不当労働行為188 新賃金制度に関する労使間の合意の有無(労務管理・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。

今日は、新賃金制度に関する労使協議会の過程で行われた一時金の支給月数の話合いは、労使間の合意と認められず、会社が後の一時金交渉において合意を否定する対応をとったことが不当労働行為に当たらないとされた事案を見てみましょう。

D新聞社事件(岡山県労委平成29年6月22日・労判1165号95頁)

【事案の概要】

本件は、新賃金制度に関する労使協議会の過程で行われた一時金の支給月数の話合いについて、会社が後の一時金交渉において合意を否定する対応をとったことが不当労働行為に当たるかが争われた事案である。

【労働委員会の判断】

不当労働行為にあたらない

【命令のポイント】

1 26年及び27年の一時金に係る団体交渉は、いずれも本件労使協議会において年間一時金を新基準内賃金の「8か月分以上を支払う」との約束がなされたかどうかに関し、組合は約束があったと主張してその履行を求め、会社は約束ではなかったと主張して会社の設備投資の必要性、将来の見込み等の経営判断を説明するといったやりとりがなされたもので、本件労使協議会における年間一時金に関するやりとりが労使合意とまで認められないことは前述のとおりであり、その意味で、会社が約束はなかったと主張したことはそれなりの法的判断に基づくもので、このように主張することが直ちに誠実交渉義務に違反するものとまで認められない

2 以上の経緯に照らすと、結局、本件夏季及び冬季一時金に関する団体交渉において、会社は「予測がはずれて儲かれば、年間一時金を8か月分以上支払う」との本件労使協議会における発言を否定したものとは認められず、また、設備投資資金の必要性など具体的な質疑、応答、反論等が行われていたことが認められ、両者は、それぞれの立場を維持したため、議論が進展せず、歩み寄りが困難となり平行線に至ったものと認められるから、会社の交渉態度が不誠実であったとまで認めることはできない。

労使間に一時金に関する合意が存在しないという認定をされているため、不当労働行為には該当しないということになりました。

組合との団体交渉や組合員に対する処分等については、まずは事前に顧問弁護士から労組法のルールについてレクチャーを受けることが大切です。決して素人判断で進めないようにしましょう。