本の紹介844 30代ビジネスマンの「太らない」「疲れない」21の習慣(企業法務・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。

今日は本の紹介です。
「太らない」「疲れない」21の習慣

食事、睡眠、運動に関する習慣について解説しています。

ダイエット等が成功しない理由は、シンプルです。

継続できない。 ただそれだけです。

つまりは、習慣化のしかたさえわかっていれば、勉強もダイエットもたいていのことは結果が出ます。

さて、この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

日本人は、頭脳だけで仕事をしている。頭に知識を入れることには一生懸命だけど、食事、睡眠、運動などには驚くほど気を遣っていない。私たちは、健康なビジネスマンでい続けることも含めて、仕事で成果を上げようとしている。長期的には、どっちがいい結果を出すだろうね?」(25頁)

これは、アラブ系のビジネスマンが著者に語った言葉です。

このビジネスマンは、日頃からドバイと香港を行き来しており、出張先にもランニングシューズを持っていき、朝はランニング、夜はホテルのジムやプールで体を動かすことを日課としているそうです。

日頃、ランニングや筋トレをするのが習慣になっている人からすると、特に驚くことではありません。

何もしていなければ、年齢とともに体力がだんだん落ちてくるのは当然のことです。

トレーニングをしているかどうかは、年齢が上がれば上がるほど一目瞭然ですぐにわかります。

忙しいのはみんな同じです。

やるかやらないか、ただそれだけの違いです。

解雇278 事前承認のない休日出勤中の事故後の解雇と解雇制限の適用の是非(労務管理・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。 今週も一週間がんばりましょう。

今日は、事前承認のない休日出勤中の事故後の解雇と労基法19条1項に関する裁判例を見てみましょう。

日本マイクロソフト事件(東京地裁平成29年12月15日・労判1182号54頁)

【事案の概要】

本件は、Y社と雇用契約を締結したXが、Y社に対し、平成25年6月29日付け解雇は無効であると主張して、労働契約上の権利を有する地位にあることの確認を求めた事案である。

【裁判所の判断】

請求棄却

【判例のポイント】

1 AがXに対して同月9日の休日出勤を指示したとはいえないものの、事前承認を得ずに勤務することの多いXが同月9日から同月11日までの間に宿題提出のために作業すること、すなわち休日出勤をすることは想像に難くなく、許容していたといえる。そうすると、Xは、業務遂行のためY社の支配下にある事業場で本件事故に遭ったと認められ、業務起因性があるといえる。

2 本件事故があったとされる平成25年2月9日からY社が本件解雇を通知し以後の就労を免除した同年5月29日までの間において、Xは、午前休や全休を取得したと主張するが、Xの主張する日は、所定休日あるいは、所定労働日に所定労働時間7.5時間以上の勤務実績がある日であり、休業の事実が認められない。
したがって、労働基準法19条1項の解雇制限の適用はない

3 Xは、形式的に休業していなかったとしても、身体的状態として本来欠勤して療養すべき健康状態にあった以上、労働基準法19条第1項の解雇規制が直接適用ないし類推適用されるべきであると主張する。
しかし、労働基準法19条1項はあくまで業務上の傷病の「療養のために休業する期間」の解雇の意思表示を禁止している規定であることは文理上明らかであるから、Xの上記主張は採用しない。

労基法19条1項の解雇制限は、あくまでも「療養のために休業する期間」についてのものなので、休業していない場合には同条の適用はありません。

解雇を選択する前には必ず顧問弁護士に相談の上、慎重かつ適切に対応することが肝心です。決して、素人判断で進めないようにしましょう。

本の紹介843 これからの時代のお金に強い人、弱い人(企業法務・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。 今週も一週間お疲れ様でした。

今日は本の紹介です。
これからの時代のお金に強い人、弱い人

大富豪インド人のビリオネア思考」の著者サチン・チョードリーさんの本です。

細かいお金の稼ぎ方についてではなく、物事の考え方、人生の捉え方について書かれた本です。

おすすめです。

さて、この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

何かのせいにしない人は、それを自分のこととして受け止めます。だから、素直になれる。謙虚になれるし、学ぼうとする。そして、学んだことの大切さをよくわかっている。
ジム・ロジャーズさんも言っていました。『自分が知っていること、学んでいること以外のものに手を出してはいけない』と。お金は実は、すべては学びから始まるのです。」(155頁)

