本の紹介801 SUPER FOCUS(企業法務・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。

今日は本の紹介です。
極度集中 世界500万人が支持する最強の自己啓発入門

ブライアン・トレーシーさんの本です。

薄い本ですが、成功するためのエッセンスが詰まっています。

タイトルのとおり、1点に集中することの大切さを説いています。

おすすめです。

さて、この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

・・・私たちの大半は、自分の人生をそんなふうに生きている。何十、何百という様々な的に、ぼんやりとダーツを投げ続けるかのように、意義のないことに時間を浪費しているのだ。そして、投げてもなかなか的に当たらない“退屈さ”から、ダーツそのものを諦めてしまう。自分には的の中央を射抜く『才能』がなかったのだと言い残して。」(12頁)

そう。人は1つのことをやり続けると「飽きてしまう」のです。

だから、いろんなことをやりたくなってしまう。

1つのことに集中してやるよりもたくさんのことに手を広げるほうが実は楽なのです。

手を広げることは楽でもすべてを成功させることは至難の業です。

僕たち凡人は、限りある力を多くのことに分散させる余裕はありません。

1つのことに集中し、飽きずにやり続けることが結果を出す唯一の方法なのです。

有期労働契約77 経営方針転換に伴う雇止めと雇止め回避努力(労務管理・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。

今日は、経営方針転換に伴う雇止めが無効と判断された裁判例を見てみましょう。

NTTマーケティングアクト事件(岐阜地裁平成29年12月25日・労経速2338号35頁)

【事案の概要】

本件は、Xらが、Y社との間で、いずれも雇用期間を3か月とする有期雇用契約を反復更新し、営業等に従事してきたところ、Y社が、平成27年10月1日以降のXらとの間の各雇用契約を更新しなかったことが、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められないことから、上記各雇用契約は、労働契約法19条1号又は2号によって継続していると主張して、Y社に対し、上記各雇用契約に基づく権利を有する地位にあることの確認を求めるとともに、上記各雇用契約に基づき、賃金及び遅延損害金の支払を求める事案である。

【裁判所の判断】

雇止めは無効

【判例のポイント】

1 Xらのうち、雇用通算期間が最も長いX1については、12年で51回にわたり雇用契約が更新されているし、雇用通算期間が最も短いX3ですら、4年11か月で22回にわたり雇用契約が更新されていることに照らせば、XらとY社との間の雇用契約に係る雇用期間はいずれも長期間にわたり、雇用契約の更新回数も多いと評価することができる。
しかし、Y社は、Xらを含む契約社員Dとの雇用契約の更新の都度、契約社員Dに対し、更新後の雇用契約に係る雇用条件が記載された雇用契約書を交付し、同契約書に署名・押印の上、提出してもらうという手続をとることによって、雇用契約の更新に係る契約社員Dの意向を更新の都度、確認してきたことが認められる。また、新たな雇用契約の始期の後に雇用契約書が渡されることがあったものの、これが常態化していたと認めることはできない。
これらによると、Y社は、Xらとの雇用契約の更新に当たり、その都度、雇用契約書を提出させることによって、雇用契約の更新に係るXらの意向等について確認していたものであり、XらとY社との間の雇用契約の更新手続が一概に形骸化していたとまでいうことはできない
以上によれば、XらとY社との間の各雇用契約は、期間の定めのない労働契約と社会通念上同視できるとまで認めることは困難であるから、労契法19条1号所定の有期労働契約には該当しないというべきである。

