有期労働契約45(大阪運輸振興(嘱託自動車運転手・解雇)事件)

おはようございます。 今週も一週間お疲れ様でした。

さて、今日は、運転手としての適格性欠如を理由とする期間途中の解雇に関する裁判例を見てみましょう。

大阪運輸振興(嘱託自動車運転手・解雇)事件(大阪地裁平成25年6月20日・労判1085号87頁)

【事案の概要】

本件は、Y社に嘱託社員(自動車運転手)として1年の期間で雇用されていたXが、期間途中の平成23年6月29日に解雇されたのが無効であるとして、労働契約上の地位確認及び解雇後の賃金の支払を請求する事案である。

【裁判所の判断】

解雇は無効

【判例のポイント】

1 本件解雇は、期間の定めのある労働契約の期間途中における解雇であるから、労働契約法17条1項により、やむを得ない事由がなければ無効となる。また、同条項にいう「やむを得ない事由」は、期間の定めのない労働契約における解雇に関する労働契約法16条の要件よりも厳格なものと見るべきであり、期間満了を待つことなく直ちに雇用を終了させざるを得ないような特別の重大な事由を意味すると解するのが相当である。

2 ・・・本件事故は、発信直後の車内で急に本件女性客が歩き始めたことから、安全確保のため、やむなくバスを停止させた際、本件乗客が転倒したというものであって、Xに特段の落ち度は認められず、転倒の原因がひとえにXのブレーキ操作にあると認めることもできない上、結果も軽微なものに終わったことに照らすと、本件事故をもってY社の運転手としての不適格性の顕れであるとするY社の主張は理由がない

3 ・・・X運転のバスが前方の停留所に停車するため減速しながら走行中、前方を走行していた原動機付自転車との車間距離が徐々に縮まったところ、原動機付自転車は、前方の停留所に停車中の先行するバスを右側から追い越そうとする挙動を一瞬示したものの、にわかに進路を左に切り返し、よろめくようにX運転のバスの進路を妨害したため、Xが急制動を余儀なくされ、その結果、乗客1名が捻挫の傷害を負ったことが認められる。このような状況からすれば、Xの急制動は、原動機付自転車との衝突を回避するためにはやむを得ない措置であったと認めることができる。確かに、Xは原動機付自転車との車間距離を詰め過ぎていたと評価する余地はあるものの、原動機付自転車が上記のように危険な進路妨害をすることは予見の範囲を超えており、当初挙動を示したように右側へ車線変更して先行するバスの後方に問題なく停車することができたと認められるから、運転手としての適格性を疑わせるほどの過失があるとまでは認められず、また、乗客の負傷の程度が重大であったと認めるに足りる証拠もない

もともと労働者の勤務不良を理由に解雇するのは容易なことではありません。

ましてや有期雇用の期間途中の解雇となるとさらにハードルが高くなります。

小さなミスをたくさん積み重ねても解雇が有効になるわけではありません。

会社の顧問弁護士と相談の上、慎重に対応をしてください。

本の紹介322 外資系の流儀(企業法務・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。
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←先日、両替町にある「地鶏料理 椛」(もみじ)に行ってきました。

写真は、「駿河シャモの親子丼」です。

駿河シャモは、お肉がしっかりしているのが特徴です。 普通の親子丼とは一線を画しています。

おいしゅうございました。

今日は、裁判員裁判4日目です。 朝から夕方までずっとです。

夜は、整骨院でセミナーが入っています。

テーマは、「ここがポイント!整骨院が患者様にお伝えすべき交通事故で怪我をした場合の手順と注意点」です。

他の整骨院さんとの圧倒的な差別化を図り、交通事故に強い整骨院であるというブランディングのお手伝いをします。

今日も一日がんばります!!

