Author Archives: 栗田 勇

管理監督者33(フォロインプレンディ事件)

おはようございます。

さて、今日は、直営飲食店元店長または店長代理による未払賃金請求と管理監督者性に関する裁判例を見てみましょう。

フォロインプレンディ事件(東京地裁平成25年1月11日・労判1074号83頁)

【事案の概要】

Y社は、飲食店の経営等を目的とする会社である。

Xは、Y社との間で、労働契約を締結し、Y社の直営飲食店で勤務した。

Xは、Y社に対し、未払割増賃金を請求した。

Y社は、Xが店長または店長代理を務めていた期間、管理監督者に該当していたと主張し争った。

【裁判所の判断】

Xは、管理監督者ではない。
→Y社に対し、335万余円の割増賃金及び同額の付加金の支払いを命じた。

【判例のポイント】

1 労働基準法41条2号の趣旨は、いわゆる管理監督者については、職務及び責任の重要性並びに勤務実態に照らし、法定労働時間の枠を超えて勤務する必要があるため、法定労働時間等の規制に服させるのが適切でなく、また職務の内容及び権限並びに勤務実態に照らし、労働時間を自由に定めることができ、賃金等の待遇に照らし、労働時間等に関する規定の適用を除外されても、労働基準法1条の基本理念及び同法37条1項の趣旨に反しないと解されるため、労働時間、休憩及び休日に関する規定の適用を排除するところにあると解するのが相当である

2 Xは、平成21年1月末ころから同年8月5日までは「隠れやA店」の店長として、同年11月から平成22年4月までの間は「隠れやB店」の店長代理として、それぞれ稼働しており、アルバイト従業員の採用やその従業員らの労働時間の決定について一定の権限を有していたというのであるが、店長又は店長代理の地位は、XがY社に在籍していた当時における直営の6店舗、フランチャイズ加盟店舗を含めれば50を超える店舗のうち1つの長であって、2か月に1回の頻度で行われる店長会議及び主として毎年度末に開催される経営者会議への参加が義務付けられていたというものの、各店長又は店長代理はその1人として参加するにすぎなかったというのである。また、店長又は店長代理固有の業務は、営業日報・営業月報の作成、毎月のシフトの作成と各従業員の実労働時間の報告、年度ごとの事業計画書の作成、年度末に開催される経営者会議への参加等であり、それ以外は、店舗の営業時間のほとんどにおいて、配下のアルバイト従業員と同様の業務に従事するのが通常の形態であり、平成21年1月末ころ以降のXの基本給は22万円であるほか、役職手当等の権限ないし役職に対応する手当が支給されていたこともなかったというのである。
これらの事情に加え、「隠れやA店」の閉店の際に、Xの意見を聴取した形跡が窺われないこと等を総合すると、Y社が経営する飲食店の店長又は店長代理は、配下のアルバイト従業員等の採用や労働時間の決定等を行っていたものの、Y社そのものの重要決定事項への発言力や影響力があったとまではいえないし、労働時間についても自由に決定することができる状況にあったとは認め難い。また、賃金等の待遇に関しても、労働時間等に関する規定の適用を除外されても、労働基準法1条の基本理念及び同法37条1項の趣旨に反しないということができるものであったとまでは認められない。

久しぶりの管理監督者性に関する裁判例です。 絶滅危惧種です。

上記判例のポイント1は参考になります。

付加金も満額認められていますので、すごい金額になっていますね。

判決までいかずに和解で終わることはできなかったのでしょうか・・・。

管理監督者性に関する対応については、会社に対するインパクトが大きいため、必ず顧問弁護士に相談しながら進めることをおすすめいたします。

本の紹介255 現役ジャンボ機長が編み出した超音速勉強法(企業法務・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。

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←先日、事務所の近くの「雪有圭」に行ってきました。

写真は、鮑をバターで炒めたものです。

ぷりぷりでめちゃうまです。

仕事帰りには、たまりません。 

今日は、午前中は、島田の裁判所で、債権回収の裁判が入っています。

お昼は、富士で、顧問先の社長と打合せです。

午後は、沼津の裁判所で、離婚調停が入っています。 移動が多いです。

今日も一日がんばります!!

