労働時間122 1年単位の変形労働時間制の適用が否定された事案(労務管理・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。 今週も1週間お疲れ様でした。

今日は、1年単位の変形労働時間制の適用が否定された事案を見ていきましょう。

ヤマダ工業事件(東京地裁令和7年6月27日・労判ジャーナル165号30頁)

【事案の概要】

本件は、Y社の元従業員Xが、退職後、Y社に対し、時間外労働等に対する割増賃金が支払われていないと主張して、雇用契約に基づき、未払割増賃金並びに労基法114条に基づき、付加金等の支払を求めた事案である。

【裁判所の判断】

一部認容

【判例のポイント】

1 1年単位の変形労働時間制を実施するためには、労使協定を書面で作成し、これを締結する必要があり、この労使協定において、〔1〕対象労働者の範囲、〔2〕対象期間、〔3〕特定期間、〔4〕労働日及び労働日ごとの労働時間の特定、〔5〕労使協定の有効期間について定めておかなければならないが(労働基準法32条の4)、労働者への影響が大きいことから、いったん特定された労働日を対象期間の途中で変更することは許されないと解されるところ、従業員代表との間で1年単位の変形労働時間制に関する労使協定の締結自体はされているものの、Xは、かかる労使協定によって労働日とされていない法定休日や所定休日に多数勤務している実態があり、労働基準法32条の4が求める労働日等の特定の要件が満たされているとはいえないから、Y社における1年単位の変形労働時間制は無効といわざるを得ず、Xに1年単位の変形労働時間制を適用することはできない。

変形労働時間制の運用は、みなさんが考えているよりも大変です。

どれほどの会社がちゃんと運用できるのでしょうね。

日頃の労務管理が勝敗を決します。日頃から顧問弁護士に相談することが大切です。