Author Archives: 栗田 勇

本の紹介2 トップ営業のお客様から「教わる力」(企業法務・顧問弁護士@静岡)

おはようございます

さて、今日は、トップ営業マンのことばを紹介します。
お客様から「教わる力」 (PHPビジネス新書)
お客様から「教わる力」 (PHPビジネス新書)

この本は、昨日、新幹線の中で読んだ本です。

著者は、私がいつもお世話になっている外資系生保プルデンシャル生命のライフプランナーの方です。

エグゼクティブ・ライフプランナーだそうです。 なんか強そうです。

いろいろなエピソードが書かれており、とても読みやすく、参考になります。

さて、私がこの本の中で「いいね!」と思ったフレーズはこれです。

思い立ったら即実行。やるかやらないかしばらく悩むのは時間がもったいないことです。来週からやろう、来年からやろう、ではなく、たった今からすぐ行動に移す。失敗したとしてもその経験は必ず後で活かせる、と分かっているから、恐れずどんどんチャレンジを続けます。どうせ失敗するのなら、少しでも早いようがよい。この経験は次に活かせるし、何よりも仕事の回転が速くなる訳ですから。」(186頁)

まったく同感。

私も思い立ったら、すぐにやっちゃいます。

これが弁護士が何人もいる事務所だとそうはいきません。

何か新しいことをやろうとすると、意見を取りまとめないといけませんし、話し合う時間を確保するために、かなり先に会議の日程を入れざるを得ないからです。

その点、私の事務所は、議論の余地がありませんので、(一応、スタッフには伝えますが)私が思い立ったら、その日には、実行に移しています。

「失敗したらどうしよう」なんて、そもそも考えていません。

正直、失敗したって、どうってことないと思っています(失敗したら一大事になることは熟慮してから行動にうつすようにはしていますが。)。

たいていのことは、仮に失敗してもたいしたことないことばかりです。

毎日、新しいことにチャレンジしないと、生きている実感が持てません。

本の紹介1 ウォーレン・バフェット 賢者の教え(企業法務・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。

さて、今日は、ウォーレン・バフェットさんのことばから。

先日、本屋でなんとなく買った本です。 バフェットさんは有名なので、みなさん知っていると思います。

ウォーレン・バフェット 賢者の教え―世界一投資家思考の習慣 (経済界新書)
ウォーレン・バフェット 賢者の教え―世界一投資家思考の習慣 (経済界新書)

この本は、バフェットさんが話したことばをいろいろと紹介しています。

こういう感じの本は、これまで何百冊も読み漁ってきましたが、気分転換にはちょうどいいです。

この本の中で、私が「いいね!」と思ったことばを2つ紹介します。

1 「成功できたのは、飛び越えられるであろう30センチのハードルを探したからであり、2メートルをクリアできる能力があったからではない。

私は、自分にとって「30センチのハードル」が何であるかわかっています。

そのハードルをちょっとずつクリアしていくだけです。

2 「ビジネスの世界で最も危険な言葉は、5つの単語で表現できます。『ほかの誰もがやっている』(Everybody else is doing it)です。

事務所のホームページにも書いていますが、「弁護士の新しいかたち」を追求しながら、毎日仕事をしています。

このブログを見てくれている若手弁護士のみなさん、どんどん新しいことをやっていきませんか?

業界の常識を変えましょう!

派遣労働4(積水ハウスほか(派遣労働)事件)

おはようございます。

さて、今日は、派遣労働と黙示の労働契約に関する裁判例を見てみましょう。

積水ハウスほか(派遣労働)事件(大阪地裁平成23年1月26日・労判102号24頁)

【事案の概要】

Y1社は、人材派遣、人材紹介等を事業内容とする会社である。

Y2社は、建築工事の請負及び施行、建築物の設計および工事管理等を事業内容とする会社である。

Xは、Y1社に対して派遣登録をしていたところ、Y2社の正社員を募集する紹介予定派遣に応募したが、採用されず、その後Y2社の大阪南カスタマーズセンターに派遣されて就労していた。