「自分が知っていること、学んでいること以外のものに手を出してはいけない」という教訓は投資に限らず、あらゆる仕事にもいうことができますね。

人に勧められるがままにうまい話に乗ってしまい、大やけどをするなんてことがありますが、まずは自分でしっかりその分野のことを勉強することがとっても大切です。

おいしい話のときこそ、冷静になってリサーチをする。

こんな姿勢がいざというときに役に立つのではないでしょうか。

有期労働契約82 雇止めの合理性要件の判断方法(労務管理・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。

今日は、雇止め無効地位確認等請求が棄却された裁判例を見てみましょう。

YIDATEC日本事件(東京地裁平成30年2月1日・労判ジャーナル78号50頁)

【事案の概要】

本件は、本訴事件において、Y社との間で有期雇用契約を締結しこれに基づいて就労していたXが、契約更新の申入れをしていたがY社から雇止めをされたため、労働契約法19条1号及び2号に基づき、雇用契約上の権利を有する地位にあることの確認を求めるとともに、時間外労働等に係る割増賃金等の合計額である約542万円等、労働基準法114条所定の付加金約308万円等の支払を求め、さらに、会社代表者からパワーハラスメントを受けたと主張して、不法行為(会社法350条)に基づく損害賠償請求として100万円等の支払を求め、反訴事件において、Y社がXに対し、過払であった通勤交通費について、Xは通勤経路を変更した旨Y社に申告した平成24年5月7日以降、受領する法律上の原因がないことについて悪意であったにもかかわらず、これを受領していたと主張して、民法703条、704条に基づき、約40万円等の支払を求めた事案である。

【裁判所の判断】

雇止めは有効

未払割増賃金等請求は一部認容

損害賠償請求は一部認容(10万円)

反訴:不当利得返還請求は一部認容(24万6330円)

【判例のポイント】

1 本件雇用契約は6回更新され、契約期間も6年以上と長く、更新の際労働条件の交渉等のために雇用契約書が取り交わされる前の段階でもXが引き続き就労していたこと、就業規則4条において正社員と契約社員とで個別契約がない限り基本的な労働条件が同一とされていることは認められるものの、賃金等の労働条件は更新の際に見直され、必ず雇用契約書が作成されていることに鑑みれば、本件雇用契約を就労させることが「期間の定めのない労働契約を締結している労働者に解雇の意思表示をすることにより当該期間の定めのない労働契約を終了させることと社会通念上同視できる」(労契法19条1号)とまではいうことができない。

2 Xは通勤交通費を不正に受給し、これに関する聴聞の手続を放棄した上、法律上の原因なくして利得した通勤手当の返済に関する協議に一切応じなかったばかりか、親会社関係者にまで副部長の不正疑惑を申し出て、職場における人間関係を破壊し、会社代表者との関係においても問題のある業務指示についてそれを指摘するにとどまらず、あえて反抗的な態度をとるなど強固な反発心を示していたことからすれば、Y社においてXによる有期雇用契約の締結の申込みを拒絶することが、「客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相違であると認められない」(労契法19条柱書)とはいえず、Xの地位確認等の請求は理由がない。

3 Xは少なくとも平成25年6月以降肩書住所地から通勤していたのであり、副部長が就業規則に反してバス通勤を認めるとは解されないこと、仮にそのようなことがあったとしても単に会社に対する同部長の業務懈怠にすぎず、Xにおいて同部長にそのような許可権限があると信頼することを正当化する事情があるとは解されないことからすれば、Xは悪意の受益者であると認めるべきであるから、Y社の反訴請求は、24万6330円等の支払を求める限度で理由がある。

