不当労働行為5(萬世閣事件)

おはようございます。

さて、今日は、不当労働行為に関する救済命令を見てみましょう。

萬世閣事件(北海道労委平成23年1月14日・労判1020号94頁)

【事案の概要】

Y社は、洞爺湖萬世閣、登別萬世閣等のホテルを経営しており、その従業員は544名である。

平成20年12月、Y社の従業員らは、X組合の結成大会を開催し、Aを執行委員長に選出した。

Aは、登別萬世閣の調理長を補佐する顧問職を命じられていた。

X組合はY社に団体交渉を申し入れた。

Y社は、登別萬世閣において就業規則変更のための従業員代表者選出手続の社員集会を開催した。

集会後、Y社が代表者から意見聴取を行っていたところ、Aが「ちゃんと確かめないでサインをしないのはいいのか」などと発言したため、Y社常務は、「意見があるなら、さっき質疑応答の機会に言えばよかったのではないか」と述べ、Y社社長は、「どのように思おうと自由であるが、正式な手続を踏んでいるのだから、手続を妨害するんじゃない」と発言した。

平成21年4月、Y社は、Aに対して、「顧問職というのは社長との信頼関係の上に成り立っているわけで、今、社長解任を訴えているAさんとはこの信頼関係が成り立たない。故に顧問職を解任します」と通告した。

【労働委員会の判断】

Aを調理長顧問解任により降格したことは不当労働行為にあたる。

社長らのAに対する発言は不当労働行為にあたらない。

【命令のポイント】

1 Y社側の発言が行われたのが、労働組合結成から間もない時期であるという状況を考慮しても、常務、社長の発言それ自体を、組合への威嚇ないし組合蔑視の発言と認めることはできず、法第7条第3号の不当労働行為には該当しない。

2 Aの顧問職は、直接的な人事権を持たず経営上の機密を扱うものでもないから、組合に加入して、組合活動を行うこと自体は、顧問職の立場と矛盾しない。したがって、組合対策をすべきところを行わなかったから信頼関係が破壊されたとするY社の主張は理由にならない

3 以上からすると、降格には相当な理由が認められず、会社の組合嫌悪の意思も顕著であり、Aが組合の執行委員長である立場に鑑みると、Aの降格は、法第7条第1号の組合活動を故とする不利益取扱いに当たり、同時に法第7条第3号の組合への支配介入に当たる。

妥当な結論だと思います。

法的な対策が必要なところを感情的な対策をとってしまったために、このような結論になってしまったのだと思います。

組合との団体交渉や組合員に対する処分等については、まずは事前に顧問弁護士から労組法のルールについてレクチャーを受けることが大切です。決して素人判断で進めないようにしましょう。

不当労働行為4(日本レストランシステム(団交)事件)

おはようございます。

さて、今日は、団交拒否と損害賠償に関する裁判例を見てみましょう。

日本レストランシステム(団交)事件(大阪地裁平成22年10月28日・労判1021号90頁)

【事案の概要】

Y社は、各種レストランチェーン店の経営を業とする会社であり、従業員数は社員1000名、アルバイト従業員は約5000名である。

Xは、主として近畿2府4県において、セメント、生コン産業、トラック輸送その他の一般業種で働く労働者により組織される労働組合であり、その組合員数は約1800名である。

Xは、平成20年12月22日、Y社に対し、団体交渉を開催するよう求めた。

Y社は、同月24日、「団体交渉に応じる義務はない」と述べ、団体交渉を拒否した。

Xは、平成21年1月8日、労働委員会に対して、不当労働行為救済を申し立て、Y社に対して団体交渉応諾およびポスト・ノーティスを求めた。

労働委員会は、Y社の団交拒否を不当労働行為であると認めた。

Y社は、初審命令を不服として、中央労働委員会に対し再審査を申し立てた。

中央労働委員会は、再審査申立を棄却した。

その後、Y社は、Xに対し、再審査命令において命じられたとおりの内容の文書を交付した。

Xは、Y社に対し、団結権及び団体交渉権を侵害されたとして、損害賠償請求をした。

【裁判所の判断】

本件団交拒否は、不法行為をあたり、20万円の支払いを命じた。

【判例のポイント】

1 Y社は社員約1000名、アルバイト従業員約5000名を抱え、レストランチェーンを手広く経営し、専門の人事部署を有する企業であり、本件団交申入れに対して速やかに対応できない事情は全く窺われない

2 Y社は、本件団交申入れに対し、当初からこれを拒否する姿勢を明確にしていた

3 Y社は、本件団交申入れにおいて示されたXからの要求事項につき、回答書において「義務のない要求事項」と述べるものの、回答書あるいはその後の電話におけるやりとりにおいて、Xに対し要求内容に関する確認を行ったり、要求事項に対する会社としての見解を公式・非公式に示すなどの措置を全くとっていない