XとY1社の間の派遣労働契約は、平成16年12月に締結された後、3か月ごとに15回、平成20年8月まで約3年8か月にわたって更新された。

平成17年3月以降についてY1社らの間で結ばれた労働者派遣契約および派遣通知書には、業務内容は、「5号OA機器オペレーション業務(付随業務を含む)」と記載されていた。

Y2社の本件センター所長であるBは、平成20年7月頃、Xに本件労働者派遣契約を同年9月以降更新しない旨Y1社の担当者Fに伝えたが、その際に、いったん本件労働者派遣契約を終了するが、3か月のクーリングオフ期間をおいた後の同年12月から再度Xの派遣を受け入れたいとの希望を伝えた。

その後、XとY1社らの本件労働者派遣契約は、平成20年8月をもって期間満了により終了した。

同年10月にいたって、Y2社は12月からのXにかかる労働者派遣契約は締結しないとの意思決定をし、これを通されたFは、Xに対し再契約がないことがはっきりした旨連絡した。

Xは、Y2社におけるXの業務内容は、労働者派遣法40条の2で制限する就労期間について制限のない労働者派遣法施行令4条で定める26の業務に該当しないにもかかわらず、Y1社らは労働者派遣の役務提供を受ける期間を潜脱する目的で派遣業務を偽装した違法な派遣を行ったものであり、Y1社らの労働者派遣契約およびXとY1社の間の派遣労働契約が無効であるなどと主張し争った。

【裁判所の判断】

派遣労働契約、労働者派遣契約は無効ではない。

XとY2社との間には、黙示の労働契約は成立しない。

Y2社に対する、30万円の損害賠償請求を認容。

【判例のポイント】

1 政令には政令5号業務として「電子計算機、タイプライター、テレックス又はこれらに準ずる事務用機器の操作の業務」と定めるのみで、派遣先の労働者の地位との関係で政令26業務の場合に派遣期間の制限が解除された趣旨を踏まえても、主としてパソコン操作がその業務となっている場合について政令5号業務から外れるとまで解することはできない

2 派遣労働者であるXが従事した業務が政令26業務(政令5号業務)に該当せず、また、それに従った派遣期間の制限違反等の労働者派遣法違反の事実があったとしても、労働者派遣法の趣旨およびその取締法規としての性質、さらには派遣労働者を保護する必要性等を踏まえると、特段の事情のないかぎり、そのことだけでXと派遣元であるY1社との間の派遣労働契約が、また、Y1社と派遣先であるY2社との労働者派遣契約が直ちにに無効となるものではない

3 派遣労働者と派遣先との黙示の労働契約の成否を判断するに当たっては、派遣元に企業としての独自性があるかどうか、派遣労働者と派遣先との間の事実上の使用従属関係、労務提供関係、賃金支払関係があるかどうか等を総合的に判断して決するのが相当である。

4 労働者が派遣元との派遣労働契約に基づき派遣元から派遣先に派遣された場合であっても、派遣元が形式的な存在にすぎず、派遣労働者の労務管理を行っていないのに対して、派遣先が実質的に派遣労働者の採用、賃金額その他の労働条件を決定し、配置、懲戒等を行い、派遣労働者の業務内容・派遣期間が労働者派遣法で定める範囲を超え、派遣先の正社員と区別しがたい状況となっており、派遣先が派遣労働者に対し労務給付請求権を有し、賃金を支払っている等派遣先と派遣労働者間に事実上の使用従属関係があると認められるような特段の事情がある場合には、派遣先と派遣労働者との間において、黙示の労働契約が成立していると認めるのが相当である

5 XとY2社との関には黙示の労働契約の成立は認められないが、Y2社がXに対し派遣労働契約終了後3か月の期間をおいて再度就労が可能であると告げたこと等から、Xの復職就労に関する期待が法的保護に値するものであり、Y2社による平成20年12月以降のXの就労の拒否はこれを侵害した違法行為であるとされ、30万円の損害賠償請求が認容された。 