上記判例のポイント1のように、更新時の手続きを行っていれば、1号事案として判断される可能性は低くなります。

これに対して、更新回数が多くなり、契約期間が長期になってくると、2号事案に該当することはほとんどですので、結局、雇止めの合理性が問題となってくるわけです。

日頃から顧問弁護士に相談しながら適切に労務管理を行うことが大切です。

本の紹介842 手ぶらで生きる(企業法務・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。

今日は本の紹介です。
手ぶらで生きる。見栄と財布を捨てて、自由になる50の方法

著者は「ミニマリスト」の方です。

本書のサブタイトルは「見栄と財布を捨てて、自由になる50の方法」です。

帯には「お金、時間、人間関係・・・不安を手放し、自分の人生を取り戻すコツ。」と書かれています。

確かに所有物が増えてくると重くなって動きにくくなりますよね。

さて、この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

もっと広い家に住みたい、もっといい車に乗りたい、もっと稼ぐ夫・もっと美人な妻がよかった、子どもをもっといい学校に入れたい・・・住む家があって、お金を稼ぐ手段も確保し、家族もいて十分幸せなはずなのに、他人と比較し『最大化』が行き過ぎた結果、自ら不幸になっている。こんな人はけっこう多いと思う。」(175頁)

「足るを知る」ということでしょうか。

「見栄」と「欲」を捨てると、必要以上のお金を求めることがなくなります。

もっといい車に乗りたい、もっと高い時計をつけたい・・・

こういうことが働く動機になる人はそれでいいでしょうが、

それほど物欲がない人にとってみれば、車なんて動けばいいし、時間は携帯電話で見ればいいからそもそも時計はいらないということになるのでしょう。

こういう考えの人は、収入の多さと幸せの度合いが必ずしも比例しないことを知っています。

求めれば求めるほど幸せから遠のくという感じでしょうか。

労働災害93 うつ病で休職中の懲戒解雇事案における主治医と産業医の意見書の信用性判断(労務管理・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。

今日は、うつ病で休職中の懲戒解雇と労基法19条1項違反の有無に関する裁判例を見てみましょう。

学校法人武相学園(高校)事件(東京高裁平成29年5月17日・労判1181号54頁)

【事案の概要】

本件は、Y社の設置するa高等学校(以下「a高校」という。)の教諭であり水泳部の顧問であったXをY社が解雇したことが、労働基準法19条(業務上疾病により休業中の労働者の解雇禁止)の規定に違反するかどうかが争われる事案である。

原判決は、Y社に対して労働契約上の権利を有する地位にあることの確認を求めるXの請求を、Xのうつ病が業務上の疾病とはいえないことを理由として棄却した。

これを不服としてXが控訴したのが、本件控訴事件である。

【裁判所の判断】

原判決を取り消す。
→Xが、Y社に対し、労働契約上の権利を有する地位にあることを確認する。

【判例のポイント】

1 Y社は、B医師は、簡単な問診をしただけで、軽度うつ病で3か月程度の休業を要する旨の診断を行っており、科学的検査を実施しておらず、Y社との面談も実施しないなど、精神科医のとるべき対応として不十分であるとして、B医師の診断が信用できない旨を主張する。
しかしながら、B医師は、Xには、日内変動、抑うつ、制止のうつの徴候が深刻であり、激しい不安焦燥、不穏、自殺念慮、自棄的破壊的激情噴出等の精神的症状と、不眠、7kgの体重減少等の身体的症状があり、これらの具体的症状に基づきうつ病エピソードと診断したと認められ、その症状の把握や診断手法に不合理な点は認められない。平成24年7月6日にXを診断した済生会横浜市南部病院のI医師も、精神運動抑制と認知の歪みが目立つとして、B医師と同様のうつ病診断をしていることが認められる
Y社は、自らの主張に沿う証拠としてH医師作成の意見書を提出する。しかしながら、H医師は、Xを診察した上で意見を述べているものではない上、うつ病診断における科学的検査(血液検査や画像診断所見等)は研究段階にあり有用性は現在のところ確立されていない旨述べ、また、医師による使用者からの事情聴取は寛解を目指して長期的に診療を続ける場合にストレス要因を明らかにするという意味で大切であるが、患者の主観面を確認し当面の症状を改善させ落ち着かせることと比べれば重要度は落ちるという趣旨を述べているにとどまる。H医師の意見書は、B医師の診断自体の信用性に影響を及ぼす余地はない。したがって、Xがうつ病を発症したとするB医師の診断は、採用できる。

