本の紹介228 逆説の仕事術(企業法務・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。 昨夜から事務所でずっと書面を作成しています。目がしぱしぱします。

__

←先週の土曜日は、安倍川の花火大会でした。

SE会社の社長宅のベランダから花火を見ました。

あんな広いベランダなら、BBQもできますね。

来年もベランダから見させてもらいたいと思います。

今日は、午前中は、島田の裁判所で裁判が債権回収や不動産関係の裁判が3件入っています。

午後は、静岡の裁判所で労働事件の裁判が1件と株主総会です。

今日も一日がんばります!!

さて、今日は本の紹介です。

逆説の仕事術 20の非常識があなたのビジネスを飛躍させる

マーケティングの本です。

商品の上手な売り方を教えてくれています。

僕はマーケティングの本が好きなので、これまでも息抜きとして同じような本を読んできましたが、この本は、これまでの本の総まとめといった感じです。

とてもわかりやすくて、良い本だと思います。 おすすめです。

さて、この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

ほとんどの人は、メリットをいくら並べたところで、それらをすべて信用するというわけではありません。これ買おうかな、どうしようかなといろいろ悩みます。こういう欠点があるのか、でもこういうところはいいな、といろいろ情報収集をしながら迷います。そんな顧客の悩みや迷いを共有し、疑問や反論に対しても真摯に答えながら、顧客が後悔しない買い物のサポートをしてあげるという姿勢が大切なのです。
企業不祥事が続発し、顧客が何を信じればよいかわからない不透明な時代だからこそ、今まで以上に、顧客を守るという意識が大切なのです。売り手と買い手というスタンスではなく、大切な友人として、顧客をよりよい未来に導くアドバイザーとして、誠実に、真摯に向き合うこと以上の答えはないのです。」(267~268頁)

 「売り手と買い手というスタンスではなく、大切な友人として」というスタンスは本当に共感できます。

単に儲かればそれでよい、という発想で商売をしていては、短期的にはうまくいくのかもしれませんが、長期的には決してうまくいきません。

弁護士という仕事も全く同じです。

依頼者に喜んでもらえるのを見るのは、弁護士として、本当にうれしいです。

仕事を一生懸命する意味は、まさに依頼者の笑顔を見ることと言っても決して過言ではありません。

もっと言えば、生きている意味は、関わった人たちに喜んでもらうことなんだと思います。

自分だけが満たされた生活を送ったところで、喜びの程度はそれほど高いものとは言えません。

依頼者のみなさんに求められている限り、今の仕事を通じて、生きている意味を確認しようと思います。

解雇109(甲野株式会社事件)

おはようございます。 今週も一週間がんばっていきましょう!

さて、今日は、従業員の不正行為に対する損害賠償請求に関する裁判例を見てみましょう。

甲野株式会社事件(大阪地裁平成24年9月27日・労判1069号90頁)

【事案の概要】

Y社は、金、銀、白金等貴金属の地金の売買、加工、精製および分析等を行っている会社である。

Xは、Y社の従業員としてY社高知工場に勤務していた。

Xは、Y社工場敷地内から合計709.13gの金地金を持ち出し、これを窃取した。

Y社は、Xの当該行為について、警察署に被害届を提出した。Xは、窃盗の被疑事実で逮捕されたが、不起訴処分となった。

Y社は、Xを懲戒解雇した。 本件の争点は、本件不法行為に基づく損害賠償請求である。

【裁判所の判断】

Xに対して、合計152万6284円(調査実費、時間外手当相当額、説明行為に関する実費(交通費等)、弁護士費用)の支払いを命じた。

慰謝料請求については棄却。

【判例のポイント】

1 ・・・J取締役のN市出張及びD社訪問は、いずれも本件金地金を持ち出した犯人を特定するために必要な調査であったことが認められ、また、J取締役及びO副工場長のV社への出張は、Xが本件金地金を持ち出した態様を明らかにするために必要な調査であったことが認められるから、Y社が上記各出張のために出えんした費用相当額は、本件不法行為と相当因果関係のある損害というべきである。

