不当労働行為304 コロナ禍を理由に対面での団交に応じなかったことの不当労働行為該当性(労務管理・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。 今週も1週間お疲れさまでした。

今日は、コロナ禍を理由に対面での団交に応じなかったことの不当労働行為該当性について見ていきましょう。

エイ・アンド・エム事件(福岡県労委令和4年3月11日・労判1286号85頁)

【事案の概要】

本件は、コロナ禍を理由に対面での団交に応じなかったことが不当労働行為にあたるかが争われた事案である。

【労働委員会の判断】

不当労働行為にあたらない

【命令のポイント】

1 本件において、対面による団交を行うとした場合、通常施設には出入りしていない組合側のA1委員長および会社側代理人であるB9弁護士が団交の出席者に含まれることが想定される。
そして、組合が3年1月5日付けで団交申入れを行った時点の社会情勢をみれば、福岡県内においては新型コロナウイルス感染症の感染が拡大する状況にあり、それを受けて、同月14日から翌月7日までの間、緊急事態宣言が発令される状況に至っていた。
このような中、Y社が、介護を必要とする多数の高齢者が入居する施設内における新型コロナウイルス感染症の感染リスクを低減させるため、外部の者の立入り自体を制限すべきと考えることは、社会通念上不当とはいえない
また、上記の状況にあって、Y社が、高齢者の介護等に携わる施設職員が対面による団交に出席することで、新型コロナウイルス感染症に感染するリスクを考慮し、対面による実施には応じられないとしたことについては、相応に理解できるところである。
加えて、Y社は文書により一定の回答を行っている
さらに、3年3月5日、組合が処遇改善加算の支給基準を明確にすること等について団交を申し入れたことに対しては、Y社は、同月16日、書面により回答するとともに、ウェブ会議方式等による団交の実施を申し入れている
上記の事情からすれば、Y社の対応は、正当な理由なく団交を拒んだとまではいえず、労組法7条2号の不当労働行為には該当しない。

理由付け及び結論に異論はないと思います。

このような状況下において、ウェブ会議方式による団体交渉を拒否する合理的理由はないものと思われます。

労働組合との対応については、日頃から顧問弁護士に相談しながら進めることが肝要です。