2 Y社は、Xが平成23年8月に休職するまで体調不良を訴えることもなく通常どおり業務をこなしていたこと、休職後もa高校のOB会の宴会に出席して飲酒したり、平成24年6月に5日間の講習を受講して教員免許を更新するなどしたことを指摘する。
しかしながら、平成23年6月初めに水泳部顧問や授業の禁止処分を受ける前後からXの精神が衰弱して不眠、希死念慮の症状が出ていたことは、前記認定のとおりである。また、うつ病の回復過程にある平成24年6月に教員免許更新のため5日間の講習を受講したからといって同年7月のI医師のうつ病との診断が否定されるものではない。
休職中の宴会出席は、うつ病の回復過程において主治医の助言に従い治療の一環として出席したことが認められる。その他Y社が主張する事情を併せ考慮しても、前記認定(Xが平成23年6月上旬から同年8月下旬までの間にうつ病を発症したこと)を左右するには足りない。

2 C校長及びD副校長らによる進退や重大な処分という発言を伴う聴取調査は、「会社の経営に影響を与えるなどの重大な仕事上のミスをした場合」に該当し、これによりXに課された心理的負荷は大きく、平均的な教諭であってもうつ病を発症させる程度のものであった。
そして、発症前6か月間のXの月平均100時間を超える時間外労働は、Xに非常に大きな心理的負荷を課するものであり、前記聴取調査による心理的負荷を増大させた。
そして、うつ病発症の有力原因となり得るような他の原因が認められない本件においては、C校長らによる聴取調査及びXの時間外労働とうつ病発症との間に相当因果関係がある。
うつ病はY社における業務に起因して発症したものであり、Xは、本件解雇当時、うつ病により休職中であった。そうすると、本件解雇は労働基準法19条に反し無効である。
したがって、Xは、Y社に対し、労働契約上の権利を有する地位にある。 

この種の訴訟では、主治医と産業医の意見の食い違い、いずれの意見を採用すべきかが問題となります。

形式的にどちらの意見を尊重すべきかを判断するのではなく、いずれの意見がより合理的な根拠に基づくかを判断することになります。

労災発生時には、顧問弁護士に速やかに相談することが大切です。

本の紹介841 メンタリストDaiGoの心を強くする300の言葉(企業法務・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。 今週も一週間がんばりましょう。

今日は本の紹介です。
メンタリストDaiGoの心を強くする300の言葉

DaiGoさんのツイッターでの発言をまとめた本です。

さて、この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

言い訳せずに勉強しよう。
二宮尊徳は農民に学問は不要だと灯を使うことを禁じられたが、農業をしながら自分で菜種を育てて油をとり、その灯で学んで名を残した。
こんな厳しい状況でも学ぶことで人生を大きく変えた人がいるのだ。
そう考えると、自分はどんなに恵まれた環境にいるのかと思えてくるはずだ。」(179頁)

みなさんは、毎日、勉強していますか?

仕事をするようになると、時間がないという理由で、多くの人が勉強をしなくなります。

その反面、早朝や帰宅後に少しずつ勉強を続けている人がいることもまた事実。

5年後、10年後を見据えて、日々、準備をすることが大切ですね。

同一労働同一賃金9 特別休暇に関する同一労働同一賃金問題(労務管理・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。 今週も一週間お疲れ様でした。

今日は、特別休暇について労働契約法20条に違反するとされた裁判例を見てみましょう。

日本郵便(佐賀)事件(福岡高裁平成30年5月24日・労経速2352号3頁)

【事案の概要】

本件は、Y社との間で、有期労働契約を締結し,同社の運営する郵便局(本件郵便局)において、所属課の上司の下で郵便の集配業務に従事し、平成26年1月22日をもって退職したと主張するXが、①基本賃金・通勤費、②祝日休、③早出勤務等手当、④夏季・年末手当、⑤作業能率評価手当、⑥外務業務手当、⑦特別休暇(夏季休暇・冬期休暇)の付与の有無に関する正社員との相違について、労働契約法20条に違反し不法行為が成立するとして損害賠償を求めるなどした事案である。