さて、今日は本の紹介です。
外資系の流儀 (新潮新書)

著者は、大学卒業後、NHKに勤務し、その後、ボストンコンサルティンググループ等で勤務された方です。

日本の会社と外資の会社とを比較しながら解説してくれています。

特に外資系の会社に転職する予定はありませんが、学べるところからは貪欲に学びたいと思います。

さて、この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

・・・どの会社も最も重要視しているのが、『一緒に働きたい人かどうか』。いわゆるカルチャーフィットだ。履歴書に書いてある『学歴』『職歴』『仕事の能力・スキル』ももちろん重要だが、最後の決め手になるのは、極めて非論理的な感覚だという。『能力・スキルが素晴らしいから、という論理的な理由だけで採用すると失敗しますね。やっぱり最後は直感ですよ。』というのは、外資系金融機関で採用面接を担当しているNさん(40代・女性)。」(61頁)

結局、外資系でもそうなんですね。

一緒に仕事をしていることがイメージできるかどうか、これは本当に大切なことです。

最後の最後は、非論理的かつ純主観的な「合う」、「合わない」という感覚なんですよね。

もっとも、このように書くと、学歴、職歴、スキルなどが関係ないように聞こえてしまうかもしれません。

でも、そんなことはありません。

相性は、「最後の最後」の問題だからです。

履歴書や筆記試験の段階では、相性の程度はわかりません。

この段階では、客観的な基準で採否を決めざるを得ません。

多くの会社から内定をもらえる人というのは、この客観的基準と主観的基準をクリアできるバランスのとれた人なのでしょう。

賃金76(医療法人衣明会事件)

おはようございます。

さて、今日は、ベビーシッターの家事使用人該当性と割増賃金等請求に関する裁判例を見てみましょう。

医療法人衣明会事件(東京地裁平成25年9月11日・労判1085号60頁)

【事案の概要】

本件は、Y社に雇用され、その代表者個人宅でベビーシッター等の業務を行っていたXらが、Y社に対して、主位的に、解雇無効による地位確認と未払給与、時間外割増賃金、付加金の支払いを求め、予備的に、不法行為に基づき、同額の損害賠償を求めている事案である。

【裁判所の判断】

1 Xらは労基法の適用除外となる家事使用人とは認められない

2 Y社はX1に対し、461万8040円+遅延損害金(6%)、191万8040円の付加金+遅延損害金(5%)、平成22年5月から本判決確定の日まで毎月30万円+遅延損害金(6%)を支払え

3 Y社はX2に対し、202万8243円+遅延損害金(14.6%)、187万8243円の付加金+遅延損害金(5%)を支払え

【判例のポイント】

1 事使用人について、労働基準法の適用が除外されている趣旨は、家事一般に携わる家事使用人の労働が一般家庭における私生活と密着して行われるため、その労働条件等について、これを把握して労働基準法による国家的監督・規制に服せしめることが実際上困難であり、その実効性が期し難いこと、また、私生活と密着した労働条件等についての監督・規制等を及ぼすことが、一般家庭における私生活の自由の保障との調和上、好ましくないという配慮があったことに基づくものと解される。しかしながら、家事使用人であっても、本来的には労働者であることからすれば、この適用除外の範囲については、厳格に解するのが相当である。したがって、一般家庭において家事労働に関して稼働する労働者であっても、その従事する作業の種類、性質等を勘案して、その労働条件や指揮命令の関係等を把握することが容易であり、かつ、それが一般家庭における私生活上の自由の保障と必ずしも密接に関係するものでない場合には、当該労働者を労働基準法の適用除外となる家事使用人と認めることはできないものというべきである。

2 Xらの労働条件は、労働契約書によって明確に規定されており、その勤務態様も、3人体制又は4人体制で2交替制又は3交替制で行われ、労働基準法上の労働時間を意識した1コマ8時間という単位のシフト制を用いて組織的に行われていたものであり、とりわけ、その労働時間管理については、タイムカードにより管理されており、医療法人であるY社を介して給与支払に反映されていたのであって、Xらの労働条件や労働の実態を外部から把握することは比較的容易であったということができ、Xらの労働が家庭内で行われていることにより、そうした把握が特に困難になるというような状況はうかがわれない。さらに、Xらベビーシッターに対する指揮命令は、子の親であるA夫妻が主として行っていたが、各種マニュアル類の整備がされ、連絡ノートの作成や月1回程度の会議も行われており、そうした指揮命令が、専ら家庭内の家族の私生活上の情誼に基づいて行われていたともいい難い。
そうすると、Xらについては、その労働条件や指揮命令の関係等を外部から把握することが比較的容易であったといえ、かつ、これを把握することが、A家における私生活上の自由の保障と必ずしも密接に関係するものともいい難いというべきであるから、Xらを労働基準法の適用除外となる家事使用人と認めることはできないものというべきである。