4 Xが労働委員会に救済申立てをした後、Y社はXに対して団体交渉には応じるような素振りを見せるようにはなったが、Xの複数回にわたる団体交渉開催要請に対し、個別事項以外の交渉には応じられないとか大阪へは行けない等と述べ、速やかに団体交渉に応じようとはしなかった。

5 これらの事実によれば、本件団交申入れに対するY社の一連の対応は、Xの団体交渉権ないし団結権を不当に軽視するものとして、Xに対する不法行為を構成するというべきである

6 本件団交申入れに対するY社の不法行為によって、Xには労働組合としての団体交渉権を否定されたことによる社会的評価の低下による無形損害が発生したところ、Xの損害については、Y社が、Xによる救済申立後にようやく団体交渉に応じ、協定書の締結にまで至ったことや、Y社からの団交拒否が労働委員会において不当労働行為であると認定されたことを誠実に受け止める旨の文書の交付を受けたことにより相当程度回復されたというべきである

たいした理由もないのに、団交拒否するとこのようなことになります。

会社の対応のまずさが随所に出ています。

会社としては、団体交渉をなめてはいけません。 気をつけましょう。

組合との団体交渉や組合員に対する処分等については、まずは事前に顧問弁護士から労組法のルールについてレクチャーを受けることが大切です。決して素人判断で進めないようにしましょう。

賃金31(芝電化事件)

おはようございます。

さて、今日は、退職事由による減額支給率の適否と退職金規程の不利益変更に関する裁判例を見てみましょう。

芝電化事件(東京地裁平成22年6月25日・労判1016号46頁)

【事案の概要】

Y社は、プラスチック金型等の設計・製作等を営む会社である。

X1は、昭和56年からY社の正社員として勤務してきた。

X2は、平成15年からY社との間で期間の定めのない雇用契約を締結していた者である。

Y社は、平成12年頃より経営状況が悪化し、人員削減を講じる必要が生じた。

Y社は、Xらに対し、退職の協力要請を行い、Xらは、最終的に、本要請に応じた。

Y社は、X1に対し、退職金と貸付金とを相殺することを申し出たが、Y社の示した退職金額が自主退職によるものとして計算されていたことから、Xは納得がいかず、この申し出を断った。

Xは、その後、産別労組を通じて、退職金を支払うよう求めたが、Y社は、退職金規程はすでに廃止されていることを理由に請求を拒絶した。

Y社は、Xらの退職はY社の退職金規程にいう自己都合による場合の退職金支給基準率を適用すべきである、X2は、退職金の支給がない「パートタイマー」であった、退職金規程は、平成12年に減額変更の改訂がなされ、平成19年に廃止されたと主張し、争った。

【裁判所の判断】

会社都合の場合の退職金支給基準率が適用されるべきである。

X2の退職金請求も認容。

退職金規程の改訂は無効

【判例のポイント】

1 Xらの本件退職の申出それ自体は、飽くまでも任意退職の意思表示という形式でもってされており、本件退職金規程2条3号にいう「解雇」には当たらないようにもみえる。
しかし、そもそも本件退職金規程2条3号の趣旨は、従業員の退職理由が専ら会社経営上の必要性(すなわち経営の簡素化、事業の縮小、不況による経営の悪化等による人員削減の必要性)に基因する場合には、これに理解、協力を示した従業員に対し退職金支給基準率の倍増という一種のインセンティブを付与し、その目的の達成(余剰人員の解消等)を容易なものにしようとする点にあるものと解される

2 そうだとすると同条3号にいう「やむを得ない業務上の都合による解雇」とは、一般に上記のような会社経営上の必要性に基づく解雇のことをいうにしても、これに限定されるものではなく、会社経営上の必要性(余剰人員の解消等)から従業員が任意退職を余儀なくされたような場合についても、上記「解雇」に準じ同上3号が適用されるものと解するのが相当である

3 本件退職金規程1条2項ただし書は、本件退職金規程の適用排除という重大な効果をもたらす例外規定である。したがって、同項ただし書にいう「パートタイマー」の意義については、同じく退職金規程の適用が排除される「勤続年数2年未満の者」「日雇その他の臨時職員」との関係も考慮に入れつつ、その意味内容を厳格に解すべきである
そうだとすると、同項ただし書にいう「パートタイマー」とは、単に正規従業員(正社員)と格差のある待遇を受けている従業員一般を指すものではなく、飽くまで当該雇用契約上、当該企業において正規(フルタイム)の所定労働時間(日数)よりも少ない時間(日数)で働くことが予定された、本来的な意味におけるパートタイマー労働者をいうものと解するのが相当である(パートタイマー労働者の本来的な定義につき菅野和夫「労働法」(第9版)195頁参照)。

4 そこで以上の解釈を前提に検討するに、本件全証拠を子細に検討しても、Y社がX2との雇用契約の締結に当たって、上記のような意味におけるパートタイマーとしてX2を雇い入れたと認めるに足る的確な証拠は見当たらない。

