xらは、懲戒処分として、それぞれ上記R長及びSアドバイザーの職につき解職処分を受けることとなった。

本件は、Xらが、同懲戒解職処分には事実誤認等の違法があるなどと主張して、Xらについて、同懲戒解職処分が無効であることの確認等を求めた。

【裁判所の判断】

解職処分は無効

Xらに慰謝料10万円が認められた。

【判例のポイント】

1 ・・・このような会計年度を跨いだ会計処理は不適切というべきである。
しかるところ、X1は、X研究室の主任教授であってその最高責任者であり、本件光度計のような高額な備品の購入に当たっては当然に関心を払うべきであったのであるから、その購入手続に関して、何らかの不適切な行為があれば、監督しこれを是正すべき義務を負っていたというべきである。しかるに、X1は、本件光度計の購入手続についてはほとんど関与することなく、X2及びD助手が上記の会計年度を跨いだ処理をするのを防止しなかったのであるから、上記の監督義務違反があったことは否定できない。
以上のX1の監督義務違反は、Y大学就業規則所定の懲戒事由に該当するというべきである。

2 解職という処分は、Y大学就業規則において定める懲戒処分の中でも懲戒解雇に次いで重いものであるところ、 本件補助金を返納する直接の契機となった本件不当事項に関しては、K事務長が(懲戒処分でない)厳重注意とされているに止まるものであるから、その過程で判明した本件各非違行為に対してのみ、懲戒解職処分という重い処分とすることは、均衡に失するといわざるを得ない(Y大学は、本件不当事項は形式的、手続的なミスにすぎないと主張するが、そうはいっても、庶務課長という責任ある立場において、数百万円もの補助金の返納につながるミスをしたJ庶務課長の責任は本来重いはずであって、これとの均衡という点は無視できないはずである。)。また、会計年度を跨った処理にせよ、81万円に関する処理方法にせよ、J庶務課長ら庶務課の職員が認識し、事実上容認した上での行動と認められるのであって、この責任を全く庶務課職員に負担させることなく、Xらのみに帰するのは酷である。特に、本件光度計納入当時、同光度計のような高額機器の納入時にも庶務課が検収すら行っていなかったことからも明らかなように、Y大学において、実際の会計規律は極めて緩いものであったのであるから、手続面で問題があると返納を求められる可能性があるからといって、公的補助金により購入する場合にのみ厳格な会計規律を要求するのは筋が通らないというべきである。さらに、以上のような状況下で、当時、X研究室側において、実際、どの程度まで当該行為の悪性についての認識があったのかについても微妙な問題があるのであって、(少なくとも、X研究室側が、庶務課を欺くという意識の下に行動してなかったこと確かである。)、その行為の経緯、動機や主観的態様に照らしても、Xらについて強い非難が妥当するとまではいえない
以上のとおり、X1に対する本件懲戒解職処分は、その行為の性質、態様等に照らして重きに失するものであって、社会通念上相当と認められないから、懲戒権の濫用に当たり、無効というべきである。

相当性の要件でぎりぎり救われています。

労働者側とすれば、合理的理由が存在する場合には、相当性がないことをいかに主張できるかがポイントになってきます。

主張するポイントは、上記判例のポイント2を参考にしてみてください。

解雇を選択する前には必ず顧問弁護士に相談の上、慎重かつ適切に対応することが肝心です。決して、素人判断で進めないようにしましょう。

本の紹介239 人はなぜ勉強するのか(企業法務・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。 今週も一週間、お疲れ様でした。__

←先日、久しぶりに「かまど家ピュアカリ」に行ってきました。

僕は、ここのピザが大好きです。

写真は、鉄板の「マリナーラ」です。

3食マリナーラでもいいです。

今日は、午後から豊橋の裁判所で裁判が入っています。午前中から移動します。

今日も一日がんばります!!

