Author Archives: 栗田 勇

賃金73 廃業を理由に解雇された元従業員による賃金等請求(労務管理・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。

さて、今日は、廃業を理由に解雇された元従業員による賃金等請求に関する裁判例を見てみましょう。

S社事件(大阪地裁平成25年1月25日・労判1081号87頁)

【事案の概要】

本件は、Y社の従業員であったXらが、Y社に金銭の貸付けまたはY社のために立替払いをし、また、貸金の未払をあるとして、Y社に対し、消費貸借契約または立替払契約に基づく貸金、立替金および雇用契約に基づく賃金として、Xら合計1500万円(一部請求)の支払を求めるとともに、Y社の代表者であるAが、Y社の資産を個人的に費消して、Y社に損害を与え、XらのY社に対する上記各請求権を回収不能にしてXらに損害を与えたとして、Aに対し、債権者代位権または会社法429条1項の損害賠償請求権に基づき、同額の支払いを求めた事案である。

【裁判所の判断】

Xらの請求はいずれも認容

【判例のポイント】

1 本件各貸金及び立替金は、いずれもその貸付け又は立替金の日から消滅時効が進行し、Y社の業務に関するものであるから5年の商事消滅時効にかかるというべきである。
しかしながら、・・・Y社の代表者であるAは、本件各貸金及び立替金の商事消滅時効が完成した後、これらの債務について、保証金が返ってきたら必ず返すなどと述べて、その存在を承認したということになるから、Y社は、本件各貸金及び立替金について時効の利益を放棄したものといえる
よって、Y社が消滅時効を援用することは信義則上許されない

2 Aは、Y社が返還を受けた保証金1500万円のうち250万円は、C社に返済し、その余は、Y社の残務整理に一部使用した他は、上記借入金残金の返済に充てるため留保していると主張する。
しかし、・・・留保しているとする資金の保管先について何ら主張・立証がなされていないことすると、保証金相当額の資金は、すでにA自身の債務の弁済等、個人の使途に費消されたものと推認することができ、支払のために留保してあるとのAの主張は採用できない(なお、仮にAが未だ当該資金を費消していないとしても、その留保先を明らかにしない以上、Aの行為は、Y社の資産の隠匿に当たるというべきである。)。
かかるAの行為は、Y社の代表取締役として、会社財産を、善管注意義務をもって保管する義務に違反したものとして、任務懈怠行為に当たるというべきである
そして、Y社には、廃業の時点で、保証金のほかにみるべき資産はなく、Aが返還された保証金を個人的に費消ないし隠匿したことにより、Xらは、Y社から本件各貸金及び立替金並びに未払賃金の返還を受けることが実質的に不可能となったと認められるから、Aは、Xらに対し、会社法429条1項に基づき、本件各貸金及び立替金並びに未払賃金相当額の損害賠償義務を負う

X側とすれば、既に廃業しているY社からお金はとれないため、なんとかして代表者個人から回収する方法を考えなければなりません。

そこで、上記のように、代表者の取締役責任を追及したわけです。

もっとも、金額が金額ですから、代表者に自己破産をされてしまうとそこで回収不能となってしまいます。

日頃から顧問弁護士に相談しながら適切に労務管理を行うことが大切です。

本の紹介295 成功哲学(企業法務・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。 今週も一週間がんばっていきましょう!!

__

←毎週日曜日は、海まで2時間ジョギングをしてから1日が始まります。

継続は力なり。 

続けることにより、あきらめない心を養っています。

今日は、午前中は、裁判員裁判の公判前整理手続が入っています。

午後は、離婚訴訟が1件、新規相談が2件、顧問先会社の社長との打合せが1件入っています。

夕方から、月一恒例のラジオです。

今日も一日がんばります!!