2 XらとY社との間の雇用契約に係る雇用期間はいずれも長期間にわたり、雇用契約の更新回数も多いと評価することができること、Xらが、アクト岐阜、NTT西日本ー岐阜又はNTT西日本ー東海に採用された後、一貫して一般消費者に対するフレッツ光の直接販売業務等に従事していたところ、Xらの業務内容や従事していた期間に照らしても、Xらが従事していた業務は、Y社において恒常的に存在していた基幹的な業務であると認められること、雇用契約の更新について、X1は、打切りの可能性も含めて何らの説明も受けなかったし、その余のXらについても、最初の雇用契約の締結に際し、健康で、極端に営業成績が悪くなければ雇用契約の更新が続けられる、健康で売上目標を達成していれば最長65歳まで雇用を継続する、年齢は関係なく、健康で成績がよければいつまでもいられるなど雇用の継続を期待させるような説明を受けるなどしていたこと、Xらに係る雇用期間の始期を平成20年4月1日とする雇用契約書以降の各雇用契約書には、「雇用更新の可能性」について「有」と明記されるようになったこと等の事情を総合的に勘案すると、Xらにおいて、Y社との間の各雇用契約満了時に当該雇用契約が更新されるものと期待することについて合理的な理由があるものと認めるのが相当である。

3 本件雇止めについて、人選の合理性や手続の相当性を欠くとはいえず、また、Y社において、契約社員C・Dに係る人員削減の必要性が一定程度生じたことは否定できないとはいえ、雇止めの対象者の人数等に見合うほどの人員削減の必要があったか否かについては疑義があること、Y社の対応は、Xらを含む雇用契約社員Dの雇用確保又は雇用喪失に対する手当てとして不相当であり、Y社が本件同意書の提出を前提条件として、本件斡旋措置や本件支給措置を講じたとしても、本件雇止め回避努力としては、不十分なものであることを総合的に考慮すれば、本件雇止めは、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当なものであると認めることはできない

2号事案ですが、雇止め回避努力が不十分ということで無効と判断されています。

現在は5年ルールがあるので、12年にもわたる長期間の更新は少なくなっていくと思いますが、これだけ長いとそう簡単に雇止めができないことは明らかです。

日頃から顧問弁護士に相談しながら適切に労務管理を行うことが大切です。

本の紹介800 凡人の野望(企業法務・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。 今週も一週間がんばりましょう。

今日は本の紹介です。
凡人の野望

サブタイトルは「億万長者の思考法と毎日の行動」です。

マーケティングの本として読むと参考になります。

さて、この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

人を動かすのは、お金ではなく、褒章でもない。褒章を与えてくれる、その気持ちに人は動く。自分のステージを上げてくれる人間、その人間に人はついていく。自分を成長させてくれるリーダー、値打ちを上げてくれる、人生のステージを変えてくれるリーダー。そして何より『世界で誰よりも自分のことを理解してくれて、高い評価をしてくれる』リーダー。そんなリーダーのために、人は命さえ投げ出す。」(193頁)

まだ力がないうちは、自分のステージ・値打ちを上げてくれる人の下で生きていくことがとても大切です。

考えてみてください。

賞与がいくら高くても、自分の価値がずっと上がらない、そんなステージでずっと働きたいと思いますか?

これは仕事でもプライベートでも同じことです。

自分の格を下げるような人と付き合ってはいけません。

同様に、一緒にいる人の格を下げるような行動はしてはいけません。

解雇269 整理解雇の4要素をいずれも充たさないとされた事案(労務管理・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。 今週も一週間お疲れ様でした。

今日は、新聞店における整理解雇に関する裁判例を見てみましょう。

林崎新聞店事件(東京地裁平成29年5月24日・労判ジャーナル73号44頁)

【事案の概要】

本件は、Y社と期間の定めのない雇用契約を締結して就労していた元従業員Xが、Y社のした解雇が無効であると主張して、Y社に対し、労働契約に基づき、労働契約上の権利を有する地位にあることの確認を求めるとともに、解雇後本判決確定の日までの未払賃金等の支払並びに平成27年7月以降本判決確定の日まで毎年7月及び12月に各30万円の賞与等の支払を求めた事案である。