今後、派遣労働に関してもいっぱい検討していこうと思います。

本件では、いろいろと参考になるポイントがあります。

上記判例のポイント3、4は、小難しいことを言っているように見えますが、よく読むと、たいしたことは言っていません。

たぶん、判例のポイント3、4の基準をみたすのは、よほどの場合でない限り、現実には存在しないように思います。

結局、派遣労働者の期待権侵害による30万円の損害賠償請求だけを認めたわけです。

派遣元会社も派遣先会社も、対応に困った場合には速やかに顧問弁護士に相談することをおすすめします。

派遣労働3(テクノプロ・エンジニアリング(派遣労働者・解雇)事件)

おはようございます。

さて、今日は、派遣会社待機社員の整理解雇に関する裁判例を見てみましょう。

テクノプロ・エンジニアリング(派遣労働者・解雇)事件(横浜地裁平成23年1月25日・労判1028号91頁)

【事案の概要】

Y社は、労働者派遣法に基づく派遣事業などを目的とする会社である。

Xは、平成8年にY社との間で派遣労働者(技術社員)として雇用契約を締結し、それ以降、17年までA社に派遣されて就労していた。その後、Xは、B社に派遣替えとなり、21年3月まで業務に従事した。

Y社は、平成21年3月の時点で待機社員494名のうち新規配属先が確保できた者および自己都合退職した者を除く合計351名に対して、整理解雇する旨の意思表示を行った。

Xは、本件整理解雇は無効であると主張し争った。

【裁判所の判断】

整理解雇は無効

【判例のポイント】

1 本件解雇は、いわゆる整理解雇に該当するところ、整理解雇は、労働者の私傷病や非違行為など労働者の責めに帰すべき事由による解雇ではなく、使用者の経営上の理由による解雇であって、その有効性については、厳格に判断するのが相当である。そして、整理解雇の有効性の判断に当たっては、人員削減の必要性、解雇回避努力、人選の合理性及び手続の相当性という4要素を考慮するのが相当であり、以下このような観点から本件解雇の有効性について検討する。

2 Y社は、平成20年5月度に経常利益が赤字に陥った以外、本件整理解雇以前の少なくとも過去数年間は一貫して黒字であり、本件整理解雇にあたってはY社における人員削減の目標を定めていたか否かも明らかでない。・・・これらの事情を総合すれば、Y社の経営状態は好ましくない方向に推移していたものと認められるものの、本件整理解雇にあたり、その時点で、Y社に切迫した人員削減の必要性があったとまでは認めるに足りない

3 Y社が本件整理解雇当時に人員削減の目標を定めていたかも明らかではなく、また、Y社は、技術社員に対する希望退職者の募集を一切行わないまま、平成21年3月末時点の待機社員の人数が494名に上るとの予測を受けて、直ちにXを含めた待機社員351名にも及ぶ本件整理解雇を実施することを決定し、その解雇通知を行っている。こうした事情によれば、人員削減の手段として整理解雇を行うことを回避するため、希望退職の募集など他の手段により本件整理解雇を回避する努力を十分に尽くしたとは認められない

本件では、整理解雇の必要性が認められないところで、勝負ありです。

整理解雇を実施する場合には、相当注意しなければ、有効にはなりません。

必ず顧問弁護士に相談の上、慎重に進めてください。

解雇56(日鯨商事事件)

おはようございます。

さて、今日は、海外勤務者の無断帰国等を理由とする解雇に関する裁判例を見てみましょう。

日鯨商事事件(東京地裁平成22年9月8日・労判1025号64頁)

【事案の概要】

Y社は、東京に事務所を有するほか、オマーンにも事務所兼社宅を借りていた。

Xは、Y社との間で雇用契約を締結し、平成19年11月から、主にオマーンにおいて業務に従事していた。

Xは、日本とオマーンを行き来しており、同年3月にも日本からオマーンに向けて出国した。この際の往復旅費はY社の負担である。

Xは、同月、オマーンから日本へ帰国した。この前日、XはY社の取締役であるAと電話でやりとりをし、きちんと引継ぎと今後の業務への対応策を話し合う必要があるので、Y社代表者とAがオマーンに戻る翌日までオマーンに残るよう言われたが、Xは航空券の日程変更ができないとして、同日帰国した。