さて、今日は本の紹介です。
成功哲学

ナポレオン・ヒルさんの本です。 自己啓発本の王道です。

先日、「悪魔を出し抜け!」を読んで、改めて著者の本を読み返してみようと思いました。

今回の本は、1967年に刊行されたものです。超ロングセラーですね。

さて、この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

世の中には、目には見えないけれども、社会の隅々にまで行きわたって働いている力がある。徳は必ず報いられ、犯した罪は必ず罰となって帰ってくるという『代償の法則』がそれである。『代償の法則』をきちんと理解していれば、恐れや悪意が自分の心の中から消えていくのは、自分の良心に従って徳を積んでいくことで、自然と、それが自分に報いてくれるからである。人の窮状を救うために手を差し伸べれば、自分の窮状まで救われる。目に見えないこの力の働きを信じよう。」(358頁)

この「代償の法則」という言葉を知らなくても、同じような考えに基づいて生活している人は多いのではないでしょうか。

周りの経営者を見ていても、日頃から支援をしまくっている人は、いざというときに仲間が自然と集まってきて手を差し伸べてくれています。

私の周りの仲間は、みんな、もらいっぱなしなのは気持ちが悪いという感覚を持っています。

この本で出てくる「徳」という言葉、いい意味の言葉であることはわかりますが、正確な意味を考えることはありませんでした。

いい機会なので、辞書で調べてみました。

【徳】 1 精神の修養によってその身に得たすぐれた品性。人徳。「-が高い」「-を修める」

2 めぐみ。恩恵。神仏などの加護。「-をさずかる」「-を施す」

いい言葉ですね。

日常生活の中でいかに徳を積んでいくか。 まさしく修業です。 

ストイック人間には、たまらないですね。 30代は、とにかく徳を積みまくっていきます。 

不当労働行為87(大阪府(非常勤講師等・雇止め)事件)

おはようございます。 今週も一週間お疲れ様でした。

さて、今日は、特別職の非常勤講師の雇止めと不当労働行為に関する命令を見てみましょう。

大阪府(非常勤講師等・雇止め)事件(大阪府労委平成25年9月11日・労判1080号94頁)

【事案の概要】

平成24年1月27日、大阪教育合同労働組合(教育合同)は、府および府教委に対し、AおよびBを含む公立学校の常勤講師である組合員11名および公立学校の非常勤講師である組合員5名の雇用を継続すること、同年4月1日以降、Aを常勤講師として、Bを常勤講師または非常勤講師として任用することを要求して団交を申し入れた。

これに対し、府教委は、常勤講師および非常勤講師の個別任用に関する要求は交渉事項に当たらないと回答した。

平成24年4月1日、府教委は、AおよびBを公立学校の常勤講師または非常勤講師として任用しなかった。

【労働委員会の判断】

非常勤講師の雇止めは不当労働行為にあたらない

団交に応じなかったことは不当労働行為にあたる

【命令のポイント】

1 教育合同が挙げる3点はいずれも組合員であるが故の不利益取扱いに当たるとする理由とはならず、この点の主張は採用できない。

2 本件団交申入れに係る非常勤講師組合員5名については、その講師としての任用は、形式的には新たな任用手続によるものではあるが、実態としては、繰り返しの任用によって実質的に勤務が継続する中で、職種、校種及び勤務地区等の任用条件の変更又は前の任用期間における任用の継続であったとみるのが相当であり、任用が繰り返しなされて実質的に勤務が継続することに対する合理的な期待を有するというべきであり、したがって、労組法適用者である非常勤講師組合員5名について、「組合員について雇い止めを行わず、雇用を継続すること」という団交申入書の団交事項は、義務的団交事項に該当する
これらのことからすると、講師の採否について府教委には支配可能性がなく、当該交渉が実質的に意味のない交渉にならざるを得ないとする府の主張は採用できない。

形式論よりも実質論を重視した判断ですね。

組合との団体交渉や組合員に対する処分等については、まずは事前に顧問弁護士から労組法のルールについてレクチャーを受けることが大切です。決して素人判断で進めないようにしましょう。

本の紹介294 勝負論 ウメハラの流儀(企業法務・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。

さて、今日は本の紹介です。

 勝負論 ウメハラの流儀(小学館新書)

著者は、先日、紹介しました「勝ち続ける意志力」と同じ方です。

前作がとてもよかったので、買ってみました。

こちらもとてもよかったです。おすすめです。

ゲームで勝つことに限らない、ビジネスにおいて勝つために必要なことが書かれています。

基礎・基本をこれでもかというくらい重視している姿勢に共感します。

さて、この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

・・・トンネルを抜ける瞬間が来るのは、本当に直前になるまでわからない。だんだん明るくなるとか、遠く向こうのほうに明かりが見える、ということはあまりない。急にふわっと視界が開ける。だから、その直前まではひたすら地味で、我慢、我慢の連続だ。それでも『開けるときは急にやってくる』と信じて、毎日マイペースで努力を続ける。終わりはないようで、やっぱりあるのだと思う。少なくとも今までの僕の経験上、終わりがなかったことはない。」(152頁)