5 本件改訂退職金規程については蒲田工場(事業場)の労働者であるXらに対し当該内容を知りうる状態で置かれていたことを認めるに足る的確な証拠は見当たらず、結局、本件改訂退職金規程への改訂変更は、周知性の要件に欠けるものといわざるを得ない。

6 本件改訂退職金規程は、・・・Xら労働者に対して重大な経済的不利益を生じさせるものである上、その変更後の規定は、いささか強引かつ恣意的なものであるばかりか、既発生の退職金の額を大きく減殺させるものであり社会的相当性の点でも疑義があるといわざるを得ない。

7 Y社が廃止されたものと主張する退職金に関する規定は、飽くまで本件改訂退職金規程であって、本件退職金規程ではない。したがって、本件退職金規程の廃止がXらとの関係で全部抗弁となり得るためには、その前提としてXらの退職金請求の根拠である本件退職金規程2条が、本件改訂退職金規程によって有効に改訂変更され、その効力が本件改訂退職金規程に引き継がれていることが必要であると解される。なぜなら本件改訂退職金規程への改訂変更の効力がXらに及ばないのであれば、本件退職金規程の廃止が就業規則の不利益変更として有効であったとしても、その効力は遡って本件退職金規程2条の効力まで失効させるものではないからである。

8 本件改訂退職金規程への改訂変更は、周知性の要件だけでなく合理性の要件も欠いており、その効力はXらに対して及ばないのであるから、本件改訂退職金規程を対象とする本件退職金規程の廃止によって、本件退職金規程の効力が遡って失効するものとは解されない。

本裁判例は、全面的に従業員側が勝訴しています。

実質論と形式論のせめぎ合いがよくわかります。

勉強の題材としてとてもいい判例です。

不利益変更事案は、合理性の判断がいつも悩ましいですね。顧問弁護士と相談しながら慎重に進めましょう。

労災44(川崎重工業事件)

おはようございます

昨日は、すごい雨でしたね

島田の裁判所から車で帰る途中、前がほとんど見えず、怖かったです

今日は、午前中は、顧問先でK・MIXラジオの打合せです

午後は、簡裁で、民事調停1件、裁判1件、他の事務所で裁判の打合せが1件という流れです。

というわけで、あまり事務所におりません。

今日も一日がんばります!!

さて、今日は、精神疾患・自殺と労災に関する裁判例を見てみましょう。

川崎重工業事件(神戸地裁平成22年9月3日・労判1021号70頁)

【事案の概要】

Y社は、従前より、鉄道車両の製造の受注はしていたが、鉄道車両のみならず、電力設備、車両整備基地、軌道設備、通信・案内設備、信号・保安設備及び総合管理室等を一体とした鉄道システムを受注・納入する事業を行うことを目的として、平成9年1月、同事業の準備のため、交通システム推進部が東京本社に設置された。

Xは、昭和46年、Y社に入社し、その後、プラントビジネスセンター産機プラント部輸送空港システムグループ等で勤務した。

Xは、平成12年12月、医師の診察を受け、うつ病の診断を受けた。

Xは、その後も治療を受けながら職務を遂行していたが、平成14年5月、自宅で自殺した。

Xの妻は、Xの自殺は、過重な業務に起因するうつ病によるものであると主張した。

【裁判所の判断】

神戸東労基署長による遺族補償給付等不支給処分は違法である。
→業務起因性肯定

【判例のポイント】

1 労働基準法及び労災保険法に基づく保険給付は、労働者の業務上の死亡について行われるが、業務上死亡した場合とは、労働者が業務に起因して死亡した場合をいい、業務と死亡との間に相当因果関係があることが必要であると解される。
また、労働基準法及び労災保険法による労働者災害補償制度業務に内在する各種の危険が現実化して労働者が死亡した場合に、使用者等に過失がなくとも、その危険を負担して損失の補填の責任を負わせるべきであるとする危険責任の法理に基づくものであるから、上記にいう、業務と死亡との相当因果関係の有無は、その死亡が当該業務に内在する危険が現実化したものと評価し得るか否かによって決せられるべきである。

2 そして、同法による労働災害補償制度が使用者等の過失の有無を問わず、業務に内在する危険が現実化したことにより、当該労働者に生じた損害を一定の範囲で填補するという危険責任の法理に依拠したものであること、また、うつ病をはじめとする精神障害の発症については、単一の病因ではなく、素因、環境因の複数の病因が関与すると考えられていること、さらに、精神障害の病因としては、個体側の要因としてのストレス半の反応性、脆弱性等もあり得ることからすれば、上記相当因果関係があるというためには、これらの要因を総合考慮した上で、業務による心理的負荷が、社会通念上、精神障害を発症させる程度に過重であるといえる場合に、当該災害の発生が業務に内在ないし通常随伴する危険が現実化したことによるものとして、これを肯定できると解すべきである。