Y社は、Xに対し、Xの「中東業務契約」を解除する旨のメールを送信し、同日、Y社は、解除メールと同内容の「中東業務契約解除(解任)通知書」と題する書面を発送した。

Xは、Y社による解雇は違法であるとして、損害賠償請求、未払時間外手当の請求等をした。

【裁判所の判断】

Y社の行為は不法行為に該当する。

【判例のポイント】

1 Y社のXに対する中東業務契約解除につき、本件就業規則には解雇規定はあるが、Y社に在籍しつつ一部の業務について契約を解除する旨の規定はないことや、Y社がXに対し退職の意思の有無を確認せずに退職手続を進めたことから、Y社は、契約解除通知書の交付をもって、Xに対し解雇の意思表示をしたものと認められる。

2 Xの出張先からの帰国等が、本件就業規則の解雇事由である「従業員の就業状況が著しく不良で就業に適しないと認められる場合」には該当しないとし、本件解雇は解雇権を濫用し著しく相当性を欠くものであり、Y社には本件解雇をしたことにつき過失があったものと認められる。
以上によると、本件解雇は、Xに対する不法行為を構成するものということができる。

3 Xは、本件解雇により失職したことによって、合理的に再就職が可能と考えられる時期までの間、本来勤務を継続していれば得られたはずの賃金相当額の損害を受けたものということができる。

Xは、本件解雇当時45歳の男性であったこと、複数回の転職経験があること、語学(英語)能力が高いこと、現に本件解雇後1か月も経過しないうちに再就職することができたことが認められるところ、これらの事情を総合考慮すると、Xが合理的に再就職をすることが可能であると考えられる期間は、本件解雇後3か月であると認めるのが相当である

4 本件解雇により被った精神的苦痛については、前記財産的損害の賠償により慰謝される性質のものであるというべきである

本件では、Y社の不法行為責任を認めました。

事案としては、解雇の有効性は否定されてもしかたがないものです。

注目すべきは損害額です(上記判例のポイント3参照)。

Xがこれほど有能でなければ、損害額はもっと多くなったのでしょうか・・・?

解雇を選択する前には必ず顧問弁護士に相談の上、慎重かつ適切に対応することが肝心です。決して、素人判断で進めないようにしましょう。

解雇55(日本通運(休職命令・退職)事件)

おはようございます。

さて、今日は、異動内示に伴う不就労に対する休職命令・退職扱いの効力に関する裁判例を見てみましょう。

日本通運(休職命令・退職)事件(東京地裁平成23年2月25日・労判1028号56頁)

【事案の概要】

Y社は、物流事業全般を営む会社である。

Xは、平成元年4月、Y社に入社し、平成13年3月、本件事業所営業係長に任ぜられた。

Xは、Y社から、ビジネスセンターへの異動の内示を受けたが、これに強い拒絶反応を示し、翌日、急性口蓋垂炎による呼吸困難で倒れ、救急搬送されて治療を受け、その後終了しなかった。