2 ・・・金地商であるY社において、その管理する貴金属の盗難事件が発覚した場合、犯人や犯行態様を徹底的に調査し、事件の再発を防止すべく万全の対策をとる必要があることは明らかであるところ、Y社の従業員が、製造記録の確認等を行ったり、警察から事情聴取を受けるなど、通常の業務とは異なる作業に多大な時間を費やしたのは、Y社の従業員であったXが本件金地金を窃取した態様を明らかにするためにであるから、これらの従業員が調査等に従事していた平成22年6月及び7月の時間外手当の増加分は、本件不法行為と相当因果関係のある損害と認めるのが相当である
Xは、従業員が懲戒処分に当たる行為を行った場合、使用者である会社が適切な処分を行うため、事実関係の調査等を行うことは当然のことであり、そのために要する通常の経費等は、企業の一般的人事管理に要する費用として織り込み済みのものであるから、上記時間外手当等は、本件不法行為と相当因果関係のある損害とまではいえないと主張する。しかしながら、本件不法行為は、地金商の従業員による金地金の窃盗事件であって、被害額も約200万円と多額であるから、捜査機関が高知工場の実況見分を実施したり、Y社従業員からの事情聴取等を行うことは当然であるし、また、Y社における貴金属の管理・保管体制の根幹を揺るがす事件であるから、再発防止の観点からも、Y社が、その犯行態様を明らかにするために、独自に従業員に調査を命じることは、単に使用者が懲戒処分に当たる行為を行った従業員に対し適切な処分を行うための事実関係の調査等を行うこととは次元を異にするというべきである。したがって、これらの調査等に要した費用について、企業の一般的人事管理に関する費用として織り込み済みのものであると認めることはできないから、Xの前期主張は、採用することができない。

3 Y社は、本件不法行為発覚後、合計4727万8600円をかけて、セキュリティシステムを導入したほか、関係取引先に謝罪に赴くなどしたものであって、本件不法行為によって、Y社の信用を毀損せられた無形損害の額は、少なく見積もっても200万円は下らないと主張する。
しかしながら、Y社が、本件不法行為が発覚したことを契機として、Y社における金地金の管理・補完体制を見直し、多額の費用をかけてセキュリティシステムを新たに導入したことは認められるものの、Y社において、どのようなセキュリティシステムを導入するかは、企業の経営判断の問題であって、本件不法行為との直接の因果関係は認められない上、Y社は、本件不法行為が発覚した後、主要取引先等に対して、状況説明と謝罪に赴くなどしており、一応、本件不法行為によって毀損されたY社への信頼は一定程度回復されたというべきであるし、主要取引先等への説明に要した費用については、本件不法行為による損害として、Xが負担することを併せ考慮すると、それを超えて信用毀損に伴う慰謝料をXに負担させるのは相当でない。

従業員による不正行為が発覚した際、会社が当該従業員に損害賠償請求をすることがあります。

その際、どこまでを損害と考えてよいのかについて、本裁判例を参考にしてください。

信用毀損に関する裁判所の判断は、会社側からすると、簡単には受け入れらないのではないでしょうか。

解雇を選択する前には必ず顧問弁護士に相談の上、慎重かつ適切に対応することが肝心です。決して、素人判断で進めないようにしましょう。

本の紹介227 砂漠から芽を出せ!(企業法務・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。今週も一週間、お疲れさまでした。

さて、今日は本の紹介です。

 砂漠から芽を出せ! (PHP文庫)

東進ハイスクールの古文講師、吉野先生の本です。

吉野先生の本は、もうかれこれ読みました(笑)

いつも新しい気づきを与えてくれます。

さて、この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

好調なときにこそ、次の課題を見つけ出せるよう目を凝らすってことだ。調子がいいときは『これでいい』と思ってしまいがちだけど、『これでいい』と思った瞬間から、人間の進化は止まってしまう、ということに気づくべきだ。そしてそこがまさに、落ちる一歩手前の地点なんだ。・・・成功している人は全員、そんな何もない明日が怖いから、頑張り続けていられるんだ。だから不安を持て。そして願うんだ。さらなる進化を。」(168~169頁)

生きていれば、好調なときもあれば、不調のときもあります。

仕事も同じですよね。

ずっと好調、ずっと不調などということはないということを心に刻むことが大切だと思います。

今回の吉野先生の言葉は、好調なときこそ油断せず、準備を続けるべきだと読めます。

死ぬ直前まで向上していたいと思う人にとって、一時的な好調期は、それほどたいした意味はありません。

いつか来るであろう不調期に備えて、考えられる準備をします。

お互いがんばりましょう。

解雇108(アクセルリス事件)