3 業務に内在する危険性の判断については、上記の危険責任の法理にかんがみれば、当該労働者と同種の平均的な労働者、すなわち、何らかの個体側の脆弱性を有しながらも、当該労働者と職種、職場における立場、経験等の点で同種の者であって、特段の勤務軽減まで必要とせずに通常業務を遂行することができる者を基準とすべきである。

4 このような平均的労働者にとって、当該労働者の置かれた具体的状況における心理的負荷が一般に精神障害を発症させる程度に危険度を有しており、他方で、特段の業務以外の心理的負荷及び個体側の要因のない場合には、精神障害の発症は、まさに業務に内在する危険が現実化したものであるといえ、業務と精神障害発症及び死亡との間に相当因果関係が認められると解するのが相当である。

5 被告は、うつ病発症後の業務上の負荷については、業務起因性の判断に用いるべきではないと主張する。また、判断指針及び改正判断指針も、概ね精神障害の発症前6か月間の業務による心理的負荷について検討するとし、精神障害の発症後、自殺に至るまでの間における業務による心理的負荷を考慮していない。
しかし、例えば、業務上の負荷によりうつ病等の精神障害を発症した者が、まだ完全に行為選択能力や自殺を思いとどまる抑制力を失っていない状態において、改めて、社会通念上、平均的労働者がうつ病を発症する程度の心理的負荷を受けた結果、希死念慮を生じ、自殺を行う場合があり、そのような場合には、相当因果関係を認めるのがむしろ合理的であるといえる。そうすると、精神障害の発症後においては、業務上の負荷を、その程度にかかわらず業務起因性の判断の際の考慮要素としてはならないとする被告の主張は、採用することができない

6 平成12年7月、韓国案件を担当するようになった後のXの心理的負荷は非常に大きなものであったと認められ、その平均的負荷の強度は、判断指針によれば「Ⅱ」と評価されるが、Y社から嘱望されて再入社し厚遇を受けている以上、それに見合う実績を上げることを自他ともに期待されていたXが、失敗が許されないというだけでなく、失敗すればY社における自らの存在価値も問われかねないことが予想され、他方で、当該業務の内容は、Xが過去にY社で経験してきた製鉄関連業務とは全く異なり、ギャップを生じていたこと等からすれば、Xの負担していた業務量そのものが恒常的な長時間労働をするようなものではなかったとしても、上記の事情は、平均的な労働者にとって同様の立場に置かれた場合には心理的負荷の強度の修正要素となるというべきであり、「Ⅲ」に修正されるべきである

上記判例のポイント5は、参考になります。

また、業務起因性の判断にあたり、見落としがちな事実をしっかり拾えるか、その事実を適切に評価できるかにより、結果が変わってくるのがよくわかります。

労働時間21(レイズ事件)

おはようございます。

さて、今日は、事業場外みなし労働時間制に関する裁判例を見てみましょう。

レイズ事件(東京地裁平成22年10月27日・労判1021号39頁)

【事案の概要】

Y社は、不動産業を営む会社である。

Xは、Y社に採用され、その後、解雇された。解雇時は、営業本部長の地位にあった。

Xは、解雇後、Y社に対し、時間外・休日労働にかかる未払賃金の支払いを求めた。

これに対し、Y社は、Xが管理監督者にあたること、事業場外みなし制度が適用されることなどを主張し、争った。

【裁判所の判断】

事業場外みなし労働時間制の適用を否定

【判例のポイント】

1 本件みなし制度は、事業場外における労働について、使用者による直接的な指揮監督が及ばず、労働時間の把握が困難であり、労働時間の算定に支障が生じる場合があることから、労働時間の算定に支障が生じる場合があることから、便宜的な労働時間の算定方法を創設(許容)したものであると解される。そして、使用者は、本来、労働時間を把握・算定すべき義務を負っているのであるから、本件みなし制度が適用されるためには、例えば、使用者が通常合理的に期待できる方法を尽くすこともせずに、労働時間を把握・算定できないと認識するだけでは足りず具体的事情において、社会通念上、労働時間を算定し難い場合であるといえることを要するというべきである

2 また、労働基準法は、事業場外労働の性質にかんがみて、本件みなし制度によって、使用者が労働時間を把握・算定する義務を一部免除したものにすぎないのであるから、本件みなし制度の適用結果(みなし労働時間)が、現実の労働時間と大きく乖離しないことを予定(想定)しているものと解される。したがって、例えば、ある業務の遂行に通常所定労働時間を超えて労働することが必要となる場合であるにもかかわらず(本来、労働基準法38条の2第1項但書が適用されるべき場合であるにもかかわらず)、労働基準法38条の2第1項本文の「通常所定労働時間」働いたものとみなされるなどと主張して、時間外労働を問題としないなどということは、本末転倒であるというべきである