【裁判所の判断】

解雇無効

未払賞与等は棄却

【判例のポイント】

1 Y社においては、平成27年8月期には経常利益が赤字になっていることが認められるが、他方で、平成21年度には960万円であったY社の役員報酬が平成23年度には1320万円、平成24年度には1560万円に増額されていることが認められるところ、仮に役員報酬額が平成21年度以降も同年度の960万円から増額されなければ、Y社の経常利益の額はさほど減少傾向にはならず、平成27年8月期においても赤字になることはなかったことが明らかであるから、人員削減の必要性が高かったとはおよそ認め難いというべきであり、また、Y社は、本件解雇の際、移籍をXに提案したと主張するが、当該提案の事実をもってY社が解雇回避のための経営上の努力を尽くしたと認めることはできず、さらに、勤続年数が最も長く、業務に習熟し、Y社専売所において営業上最も好成績を挙げていたXを、Y社が被解雇者として選定することの合理性は見当たらないものといわざるを得ず、本件解雇は即日告知されており、Xに対する十分な説明等が尽くされたともいえないから、本件解雇は、整理解雇の4要素をいずれも充たさないものであるから、有効と認めることはできない。

2 使用者は、労働者に解雇期間中の賃金を支払うに当たり中間収入の額を賃金額から控除することができるが(民法536条2項後段)、労基法26条の趣旨を勘案し、上記賃金額のうち、労基法12条1項所定の平均賃金の6割に達するまでの部分については利益控除の対象とすることが禁止されているものと解するのが相当であるところ、Xは、本件解雇後Y社以外の雇用主から、平成27年に33万6751円、平成28年には70万9252円の給与支払を受けていること、平成29年1月以降は収入を得ていないことが認められるから、本件解雇中のXの平均賃金(30日分)の額は26万9188円(その4割は10万7675円)と認められる。

ただでさえ判断要素が厳しい整理解雇において、上記判例のポイント1のような事情に基づき整理解雇を有効に行うのは到底不可能です。

解雇を選択する前には必ず顧問弁護士に相談の上、慎重かつ適切に対応することが肝心です。決して、素人判断で進めないようにしましょう。

本の紹介799 3週間続ければ一生が変わるPart2(企業法務・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。

今日は本の紹介です。
3週間続ければ一生が変わる〈Part2〉きょうからできる最良の実践法―最高の自分に変わる101の英知

良い習慣を身につけることの大切さが説かれています。

習慣化するのが得意な人には当たり前の話ですが、そうでない人は是非読んでみてください。

さて、この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

すばらしいビジネスは、細部にまで驚くほど気を配っています。わたしは、ハーヴァード大学の古生物学者・進化生物学者、スティーブン・ジェイ・グルードがかつていったことばがお気に入りです。
『なによりも大切なのは細部だ。神は細部に宿るから、それらを正しく理解しなければ、神の姿を見ることはできない』」(259~260頁)

あらゆる仕事に通じることです。

大ざっぱな仕事をいくらしても神の姿を見ることはできません。

But that’s easier said than done.

60点のテストを80点にするよりも95点のテストを100点にすることのほうが大変なのです。

最後の最後の5点をどう獲得していくか。

神の姿は最後の最後に見ることができるのです。

賃金153 退職金規定廃止に対する従業員の同意の成否(労務管理・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。

今日は、退職金規定廃止に対する元従業員の同意の成否に関する裁判例を見てみましょう。

アイディーティージャパン事件(東京地裁平成29年3月28日・労判ジャーナル73号48頁)

【事案の概要】

本件は、Y社の元従業員Xが、退職したとして、就業規則に基づき、退職金約1840万円等の支払を求めた事案である。

【裁判所の判断】

請求認容

【判例のポイント】

1 本件の退職金規定廃止は、Xの退職金約1800万円を喪失させるものであり、Xは、一時金214万2000円とA社株式のストックオプション(仮にY社主張の価値があるとしても約1040万円)の付与と引き換えに退職金規定廃止に同意する旨の書簡兼同意書に署名しているとはいえ、その直前には、Y社宛の「就業規則の退職金制度廃止に関する確認書」と題する書面に対する署名を拒否していること、上記署名の翌日には、一時金214万2000円を平成23年度の功績に対して同一時金を支払う旨記載した書簡に署名しているため、上記書簡兼同意書の内容とは明らかに矛盾する内容の書面に署名していること、B社本社又はY社からXに対して退職金規定の廃止に関して十分な説明がなされている形跡も見当たらないことに鑑みると、本件では、Xが自由な意思に基づいて同意していると認めるに足りる合理的な理由が客観的に存在するとは認めがたいから、本件では、退職金規定廃止に関してXの同意は認められず、また、その不利益変更に関する合理性もうかがわれないため、就業規則の退職金規定廃止は無効である