3 Y社は、同じ時間に2人のベビーシッターは不要であるから、Xらに割り当てられたコマの時間帯の前後については、タイムカードに記載があったとしても、単にA家に在留していたにすぎず、業務に従事していた時間ではない旨を主張する。
しかしながら、Xらベビーシッターは、自らに割り当てられたコマの担当時間の前後においても、子から離れて行わなければならない業務や子の業態に関する引継ぎ等を行っていたものであるから、その担当時間の前後におけるXらの業務が存在しなかったなどとはいえないのであり、タイムカードに記載された担当時間の前後の時間には一切の業務を行っていなかったなどとは認め難いのであって、Xらの実労働時間は、Y社にも提出され、Y社がその内容を把握していたタイムカード記載の出退勤時間によって認定することができるというべきである。

4 Y社は、Xらと合意した勤務時間には、午後10時から午前5時までのいわゆる深夜帯にかかるコマの割り当てがあったから、深夜労働についての割増賃金は、30万円の基本給に含まれることが当然の前提とされていた旨を主張する。
しかしながら、深夜労働に対する割増賃金は、労働基準法37条4項に基づき、使用者に支払義務が課せられるものであり、労働基準法所定の深夜労働割増賃金が既に支払済みであるか否かを判断するためには、基本給月額30万円のうちのどの部分が何時間分の深夜労働の割増賃金に当たるものとして合意されているかが、明確に区別されていなければならないことは明らかである。合意した労働契約において深夜労働が予定されているから、その割増賃金部分が当然に基本給に含まれているなどという主張は、およそ深夜労働があっても、基本給以外には割増金を支払わない旨を合意したから、割増賃金の支払義務がない旨を述べることと同趣旨のものにすぎず、これを採用することができないことは明らかである。

労基法116条2項には、「この法律は、同居の親族のみを使用する事業及び家事使用人については、適用しない」と規定されています。

この規定の解釈が争点となる事例というのは多くありません。 参考になりますね。

「例外規定の厳格解釈」というルールからすれば、家事使用人の範囲を狭めることは当然といえるでしょう。

また、深夜労働に関する上記判例のポイント4は、基本的なことですが、裁判でよく争いになるところですので、参考にしてください。

日頃から顧問弁護士に相談しながら適切に労務管理を行うことが大切です。

本の紹介321 クオリティ国家という戦略(企業法務・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。
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←先日、久しぶりに鷹匠の「魚弥長久」に行ってきました。

写真は「南鮪の刺身盛り合わせ」です。

このお店の鉄板メニューです。

インパクトがありますね。 おいしゅうございました。

今日も昨日に引き続き、朝から夕方までずっと裁判員裁判です。

今日も一日がんばります!!

 

さて、今日は本の紹介です。
クオリティ国家という戦略 これが日本の生きる道

大前研一さんの本です。

日本の新たな勝ち組「国家モデル」について提言されています。

タイトルにもなっている「クオリティ国家」という言葉がキーワードとなっています。

中でも教育をいち早く変えるべきだと言っています。

さて、この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

文部科学省の教育システムは、従来型の企業に適応する人材を作り出すシステムだ。いわば『横並び均質化教育』であり、それでは『これだけは世界のどこにも負けない』という突出した能力の人材はまず育たない。それゆえに企業もヒトも、国際競争力が落ちていった。日本衰退の大きな原因である。・・・かつて英語教育熱が上がってきた時に、英語教育の前に美しい日本語を身につけることが先だ、と当時の文部科学大臣が語った。この意見は正しい。しかし、正しいことだけを言っていては改革に着手さえできない場合もある。英語が話せなければ、もう食っていけないぞ、くらいまで言わないと改革という振り子はなかなか振れないのだ。」(174~175頁)