3 Xが従事した業務の一部又は全部が事業場外労働(いわゆる営業活動)であったことは認められるものの、Xは、原則として、Y社に出社してから営業活動を行うのが通常であって、出退勤においてタイムカードを打刻しており、営業活動についても訪問先や帰社予定時刻等をY社に報告し、営業活動中もその状況を携帯電話等によって報告していたという事情にかんがみると、Xの業務について、社会通念上、労働時間を算定し難い場合であるとは認められない
また、Xは、営業活動を終えてY社に帰社した後においても、残務整理やチラシ作成等の業務を行うなどしており、タイムカードによって把握される始業時間・終業時間による限り、所定労働時間(8時間)を超えて勤務することが恒常的であったと認められるところ、このような事実関係において、本件みなし制度を適用し、所定労働時間以上の労働実態を当然に賃金算定の対象としないことは、本件みなし制度の趣旨にも反するというべきである。

4 Y社は、Xに対し、時間外労働や休日労働を命じていない旨主張し、これに沿った証拠もある。しかしながら、Xらが出社時及び退社時にタイムカードを打刻していたことは明らかであり、そうである以上、Y社がXら勤務実態を把握していたこともまた明らかというべきである。そして、Y社は、従業員の労働管理の責任を負う使用者として、仮にXらが業務指示に反する形で勤務していたならば、その旨注意ないし指導すべきであるが、そのような事情はうかがわれないこと、Xらの時間外労働及び休日労働は恒常的なものであったと解されることをも併せ考えると、Xらは、少なくともY社による黙示の指示に基づいて業務(時間外労働及び休日労働)に従事していたものと解される。

本裁判例でも、事業場外みなし労働時間制の適用を否定しました。

会社としては、慣れないものに手を出して、やけどしないように注意しましょう。

また、時間外労働や休日労働について、会社の「黙示の指示」という認定をされています。

明示的な業務命令をしていなくとも、黙認していると、このような認定をされる場合がありますので、注意しましょう。

労働時間に関する考え方は、裁判例をよく知っておかないとあとでえらいことになります。事前に必ず顧問弁護士に相談することをおすすめいたします。

管理監督者20(レイズ事件)

おはようございます。

さて、今日は、管理監督者に関する裁判例を見てみましょう。

レイズ事件(東京地裁平成22年10月27日・労判1021号39頁)

【事案の概要】

Y社は、不動産業を営む会社である。

Xは、Y社に採用され、その後、解雇された。解雇時は、営業本部長の地位にあった。

Xは、解雇後、Y社に対し、時間外・休日労働にかかる未払賃金の支払いを求めた。

これに対し、Y社は、Xが管理監督者にあたること、事業場外みなし制度が適用されることなどを主張し、争った。

【裁判所の判断】

管理監督者性を否定

事業場外みなし制度の適用も否定

【判例のポイント】

1 労働基準法41条は、同条2号に掲げる「事業の種類にかかわらず監督若しくは管理の地位にある者」(管理監督者)には、労働時間、休憩、休日に関する労働基準法の規定を適用しない旨を定めているところ、その趣旨は、同法の定める労働時間規制を超えて活動することが、その重要な職務と責任から求められる者であり、かつ、その職務内容(権限・責任)や現実の勤務態様等に照らし、労働時間規制を除外しても、同法1条の基本理念や同法37条の趣旨に反するような事態が避けられる(労働者保護に欠けることにはならない)ということにあり、行政通達が、管理監督者とは、労働条件の決定その他労務管理につき、経営者と一体的な立場にある者をいい、その名称にとらわれず、実態に即して判断すべきであるなどとしているのも、前記趣旨に沿ったものと解される。

2 そして、同通達の内容をも踏まえると、管理監督者に該当するかどうかについては、(1)その職務内容、権限及び責任が、どのように企業の事業経営に関与するものであるのか(例えば、その職務内容が、ある部門全体の統括的なものであるかなど)、(2)企業の労務管理にどのように関与しているのか(例えば、部下に対する労務管理上の決定等について一定の裁量権を有していたり、部下の人事考課、機密事項等に接したりしているかなど)、(3)その勤務態様が労働時間等に対する規制になじまないものであるか(例えば、出退勤を規制しておらず、自ら決定し得る権限があるかなど)、(4)管理職手当等の特別手当が支給されており、管理監督者にふさわしい待遇がされているか(例えば、同手当の金額が想定できる時間外労働に対する手当と遜色がないものであるかなど)といった視点から、個別具体的な検討を行い、これら事情を総合考慮して判断するのが相当である。

3 Xは、Y社において「営業本部長」という肩書は有しているものの、その業務内容は、基本的には営業活動であり、(宅地建物取引主任者の資格を活用する点、より重い営業ノルマ等を課されている点は別論として)他の一般社員(営業担当社員)と異なるところはなかったものと解される。