おはようございます。

さて、今日は整理解雇の有効性と賞与請求に関する裁判例を見てみましょう。

アクセルリス事件(東京地裁平成24年11月16日・労判1069号81頁)

【事案の概要】

本件は、Y社がXを整理解雇した事案である。

Y社は、ソフトウェア製品の販売、導入支援コンサルティング、トレーニング等を主な業とする株式会社である。

【裁判所の判断】

整理解雇は無効

賞与請求は棄却

【判例のポイント】

1 ・・・整理解雇の考慮要素としての人員削減の必要性とは、少なくとも当該人員削減措置の実施が不況、斜陽化、経営不振等による企業経営上の十分な必要性に基づいていることを要するものと解されるところ、本件においては、①本件解雇当時、Y社自身の経営状況が悪化していたことを認めるに足りる証拠はないこと、②米国親会社及び米国シミックス社の経営状況及び両社の合併に伴い、Y社において4名の人員削減を実施する必要性が十分にあったことを認めるに足りる証拠もないこと、・・・以上からすれば、本件解雇当時、X1名を整理解雇しなければならない十分な必要性があったとは認められないというべきである。

2 人員削減を実現する際に、使用者は、配転、出向、希望退職者募集等の他の手段によって解雇回避の努力をする信義則上の義務(解雇回避努力義務)を負うものと解され、同義務履行の有無を判断するに当たっては、当該使用者が採択した手段と手順が当該人員整理の具体的状況の中で全体として指名解雇回避のための真摯かつ合理的な努力と認められるか否かを判断すべきである。そして、人員削減の十分な必要性があったとまでは認められない本件において、本件解雇が正当化されるためには、相当手厚い解雇回避措置が取られた後でなければならないというべきである
これを本件についてみると、Y社は、・・・当該人員削減指示の説明及び希望退職者募集は、説明資料等を交付することなく口頭でされたに過ぎない上、希望退職者募集に係る退職の条件についても、多少の退職金オプションを出せる旨の抽象的な説明しかしていないというものであって、Y社主張に係る説明ないし希望退職者募集をもって、前記の解雇回避努力義務の履行があったと評価されるべきものではないというべきである
また、Y社は、Xの配転可能性について、Xの専門性を生かせるポストは顧客サポート業務以外にはなかったところ、Xが顧客からの評判が悪く、他のメンバーと強調しようとせず、同部門においてはXを除く他のメンバーによる新しいチーム作りが始まっていたことから、Xを顧客サポート業務に就かせることはできなかった旨主張するが、①職種限定契約である等の事情がなく雇用契約上職種や担当業務が限定されていないXについて、解雇回避義務の履行として配転を検討するに当たっては、異動候補先として幅広い職種・職務内容を検討すべきであること、・・・。なお、Y社は、X及び本件労組に対し、Xの専門性と無関係な他の業務(例えば、賃金額が大幅に下がる在庫管理)への配転の検討を要請したが、Xらがその検討を拒否したことをもって、解雇回避努力義務の履行をした旨主張するが、本件において、労働条件の大幅の不利益変更を伴う配転提案をしたことをもって同義務を履行したものとは評価できないから、Y社の主張には理由がない

解雇回避努力に関する判断は、是非、参考にしてください。

4要素説では、他の要素との関係で、求められる解雇回避努力の程度が変わってきます。

解雇を選択する前には必ず顧問弁護士に相談の上、慎重かつ適切に対応することが肝心です。決して、素人判断で進めないようにしましょう。

本の紹介226 100億円稼ぐ人の思考法(企業法務・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。__

←先日、休日出勤をしていたスタッフと一緒に「つむらや」に行ってきました。

写真は、「ふくわうち」です。

すべて冷たいおそばです。

暑い日には最高ですね。おいしゅうございました。

今日は、午前中は、不動産に関する裁判が1件と新規相談が1件入っています。

午後は、新規相談が3件と裁判の打合せが1件入っています。

今日も一日がんばります!!