英語については、韓国に大きく差をつけられていますね。

この本によれば、採用や昇進の条件として、いくつかの例が挙げられています。

サムスンは、TOEICで900点を採用の条件に、920点を課長昇進の条件としているそうです。

これに対し、ソニーは、620点が入社の目安になっているそうです。

これに呼応する形で、ソウル大学、高麗大学、梨花女子大学など韓国のトップ校では、受験資格をTOEIC800点以上としたり、卒業条件に半年以上の海外留学経験を設けているそうです。

ちなみに、日本では、英語教員のTOEICの平均スコアは、中学校では560点、高校で620点という統計があり日本の英語教員の平均値では、韓国のトップ大学に入学することができないとのことです。(以上、162~163頁)

また、WEDGE5月号でコロンビア大学のヒュー・パトリック名誉教授が以下のように言っています。

経営者はより厳しい国際的な競争環境にさらされる。残念ながら日本語は国際的な言語ではない。英語を話し、世界に出ていくことが望まれる。若い世代はなおさらだ。・・・たしかに日本は居心地が良いだろうが、安住するのではなく、人々を外の世界にさらすことが必要である。」(47頁)

疑う余地もなく、今後はますます国際化が進むことでしょう。

であれば、みなさん、それぞれで準備をするほかありません。

この状況にわくわくするか、絶望するか。 ここが分かれ道ですね。

解雇139(カール・ハンセン&サンジャパン事件)

おはようございます。 今週も一週間がんばっていきましょう!!

今日は、身体の障害で「業務に耐えられない」ことを理由の解雇の有効性に関する裁判例を見てみましょう。

カール・ハンセン&サンジャパン事件(東京地裁平成25年10月4日・労判1085号50頁)

【事案の概要】

Y社は、家具・室内装飾品の製造、輸出入および販売を目的とし、主としてデンマーク製の家具の輸入および販売を行っている会社である。

Xは、Y社の従業員であったが、平成22年、ギラン・バレー症候群および無顆粒球症の診断を受けた。

Y社は、Xに対し、就業規則に定める解雇理由である「身体の障害により、業務に耐えられないと認められたとき」またはそれに「準ずるやむを得ない事情があるとき」に該当するものであることを理由に、解雇した。

Xは、本件解雇の有効性を争い、提訴した。

【裁判所の判断】

解雇は有効

【判例のポイント】

1 Xは、・・・ギラン・バレー症候群及び無顆粒球症に罹患し、・・・平成23年3月頃までは起立不能及び上肢機能全廃・・・などと診断され、徐々に回復していた様子は窺われるものの、ずれも就労不能である旨診断されていた・・・。
以上の事実に加え、Xの業務の内容に照らせば、本件解雇予告当時のXは、制限勤務であってもY社において就労することが不可能であったと認められ、この事実は「身体の障害により、業務に耐えられない」という本件就業規則29条1項2号に当たり、本件解雇予告には、客観的に合理的な理由があるというべきである。

2 また、Xは、ギラン・バレー症候群及び無顆粒球症の治療のために入院してから本件解雇予告までの約1年7か月の間、就労することができない状態にあり、その間、Y社のXに対する、3か月分の給与を支払うことで退職して欲しい旨の打診に対し、Xが、失業保険の受給の関係で欠勤期間を平成23年11月以降まで延長して欲しい旨の要望をし、Y社がこれに応えて同年11月以降まで解雇を見合わせていた等の事情が認められる。
そうすると、本件解雇予告につき、社会通念上相当と認められない事情があるとは認められない。

従業員の症状に加えて、会社としては、可能な範囲での解雇回避や経済的支援をしていることが評価されています。

休職期間満了後の復職の可否の問題とも関連してきますが、この問題は、主治医の診断書や意見書のみで判断するのは早計であり、より多角的な視点で総合判断することが求められます。