4 Xは、原則として、午前9時前後にはY社に出社して、タイムカードに打刻し、Y社を退社する際もタイムカードに打刻していたこと、Y社は週休2日制であるにもかかわらず、Xが週2日の休日を取得することはあまりなかったことが認められ、Xは勤務時間(出退勤)について自由裁量はなかったものと強く推認されるといわざるを得ない。

5 Xが部下の査定に実質的に関与していたと認めることはできない

6 Y社は、Xに支給されている報奨金等の多寡をも問題としているが、報奨金は、基本的には、従業員の立場等とは関係なく、契約を成立させた事実に対して支給されるものであり、その多寡が直ちに管理監督者性を基礎付けるものであるとは解し難い。

本裁判例では、管理監督者性の問題のほかに、事業場外みなし労働時間制の適用の有無についても争点となっています。

この点は、また別の機会に検討します。

管理監督者性の問題で、会社側の主張が通ることはほとんどありません。

理由は簡単です。

基準が厳しいことと、会社が、都合よく管理監督者と認定しすぎていることです。

裁判所の示す基準をすべてみたす管理職は、ほとんど存在しないと思います。

会社としては、この問題を放置しておくと、本裁判例のように、いつか時間外・休日労働の未払賃金を請求されたときに、多額の出費をしなければなりません。

このあたりは、実質的な損得の判断が求められています。

「訴訟リスク」「敗訴リスク」を実質的に判断しましょう。

管理監督者性に関する対応については、会社に対するインパクトが大きいため、必ず顧問弁護士に相談しながら進めることをおすすめいたします。

有期労働契約19(ノースアジア大学(仮処分)事件)

おはようございます。

さて、今日は、雇止めに関する裁判例を見てみましょう。

ノースアジア大学(仮処分)事件(秋田地裁平成22年10月7日・労判1021号57頁)

【事案の概要】

Xは、平成15年4月、Y大学の専任講師として、期間の定めのない雇用契約により採用され、その後、准教授となった。

Y大学は、平成19年3月、「大学の教員等の任期に関する法律」に基づき、専任教員の任期に関する規程を制定し、専任の全教員に任期制を導入した。

これに伴い、XとY大学との間では、任期2年の任期制雇用契約が締結された。

ところが、Xは、平成21年11月、懲戒処分となり、准教授から講師に降格され、基本給も減額された。

平成22年2月、Xは、Y大学から本件雇用契約が同年3月末をもって終了する旨の通告を受けた。

Xは、本件更新拒絶が不当な雇止めにあたり、無効であると主張し争った。

【裁判所の判断】

雇止めは無効

【判例のポイント】

1 使用者と労働者の間で締結された期間の定めのある雇用契約が、期間の定めのない契約と実質的に異ならない状態になったといえない場合であっても、当該契約で定められた期間の満了後にも継続して雇用されるとの労働者の期待に合理的な理由がある場合には、解雇権濫用法理が類推適用され、使用者による雇止めに合理的な理由がない場合には、当該契約の期間満了後における使用者と労働者の間の法律関係は、従前の労働契約が更新されたのと同様の関係になると解すべきである。

2 ・・・結局のところ、任期法は、各大学が規則を定めることによって、その実情に合わせた任期制の導入を可能としていると解するべきであって、Y大学が主張するように、任期法に基づく任期制教員について一律に解雇件濫用法理が類推適用されないということはできない。

3 Xは、当初期間の定めのない労働契約を締結しており、その職務内容も専任教員としてY大学の常用的な職務を行っていたことからすれば、XとY大学との間の労働契約は長期間の継続を予定していたものであって、Xが任期制教員となったとはいえ、職務の重要性は増加しており、通算約7年間雇用が継続し、任期制導入後も1度更新されていることなどにかんがみると、Xが任期付き教員となったことによって、即座に両社の関係が長期的な雇用継続を予定しないものになったとはいえない

4 任期制規程を総合考慮すれば、Xが任期制の下でも雇用継続の期待を有することには一定の合理性がある。

5 Y大学が任期制導入に際して行った説明は極めて簡単で、任期制雇用契約書の提出期限が1週間にも満たなかったことなどからすると、Xが大学教員であることを考慮しても、従前の雇用契約から任期制に切り替わることによる不利益を十分に認識して任期制雇用契約を締結したということはできない

6 再任用を希望した教員が再任用されずに任期満了となった例は必ずしも多くなく、また、再任用の可否の判断においては、任期制導入前の状況との継続性が考慮されていたことを併せ考えれば、Y大学における再任用の運用は任期制導入前からの継続教員について配慮したものであったといえる

7 再任用の可否は、職名ごとに任期制規程で定められた最長年限までの期間を全体的に考慮した上で決定されており、雇用の継続性を推測させる一要素となるなどとして、Xには、本件雇用契約における任期の満了後にも雇用が継続するという合理的な期待が存在したというべきであり、本件更新拒絶には解雇権濫用法理が類推適用されると認められる。