さて、今日は本の紹介です。

100億円稼ぐ人の思考法

著者は、「ゲルマニウム美容ローラー」で成功して100億円を稼いだ方です。

著者を検索すると、「人生には、いろんな上り坂、下り坂があるのだな」とつくづく思います。

人生、ずっと成功することはないですよね、ということを再認識させられる本です。

さて、この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

ノーリスクで得た成功は長続きしません。そこに腹をくくるという行為がないからです。私たちの人生においても同じことが言えます。どんなに過酷な試練が待ち受けていようと、決めたらやり続けることです。それが腹をくくるということです。それこそが覚悟というものです。・・・自分の人生に起こることはすべて、自分の責任として引き受ける。そのくらいの覚悟がなければ、成功は手に入りません。」(197頁)

「決断する」という言葉と「覚悟を決める」という言葉は、私の中では同義語です。

後になって「やっぱやーめた」と言われると、げんなりします。

一事が万事で、ビジネスにおいて、一度、それをやってしまうと、「この人は、決断力がない人だな」と思ってしまいます。

こういう人は、一度、決めても簡単に「やっぱやーめた」と言う癖(習慣)がついているので、できるだけ一緒に仕事をしたくありません。

即断即決。 

有言実行。

この2つの習慣が身に付いている人は、パワーがみなぎっています。

見ていて本当に気持ちがいいです。

類は友を呼ぶ。 お互いがんばりましょう!

 

賃金63(P社事件)

おはようございます。

さて、今日は女性グラフィックデザイン従業員による割増賃金等請求に関する裁判例を見てみましょう。

P社事件(東京地裁平成24年12月27日・労判1069号21頁)

【事案の概要】

本件は、Y社で稼働していたXが、2年分の時間外労働等に対する割増賃金及び付加金、不法行為(男女差別、昇給差別及び賞与の不当カット)に基づく損害賠償としての差額賃金相当額等の支払いを求めた事案である。

【裁判所の判断】

Y社に対し、約800万円の未払い残業代の支払いを命じた

Y社に対し、800万円の付加金の支払いを命じた

【判例のポイント】

1 労働時間とは、労働者が使用者の指揮命令下におかれている時間をいい、この労働時間に該当するか否かは、使用者の指揮命令下におかれているか否かにより客観的に定まるところ、使用者には、労働者の労働時間を適正に把握する義務が課されていると解されることからすれば、本件のように使用者がタイムカードによって労働時間を記録、管理していた場合には、タイムカードに記録された時刻を基準に出勤の有無及び実労働時間を推定することが相当である。ただし、上記推定は事実上のものであるから、他により客観的かつ合理的な証拠が存在する場合には、当該証拠により出勤の有無及び実労働時間を認定することが相当である

2 本件の請求期間におけるXの退勤時刻は、基本的にはタイムカード記録時刻により、それを超えてXが労務を提供していたことを認めるに足りる客観的な証拠がある場合はそれにより認定することが相当である。具体的には、Xのパソコン上のデータ保存記録(タイムスタンプ)及びメール送信記録に照らし、タイムカード記録時刻ではなく、最終のデータ保存時刻又はメール送信時刻(ただし、X主張の退勤時刻がそれよりも前である場合は、X主張の退勤時刻)に退勤したものと認めることが相当である

3 本件において、Xの休憩時間を直接に示す客観的な証拠はないから、間接事実及び経験則により、休憩時間の概ねの傾向を推認するほかはない。
この点、Xは、担当していた業務量からいって、少なくとも他従業員の2倍の労働時間が必要であった等として、平日勤務における休憩時間を0、休日勤務における休憩時間を30分から1時間と主張し、証拠中にはこれに沿う部分がある。しかし、1年10か月に及ぶ請求期間を通じて、ほとんど休憩を取らずに1週間に100時間近い実労働(1週当たり60時間程度の時間外労働)に連続して従事するなどということはおよそ不可能であるし、Y社における業務内容にかんがみれば、労基法上義務づけられている休憩時間すら取得できないほど業務が過密であったり、即時対応のための待機を強いられたりしていたとは認めがたい。結局、労基法上義務付けられている程度の休憩は取得していたものとして、拘束時間が6時間を超えて8時間45分までであれば45分の、8時間45分を超えていれば1時間の休憩時間があったものと認めることが相当である