さて、今日は本の紹介です。

 人はなぜ勉強するのか―千秋の人 吉田松陰

吉田松陰さんに関する本です。

タイトルがいいですね。 子どもがお母さんに聞きそうなことです。

適切な答えを持ち合わせていないお母さんは、是非、読んでください。

さて、この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

万巻の書を読むに非ざるよりは 寧んぞ千秋の人と為るを得ん 一己の労を軽んずるに非ざるよりは 寧んぞ兆民の安きを到すを得ん」(69頁)

現代語に直すと、以下のような意味になります。

一万巻に及ぶたくさんの書物を読まないでは、どうして千年の歴史に名を残す人となることができようか。自分一人の労苦を進んで負うのではなくして、どうして天下の人々を安らかにすることができようか

人一倍、勉強をし、かつ、苦労を進んで請け負うことができないで、世の中をよくすることなんてできません。

志が高い人は、みんな強い向上心を持っていますから、勉強熱心ですし、苦労を厭わないという共通点があります。

ここでいう勉強は、もちろん本を読むことも含まれますし、それにとどまらず、人の話を聞くことや実際に体験してみることもすべて勉強です。

心のどこかで「人の役に立ちたい」「社会に貢献したい」と願っている人は、吉田松陰さんの教えに従い、日々、勉強をしましょう。

解雇115(リーディング証券事件)

おはようございます。

さて、今日は、有期雇用契約における試用期間中の解雇に関する裁判例を見てみましょう。

リーディング証券事件(東京地裁平成25年1月31日・労経速2180号3頁)

【事案の概要】

本件は、雇用期間1年間の約定で採用され、試用期間中に解雇(留保解約権の行使)されたXが、使用者であるY社に対し、上記留保解約権の行使は労契法17条1項に違反し無効であるとして、地位確認、残存雇用期間の未払賃金等及び違法な留保解約権の行使等による慰謝料の支払を求めた事案である。

【裁判所の判断】

解雇は有効

【判例のポイント】

1 有期労働契約は、企業における様々な労働力の臨時的需要に対応した雇用形態として機能しているが、実際上、使用者は、かかる労働受遺用が続く限り有期労働契約を更新し継続することが多い。したがって、かかる有期労働契約においても、期間の定めのない労働契約と同様に、入社採用後の調査・観察によって当該労働者に従業員としての適格性が欠如していることが判明した場合に、期間満了を待たずに当該労働契約を解約し、これを終了させる必要性があることは否定し難く、その意味で、本件雇用契約のような有期労働契約においても試用期間の定め(解約権の留保特約)をおくことに一定の合理性が認められる。しかし、その一方で、上記のとおり労働契約期間は、労働者にとって雇用保障的な意義が認められ、かつ、今日ではその強行法規性が確立していることにかんがみると、上記のような有期労働契約における試用期間の定めは、契約期間の強行法規的雇用保障性に抵触しない範囲で許容されるものというべきであり、当該労働者の従業員としての適格性を判断するのに必要かつ合理的な期間を定める限度で有効と解するのが相当である。

2 本件試用期間の定めは、雇用期間(1年間)の半分に相当する6か月間もの期間を定めており、それ自体、試用期間の定めとしては、かなり長い部類に属する上、Y社は、日本語に堪能な韓国人証券アナリストとして即戦力となり得ることを期待し、Xを採用したものと認められるところ、Xがそのような意味で即戦力たり得るか否かは、一定の期間を限定して、個別銘柄等につきアナリストレポートを作成、提出させてみれば容易に判明する事柄であって、その判定に要する期間は、多くとも3か月間もあれば十分であると考えられる。そうだとすると本件試用期間の定めのうち本件雇用契約の締結時から3か月間を超える部分は、Xの従業員としての適格性を判断するのに必要かつ合理的な期間を超えるものと認められ、その意味で、上記労働契約期間の有する強行法規的雇用保障性に抵触するものといわざるを得ない。したがって、本件試用期間の定めは、少なくともXとの関係では、試用期間3か月間の限度で有効と認められ、Y社は、その期間に限り、Xに対し、留保解約権を行使し得るものというべきである