さて、今日は本の紹介です。

現役ジャンボ機長が編み出した 超音速勉強法

著者は、B747の機長です。

いろんな職業の方が勉強法の本を書いてくれていますね。

共通点は、みんな忙しい中、どうやって時間を作り、いかに効率的に勉強をするか、ということです。

「忙しい」は、勉強をしない理由にはならないということです。

さて、この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

自分自身への投資は『迷ったら買う』というスタンスをお勧めします。たとえば、本でも必要な資料のほか、めずらしいもの、おもしろそうなものを見つけたときは、迷わずに買ってしまいなさいということです。・・・お金はいったんは出ていきますが、きっと将来、何倍にもなって帰ってきます。目先の微々たるお金を惜しんでいると、将来の可能性を狭めることになりかねません。これから世の中へ出て行く人、将来のためにがんばっている人にはぜひ、今の段階での自分への投資をお勧めします。・・・自分自身への投資を行なっている人とそうでない人では、最初は少しずつの差ですが、やがて永久に追いつけないくらいの大きな差となって現れてきます。」(133~134頁)

賛成。

自己投資のためにはお金と時間を惜しまないという考えが大切だと思います。

特に若いうちは。

100万円を貯めても、そこから生まれるのは、微々たる利息だけです。

20代、30代にちゃんとお金と時間を投資した人とそうではない人では、40歳になったときにもうどうしようもないくらいの差がついているのだと思います。

時間はあっという間に過ぎていきます。

日々、向上心を持って、生活していきたいですね。

不当労働行為74(東海大学(付属仰星高校)事件)

おはようございます。 今週も一週間がんばっていきましょう!!

さて、今日は、協議結果をまとめた確認書への押印拒否と不当労働行為に関する命令を見てみましょう。

東海大学(付属仰星高校)事件(大阪府労委平成25年5月22日・労判1073号95頁)

【事案の概要】

組合は、高等学校と団交を行い、その内容をまとめた確認書を手渡した。

しかし、高等学校は、組合に対し、確認書に押印できない旨を述べた。

【労働委員会の判断】

確認書への押印拒否は不当労働行為にあたる

【命令のポイント】

1 ・・・こうした法人の対応は、高等学校を通じた団交の交渉の内容を明確化し、その到達点を労使が共有しようとする組合の努力に応じる姿勢を示しておきながら、その後に理由を示すことなく態度を翻したものであって、それまでの組合の努力を無に帰せしめるものであり、ひいては組合と、高等学校を通じた法人との団交の意義を失わせるものであるといわざるを得ず、誠実に団交に応じたということはできない

2 以上のとおりであるから、団交の確認書の締結に係る法人の対応は、交渉の到達点について書面を作成して組合と高等学校が共有しようとする過程において、高等学校を通じて、その見解を変遷させ、その説明を行わなかったものであって、不誠実団交に当たるとともに、組合に対する支配介入を行ったとみるのが相当であって、かかる対応は、労組法7条2号及び3号に該当する不当労働行為である。

合理的な理由なく確認書への押印を拒否すると、本件のように不当労働行為になりますので、注意してください。

組合との団体交渉や組合員に対する処分等については、まずは事前に顧問弁護士から労組法のルールについてレクチャーを受けることが大切です。決して素人判断で進めないようにしましょう。

本の紹介254 一流の想像力(企業法務・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。 今週も一週間、お疲れ様でした。
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←先日、音羽町にある「レッコリッコ」にランチを食べに行ってきました。

写真は、「海の幸のトマトソース」です。

住宅街の中にあります。 味は間違いありません。

おすすめです!!

今日は、午前中は、証人尋問の打合せとラジオの打合せが入っています。

午後は、ずっと労働事件の証人尋問です。

今日も一日がんばります!!