それゆえ会社の判断の適否は、その時点では明確にならず、その後の訴訟を通じて明らかになるわけです。

訴訟リスク、敗訴リスクを考慮に入れつつ、労働者の就労の可否を判断する必要があります。

言うのは簡単ですが、とても難しい問題です。

解雇を選択する前には必ず顧問弁護士に相談の上、慎重かつ適切に対応することが肝心です。決して、素人判断で進めないようにしましょう。

本の紹介320 お金持ちの教科書(企業法務・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。 今週も一週間お疲れ様でした。
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←先日、久しぶりに事務所の隣にあるやきとり屋さん「日乃出」に行ってきました。

このお店もいつ行っても満席です。

この場所であれだけの集客力は本当にすごいことです。

おいしゅうございました。

今日は、午前中は、離婚訴訟が2件、破産の免責審尋が1件入っています。

午後は、来週から始まる裁判員裁判の打合せと裁判の打合せです。

今日も一日がんばります!!

さて、今日は本の紹介です。
お金持ちの教科書

帯には「お金持ちになりたくない人は読まないでください。」と書かれています(笑)

「お金を儲ける」ということに後ろ向きな感覚を持つ人が多い日本では、何の恥じらいもなく「僕はお金持ちになりたいんだー!」と言うのは気が引けます。

本音を言ってはいけない文化ですので、奥ゆかしさを保ちつつ、ひっそりとこの本を読むことにしました(笑)

ブログに書いている時点で奥ゆかしさもへったくれもありませんが。

冗談はさておき、お金持ちのみなさんの思考方法や決断力の高さは、大変勉強になりますし、刺激を受けます。

おすすめです!

さて、この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

・・・彼の判断基準は常に『人』である。『新しいことは自分も含めて知識がないので、あれこれ考えても意味がありません。何かを人から持ちかけられたときには、その中身ではなく、その人だけを見ます。とにかく会って、じっくり話をして、その人がどんな人物か見極めるのです。極論をいうと、話の中身はほとんど考えません。』 同じく地方で事業を営むある経営者の判断基準はもっとすごい。『私は相手の声だけで判断します。声にハリがあり、元気にしゃべる人の話はじっくり聞きます。ボソボソ言う人は最初から相手にしません』」(105頁)

「話の内容」ではなく、「話している人」を見て判断する。

このような判断基準、大変参考になりますね。

どれだけおいしい話が来ても、その話をする人のことを信頼できなければ、その話には乗らないほうがいい。

この本に書いてある判断基準の一つとして、「声」があります。

「声にハリがあり、元気にしゃべる人」か「ボソボソ言う人」か。 ただそれだけで判断されてしまうこともあるわけです。

この判断が正しいかどうかはおいておくとして、少なくとも、元気がない人よりも元気がある人と一緒に仕事をしたいですよね。

いつも元気がなく、覇気が感じられない人では、パワーを吸い取られてしまう気がしませんか。

逆に、いつもパワーがみなぎっている人と仕事をしていると、こちらまで元気になる気がしませんか。

類は友を呼ぶ、引き寄せの法則からすれば、パワーはパワーのあるところに引き寄せられることになるので、今、自分にできることは、とにかく元気に生活するということなんだと思います。

解雇138(学校法人A学院ほか事件)

おはようございます。

さて、今日は、女性教員へのわいせつ行為等を理由とする懲戒解雇の有効性に関する裁判例を見てみましょう。

学校法人A学院ほか事件(大阪地裁平成25年11月8日・労判1085号36頁)

【事案の概要】

本件は、同僚の女性教員であるAに対して車中で暴行を加え、わいせつ行為を行ったとして、Y社から懲戒解雇されたXが、Y社に対し、当該懲戒解雇が無効であるとして、労働契約上の権利を有する地位にあることの確認並びに懲戒解雇後の平成23年4月1日から毎月21日限り48万7500円の未払賃金及び遅延損害金を求めるとともに、懲戒解雇が不法行為に当たるとして損害賠償金550万円及びこれに対する遅延損害金の支払を求め、更に、Aに対し、同人がY社に対して虚偽の被害申告を行ったことにより精神的損害を被ったとして、損害賠償金330万円及び遅延損害金の支払いを求めた事案である。