3 労契法17条1項は、民法628条が定める契約期間中の解除のうち、使用者が労働者に対して行う解除、すなわち解雇は、「やむを得ない事由」がある場合でなければ行うことができないと規定し(強行法規)、その立証責任が使用者にあることを明らかにしているが、上記期間の定めの雇用保障的意義に照らすと、上記「やむを得ない事由」とは、当然、期間の定めのない労働契約における解雇に必要とされる「客観的に合理的な理由があり、かつ社会通念上相当と認められる場合」(労契法16条)よりも厳格に解すべきであるから、上記労契法16条所定の要件に加え、「当該契約期間は雇用するという約束にもかかわらず、期間満了を待つことなく直ちに雇用を終了させざるを得ないような特別の重大な事由」をいうものと解するのが相当である(菅野・234頁。ちなみに平成20・1・23基発0123004号)。

4 有期労働契約における留保解約権の行使は、使用者が、採用決定後の調査により、または試用中の勤務状況等により、当初知ることができず、また知ることが期待できないような事実を知るに至った場合において、そのような事実を知るに至った場合において、そのような事実に照らし、①その者を引き続き当該企業に雇用しておくことが適当でないと判断することが、解約権留保の趣旨、目的に徴して、客観的に相当であること(労契法16条。「要件①」)に加え、②雇用期間の満了を待つことなく直ちに雇用を終了させざるを得ないような特別の重大な事由が存在するものと認められる場合(労契法17条。「要件②」)に限り適法(有効)となるものと解するのが相当である。

5 もっとも、このように留保解約権の行使が労契法17条1項の規制に服することになれば、事実上とはいえ試用期間中の解雇は殆ど認められないことになりかねず、Y社が主張するように、実質的に試用期間の定めを設けた意味が失われるようにもみえる。しかし、上記のとおり使用者が労働者に対して行う解除という点では、就業規則における規定も仕方いかんにかかわらず、留保解約権と普通解雇権との間には基本的に性質上の差違は認められないものと解され、そうだとすると労契法17条1項による解雇・解約制限に関しても両者を同等に扱うのが合理的であって、これに差違を設けることは適当ではなく、その意味で、留保解約権の行使に対しても、労働契約期間の雇用保障的意義の効果は及ぶものと解すべきである

いろいろと参考になる判断ですね。

有期雇用で、試用期間を設けた場合、留保解約権の行使が労契法17条1項の規制に服するか、という問題はおもしろいですね。

この事件の担当裁判官は、肯定していますね。

本件事案では、解雇は有効と判断されていますが、一般的には、留保解約権の行使に「やむを得ない事由」を要求するとなると、試用期間中の解雇は、ほとんど有効にできないことになってしまうという使用者側代理人の意見はそのとおりだと思います。

とはいえ、本件のように有効と判断されることもあるわけですので、どうなんでしょうね。

解雇を選択する前には必ず顧問弁護士に相談の上、慎重かつ適切に対応することが肝心です。決して、素人判断で進めないようにしましょう。

本の紹介238 未来の市場を創り出す(企業法務・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。 昨夜は、事務所でずっと書面を作成していました。 目がしぱしぱします。 
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←先日、税理士K山先生とDJ Roniさんたちと一緒に、鷹匠の「穂乃花」に行ってきました。

ラジオコンビです。

お寿司屋さんではないのに、お寿司が抜群においしいです。

おすすめです。

今日は、午前中は、不動産関係の裁判が1件と裁判の打合せが

1件入っています。

午後は、外部での法律相談、裁判の打合せが2件入っています。

今日も一日がんばります!!