司法試験などの資格試験をやってきた人は、この感覚がわかるのではないでしょうか。

最初のうちは、なんかわかったようなわからないような状態が続きます。

全体像(いわゆる「森」)がちゃんと見えていないので、どこを走っているのかよくわからないのです。

一周して、二周して、と何度も繰り返しているうちに、徐々に1本1本の「木」が「林」になっていき、最後に「森」の形が見えてくるのです。

大切なのは、「森」が見えるまで、我慢して走り続けられるかどうかなのです。

じっと我慢して、いつの日か必ず「森」が見えることを信じて、こつこつ努力を積み重ねられる人こそ、成功(合格)する人なのです。

1度、このプロセスを体験している人は、どんな仕事も試験も、結局、最後には「森」が見えることを知っているので、トンネルの中で走るのをやめたり、引き返したりしないのです。

地道な努力の積み重ねに勝る成功術は、未来永劫存在しないと確信しています。

解雇129(東京都(M局職員)事件)

おはようございます。

さて、今日は約3年間で72回に及ぶ遅刻等を理由とする停職処分の有効性に関する裁判例を見てみましょう(解雇事案ではありませんが、懲戒処分のカテゴリーがないので、便宜的に解雇のカテゴリーに入れました。)。

東京都(M局職員)事件(東京地裁平成25年6月6日・労判1081号49頁)

【事案の概要】

本件は、Y社がその職員であるXに対し停職3月の懲戒処分を行ったところ、Xが、Y社に対し、本件停職処分の取消しを求めるとともに、本件停職処分等に伴う減収分や慰謝料等として557万0198円の損害賠償の支払いを求めている事案である。

なお、本件停職処分は、Xが、平成18年4月1日から平成21年7月15日までの間に、少なくとも72回にわたり、電車の遅延等を理由として出勤時限に遅れた上、72回のうち71回について、部下の職員に指示して、出勤記録を出勤の表示に修正させたことが地方公務員法32条及び35条の規定に違反し、同法29条1項1号から3号までの規定に該当することを根拠とするものである。

【裁判所の判断】

停職処分は無効
→停職処分に伴う減収分および慰謝料等として386万1239円の支払いを命じた

【判例のポイント】

1 ・・・以上によれば、Y社が本件停職処分の対象とした72回の出勤時限に遅れたとの事実は、本件全証拠によっても、その全てが客観的事実であると認めるに足りないものといわざるを得ない。確かにそのうちの一定の部分については客観的事実に沿うものであることがうかがわれ、この点はX自身も自認するところではある。しかしながら、Xが出勤時限に遅れたことがいつ、いかなる回数あったのかについて、具体的に特定することは困難といわざるを得ない

2 Y社が本件停職処分の対象とした72回にわたり出勤時限に遅れたとの事実及び71回にわたる出勤記録の出勤の表示への修正指示の事実は、Xが出勤時限に遅れたことが一定の回数あったことが認められるに止まり、その回数や日付を具体的に特定することは困難であると認められる。また、具体的な修正指示があったことを認めることは困難であるから、結局、本件停職処分は、その根拠となる主要な事実の存在を認めるに足りないものというほかなく、違法な処分として取り消されるべきものである

3 Y社が本件停職処分に至ったのは、Y社の担当職員がXの弁明にもかかわらず、職務上通常尽くすべき調査義務に違反して、漫然と本件停職処分の根拠となる72回の出勤時限の遅参と71回の出勤記録の修正指示を認定したことにあるといわざるを得ないから、Y社による本件停職処分は国家賠償法上も違法であり、Y社はこれによりXが被った損害を賠償する責任があるというべきである。
また、Y社は、M局の45歳の男性副参事に対し本件停職処分を行ったことを報道機関及びY社ホームページ等に講評し、本件停職処分の対象者として、Xの実名こそ報道されなかったものの、所属局名、職層、年齢、性別が報道されたことが認められるが、Y社による本件停職処分の公表も、Y社が通常尽くすべき調査義務に違反して、漫然と本件停職処分が行われたことによるものと認められるから、Y社はこれによりXが被った損害についても賠償する責任があるというべきである