労働時間の考え方について裁判所の考え方がわかりやすく記載されていますので、参考にしてください。

付加金がほぼ満額認められていますね。 えらい金額になっています・・・。

経営者のみなさん、労働時間の管理はちゃんとしておきましょう。 義務ですので。

残業代請求訴訟は今後も増加しておくことは明白です。素人判断でいろんな制度を運用しますと、後でえらいことになります。必ず顧問弁護士に相談をしながら対応しましょう。

本の紹介225 覚悟の磨き方(企業法務・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。 今週も一週間がんばっていきましょう!!
__←先日、いつもお世話になっている社長と一緒に「焼肉・ホルモン六番町」に行ってきました。

写真は、「上ロース」です。

ここのロースは、赤身と脂のバランスが秀逸です。

カルビではなく、あえてロースです。

秀逸と言わざるを得ません。

今日は、午前中は、証人尋問の最終準備をします。

午後は、証人尋問です。

夕方から、月一恒例のラジオ出演です。

夜は、裁判の打合せが1件と新規相談が1件入っています。

今日も一日がんばります!!

さて、今日は本の紹介です。

覚悟の磨き方 超訳 吉田松陰 (Sanctuary books)

吉田松陰の言葉を紹介している本です。

吉田松陰は、30歳という若さで亡くなりました。

大学受験で勉強した範囲程度のことしか吉田松陰のことを知りませんでしたが、この本を読んでもう少し詳しく彼の生き様を知りたいと思うようになりました。

早速、本を注文しました。 「大和魂」とはどういうものなのかを心から学びたいと思います。

自分の不甲斐なさを感じ、自分を鼓舞するには、とても良い本だと思います。 おすすめです!

さて、この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

反求諸己。『すべての問題の根本は自分の中にある』 どれだけ大きな計画であっても、物事を動かす基本はここにあります。計画がうまくはかどらずに悩んだときは、外部に答えを求めることなく、『まず自分はどうあるべきなのか』 雑音から距離を置いて、ひとり静かに考えてみましょう。」(38頁)

「反求諸己」という故事成語は、「反りて諸を己に求む」という意味だそうです。

最近、よくこのブログにも書くことですが、人生は本当に短いですし、いつ終わるのかわかりません。

大それたことはできませんが、自分の仕事を通じて、少しでも誰かの役に立つことができたなら、生きている意味があったと自分で感じることができます。

私は、以前から、「人はいつ死ぬかわからない」という気持ちを強く持っています。

やるべきことをやり遂げて、人生を終わりたいという気持ちで、毎日、仕事をしています。

「まず自分はどうあるべきなのか」ということを考えたときに、私の答えは、「自己犠牲を惜しまず、力尽きるまでやるべきことをやる」ということです。

私の「やるべきこと」とは、弁護士という仕事を通じて、一人でも多くの困っている方の力になる、ということです。

みなさんは、「自分はどうあるべきなのか」と問われたときに、どのように答えますか?

不当労働行為69(東和交通事件)

おはようございます。 

さて、今日は、タクシー会社労組分会長および組合員に対する出勤時間変更指示と不当労働行為に関する命令を見てみましょう。

東和交通事件(愛知県労委平成25年3月18日・労判1068号92頁)

【事案の概要】

平成22年2月、X組合は、Y社に春闘要求書を提出して、団交を申し入れた。Y社とX組合は、4回の団交を開催した。

Y社は、平成22年8月度にタクシー台数を167台から160台に、23年2月度から151台に減車したことに伴い、乗務員の勤務体系の変更を行うこととした。

Y社は、A分会長およびC組合員に対して、昼間の出勤への変更指示を行った。

なお、タクシー乗務は、昼間より夜間のほうが収益率がよく、A分会長およびC組合員は、従前、主として夜間に乗務していた。

【労働委員会の判断】

A分会長およびC組合員に出勤時間変更を指示したことは不当労働行為にあたる

【命令のポイント】

1 ・・・この指示は出勤時間の変更を命じるものであるから、労働時間の変更であるといえる。また、Y社は、同月度以前と比較して格別の不利益があったわけではないことは明らかであると主張するが、歩合給の基礎となる給与対象営収額が減収となっていることが認められ、本件出勤時間変更指示は賃金の減少を招くものであり、不利益性が認められる