【裁判所の判断】

懲戒解雇は無効→賃金支払

AはXに対し、88万円を支払え

【判例のポイント】

1 Aは、一見すると交際があったかのような関係になっていたのは、期限付き専任講師であるXは、正社員であり先輩であるXとの間で男女間のトラブルが発生した場合、弱い立場であるAがトラブルメーカーとして学校から排除されるのではないかとの恐れがあったため、穏便に済ませたいと考えていたが、Xは、Aの立場を考慮することなく、執拗にメールや電話で会うことを迫ったためである旨主張しているが、AがXに対して好意を抱いており、むしろ、Xに対してAとの交際を明言するよう求めていたことは、メールの内容から認められること、Aは平成22年7月に同僚のH教諭や教育委員会にXから暴行を受けたことを相談しているが、その時点でも正社員と期限付き専任講師という関係は変わりないことから、Aの主張は採用することができない。

2 以上によれば、Aの供述は、核心部分である暴行の態様について供述が一貫しておらず、また、同人の述べる暴行の態様は、平成21年9月23日以降のAの言動とも整合しないので、全面的に信用することはできない。もっとも、Xが非公式の事情聴取において「暴力にあたるような平手打ちをしたことはないです」などと述べていたことからするとXがAに対して平手打ちをしたとの事実を認めることができ、また、質問の流れからするとXは本件ドライブの日に平手打ちをしたことを認めたとも解されるが、平手打ちをしたことはあるかとの質問自体は日時を限定して尋ねておらず、質問者自身、直後に他の日のこととして答えた可能性を否定することはできず、XがAに対して平手打ちをした日が同日であることを認めるに足りる証拠はない

3 そうすると、XがAに対して平手打ちをしたとの事実を認めること及びXが平成21年9月22日に自動車内で胸を触るなどの行為を行ったとの事実を認めることはできるが、Xが同日に自動車内で暴行を加えたとの事実を認めるに足りる証拠はないから、本件懲戒解雇は、解雇事由を認めるに足りる証拠はなく、その余の点について判断するまでもなく、無効である。

4 Aによる虚偽の申告は、Xの雇用主であるY社に対するものであり、また、Xが無理矢理肉体関係を強要したことを内容とするものであるから、Xの名誉を著しく毀損するとともに、Xが職を失う危険を生じさせるものであって、悪質であるというほかなく、また、懲戒手続自体は非公開ではあるが、現在まで同様の主張を維持していることにより、Xの名誉に与えた悪影響も軽視できない。・・・これらの事情等を総合考慮すると、慰謝料は80万円、弁護士費用は8万円と認めるのが相当である

虚偽申告により、懲戒解雇に追い込まれたとしても、裁判所が認定する慰謝料の金額はこの程度です。

不貞行為による慰謝料よりはるかに低額です。

また、このような事案(セクハラ・パワハラ事案)の場合、被害者とされる従業員から被害の申告があった場合、会社としては、対応しないわけにはいきませんから、調査をすることになります。

その際、決して、当事者の一方のみの事情聴取から判断するのではなく、両当事者から事情聴取をする必要があります。 会社は中立公平な立場から客観的に懲戒事由の有無を判断すべきです。

解雇を選択する前には必ず顧問弁護士に相談の上、慎重かつ適切に対応することが肝心です。決して、素人判断で進めないようにしましょう。

本の紹介319 才能を磨く(企業法務・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。
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←先日、久しぶりに鷹匠にある「22(VENTI DUE)」に行ってきました。

写真は、定番の「マルゲリータ」です。

言うまでもありませんが、生地がもちもちで、最高です。

仕事が終わった後のピザにビール、至福の時です。

いつ行っても混んでいるわけです。 すばらしい!

今日は、午前中は、交通事故の裁判が1件と顧問先会社でのセミナーが入っています。

今日のテーマは、「第7回 総務部が知っておきたいビジネス法務の基礎」です。

今回は、太陽光ビジネスと近隣トラブルについて、いつもどおり、ケーススタディを行います。

午後は、建築紛争に関する裁判が1件、新規相談が2件入っています。

今日も一日がんばります!!