2 Y社は、仮に退職金規定が廃止されていないとしても、Xは書簡兼同意書に署名したことで退職金請求権を放棄している旨主張するが、書簡兼同意書はB社本社とXの間の合意書であるところ、Y社の代理人である旨の顕名がないことも、Y社が効果帰属主体であることをXが認識し又は認識しえたともいえず、また、退職金請求権放棄の意思表示が認められるためには、それが労働者の自由な意思に基づくものであると認めるに足りる合理的な理由が客観的に存在することが必要と解されるところ、この点についても認められないから、本件では退職金請求権放棄の意思表示は認められず、Y社の退職金規定の廃止は無効であり、旧就業規則の退職金規定は存続しているところ、これによると、Xの退職金は、1839万5417円である。

賃金等の減額について労働者の同意を得たとしても、上記のように同意の効果を否定されることがあります。

「自由な意思」に基づいているかどうかがポイントになりますが、これは決して主観(内心)の問題ではなく、客観的な事情から認定されることに注意が必要です。

日頃から顧問弁護士に相談しながら適切に労務管理を行うことが大切です。

本の紹介798 五つ星のお付き合い(企業法務・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。

今日は本の紹介です。
五つ星のお付き合い

人生の成功や、仕事の成功は、いつも素敵なお付き合いの向こう側にあります」(7頁)

その通りですね。

誰と出会い、誰と日常の時間を過ごすかによって、人生は大きく変わります。

さて、この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

人間関係において、焦りは禁物です。たいてい『求めすぎるとその人を遠ざけてしまう』という法則があてはまるからです。特に相手が、自分より立場が上の場合は気をつけましょう。その人の気持ちを邪魔しないように、奥ゆかしさを大切にしたいものです。」(65頁)

追えば逃げるのは、人間関係も仕事もすべて同じことです。

このことがわかっている人は、日頃から「奥ゆかしさ」がにじみ出ています。しかも無意識に。

仕事をください、仕事くださいと焦っている人に安心して仕事を出す人がいるでしょうか。

まずは自分に力をつけることが最初です。

力をつけるために日々努力をする。

力がつけば、自ずと人間関係も仕事も追わずともうまく回っていくものです。

「焦りは禁物」とはまさにそのとおりなのです。

解雇268 主治医の見解を採用せず、休職期間満了による雇用契約終了を認めた事案(労務管理・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。 今週も一週間がんばりましょう。

今日は、主治医の見解を採用せず、傷病休職の期間満了による雇用契約の終了を認めた裁判例を見てみましょう。

東京電力パワーグリッド事件(東京地裁平成29年11月30日・労経速2337号3頁)

【事案の概要】

本件は、Y社に雇用されていたXが、傷病により休職し、就業規則の定めに基づく休職期間の満了により雇用契約が終了し、退職したとされたのに対し、休職期間満了時に復職が可能であったと主張して、雇用契約に基づき、労働契約上の地位の確認及び休職期間満了後である平成26年4月から本判決確定の日までの各月の月額給与31万3500円+遅延損害金の支払を求めた事案である。

【裁判所の判断】

請求棄却

【判例のポイント】

1 Xについて休職の事由が消滅したというためには、①休職前の業務である架空送電設備の保守、運用、管理の業務が通常の程度に行える健康状態となっていること、又は当初軽易作業に就かせればほどなく上記業務を通常の程度に行える健康状態になっていること(健康状態の回復)、②これが十全にできないときには、Y社においてXと同職種で、同程度の経歴の者が配置される現実的可能性があると認められる他の業務について労務を提供することができ、かつ、Xがその提供を申し出ていることが必要である(他部署への配置)。