8 平成21年度において、Xの評価が大きく下がったのは、本件アンケート送付とこれに伴う本件懲戒処分が多分に影響したものと推認されるところ、準教授からの降格と減給という本件懲戒処分は重きに失するといえ、相当性を欠くものということができる。

非常にマニアックな論点ですが、知っておくとよいです。

有期労働契約は、雇止め、期間途中での解雇などで対応を誤ると敗訴リスクが高まります。

事前に顧問弁護士に相談の上、慎重に対応しましょう。

労働時間20(R社事件)

おはようございます。

今日は、労働時間に関する裁判例を見てみましょう。

R社事件(大阪地裁平成22年10月29日・労判1021号21頁)

【事案の概要】

Y社は大阪府下で小中学生を対象とする学習塾を経営する会社である。

Xは、文系講師として、Y社に16年間勤務し、平成15年3月、自己都合で退職した。

Xは、他の学習塾勤務等を経て、平成19年7月、Y社に再入社し、期間の定めのない雇用契約を締結した。

Y社では、年に4回、生徒アンケートを実施しており、Xは、生徒アンケートで文系講師のうち最下位が続いた。

Y社は、Xには授業能力向上、改善の意欲が認められず、生徒アンケートの評価は最低線から向上しなかったことを理由として、Xに対し、解雇を通告した。

Xは、本件解雇は無効であると主張し争うとともに、時間外労働や休日労働の割増賃金を請求した。

【裁判所の判断】

解雇は有効

割増賃金の請求は認容。付加金も全額支払を命じた。

【判例のポイント】

1 Y社は、Xの給与の中には、週8時間分の固定時間外手当が含まれていると主張する。しかし、給与明細書上、基本給と時間外手当が明確に区別されているとはいえないこと賃金規程上も固定時間外手当に関する規程は存在しないこと、その他にY社の上記主張を根拠付ける的確な証拠は見出し難いことからすると、Y社の同主張は理由がない。

2 Y社は、休憩時間の取得については各講師の裁量に委ねられており、予習時間、経営会議への参加、勉強会への参加は、いずれも労働時間には該当しないと主張する。
休憩時間とは、労働者が使用者による時間的拘束から解放されている時間を指すのであって、例えば、具体的な業務がなされていなくとも、使用者の指揮命令下におかれている限りは休憩時間ではなく労働時間であると解される

3 本件についてみると、Xを含む講師は、生徒からの質問があれば、これに対応する必要があったこと、受付事務職員がいたとしても、来訪者が講師との面談等を求めることもあり、その場合には各講師が対応しなければならないこと、Y社においては、休憩時間が明確に設定されていなかったこと、Xの配属先である各教室では、昼食時間中における生徒等に対する対応に関し、当番等を決めて対応していたとは認められないこと、各講師は、授業時間以外の時間において、生徒の成績をつけたり、成績分析をしたり、授業の準備のための予習をしたりする必要があったこと、以上の点が認められ、これらの点からすると、Xは、在社時間中、Y社の指揮監督下から解放される時間を有していたとは認め難い

4 塾講師が、その業務を遂行する(具体的には授業を行うということ)ために、その授業内容の事前準備を行う時間が不要であるとはいえないこと、予習をして授業の質を高めることは塾講師にとって必須事項であること、講師経験の長短によって予習に必要な時間が異なることはあるということは窺われるものの、全く経験豊富な講師であったとしても、予習が不要となるとは考え難く、Xについても、授業のために必要があればそれに応じて十分な予習を行ってきたこと、以上の点が認められ、これらの点からすると、授業を行うことに必要な予習を行うことは、Xの業務の一環であって、同時間については、労働時間であると評価するのが相当である

全国の塾関係者とすれば、この裁判例は困りますね・・・。

私も司法試験の勉強をしていた頃、塾講師をしていたので、状況はよくわかります。

在社時間は、授業を実際にやっていなくても、生徒の質問に対応したり、来客者の対応をするので、労働時間にあたると思います。

ただ、予習時間が労働時間かと言われると、違和感を感じます。

授業内容の事前準備は当然必要ですが、仕事の準備が必要なのは、塾講師に限りません。

塾側とすれば、当然納得できないと思います。

というわけで、Y社は控訴しております。

労働時間に関する考え方は、裁判例をよく知っておかないとあとでえらいことになります。事前に必ず顧問弁護士に相談することをおすすめいたします。

賃金30(中谷倉庫事件)

おはようございます。

さて、今日は、取引先の倒産に伴う退職金減額に関する裁判例を見てみましょう。

中谷倉庫事件(大阪地裁平成19年4月19日・労判948号50頁)

【事案の概要】

Y社は、貨物自動車運送業や倉庫業を営む会社である。

Y社は、平成14年5月、年間売上げの3分の2を占める取引先2社が倒産したことから、連鎖倒産を回避するため、企業年金の解約、賃貸倉庫の閉鎖、土地の売却、取締役らの報酬減額、人件費削減の措置を講ずることとした。