「72回の遅刻と71回の出勤記録の修正指示をしたにもかかわらず、停職処分は無効なんて・・・」と考えるのは早計です。

会社側が調査を十分に尽くすことなく、懲戒処分に踏み切ったことから、訴訟になり、懲戒処分の対象事実を立証できなかったわけです。

解雇理由をはじめとして、懲戒処分をする際は、十分な調査をした上で、慎重に処分をすることをおすすめします。

解雇を選択する前には必ず顧問弁護士に相談の上、慎重かつ適切に対応することが肝心です。決して、素人判断で進めないようにしましょう。

本の紹介293 悪魔を出し抜け!(企業法務・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。

__

←先日、顧問先の社長と七間町にある「天文本店」に行ってきました。

昔ながらのお店で、伝統の味を提供しています。

おいしゅうございました。

今日は、午前中は、離婚調停が入っています。

午後は、浜松の裁判所で刑事裁判が入っています。

夜は、静岡に戻り、打合せが2件入っています。

今日も一日がんばります!!

さて、今日は本の紹介です。
 悪魔を出し抜け!

 「思考は現実化する」で有名なナポレオン・ヒルの最新刊です。

1938年に書き上げながら、親族の反対により70余年封印されていたそうです。

ヒルさんと悪魔との対話という形で話が進められています。

なかなか読み応えがある本でした。 

さて、この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

どんな一時的な敗北にも、どんな失敗にも、どんな逆境にも、必ずそこにはそれに見合うだけの成功の種が含まれているということだ。・・・四半世紀にわたる研究の結果、私はさまざまな原理をいくつも発見してきたが、なかでも最も印象深かったことは、過去の偉大な指導者たちの中で私が記録を調べた人々は、一人残らずその『到着』の前に、困難にさらされたり、一時的な敗北に襲われていたことだった。」(64~65頁)

要するに、成功というゴールの前には必ず失敗がつきものだということです。

このことは、多くの成功者の本を読めばよくわかります。

途中で、何度か失敗を繰り返すことが、成功への必要条件であるようにさえ思えてきます。

すぐにあきらめずに、修正を加えながら、最後までやりきることが成功する最良の方法ではないでしょうか。

不当労働行為86(大阪市(組合事務所退去)事件)

おはようございます。 今週も一週間がんばっていきましょう!!

さて、今日は、組合事務所の退去を議題とする団交に応じなかったことと不当労働行為に関する命令を見てみましょう。

大阪市(組合事務所退去)事件(大阪府労委平成25年8月28日・労判1080号95頁)

【事案の概要】

平成24年1月30日、大阪市は、市労連、市従、学職労らおよび学給労に対し、各組合が使用している本庁舎地下1階事務室について24年度以降は使用許可を行わない方針であり、同年3月31日までに退去するよう求める文書を交付した。

これに対し、市労連らは、市に対し、事務室退去に関する団交を申し入れたが、市は、団交申入れには応じられないと回答した。

【労働委員会の判断】

不当労働行為に該当する

【命令のポイント】

1 本件申入事項はいずれも、組合らと市との団体的労使関係事項であり、原則として、義務的団交事項に当たる。

2 市は、本件申入事項の主要議題が組合事務所設置に係る本庁舎の目的外使用許可であり、目的外使用許可を与えるか否かは管理運営事項に当たる旨主張する。
確かに、行政財産である本庁舎について目的外使用許可を与えるか否かの判断そのものについては、市が自らの職務、権限として行う事項であって、管理運営事項に該当するものの、本件申入事項は組合事務所に関連する事項全般であって本庁舎の目的外使用許可そのもののみを対象としているとみることはできず、また、組合事務所設置に係る本庁舎の目的外使用許可に関する処理が組合らとの団体的労使関係に影響を及ぼす範囲において、義務的団交事項に当たるとみることができるのであるから、本件申入事項が管理運営事項に当たるため、本件団交申入れに応じる義務がないとする市の主張は採用できない。

3 以上のことからすると、本件申入事項については、行政財産である本庁舎について目的外使用許可を与えるか否かは管理運営事項に該当して団交事項とすることはできないものの、組合らとの団体的労使関係に影響を及ぼす範囲では義務的団交事項に当たるとみるべきであり、市はその影響の及ぶ範囲において本件団交申入れに応じなければならない