2 Xは、主治医のE医師の診断を根拠として、復職が可能である旨主張する。
しかしながら、同医師の就労可能という見解は、リワークプログラムの評価シートを参照しておらず、リワークプログラムに関与した医師の見解等を踏まえていないものである上、患者の職場適合性を検討する場合には、職場における人事的な判断を尊重する旨述べていること等の内容自体に照らし、必ずしも職場の実情や従前のXの職場での勤務状況を考慮した上での判断ではないものである。
・・・一般的に、主治医の診察は、患者本人の自己申告に基づく診断とならざるを得ないという限界がある一方で、リワークプログラムにおいては、精神科医の指導の下、専門的な資格を持った臨床心理士が患者本人のリワークへの取組みを一定期間継続的に観察し、その間に得られた参加者の行動状況等を客観的な指標で評価し、医師と共有した上で最終的に精神科医が診断するものであることは前判示のとおりであり、Xが主張する事由をもってその評価を重視すべきでないとはいえない

3 Xは、本件休職前に勤務していた部署以外に、配置される現実的可能性のある他の業務を行う部署として、給電所系統運用グループ及び支社総務グループに加え、Xが平成16年から3年間勤務していた工事部門があると主張する。
しかしながら、給電所系統運用グループは、時々刻々と変化する電気の流れや電圧、周波数を24時間体制で監視し、電力の品質を保持しながらの安定的供給を担当する部署であり、深夜勤務を含む三交代制の勤務体制であり、電気や電圧の調整のために操作をする場合、ミスがあると広域停電等の可能性があるため、緊張を強いられるほか、社外の者とのやり取りが適切に行える必要がある部署であること、支社総務グループは、そもそも、Xのように技術職で採用された社員が通常配置される職場ではない上、業務内容も、人事、労務、損害賠償、経理、労働組合対応、自治体対応、非常災害、リスク管理対応等の多岐にわたる業務を担当する部署であり、他部署や社外とのやり取りが要求される部署であることが認められ、Xに精神疾患についての病識がなく、ストレス対処の習得が見込まれない状況であったことに照らし、Xにとっては、新たに配属された部署で業務を覚えたり、一から人間関係を構築すること自体が大きな精神的負担となり、精神状態の悪化や精神疾患の再燃を招く可能性があるというべきであるから、いずれの部署も、Xが配置される現実的可能性があったということはできない
また、Xが精神的な問題を感じてD産業医と初めて面談したのは、工事部門に所属していた平成18年であること、送電グループに戻った後も、療養休暇に入る直前までには、精神疾患により服薬治療をしているXのため、業務の負担軽減が行われ、本来行うべき外勤業務は担当せず、ほぼ内勤業務のみとなっていたにもかかわらず、本件休職に至ったことなどの事情を総合すると、工事部門についても、Xが配置される現実的可能性があったと認めることはできない

上記判例のポイント2は非常に参考になりますね。

復職の可否については極めて専門的な判断が求められますので、必ず顧問弁護士に相談の上、慎重に進めてください。

本の紹介797 営業とは道である。(企業法務・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。 今週も一週間お疲れ様でした。

今日は本の紹介です。
営業とは道である。 本物の営業マンを目指すあなたへ

著者は、元ソニー生命のライフプランナーの方です。

現在は経営コンサルタントをされているようです。

タイトル通り、営業とは何か、ということが書かれています。

さて、この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

・・・お坊さんが修行をするのとも一緒です。お坊さんの説法がなぜ聞き手に響くかといったら、苦しい修行をした人だからでしょう。修行もしていない、急にお坊さんになったと言われたら、誰も説法を聞かないでしょう。・・・だから人は、がむしゃらにやってみた人のメッセージを聞きたい。修行を経験していないと、ミッションももてないし、メッセージも伝えられない、聞いてもらえないということなのです。」(97~98頁)

何を言うかよりも誰が言うかということですね。

同じ話をしても、人によって心に響くかどうか変わりますよね。

この違いはどこから来るのでしょうか。

私は、自分の力で悪戦苦闘しながら1からはじめて結果を出してきた人を信用します。

やはり苦労して結果を出さないと響かないのですよ。

解雇267 休職期間満了時の復職の可否判断における労働者の生活状況に関する記録の考慮(労務管理・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。

