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今日は、派遣労働契約の雇止めが有効とされた事案について見ていきましょう。
マイケル・ペイジ・インターナショナル・ジャパン事件(東京地裁令和7年5月27日・労経速2598号33頁)
【事案の概要】
本件は、Y社と派遣労働契約を締結し、派遣先の業務に従事していたXが、
(1)XとY社の派遣労働契約が期間満了により終了したこと(雇止め)につき、Xにおいて派遣労働契約が更新されると期待することについて合理的な理由があり、また、上記雇止めは、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当とはいえず、無効であるとして、Y社に対し、①労働契約上の権利を有する地位にあることの確認、②上記雇止め後の未払賃金+遅延損害金の支払を求め、
(2)(1)の雇止めは、Xに対する不法行為に当たり、これによりXは精神的苦痛を被ったとして、Y社に対し、不法行為に基づき、慰謝料+遅延損害金を求め、
(3)Y社の社員であるAが、派遣先がXの業務遂行に問題がある旨言っているなどと虚偽の事実を記載したメールをXに送した行為は、Xに対する不法行為に当たり、これによりXは精神的苦痛を被ったとして、A及びY社に対し、不法行為及び使用者責任に基づき、慰謝料及びこれに対する遅延損害金の連帯支払を求め、
(4)前記(1)の請求に係る予備的請求として、前記(1)の雇止めにより1年間の雇用継続についてのXの期待権が侵害されたとして、Y社に対し、不法行為に基づき、上記雇止め後の残期間の賃金相当損害金+遅延損害金の支払を求める事案である。
【裁判所の判断】
請求棄却
【判例のポイント】
1 労働者派遣法は、派遣労働者の雇用安定のみならず、派遣先の常用労働者の雇用安定も立法目的とし、派遣期間の制限規定を設ける(労働者派遣法40条の2)などして上記目的の調和を図っており、同一の労働者を同一の派達先に長期間継続して派遣することは、常用代替防止の観点から、本来、労働者派遣法の予定するところではないから、派遣元と派遣先との労働者派遣契約の存在を前提とする登録型の派遣労働契約について、派遣ではない通常の労働契約の場合と同様に雇用継続
の期待に対する合理的な理由を認めることは、一般に困難であると解される。
2 本件では、X自身の不適切、不誠実な対応により、A社は、Y社との労働者派遣契約を更新しないと判断し、Y社とA社との労働者派遣契約が終了し、それに伴い、XとY社との派遣労働契約も終了するに至ったこと、Xの上記対応は、傷病により欠勤するときは派遣先に通知しなければならない
旨定めるY社の派遣社員就業規則に反するものと認められること、XとY社との派遣労働契約は
1回しか更新されておらず、XがA社で稼働した期間も合計2か月余りにとどまることも考慮すると、XとY社との派遣労働契約について、Xがその更新を期待することに合理的な理由があると認めることはできない。
上記判例のポイント1の考え方が根底にあるため、派遣社員の雇止め事案は、労働者にとっては相対的にハードルが高くなります。
日頃から労務管理については、顧問弁護士に相談しながら行うことが大切です。