Y社は、平成19年2月、Xに対し、就業規則により休職命令を発令し、その後の賃金を支払わなかった。

平成20年2月、Y社は、Xは休務療養の必要がなくなったとはいえないとの理由から、Xに対し1月末付けで退職扱いとする旨通知した。

Xは、Y社が就労可能なXに対し、本件休職命令を発令して本件退職扱いをしたのは違法であると主張し争った。

【裁判所の判断】

休職命令、退職扱いはともに有効

【判例のポイント】

1 Y社は、当初、本件休職命令の発令を、疾病による欠勤開始の1年後である平成18年9月に予定していたが、その直前にY社の労働時間管理に不備があったことが判明して、2年分の割増賃金を支払うなどしたため、平成19年2月まで遅らせた。この過程で、A次長は、Xが直属の上司であるBに対する理不尽ともいうべき避難・攻撃を繰り返していたにもかかわらず、根気よく対応して、本件休職命令発令の直前には、診断書を作成していないと聞いて、再度受診のうえ診断書を提出よう求めた。また、A次長は、Xに対し、発令の内示をした際、あと1年あるという気持ちで復職に前向きに取り組むよう励まして、その後も何度か電話をするなどして接触を図っている。
このような事実によれば、Y社は、Xの当時の状況を踏まえてその立場に配慮した働きかけ等をしたものということができる。そうすると、Y社がXを退職に追い込む目的を有していたとは認められない

2 本件休職命令の発令に当たり、休職を要するという趣旨の診断書等があったわけではない。一方、C医師は、平成年月、「病状は改善し、就労は可能と思われる」という診断をしている。
しかし、この診断書は、上記のほかに「可能であればストレスの少ない職場への復帰が望ましい。尚今後6か月程度の通院加療が必要と思われる」という留保があり、そのまま復職可能診断というのは相当でない。
・・・この事実によれば、A次長は、この診断書の信用性に疑問を抱いたと考えられるが、これは合理的なものということができる。したがって、Y社が、復職可能診断を不当にも無視したとは認められない

3 ・・・以上の事情等に、Xは、休職期間満了日を超えて平成20年9月ころまで、抗不安薬等、C医師から処方された薬を服用していたことも考慮すると、Y社が復職可能診断を不当にも無視したものと認めることはできない
以上によれば、本件退職扱いをすることが信義則に反し許されないというXの主張は失当というべきである。

本件では、Xの主治医とY社の産業医が異なる診断をしています。

Y社の産業医は、Xの主治医から独自に得た情報に基づき、「本人、会社が対立する問題を保留としたまま本人が職場復帰することは、復職にとって重要な本人の信頼感の回復を待たずに職場環境に入ることとなり、症状が増悪し、呼吸困難のような発作が再発する可能性が極めて高い」という意見書を提出しています。

これに対し、Xの主治医は、産業医の意見について、「Xに面談もせずに判断することにも大きな問題がある」という批判的意見を述べてました。

この点について、裁判所は、以下のとおり判断しています。

「確かに、医学的判断をするに当たっては面談(診察)等で得られる情報が重要な要素であることは明らかであるが、前記のとおり、XとY社との信頼関係が失われた原因は、XのCに対して激しい調子で非難・攻撃を繰り返すなどしたところにあり、産業医は、従前の経過に基づきこの点を理解していたのであるから、面談をしなかったことが同医師の意見の説得力を損なうものとはいえない。」

このあたりは、なんともいえません。 

なお、本件は、控訴されています。

解雇を選択する前には必ず顧問弁護士に相談の上、慎重かつ適切に対応することが肝心です。決して、素人判断で進めないようにしましょう。

労災46(いなげや事件)

おはようございます 同期の弁護士が無事出産しました Tちゃん、おめでとう。

写真昨夜は、司法書士のS先生とごはんを食べながら、事務所経営について語りました

特に業務の進捗管理、顧客管理についてどのようなシステムを構築すべきかを話しました。

←魚弥長久。 ここもおいしいです。 そんなに高くありません。

今日は、午前中、離婚調停が入っています。

お昼は、顧問先のAさんと食事をしながら、公益財団法人について話し合います。

午後は、刑事事件の打合せが1件入っています。

その後は、書面作成です

今日も一日がんばります!!