今日は、欠勤は業務外の疾病によるものであり、傷病休職の期間満了による雇用契約の終了を認めた裁判例を見てみましょう。

幻冬舎コミックス事件(東京地裁平成29年11月30日・労経速2337号16頁)

【事案の概要】

X及びY社が労働契約を締結していたところ、使用者であるY社は、労働者であるXが精神的な障害を発症し、一定の期間出勤をせずに休業したことについて、私傷病による欠勤として取り扱い、さらに、就業規則等の定めに基づくものとして、Xに対して一定の期間の給食を命じた上で、当該休職の期間の終了をもってXがY社を退職したものとして取り扱い、Xが休職した期間以降の期間に係る月額賃金及び賞与をXに支払わなかった。

本件は、Xが、主位的に、この欠勤としての取扱い、休職命令及び退職の取扱いが当該就業規則の定める要件等を欠く違法なものであり、当該労働契約における労働者たる地位を有するXには民法第536条第2項の規定に基づいていわゆるバックペイを請求する権利が発生している旨等を主張して、Xが当該労働契約上の権利を有する地位に在ることの確認並びにXが上記の休職及び休職をした期間+遅延損害金の支払をY社に求めるとともに、時間外の割増賃金が生じている旨を主張して、当該割増賃金+遅延損害金の支払をY社に求め、予備的に、当該休職命令及び退職の取扱いが違法でなかったとした場合の当該割増賃金+遅延損害金の各支払をY社に求めた事案である。

【裁判所の判断】

Y社はXに対し、53万6967円+遅延損害金を支払え

その余の請求は棄却

【判例のポイント】

1 Xは、同月11日の時において、自らの心身を適切に管理して行動することが困難な状態にあり、営業職としてはもとより、編集職としても、本件労働契約においてXに履行することが求められていた債務の本旨に従った労務の提供(Xは、前職の経験を前提として期間の定めのない労働契約である本件労働契約を締結し、一時はY社の部長職を任され、更には月額39万円の賃金を得ていたことに鑑みると、いわゆる管理職に比肩すべき相応の能力の発揮を期待されていたものと解すべきである。)に重大な支障を来す状態にあって、休職を命ずることが相当である状態にあったものというべきである。
・・・このような経緯によれば、Xは、休職をすること自体についての不満を有していたとしても、その精神的な障害の状態等に鑑み、Y社からの説得に応じて、自らの意思により、有給休暇を取得し、続けて本件休職期間中に欠勤をしたものと認めるのが相当である。

2 C常務及びE副部長とF医師が同月30日に面談を行ったが、当該面談において、F医師がC常務らに対してXに生活状況の記録をさせることはしていない旨を述べたことから、C常務らがF医師に本件生活・睡眠表を見せたところ、F医師は、本件生活・睡眠表を見た上で、C常務らに対し、Xから生活リズムがおおむね整っていると聞いていたが、本件生活・睡眠表を見ると、XにはY社における通常の勤務はできないと思われること、Y社が出版社であるとはいえ、Y社の従業員がY社に午前10時くらいに出社すべきことは常識であると思われることを述べた。

3 F医師の作成に係る復職診断書や原告訴訟代理人に対する回答によっても、営業職としてはもとよりとして、編集職としても、本件休職期間の終了時までに本件労働契約の債務の本旨に従った労務を提供することができる程度にまでXの精神的な障害が回復したものということはできない
なお、Xは、仮にXが復職の当初にY社の所定労働時間どおりに労働することが困難であったとしても、Y社がXの復職後の就業に配慮する措置を講じていれば、通常の勤務に程なく復帰することができた旨を主張しているが、本件全証拠を精査しても、その裏付けとなるべき的確な証拠はない。

上記判例のポイント2は大変参考になります。

復職の可否についていかなる視点で判断すべきについてはとても悩ましいですが、生活状況の記録等から客観的に判断するように努めることが大切です。

決して、主治医がこう言っているから、産業医がこう言っているからという形式的な理由だけで判断をしてはいけません。

解雇を選択する前には必ず顧問弁護士に相談の上、慎重かつ適切に対応することが肝心です。決して、素人判断で進めないようにしましょう。