団交の内容の一部に義務的団交事項でないものが含まれている場合であっても、それ以外の内容が義務的団交事項であれば、やはり原則通り、団交に応じなければなりません。

義務的団交事項であるか否かは、広く解釈されますので、ご注意下さい。

組合との団体交渉や組合員に対する処分等については、まずは事前に顧問弁護士から労組法のルールについてレクチャーを受けることが大切です。決して素人判断で進めないようにしましょう。

本の紹介292 白鵬のメンタル(企業法務・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。 今週も一週間お疲れ様でした。

さて、今日は本の紹介です。

 白鵬のメンタル 人生が10倍大きくなる「流れ」の構造 (講談社プラスアルファ新書)

著者は、スポーツトレーナーの方です。

横綱白鵬が若い頃からトレーナーとして支えてきたそうです。

白鵬の強さの秘密は、体ではなく、心にあるということです。

さて、この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

「『一流の人は、どんなときも、つねに一つのことを考え続けている』『限られた時間の多くを、自分の仕事に割いている』 彼らは遊んでいるときも同じことを考えている傾向にあり、そこから様々なヒントが浮かび上がるのです。白鵬の場合も、24時間、つねに相撲を考えているところがあります。・・・稽古の休憩時間中もビデオで研究する、映画を観るときも相撲と関連づけるなど、まさに『相撲のために生きている』感があります。・・・結局のところ、『もっと相撲が強くなりたい』『相撲道を究めたい』という目的意識を持っているからでしょう。つらいこと、面倒なことも意味をつけて続けられる、この好循環が成功の秘訣といえるのです。」(101~102頁)

ここは考え方の違いがあるところかもしれませんね。

オンとオフを明確に分けるという方もいるのではないでしょうか。

これもまた正しい、間違っているという話ではなく、自分に合う方法ならどちらでもいいわけです。

私は、完全に白鵬タイプです。

仕事のことを考えない時間はありません。

一見、仕事とは関係ないように見える行動も、仕事との関連性を見出そうとします。

仕事との関連性を見出しにくいことは極力やらないようにしています。

「いや、人間の幅を広げるためにも全く関係ないことこそ積極的にやるべきだ」という意見もあろうかと思います。

それはそれで理解はできます。

しかし、少なくとも現時点では、仕事に関係のあることだけをやりたい気分なのです。

時間は有限なので、仕事に関係のないことをやっている時間がもったいないのです。

仕事に関係のない完全なる趣味は、老後にとっておきます。

もっともっと自分に力をつけて、社会における自分の役割を全うしたいと思います。

賃金72(CFJ合同会社事件)

おはようございます。

さて、今日は、業務遂行能力不足を理由とする降格・賃金減額に関する裁判例を見てみましょう。

CFJ合同会社事件(大阪地裁平成25年2月1日・労判1080号87頁)

【事案の概要】

本件は、Y社の従業員であるXが、Y社に対して、Y社がした降格及びこれに伴う賃金の減額が人事権の濫用に当たり無効であるなどと主張して、主任職の地位確認及び賃金減額前と賃金減額後の差額賃金の支払を求める事案である。

【裁判の判断】

降格は有効

役職手当3000円の減額は有効であるが、基本給の減額は無効

【判例のポイント】

1 Xは、顧客に対する対応及びその後の対応に問題があったとして、平成19年6月16日付で係長代理から主任職への1階級降格処分(懲戒処分)を受け、本件降格までの間、数度の研修を受けているにもかかわらず、再三にわたり、Y社から顧客対応に関して注意書等により注意指導を受けている。同事実は、X自身も認めているところであり、Xの業務遂行能力は、Y社がジョブグレード制度において定める主任職の能力基準に達していないと認められる。以上の事実に加え、Y社のような貸金業者にとって、貸金業法に違反した場合、業務停止命令を受けるおそれがあるところ、Xが注意指導を受けた行為は、このような事態を招くおそれのあるものであることからすれば、本件降格は、Y社の有する人事権の範囲内であり、権利の濫用はなく、有効である。