【裁判所の判断】

特別休暇については不合理な相違である。

【判例のポイント】

1 夏期及び冬期休暇が、主としてお盆や年末年始の慣習を背景にしたものであることに照らすと、かかる休暇が正社員に対し定年までの長期にわたり会社に貢献することへのインセンティブを与えるという面を有しているとしても、そのような時期に同様に就労している正社員と時給制契約社員との間で休暇の有無に相違があることについて、その職務内容等の違いを理由にその相違を説明することはできず、制度として時給制契約社員にこれが全く付与されないことについては、不合理な相違であるといわざるを得ない。
 時給制契約社員は、正社員と異なり当該期間が当然に勤務日となっているわけではなく、勤務日と指定されたとしても、当該期間中にその全てが正社員と同程度の日数の勤務に従事するとは限らないが、上記のとおりの休暇が設けられた趣旨を踏まえれば、正社員の夏期特別休暇に在籍日要件が設けられているように、当該期間中の実際の勤務の有無や、平均的な勤務日数などの要件を付加した上で、時給制契約社員に対し、正社員に比して一定割合の日数を付与するという方法も考えられるところであって、当該期間中に実際に勤務したにもかかわらず、正社員と異なりおよそ特別休暇が得られないというのはやはり不合理な相違といわざるを得ない。
Xが所属する労働組合と、Y社との間では、平成19年10月22日付けで、期間雇用社員の休暇に関し労働協約が締結されており、そこには夏期・年末年始休暇についての定めはないものの、そのことだけでは、不合理性を否定することはできないというべきである。
そして、本件においては、前記認定のとおり、Xが正社員とほぼ同程度の勤務日数、勤務時間で就労していたと認められることに照らすならば、Xに対しては、同程度の休暇を付与するのが相当であったというべきである
したがって、労働契約法20条が制定された平成25年4月以降、Y社が、Xに対しかかる休暇取得の機会を与えなかったことは、同条に反し、Xに対する不法行為に当たるというべきである。

労働契約法20条に関する新たな裁判例です。

上記①~⑦のうち、⑦に関する相違のみが違法とされています。

日頃から顧問弁護士に相談しながら適切に労務管理を行うことが大切です。

本の紹介840 ビジネスエリートが実践している1日30分で理想の体型を手に入れる方法(企業法務・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。

今日は本の紹介です。
ビジネスエリートが実践している1日30分で理想の体型を手に入れる方法

いかに時間のない毎日の中で効率よく効果的なダイエットをしていくのかが書かれています。

いつも書いていることですが、簡単な話、毎日1時間早く起きればいいだけの話です。

さて、この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

人は『いまの自分』を正当化し、守ろうとする防衛本能を持っている。この本能の働きが、『仕事が忙しくて』『年をとったから』『飲み会が多いから』『運動する時間が無いから』と、でっぷりと出てしまった腹を正当化しようとする。
しかし、こうした言い訳は、聞く相手にとっては、見苦しい言い逃れにしか聞こえない。これらの『言い訳』が、あなたにプラスに作用することはほとんどない。自ら信用を下げて、自分という人間を低くしてしまっている。言い訳する暇があったら、黙っていまできることを実行する方がずっと人にも信頼される。」(46頁)

どうしよう。

何も付け加えることがないくらい、ぐうの音も出ないくらい正論です(笑)

と言いつつ付け加えますと、筋トレは、30分あればかなりのことができます。

むしろ本気で筋トレして1時間も2時間もやるほうが大変です。もうヘトヘトですよ。

30分すら時間を作れないのでしたら、もはや何も言うことはありませんが、そんな人はいません。

30分早く起きればいいのですから。

「できない」のではなく、単に「やる気がない」だけです。

労働時間52 バス運転手の待機時間の労働時間性(労務管理・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。

今日は、待機時間が労働基準法32条の労働時間に該当しないとされた裁判例を見てみましょう。

南海バス事件(大阪高裁平成29年9月26日・労経速2351号3頁)