さて、今日は本の紹介です。

未来の市場を創り出す ― 「サービスが先、利益は後」がめざすこと (日経ビジネス経営教室)

ヤマトホールディングス社長の本です。

「イノベーション」という言葉は知っているけれど、実際、どうやってやればいいのかわからないという人にはおすすめの本です。

次から次へと新しいサービスを生み出していることがよくわかります。

さて、この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

市場が成長している段階では、商品単体の機能を差別化することで競争に勝つ。事実、宅急便の誕生以降、立て続けに新サービスを導入している。一方で市場が成熟すると、商品の機能だけで差別化を図ることが難しくなるため、機能を組み合わせるなどして競争の土俵を変える必要がある。」(80頁)

ヤマトの新サービス導入の例としては、以下のものがあるそうです。

①「スキー宅急便」「ゴルフ宅急便」「コレクトサービス」「クール宅急便」

②「タイムサービス」「365日営業開始」「時間帯お届けサービス」「ドライバーダイレクト」「e-お知らせシリーズ」「店頭受け取りサービス」

③「会員制サービスクロネコメンバーズ」

①は送り手側のサービス向上、②は受け取り手側のサービス向上、③はサービスを組み合わせ「ソリューション」を提案するものであり、①、②は商品を改良し続ける段階、③は競争の「土俵」を変える段階です。

勉強になりますね。

自分の業界に置き換えて考えるといろんなアイデアが浮かんできます。

「立て続けに」新サービスを導入するというのがいいですね。

1つサービスが当たったとしても、そこに安住しない。

次から次へと休むことなくサービスを提供する。

この勢いを見習いたいと思います。

有期労働契約41(ダイキン工業事件)

おはようございます。

さて、今日は、直接雇用された請負会社社員らに対する雇止めに関する裁判例を見てみましょう。

ダイキン工業事件(大阪地裁平成24年11月1日・労判1070号142頁)

【事案の概要】

本件は、Y社の従業員として就労していたXらが、平成22年8月31日に労働契約の期間満了を理由として雇止めされたことにつき、労働契約における期間の定めは無効であり、仮に有効であるとしても本件雇止めは解雇権濫用法理の類推適用により無効であると主張し、労働契約上の地位確認及び未払賃金の支払を請求するとともに、Y社が同法理潜脱の目的でXらに期間の定めのある労働契約の締結を事実上強制し、不安定な状態に置き続けた末に本件雇止めに及んだ一連の行為が不法行為に当たると主張して、精神的苦痛に対する慰謝料の支払いを請求する事案である。

【裁判所の判断】

雇止めは有効

【判例のポイント】

1 労働契約は、労働者ガ使用者の指揮命令下に労務を提供し、その対価として使用者が賃金を支払うことを本質とするものであって、これらの点につき意思表示が合致する限り、黙示の意思表示によっても労働契約の成立を認めることは可能であるが、そのためには、労務提供や賃金支払等の実態に照らして、二者間に事実上の使用従属関係が認められ、一方においては指揮命令下における労務提供の意思が、他方においては当該労務提供に対し賃金を支払う意思が、それぞれ客観的に推認されることが必要である。
そして、労働者派遣(労働者派遣法2条1号)が行われている場合であっても、派遣元が形骸化している反面、派遣先と派遣労働者の双方において、上記のような黙示の意思が労務提供や賃金支払等の実態から客観的に推認され、互いに合致している場合には、明示の契約形式にかかわらず、派遣先と派遣労働者との間に黙示の労働契約の成立を認める余地がある

2 XらのY社における労務提供の枠組みにおいて、請負会社はXらの採用、賃金等の就労条件に加え、その他一定限度の就業態様について決定し得る地位にあり、Y社との関係でも独立した企業としての実体を有しており、形骸化した存在と評価し得る実態にはなく、Xらと請負会社との間の労働契約を無効と解すべき特段の事情は見当たらない。他方で、Y社がXらの採用や賃金等の就労条件を事実上決定していたとは認められず、Xらも労働契約の相手方がI社等の請負会社であることを認識していたことが認められる。以上によれば、Xらの就労実態から、XらとY社との間に事実上の使用従属関係があるとは認められず、労働契約締結に向けられた黙示的な意思を推認させる事情もまた認められない。