2 Y社は、・・・乗務員の勤務体系を変更する必要があったものといえる。また、・・・会社は、X組合等に対し、勤務体系の確認及び周知徹底を目的とする説明会の開催通知をしていることが認められ、手続的に問題があるとはいえない。

3 しかしながら、同月度の異動の基準について、Y社は、最低補償額の支給対象となる月間営収額が低い者を異動の対象としたと主張し、その根拠として平成23年1月度の営収順位表のみを示しているが、本件出勤時間変更指示が同月度満了以前の13日及び14日に行われたことからすると、同月度の営収順位に基づき異動対象者を人選したとは認め難い

整理解雇の場合もそうですが、会社とすれば、それなりの理由から、人選をするわけですが、「それなりの理由」に客観的合理性が認められない場合には、恣意的な人選と評価されてしまいます。

過去の裁判例から、どのような点を裁判所が評価しているのかをチェックしてみるといいと思います。

組合との団体交渉や組合員に対する処分等については、まずは事前に顧問弁護士から労組法のルールについてレクチャーを受けることが大切です。決して素人判断で進めないようにしましょう。

本の紹介224 大好きに生きろ!(企業法務・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。

__

←先日、鷹匠の「ARIYOSHI」に行ってきました。

写真は「宮島産 活ムール貝のシャンパン蒸し」です。

あっさりしていて、何個でも食べられます。

貝好きには、たまりません。おいしゅうございました。 

今日は、午前中は、離婚調停が入っています。

午後は、不動産に関する裁判が1件、新規相談が1件入っています。

今日も一日がんばります!!

さて、今日は本の紹介です。

 大好きに生きろ!

これまでも何度か紹介をしてきていますが、東進ハイスクールの古文講師の吉野先生の本です。

吉野先生の本は、学ぶことがたくさんあります。 

仕事や生き方に対してストイックなところが、とても共感できます。

もっとも、プロとしては、当たり前のことだと思います。

さて、この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

おまえら、ものわかりのいいふりなんかしないで、カネにこだわれよ。そのまんまじゃずっと二流だよ。どんどん落ちていくよ。自分をぎりぎりまで追いつめて、厳しい顔して生きろよ。そうじゃないと浅い人間のまんまだよ。・・・がんばることはかっこ悪い。一生懸命はみっともない。ギラギラしてるのはダサい。そんな空気が日本中にはびこっている。だから、裸一貫で会社を立ち上げるより、そこそこの会社に使われてればいいなんて考える。野心のない人間ばっかりだ。おれはそんなヤツと話して理想論を語られるとあくびが出る。」(93頁)

 こういう感じ、大好きです(笑)

確かに、私の周りを見渡しても、「お!この人、ギラギラしてるな~」と思うことはほとんどありません。

反面、仕事を一生懸命やっている人はいっぱいいます。

プロ野球の球団をつくりたいと言っている同世代の社長もいます。

この社長は、きっとやり遂げると思います。 だから、応援しているのです。

今、私は、34歳ですが、この先、いつまで全力で仕事ができるかわかりません。 そもそもいつまで生きられるかわかりませんので。

Life is short.  Time is money.

これからも、やるべきことに注力し、自分の役割を果たしていきたいと思います。

解雇107(第一興商(本訴)事件)

おはようございます。

さて、今日はパワハラで視覚障害発症、休職期間満了後の自動退職の効力に関する裁判例を見てみましょう。

第一興商(本訴)事件(東京地裁平成24年12月25日・労判1068号5頁)

【事案の概要】

Xは、Y社の正社員として勤務していたところ、上司等から仕事を与えられず、嫌がらせを受けたり暴言を浴びせられるなどした上、精神的に追い込まれて視覚障害を発症し、休職に追い込まれた結果、休職期間満了により自動退職という扱いになった。

Xは、①同視覚障害は、業務上の傷病に当たり、その療養期間中にXを自動退職とすることは労基法19条1項により無効であるとか、②Xは、休職期間満了時点で復職可能な状況にあったなどと主張して、Y社に対し、雇用契約上の地位確認並びに不当に低い評価を受けていた期間中の差額賃金及び上記自動退職後の賃金の支払いを求めるとともに、Y社にはその従業員らによる不法行為を漫然と放置したなどの安全配慮義務、不法行為があると主張して、Y社に対し、損害賠償を請求した事案である。