2 以上のとおり、本件降格は、有効であるところ、Y社の給与規程第11条によれば、本件降格前にXに支給されていた役職手当は、主任職という役職に対して支給されていることが給与規程上明らかであるから、本件降格に伴ってされた役職手当3000円の減額は有効である。

3 基本給の減額は、以下のとおり、人事権の濫用であり無効というべきである。
・・・労働者にとって最も重要な労働条件の一つである賃金額については、就業規則や賃金規程等に明示されるか、労働者の個別の合意がないまま、使用者の一方的な行為によって減額することは許されないというべきであるところ、Y社のジョブグレード制度に基づき、基本給の減額が認められるためには、給与規程によって「基本給(部長職以上は、月例給)は、Job Grade別に月額で定める。」と定めるだけでは足りず、具体的な金額やその幅、運用基準を明らかにすべきである。しかし、上記のとおり、Y社においては、Xら従業員にその内容を明らかにしていない。また、主任職1等級と一般職3等級の基本給の額には約10万円もの差があり、Xも本件降格により約10万円もの減額を受けていることにも鑑みれば、本件降格によりXの基本給を減額することは、人事権の濫用として許されないというべきである。

上記判例のポイント3は、参考になりますね。

賃金の重要性に鑑みれば、規程の内容が抽象的であり、かつ、減額幅が大きい本件において、裁判所がこのような判断をしたことは妥当であると思います。

「降格処分が有効であるにもかかわらず」という視点を持つことが大切ですね。

日頃から顧問弁護士に相談しながら適切に労務管理を行うことが大切です。

本の紹介291 勝ち続ける意志力(企業法務・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。

__

←先日、仕事のついでに「カナキン亭」に行ってきました。

写真は、「カナキンチャーシュー」です。

中学時代からお世話になっているお店です。

部活帰りのカナキンラーメンは、最高においしかったです。 

思い出の味、おいしゅうございました。

今日は、午前中は、不動産に関する裁判が1件、新規相談が1件入っています。

午後は、労働事件の裁判が1件、新規相談が2件、破産の打合せが1件入っています。

今日も一日がんばります!!

さて、今日は本の紹介です。

 勝ち続ける意志力 世界一プロ・ゲーマーの「仕事術」 (小学館101新書)

著者は、世界一のプロゲーマーです。

ゲームをやることで収入を得るなんてすごいですね。 

本を読むと、現在の地位は、圧倒的な努力によるものであることがよくわかります。

近道も裏技もなく、ただただ人一倍努力するべきであるという熱いメッセージが伝わってきます。

職業こそ違いますが、考え方は共感するところがとても多いです。

普通の人とは明らかに違います。とても勉強になります。 おすすめです。

さて、この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

勝ち続けるためには、勝って天狗にならず、負けてなお卑屈にならないという絶妙な精神状態を保つことで、バランスを崩さず真摯にゲームと向き合い続ける必要がある。
バランスを保つ方法は人それぞれだと思うが、僕は、自分も人間だし相手も人間であるという事実を忘れないようにすることが、バランスを崩さないことだと考えている。つまり、自分にも相手にも特別なことは何もないということだ。自分が勝てたのは知識、技術の正確さ、経験、練習量といった当たり前の積み重ねがあったからで、得体の知れない自分という存在が相手を圧倒して手にした勝利などでは決してないということ。ひとりの人間がやるべきことをやり、もうひとりの人間に勝った。ただそれだけの、当たり前のことをやり続けた人間が、今回に限って勝てたということを忘れてはいけない。」(57~58頁)

「当たり前のことをやり続けた人間が、今回に限って勝てたということを忘れてはいけない」

何の奢りも感じられませんよね。

また、著者は、勝つため=成功するために必要な要素として、「知識、技術の正確さ、経験、練習量」といった「当たり前の積み重ね」が大切であると言っています。

成功したいと願っている人は、この「当たり前の積み重ね」の大切がよくわかっています。

何か特別なことをやらないと成功しないのではないか、と思ってしまう人もいると思います。

でも、実際は、当たり前のことを「積み重ねる」ことが成功の秘訣なのです。

誰でもできることを誰にもできないくらいやる、ということに尽きるわけです。

成功する人としない人の差は、当たり前のことを継続できるかどうかだけですから。

能力の差ではなく習慣の差だけだということを多くの成功者が説いています。

お互いがんばりましょう。