3 Y社は、従前労働契約関係になかったXら支援従業員との間で新たに労働契約を締結するに当たり、生産量の増減に合わせた人員数の調整の必要性や、契機の先行きが不透明な当時の経済情勢を踏まえ、明確な意思をもって、2年6か月を更新の限度とすることとし、本件直用化の前後を通じ書面等も配布しつつそのことを一貫して説明し、就業規則にもその旨の規定を設け、その代わり無期の正社員として登用するための試験を実施していたことに照らすと、Xらにおいて、本件労働契約が2年6か月を超えて更新されることに対する合理的期待を有する余地はなかったというべきである

明確に更新限度を設けていることが、本件結論に大きく影響しています。

本田技研工業事件とともに参考にしてください。

日頃から顧問弁護士に相談しながら適切に労務管理を行うことが大切です。

本の紹介237 ヤバい経営学(企業法務・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。 今週も一週間、がんばりましょう!!

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←先日、事務所の近くの「吉野鮨」に行ってきました。

安定感が違います。 完全に大人のお店です。

おいしゅうございました。

今日は、午前中は、新規相談が1件と顧問先でのセミナーが入っています。

 

セミナーのテーマは、「第8回 契約書作成に必要なリーガルマインド習得講座」です。

午後は、離婚調停が1件、夕方から月一恒例のラジオです。

今日も一日がんばります!!

さて、今日は本の紹介です。

ヤバい経営学―世界のビジネスで行われている不都合な真実

著者は、ロンドン・ビジネススクールの准教授の方です。

帯に「ビジネスの常識が次々と覆る」と書かれているとおり、これまでのビジネスの見方に多くの疑問を投げかけています。

硬直化した発想を柔軟にするには、とてもいい本だと思います。

さて、この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

多くの会社が、自社だけで革新的になるのは難しいと気づいた。本当のイノベーションを起こすためには、当然さまざまな能力と知識、洞察力が必要だ。しかし一つの組織が、そのような多様性を持つ例は少ない。何か根本的に新しいものを見つけようとするならば、会社の外に目を向けたほうがよいだろう。そして、会社にとって有益なことを知っている人を探すべきだ。これは『イノベーションネットワーク』と呼ばれる。他社の知識リソースにアクセスし、自分たちのリソースに加える。そして、自社だけではできなかったことをやろうとする。」(259頁)

自分のイノベーションを他社に漏らさないこともできる。だけど、イノベーションを共有したほうがもっとメリットが大きい」(262頁)

異業種の会社とコラボすることにより、全く新しい発想が生まれることはよくあります。

すべてをゼロから作り出すよりも、やり方を知っている人と一緒にやった方が早いです。

もっとも、コラボをするときには、こちらかも相応のものを提供できることが前提条件です。

むしろ相手の方が多くのメリットを感じてもらえるくらいがちょうどいいのではないでしょうか。

不当労働行為70(パナソニック草津工場事件)

おはようございます。 

さて、今日は、労働者派遣個別契約が終了した組合員に対する派遣先の使用者性に関する命令を見てみましょう。

パナソニック草津工場事件(中労委平成25年2月6日・労判1070号172頁)