さて、今日は本の紹介です。
才能を磨く ~自分の素質の生かし方、殺し方~

著者は、再生回数2000万回超というTED史上最多記録の持ち主です。

TEDでのプレゼンテーションのテーマは「学校教育は創造性を殺してしまっている」です。

原書のタイトルは、「Finding Your Element-How to Discover Your Talents and Passions and Transform Your Life-」です。

キーワードは、「Element」という言葉です。

さて、この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

幸福度に影響を与えるものの40パーセントは、あなたの『選択』と『物事の捉え方』と『感じ方』にかかっている。すなわち、あなた自身の『態度』にかかっている。幸福への鍵は、あなたの遺伝的な要因を変えることではなく(それは不可能だ)、あるいは環境を変えることではなく(できるにせよ、できないにせよ)、日々の『意識的な振る舞い』にこそあるのだ。・・・リカール曰く、『なかには生まれついて他者より幸福な人間もいるが、その幸福は依然としてもろく不完全なものだと私は理解するに至った。そして永続的な幸福の達成は一つの技術だと気づいた。それには心を鍛え、人間的質を向上させること、たとえば内面の平和や充足感や利他的な愛を育てるための持続的な努力が必要なのだ』。」(154~155頁)

詰まるところ、私たちは、幸せをなるために生きているのではないでしょうか。

人それぞれ「幸せ」のかたちが異なるだけであり、「幸せになる」というゴールは同じなんだと思います。

幸せは探すものではなく、感じるものであるというのが、私の考えです。

幸せを感じられないとすれば、その原因は、遺伝的なものでしょうか? 環境のせいでしょうか?

著者は、永続的な幸福の達成は、一つの技術だと行っています。

技術と言われると、遺伝も環境も関係なく、自分の努力によって、いくらでも磨くことができるものに見えてきませんか?

どんな状況に置かれたとしても、その状況をどう捉えるか、解釈は自分の裁量に委ねられているわけです。

困難な試練すら自分のレベルアップの機会と解釈すれば、それはチャンスに変わります。

これが幸せを感じる方法だと確信しています。

愚痴っぽい方は、是非、このように考える習慣を身につけてみて下さい。 心の安定を感じることができると思いますよ!

賃金75(医療法人光優会事件)

おはようございます。

さて、今日は、看護師らによる未払賃金等請求と反訴損害賠償請求に関する裁判例を見てみましょう。

医療法人光優会事件(奈良地裁平成25年10月17日・労判1084号24頁)

【事案の概要】

本件第1事件は、診療所を経営するY社に雇用されて正看護師として勤務していたX1と、同じく事務員として勤務していたX2が、Y社に対し、①Y社に解雇されるまでの未払賃金と立替金の支払、②解雇予告手当の支払い、③違法な業務(医師によらない診療録の作成や処方箋の発行など)を行うクリニックで勤務させられたことや些細な事柄で怒鳴りつけられるというパワハラを受け、精神的苦痛を受けたなどとして慰謝料の支払い、③解雇予告手当金と同額の付加金の支払命令を求めた事案である。

第2事件は、Y社が、X1に対し、X1がY社の業務命令に従わず職務放棄したことにより、Y社が計画していた訪問看護サービスの実施が不可能になり損害を被ったなどと主張して、債務不履行もしくは不法行為に基づく損害賠償請求または使用者の被用者に対する求償権行使として損害金等の支払を求めた事案である。

【裁判所の判断】

Y社に対し、X1・X2への未払賃料、解雇予告手当、付加金を支払え

Y社は、X1・X2に対し、慰謝料として各50万円の支払え

Y社の請求は棄却

【判例のポイント】

1 ・・・そもそも解雇処分後に給与減額処分はなし得ないところであるし、また、違法のおそれのある業務命令を拒否したことが違法な業務命令拒否であるとも、解雇処分後の離職を職務放棄であるとみることもできないのであって、X1に懲戒処分事由があるとも認められないから、Y社の主張は理由がない。