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さて、今日は、過労自殺に関する裁判例を見てみましょう。

いなげや事件(東京地裁平成23年3月2日・労判1027号58頁)

【事案の概要】

Y社は、スーパーマーケットチェーンを中心とした生鮮食品・一般食品・家庭用品・衣料品等の小売業等を目的とする会社である。

Xは、大学卒業後、平成11年4月にY社に正社員として入社し、死亡時、鮮魚部チーフとして勤務していた。

Xは、平成15年10月、自殺した。

Xの妻は、三鷹労基署長に対して、Xが精神障害を発病して自殺したのは過重な業務に従事したことに起因するものであると主張し、遺族補償給付及び葬祭料の支給を請求したところ、いずれも支給しない旨の処分を受けたことから、その取消を求めて提訴した。

【裁判所の判断】

三鷹労基署長による遺族補償給付等不支給処分は違法である。
→業務起因性肯定

【判例のポイント】

1 Xの手帳については、X自身が業務に関して日々記録していたものであり、業務の有無や内容について一応の信用性があるというべきであり、タイムカード外労働時間についても、これを根拠としている部分があるが、家族の記憶については、過去の長期に渡る出来事に係るものであるから、一般に、その信用性は、必ずしも高いとはいえないし、X妻の日記の記載及びこれと一致する家族の記憶についても、Xの外出の事実、出発・帰宅状況等の生活状況全般については一応の裏付けとするには足りないというべきである。また、通話記録及び家族による聞き取り結果については、Xが本件会社関係者と通話した事実及びXに電話で仕事に関する相談などをしていた事実がうかがえるが、通話記録にある時間帯にどのような内容の会話をしたか個別に特定することはできず、結局、Xの就労の事実との関連性が不明であるから、具体的な労働時間の裏付けとするには足りないといわざるを得ない。さらに、給油記録についても、Xが当該時刻に自宅付近にあるガソリンスタンドにおいて給油した事実を認めることができるが、Xの就労の事実との関連性が不明であり、具体的な労働時間の裏付けとするには足りないというべきである。

2 Xの業務について、A店への移動後短期間でのB店への移動と同時に、新任チーフへの就任、新装開店準備業務の担当等といった出来事の重なり、チーフ就任に伴う業務の質的・量的な増加に加えて、自身の人事考課の重要な要素ともなる新装開店後の売上増を期待される立場に置かれたことに伴う強度の精神的プレッシャー、周囲の支援状況、長時間労働による疲労の蓄積等を総合的に検討すれば、その他の原告指摘にかかるその他の業務上の出来事について検討を加えるまでもなく、Xの本件疾病発病前の業務の心理的負荷の創業評価は、「強」であるとするのが相当である。

3 以上のとおり、Xの本件疾病発病前の業務の心理的負荷の総合評価は「強」であり、その他精神障害の発病につながる業務以外の心理的不可や個体側要因もないのであるから、判断指針・改正判断指針によっても、Xの本件疾病発病が同人の業務に起因するものであると認めることができる。

参考になるのは、判例のポイント1です。

本件では、タイムカードに記録されていない労働時間があると原告が主張し、手帳や日記、携帯電話の通話記録等を提出しましたが、裁判所は採用しませんでした。

そして、「平成15年当時はタイムカードの打刻時刻いかんにかかわらず一律の時間外手当しか支給していなかったことからすれば、店長が従業員に対してタイムカードを業務終了よりも早く打刻するように指示する理由もなかった」として、タイムカードの打刻に基づいて、労働時間を算定しています。

判決の結果には影響していませんので、本件に関してはいいのですが、いろいろなことを考えてしまいます。

本当にそうなのかな・・・。

賃金36(タマ・ミルキーウェイ事件)

おはようございます。 

さて、今日は、付加金に関する裁判例を見てみましょう。

タマ・ミルキーウェイ事件(東京高裁平成20年3月27日・労判974号90頁)