【事案の概要】

Xは、派遣社員としてY社の工場において、製品の検査業務等に従事してきた。

派遣元とY社との契約は、平成21年12月末に終了した。

Xが加入する組合は、Y社に対し、①Xの直接雇用、②労働者派遣法違反の状態で働かせていたことについての謝罪および金銭的解決等を求めて団交を申し入れた。

Y社は、Xと雇用関係がなく、黙示の労働契約も成立していないとして団交を拒否した。

組合は、本件救済を申し立てたところ、滋賀県労委は、Y社の団交拒否は不当労働行為にあたると判断した。

【労働委員会の判断】

団交拒否は不当労働行為にはあたらない

【命令のポイント】

1 派遣可能期間を超える労働者派遣に関する直接雇用の申込義務の規定は私法上の義務を課すものではないから、同規定の要件を充足して直接雇用の申込義務が生じたからといって、「近い将来において派遣労働者との間に雇用関係が成立する可能性」が、直ちに現実的かつ具体的に生じるものではない。ただし、労働行政機関が労働者派遣法の規定に従って、派遣先事業主に対して、その労働者派遣の実態にかんがみ、当該派遣労働者の雇入れ(直接雇用)の行政勧告ないしその前段階としての行政指導を行うに至ったという場合には、派遣先事業主は当該派遣労働者の雇入れに応じることが法律上強く求められ、派遣先事業主が同雇入れに応じる可能性が現実的かつ具体的に生じるに至っている状況にあるといえるから、上記の雇用主以外の場合に関する法理に従い、当該派遣先事業主は、当該派遣労働者との間で近い将来において雇用関係の成立する可能性が現実的かつ具体的に存する者として労組法7条の使用者となり得ると解するのが相当である

2 ・・・以上からすると、Y社は、採用、配置及び雇用の終了という一連の雇用の管理に関する決定権について、雇用主と同視できる程度に現実的かつ具体的な関与等をしたとは認められない。したがって、Y社は、本件交渉事項に関して、労組法7条の使用者に当たると解することもできない。

上記命令のポイント1の判断は、押さえておきたいですね。

派遣先会社の皆様、ご注意ください。

組合との団体交渉や組合員に対する処分等については、まずは事前に顧問弁護士から労組法のルールについてレクチャーを受けることが大切です。決して素人判断で進めないようにしましょう。

本の紹介236 運命のバーカウンター(企業法務・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。
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←先日、お付き合いのある法律事務所、税理士事務所、司法書士事務所のみなさんと、パルコ内の「ピッツァ サルバトーレ クオモ」に行ってきました。

総勢20名強! 大人数です。

写真は、「D.O.C~ドック~」です。

ピザ好きにはたまりません。毎日3食ピザでもいいです。

今日は、午前中は、弁護士会で法律相談です。

午後は、家裁で家事審判が1件、打合せが1件入っています。

今日も一日がんばります!!

さて、今日は本の紹介です。

運命のバーカウンター

著者は、エステサロンを経営する会社の社長です。

小説風に書かれていますが、著者の伝えたいことが随所に散りばめられています。

「レッドオーシャンを目指すやつが成功する」、「経営者に過去に休日は必要ない」、「説明好きな経営者ほどモテない」、「ベンチャーキャピタルに頼るならサラ金を使え」・・・など、タイトルがとてもおもしろいです。

さて、この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

だいたいにおいて世の中の人間は考え過ぎだ。経営者なら特に考える時間なんて最少になるようにした方がいい。

急がば急げ。その時の判断が間違っててもいい。そのことにすら気付かないぐらいの速さと勢いでやってみろ。ぐだぐだ悩んで無駄に時間を過ごさない分、リカバリーの時間だってあるから大丈夫だ。確実な今日という日に賭け金を積み上げたところでリターンはたかが知れてる。それよりは不確実な明日に賭けた方が、面白いアイデアだって出るしリターンもでかい。それが経営者の発想ってことだ。」(59頁)

多くの経営者が、さまざまな言い回しで、決断と実行のスピードの重要性を説いています。

この著者もまさにその一人です。

普段、会話をしていたり、仕事で交渉をしているときに、「あ、この人、決断が早いな」と思う人は、好感が持てます。

決断に迷いがないというか、決断の結果に責任を持っている人なのだと思います。

仮に決断の結果、うまくいかなかったとしても、それはそれで受け入れます、という潔さみたいなものを感じます。

過度に失敗を恐れていない、どんな状況でもリカバーする自信がある、といった共通点があるようにも思います。