【裁判所の判断】

本件自動退職は無効

【判例のポイント】

1 ・・・以上のとおり、Xの供述内容には、全般的に疑問な点が多い。XがB課長やC課長らの暴言等を他部署の者、時には社外の者に訴え、その中で詳細にその言動の内容が記載されていることを考慮しても、X供述が客観的な裏付けを欠いていること、供述内容自体に合理性にが欠けていること、他の証拠との整合性がないことなどに照らすと、Xの供述についてはにわかにこれを信用することができないというべきである。
このように、Y社従業員(上司等)から継続的に暴言を浴びせられたり、嫌がらせを受けた旨のXの供述については信用することができず、他に、Xの主張を認めるに足りる的確な証拠は存しないというべきである。したがって、X主張にかかるY社従業員(上司ら)による不法行為の事実については、これを認めることができない。

2 労基法19条1項において、業務上の傷病により療養している者の解雇を制限している趣旨は、労働者が業務上の傷病の場合の療養を安心して行うことができるようにすることにある点からすれば、同項にいう「業務上の傷病」とは、労働災害補償制度における「業務上の傷病」、すなわち同法75条にいう業務上の傷病及び労働者災害補償保険法にいうそれと同義に解するのが相当である(東京高裁平成23年2月23日判決)。
そして、労災保険法にいう業務上の傷病とは、業務と相当因果関係のある疾病であると解されるところ(最高裁昭和51年11月12日判決)、同制度が危険責任の法理を基礎とするものであることからすれば、当該傷病の発症が当該業務に内在する危険の現実化と認められることを要するというべきであるところ、上記危険性については、その性質上、個々の労働者を基準として個別に判断すべきではなく、一般労働者を基準として客観的に判断されるべきものと解される

3 本件休職期間満了時点(平成22年1月6日時点)において、Xの休職事由が消滅していたか、すなわち、就業規則16条、18条に即していえば、休職の理由となった疾病が治癒し、通常の勤務に従事できるようになったかについて、以下、検討する。
・・・このように、労働者が、職種や業務内容を特定することなく雇用契約を締結している場合においては、現に就業を命じられた特定の業務について労務の提供が十全にはできないとしても、その能力、経験、地位、当該企業の規模・業種、当該企業における労働者の配置、異動の実情及び難易等に照らし、当該労働者が配置される現実的可能性があると認められる他の業務について労務の提供をすることができ、かつ、その提供を申し出ているのあれば、なお債務の本旨に従った履行の提供があると解するのが相当である(最高裁平成10年4月9日判決)。
また、休職事由が消滅したことについての主張立証責任は、その消滅を主張する労働者側にあると解するのが相当であるが、使用者側である企業の規模・業種はともかくとしても、当該企業における労働者の配置、異動の実情及び難易といった内部の事情についてまで、労働者が立証しつくすのは現実問題として困難であるのが多いことからすれば、当該労働者において、配置される可能性がある業務について労務の提供をすることができることの立証がなされれば、休職事由が消滅したことについて事実上の推定が働くというべきであり、これに対し、使用者が、当該労働者を配置できる現実的可能性がある業務が存在しないことについて反証を挙げない限り、休職事由の消滅が推認されると解するのが相当である

4 これを本件についてみるに、Xは、本件休職命令後、視覚障害者支援センターに通学して・・・主治医であるD医師やI医師は、いずれも視覚障害者補助具の活用により業務遂行が可能である旨の意見を述べているところ、上記各医師の意見を排斥するに足りる証拠をY社は提出していない
・・・Xは、本件休職期間満了時点にあっても、事務職としての通常の業務を遂行することが可能であったと推認するのが相当である。

休職期間満了による退職処分と労基法19条との関係が争点となっています。

最近、この争点をめぐる裁判をよく見かけます。

使用者側のみなさんは、上記判例のポイント3を是非、参考にしてください。

裁判所の判断傾向を知っているだけで、とるべき対応策も変わってきますので。

解雇を選択する前には必ず顧問弁護士に相談の上、慎重かつ適切に対応することが肝心です。決して、素人判断で進めないようにしましょう。