【事案の概要】

本件は、Y社に雇用されて路線バスの運転手として稼働するXが、Y社に対し、時間外割増賃金の一部が未払であると主張して、未払時間外割増賃金及びこれに対する各給与支給日の翌日から支払済みまで年6分の割合による遅延損害金並びに付加金及びこれに対する本判決確定の日の翌日から支払済みまで年5分の割合による遅延損害金をそれぞれ請求する事案である。

【裁判所の判断】

請求棄却

【判例のポイント】

1 労基法上の労働時間とは、労働者が使用者の指揮命令下に置かれている時間をいい、実作業に従事していない時間(以下「不活動時間」という。)が労基法上の労働時間に該当するか否かは、労働者が使用者の指揮命令下に置かれていたと評価することができるか否かにより客観的に定まるものというべきである。
 不活動時間においては、その間、労働者が労働から離れていることを保障されて初めて、労働者が使用者の指揮命令下に置かれていないものと評価することができるのであって、不活動時間であっても労働からの解放が保障されていない場合には労基法上の労働時間に当たるというべきである。そして、当該時間において、労働契約上の役務の提供が義務付けられていると評価される場合には、労働からの解放が保障されているとはいえず、労働者は使用者の指揮命令下に置かれているというのが相当である。

2 バスの移動、忘れ物の確認、車内清掃等は、基本的にはバスターミナル到着後2分間及び次の運行開始時間前4分間で行うことが可能であり、それ以外の待機時間について、乗務員は、休憩を取ることが可能であった。そして、Y社は、乗務員が休憩するための施設として一部のバスターミナルに詰所を設置しており、Xを含む多くの乗務員がこれを使用していたこと、休憩中にはバスを離れて自動販売機等に飲料を買いに行くことも許されていたこと、乗務員がバスから離れることができるようバスには施錠可能なケースや運転台ボックスが設置されていたこと、X自身もバスを離れてトイレや詰所に行っていたことなどの事実に照らせば、乗務員が待機時間中にバスを離れて休憩することを許されていたことは明らかである
そして、上記のとおり、乗務員は、予定時間より早くバスを移動させることができるように準備しておく必要もなかったのであるから、出発時間の4分前にバスを停留所に接着できるようにバスに戻ればよく、その間は自由にバスを離れることが可能であった。
このように、待機時間中、乗務員は自由にバスを離れて休憩をとることが可能であった上、Y社は、乗務員が休憩中であることを理由に乗客対応を断ることや貴重品や忘れ物をバス車内に置いてバスを離れることを認めており、乗務員は、待機時間中には、乗客対応、貴重品や忘れ物、バス車体等の管理を行うことを義務付けられていたとは認められない。

3 これに対し、Xは、待機時間中も臨機応変にバスを移動できるように態勢を整えておかなければならず、そのような態勢を整えることが黙示的に義務付けられていたと主張するが、かかる主張は、X自身、トイレ以外の不急の事由でバスを離れていたことと相容れず採用できない。
また、Xは、運行途中でのバスの車体点検が業務である旨主張するが、他方でd営業所における休憩については、休憩室等の設置やバスが車庫で管理されていることなどを理由に職務から解放されている旨主張しているところ、運行途中のバス点検業務の有無は休憩所等の設置やバスの管理方法とは無関係なものであるはずであり、その主張に整合性はなく採用できない。
なお、Y社が待機時間中に業務を行った場合には延着時分申告書を提出する旨取り決めていたとしても、そのことをもって、Y社がXら乗務員に待機時間中の乗客対応やバスの移動等を黙示的に義務付けていたと評価することはできない。
 ・・・したがって、乗務員は、待機時間中、労働からの解放が保障されており、待機時間は、労基法上の労働時間とは認められない。

上記判断は、控訴審(大阪高裁平成29年9月26日)、上告審(最高裁平成30年4月17日)でも維持されています。

休憩時間なのか手待時間なのかという論点はよく出てきますので、裁判所がどのような点を見て判断しているのかを理解しておきましょう。

労働時間に関する考え方は、裁判例をよく知っておかないとあとでえらいことになります。事前に必ず顧問弁護士に相談することをおすすめいたします。