【事案の概要】

Y社は、一般貨物自動車運送事業等を目的とする会社である。

Xは、Y社の従業員として、平成16年9月まで配送運転手の勤務をしていたが、Y社に対し、未払い時間外、深夜、休日労働に係る賃金等を請求した。

一審判決において、裁判所は、Y社に対し、時間外等賃金として約50万円及び同額の付加金の支払いを命じた。

Xは、控訴した。Y社は、控訴後、Xに対し、時間外等賃金を全額支払った。

【裁判所の判断】

付加金の支払いは命じない。

【判例のポイント】 

1 労基法114条の付加金支払義務は、労働者の請求により裁判所が判決でその支払を命じ、これが確定することによって初めて発生するものであるから、使用者に労基法37条等の違反があっても、既にその支払を完了し、使用者の義務違反の状況が消滅した後においては、使用者に対して付加金の支払を命ずることはできないと解すべきである。
そうすると、原判決後であるとはいえ、本件時間外等賃金を支払ったY社に対し、付加金の支払を命ずることはできないというほかない。 

本件では、付加金に絞ります。

付加金に関するこのような判断は、この裁判例だけがユニークなのではありません。

最高裁こそありませんが、高裁判決でも同様の判断がなされています。

会社側とすれば、すごい金額の付加金が第1審で命じられた場合には、とりあえず控訴し、未払時間外等賃金を支払えば、付加金の支払を免れることができることになります。

当然、このような結論に対し、批判的な見解も多いです。

批判的な見解が多かろうが少なかろうが、現時点では、会社としては、控訴し、未払賃金を支払というのが鉄則ということです。

付加金を支払う前には、必ず顧問弁護士に相談しましょう。

賃金35(コナミデジタルエンタテイメント事件)

こんにちは。

さて、今日は、育休取得・復職後の降格、賃金減額に関する裁判例を見てみましょう。

コナミデジタルエンタテイメント事件(東京地裁平成23年3月17日・労判1027号27頁)

【事案の概要】

Y社は、平成18年3月、コナミ株式会社からその営業部門の事業全てを譲り受けて設立された、電子応用機器関連のソフトウェア、ハードウェア及び電子部品の研究、制作、製造及び販売等を目的とする会社である。

Y社の従業員であるXは、育児休業後に復職したところ、Y社は、Xを降格させ、年俸を120万円減給した。

Xは、Y社の人事措置について、妊娠・出産をして育児休業等を取得した女性に対する差別ないし偏見に基づくものであって、人事権の濫用にあたり、不法行為であると主張し争った。

【裁判所の判断】

降格は人事権の濫用に当たらない。

成果報酬ゼロ査定は、裁量権の濫用に当たる。

差額賃金請求については棄却した。

【判例のポイント】

1 育児・介護休業法22条および同法の指針(平16.12.28厚労省告示460号)の「原則として原職又は原職相当職に復帰させることが多く行われているものであることに配慮すること」は、努力義務を定める規定であって、原職または原職相当職に復帰させなければ直ちに同条違反になるとは解されない。

2 産休・育休からの復職に当たって担務変更をしたことは、業務上の必要性に基づいて、配転にかかる人事上の権限の行使として行われたものであって、育休等の取得を理由としてされたものではなく、担務変更が休業取得を理由とする不利益取扱いには該当しない

3 使用者が有する従業員の配置、異動等の人事権の行使は、雇用契約に根拠を有し、従業員をY社の会社組織の中でどのように活用、統制していくかという使用者に委ねられた経営上の裁量判断に属する事項であり、従業員に周知された就業規則の規定に基づき行われる職種・職位の変更(役割グレード引下措置)につき労働者本人の同意を要するものとは解されない

4 労働の対価たる賃金は、労働条件における最も重要な労働条件であり、その年俸査定期間に産休や育休が含まれる場合には、法がこれらの休業を規定し、休業取得を理由とする不利益取扱いを禁止した趣旨を考慮した成果の査定をするのが相当である。

5 Xの平成21年度の成果報酬について、査定期間のうち9ヶ月間は産休・育休により休業して業務実績はないが、休業前の3ヶ月は一定の内容、程度の業務を引き継いだFマネージャーらはXの実績を利用しまたは踏まえて残りの業務を行ったということができるから、同年度の成果報酬ゼロ査定は、成果報酬の査定にかかる裁量権の濫用に当たり無効である