Y社は、人件費削減の一環として、平成16年10月、退職金規程を改定し、退職金額をほぼ半額とすることとした。

これに対し、平成17年8月にY社を定年退職したXは、本件退職金規程の改定は無効であると主張し、旧規程と新規程との差額にあたる退職金を支払うように求めた。

【裁判所の判断】

請求棄却

【判例のポイント】

1 賃金、退職金など労働者にとって重要な権利、労働条件に関し実質的な不利益を及ぼす就業規則の変更については、当該条項が、そのような不利益を労働者に法的に受忍させることを許容できるだけの高度の必要性に基づいた合理的な内容のものである場合において、その効力を生ずるものというべきである。

2 そして、上記合理性の有無は、使用者側の就業規則変更の必要性の内容・程度、就業規則の変更により労働者が被る不利益の程度、変更後の就業規則の内容自体の相当性、代償措置その他関連する他の労働条件の改善状況、労働組合等との交渉の経緯等を総合考慮して判断すべきである。

3 Y社は、必ずしも経営状態が良好とはいえなかったところ、平成14年5月、売上高の3分の2を占める大口取引先が倒産し、売上が激減することとなった結果、経営規模を大幅に縮小し、生き残りをかけ、倒産回避のための措置を講じた。

4 退職金が給与の後払い的性格を有することを考えると、その減額の程度は大きい。しかし、Y社としては、今後、安定した経常利益を計上できる状態にあるとはいいがたく、本件改定を認めなかった場合の上記負担はY社の経営を圧迫することが予想され、倒産の危険も存し、本件改定はやむを得ないと言わざるを得ない

5 Y社は、労働者の過半数で組織する企業内組合の同意を得た。また、Xが所属する上記企業内組合とは別の労働組合に対し、何度も交渉を申し入れたが、同組合はこれに応じようとしなかった。

ここまでしっかりやれば、退職金規程の不利益変更も有効と判断されます。

会社として倒産回避のために必要な措置をとったが、それでもなお、従業員の賃金や退職金を減額しなければならない状況であったということがよくわかります。

不利益変更事案は、合理性の判断がいつも悩ましいですね。顧問弁護士と相談しながら慎重に進めましょう。

賃金29(ドラール事件)

おはようございます。

さて、今日は、退職金支給の有無や支給額を従業員ごとに決定できるかについて判断した裁判例を見てみましょう。

ドラール事件(札幌地裁平成14年2月15日・労判837号66頁)

【事案の概要】

Y社は、建築材料の卸販売並びにタイル工事の設計及び請負等を目的とする会社である。

Xは、平成12年3月までY社の従業員であったが、依願退職した。

Y社では、会社業績の悪化に伴い、退職金について、取締役会で個別の従業員について、退職金を支給するか否か、支給するとしていくら支給するかを決めることができるように就業規則を改定した。

これに基づき、退職金が支給されなかったXは、本件就業規則の不利益変更は無効であるから、それに基づく取締役会決議も無効であると主張し、改定前の就業規則に基づく退職金の支払いを求めた。

【裁判所の判断】

請求認容

【判例のポイント】

1 賃金、退職金など労働者にとって重要な権利、労働条件に関し実質的な不利益を及ぼす就業規則の変更については、当該条項が、そのような不利益を労働者に法的に受忍させることを許容できるだけの高度の必要性に基づいた合理的な内容のものである場合において、その効力を生ずるものというべきである。

2 そして、上記合理性の有無は、使用者側の就業規則変更の必要性の内容・程度、就業規則の変更により労働者が被る不利益の程度、変更後の就業規則の内容自体の相当性、代償措置その他関連する他の労働条件の改善状況、労働組合等との交渉の経緯等を総合考慮して判断すべきである。

3 Y社は、就業規則変更当時、営業収益は約60億円から48億円に減少、営業利益は、約1億4000万円を確保していたものが約4000万円に激減し、経常利益も約2億円あったものが約8000万円に半減し、また、税引後当期純利益も約1億円あったものが約4291万円に半減した。
しかしながら、この改定にあたって、今後の退職者数及び退職金支給額の見込みや、収益改善のために他のどのような対策があり、退職金支給額の圧縮が避けられないものか否かについて具体的な検討がされたのか明らかでない。

4 本件改定にあたり代償措置やこれを緩和する措置を設けたり、関連する他の労働条件を改善したと認めるに足りる証拠はない

5 本件改定にあたり、従業員の過半数で組織する労働組合又は従業員の過半数を代表する者の意見を聴取したと認めるに足りる証拠はない

あてはめのしかたを学ぶにはとてもよい事案です。

不利益変更事案は、合理性の判断がいつも悩ましいですね。顧問弁護士と相談しながら慎重に進めましょう。