2 Y社は、経営危機を理由に、職員の平成24年9月分、10月分給与を減額することとし、X2の同年9月分給与も20%減額とすることを決定した旨主張する。しかし、労働者に不利益な労働条件を一方的に課することは、原則として許されないところ、本件全証拠によるも、X2が給与の減額に同意したことを認められないし、また、当該労働条件の不利益変更が合理的なものであることを認めるに足りず、ほかにこれを認めるに足りる証拠はないのであって、Y社の上記主張は理由がない。

3 Xは、看護師として、クリニックAで行われていた上記のとおりの違法な業務に関与するおそれのある職場環境に置かれていたと認められるのであり、また、設立要件を満たしていないおそれがある訪問看護ステーションの設立及び違法な聞き取り診療を指示されるおそれのある訪問看護の実施を命じられ、かつ違法な業務命令を拒否したところ不当な解雇を受けたものと認められる
以上を総合考慮すれば、Y社の上記違法行為によりX1が受けた精神的苦痛を慰謝するものとして、X1には慰謝料50万円を認めるのが相当である。

4 X1は、Y社により解雇されたものであり、Y社の正当な業務命令を拒否して職務を放棄したものとは認められない。したがって、その余の点について判断するまでもなく、Y社のX1に対する債務不履行又は不法行為を理由とする損害賠償請求は理由がない。

解雇処分後に賃金の減額ができないことは当然です。雇用関係が消滅しているのですから。

また、解雇事案で、賃金の支払のほかに慰謝料が認められるケースは、それほど多くありません。

今回のケースは、解雇が無効であるということのほかに、違法な業務に従事させられたという特殊な事情があったため、慰謝料が認められています。

日頃から顧問弁護士に相談しながら適切に労務管理を行うことが大切です。

本の紹介318 世界のエリートの「失敗力」(企業法務・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。 今週も一週間がんばっていきましょう!!
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←週末の早朝は、海までのジョギングから始まります。

この時期の朝は、ちょうどいい気温で、とても気持ちがいいですね。

継続は力なり。

今日は、午前中は、裁判の打合せが1件入っています。

午後は、婚費調停が1件、新規事業の打合せが1件、ラジオの打合せが1件入っています。

今日も一日がんばります!!

さて、今日は本の紹介です。
世界のエリートの「失敗力」 (PHPビジネス新書)

この本を読むと、最前線で働いている人たちの多くは、何らかの大きな挫折を経験し、そこから必ず何かを学んでいることがよくわかります。

失敗を積極的に評価するという環境がいかに大切であるかもよくわかります。

日本が、今よりも、失敗に対して寛容な社会になることを願いばかりです。

挑戦に失敗はつきものですから、もっと果敢に挑戦できる社会であったほしいと思います。

もっとも、社会や環境を理由に挑戦しない(できない)人は、社会や環境が失敗に寛容になっても、結局、挑戦しないんですけどね。

挑戦する人は、どんな社会だろうと、どんどん挑戦していますので。

さて、この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

スタンフォードのミッションは、『人々の生活を変え、組織を変え、世界を変える人材を育成すること』。・・・そのミッションを象徴するかのように、スタンフォードのホームページには、「Comfort Zone」(コンフォートゾーン)という言葉が多く出てくる。・・・コンフォートゾーンとは、自分が楽だと感じる領域のこと。例えば、生まれてからずっと同じ町に住んで、同じ友人とだけつきあっている人。例えば、上司から言われるままに、同じ仕事をし続けている人。こういう人たちはコンフォートゾーンの中にいる人。しかし、それでは、組織に変革をもたらせない。そこから飛び出す勇気を持つ人がスタンフォードでは評価されるのだ。」(50~51頁)

決してスタンフォード大学に限りません。

この日本の社会においても、あえてコンフォートゾーンを飛び出す勇気を持っている人を高く評価すると思います。

少なくとも私は、このような一歩踏み出す勇気を持った人を心から尊敬しますし、応援したくなります。

安定的な「楽」を求めるのではなく、刺激的な「楽しさ」を求める人のほうが、人間的な魅力を感じます。

自分がこれまで経験したことのない領域に踏み込んでみる。

考えただけでもわくわくしますね。

私も、次の領域に入れるようにがんばろうと思います。