6 差額賃金請求権は、Y社が前年度成果評価に基づく査定によって具体的な額が決定されるものであるから、本件成果報酬ゼロ査定しかされていないという本件事実関係の下においては、Xはいまだ成果報酬が定まっていないという状態にあり、これについて損害が発生する余地はないというべきである。
以上によると、Xの従前年俸額と新年俸額との差額の支払請求は理由がない

育休後の労働条件に関する争点は、労働者側としては、いろいろと難しい問題があります。

どちらかといえば、やりにくい問題だと思います。

ただ、本件では、成果報酬の査定に関し、裁量権の濫用にあたり無効であるとの判断がされています。

差額賃金請求については、このような判断もやむなしといったところでしょうか。

不利益変更事案は、合理性の判断がいつも悩ましいですね。顧問弁護士と相談しながら慎重に進めましょう。

不当労働行為21(JR西日本(和歌山・転勤)事件)

おはようございます。

さて、今日は、配置転換と不当労働行為に関する命令を見てみましょう。

JR西日本(和歌山・転勤)事件(和歌山県労委平成23年4月6日・労判1027号95頁)

【事案の概要】

Y社は和歌山支社の和歌山列車区は運転業務および車掌業務を担当する現業機関であり、橋本運転区は運転業務を担当する現業機関である。

平成21年5月、Y社は、和歌山列車区の運転士であるXに対し、橋本運転区へ配置転換する旨の通知を、6月、本件転勤を発令した。

Xは、JR西日本労働組合関西地域本部およびその下部組織である和歌山地方本部ならびに和歌山分会の組合役職を歴任した。

Xは、本件配置転換は、不当労働行為であると主張し争った。

【労働委員会の判断】

不当労働行為にはあたらない。

【判例のポイント】

1 Xの通勤時間は片道約1時間50分となったから、この通勤時間を短いとは言えないし、Xの組合活動従事可能時間の減少もあるから、本件転勤がXにとって不利益であるとは言えるものの、それらはいずれも和歌山列車区から橋本運転区への転勤という通常の転勤に伴って発生しているものであるから、本件転勤に通常の転勤を超えた不利益を認めることはできない

2 Y社は組合に嫌悪の情を抱いており、したがって、組合が行った追悼ミサについて不快な念を持って見た可能性は否定できない上、追悼ミサとY社が本件転勤の人選を開始した時期とは符合するから、全く影響がなかったとは断定できない。しかも、本件転勤はこれまでの組合とY社の厳しい労使対立を背景に、最近まで組合の中心的な人物であったXも、転勤対象者たり得る本件転勤の対象者として充てたものと推認することもできる
しかしながら、業務上の必要性が明確であり、転勤先が通常の転勤範囲内である本件転勤において、Xの組合活動への嫌悪の情が、Y社の行った本件転勤命令の決定的動機であったとまでは認定することはできない

3 本件転勤が法第7条第1号の不当労働行為であると言いうるためには、本件転勤がXの組合活動に対する嫌悪を決定的な動機としたものであること、本件転勤が不利益な取扱いであることの双方を充足する必要があるが、前者については、組合活動への嫌悪が本件転勤の人選に影響しなかったわけではないにしても、それが決定的な動機であるとは言えず、後者については、本件転勤がXにもたらした不利益は通常の転勤の範囲内であり、他の転勤とは格差もない以上、不利益取扱いがあったとは評価できないから、本件転勤が法第7条第1号の不当労働行為に該当するとは判断できない。

なかなか微妙な判断ですね。

会社の組合嫌悪の情の存在を推認できるとしても、それが本件転勤命令の「決定的動機」とまではいえないという判断です。

「決定的動機」というのは、規範的概念ですので、その存在は一概には判断できません。

結局のところ、総合考慮ということになります。

今回は、「それほど大きな不利益ではない」という発想が根底にあるのだと思います。

組合との団体交渉や組合員に対する処分等については、まずは事前に顧問弁護士から労組法のルールについてレクチャーを受けることが大切です。決して素人判断で進めないようにしましょう。