さて、今日は本の紹介です。

一流の想像力 (PHPビジネス新書)

著者は、リッツ・カールトン元日本支社長の方です。

大切なのは、「想像力」・「気づき」だそうです。

そのとおりだと思います。

とても参考になる本です。 おすすめです。

さて、この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

想像力を発揮することは、一流の仕事人にとって最も大事なことと言っていいと思います。どんなに真面目でも、いかに頭脳明晰でも、想像力が欠如していては、人の心を揺さぶるような仕事をするプロフェッショナルにはなれないと、私は思います。」(171頁)

人は何のために仕事をするのでしょうか。自分の成長のためということもありますが、それは最終的には人のために価値を作り出すという大前提があるはずです。・・・たとえば、会議をしていて、席を立つときに、椅子を後ろにドンと下げて、そのままの状態で出て行く人もいれば、その椅子を必ずテーブルに戻す人もいます。そのちょっとした違いが何かといえば、椅子をテーブルのなかに戻してあげることで、後ろを通る人の空間が増えるわけです。ほんの少しだけ他の人のことに自分の思いを持っていく、想像してみる、というエネルギーを使っています。」(172頁)

ここでいう「想像力」のことを私たちは日頃、「センス」と言ったりもしています。

気がきく人というのは、性格の問題なのでしょうか?

私は、違うと思います。

日頃から、「こうしたほうが周りの人の気分がいいだろうな」とか「こうしたほうが相手の人が理解しやすいだろうな」という意識を持っているかどうかなんだと思います。

「性格」ではなく、「意識」の問題だと思っています。

この本の著者は、これを「想像力」と表現しています。

いかなる仕事においても、この「想像力」が欠けていては、何もうまくいかないのではないでしょうか。

相手のことを思うという基本を忘れないことが大切なのです。

解雇120(三郡福祉会(虹ヶ丘学園・損害賠償)事件

おはようございます。

さて、今日は、廃園を理由に職員らを解雇した理事長等に対する損害賠償請求に関する裁判例を見てみましょう。

三郡福祉会(虹ヶ丘学園・損害賠償)事件(福岡地裁飯塚支部平成25年3月27日・労判1074号18頁)

【事案の概要】

本件は、知的障害者通所授産施設虹ヶ丘学園で勤務していたXらが、本件学園を経営していた社会福祉法人三郡福祉会の理事長であったA、同会理事であったB、C及びD並びに本件学園の保護者会会長であったEに対して、同人らが、もっぱらXらを解雇するために、本件学園の利用者らに虚偽の説明をして、本件学園と次年度の契約を締結しない旨の署名を徴収し、本件学園を廃園としてXらを解雇したことが解雇権の濫用に該当するとし、かかる事情を承知しつつ適切な指導を行わず、Xらの解雇を助長した福岡県も同様に責任を負うとして、各被告らに不法行為による損害賠償を求めた事案である。

なお、Xらの請求は、Xら主張の総損害額(X1につき合計約6900万円、X2につき合計約3560万円、X3につき合計約5720万円)に対する各一部請求である。

【裁判所の判断】

A、B、C、D及びEは、連帯して、X1に対し約260万円を、X2に対し約360万、X3に対し約250万円を支払え。

福岡県に対する請求は棄却

【判例のポイント】

1 Eが、他の理事らと協議のうえ、本件組合を兵糧攻めにすることを企図し、利用者24名のうち23名から翌年度の支援契約を結ばないことを記した申出書を取り付けて、三郡福祉会の経営が困難である外形を作出したうえで施設を閉鎖することを決定し、本件組合に所属するXらを含む職員を年度末をもって解雇したことにつき、本件申出書の作成はXらを退職させるか、本件組合から脱退させるという目的のために綿密に連携してなされた行動の一部と評価できるものであるとされ、もっぱら前記の目的に基づき、Eおよび理事らが共謀して本件学園の廃園と本件解雇を行ったものと推認することができる。そして、かかる本件解雇を主導し、実施したE及び理事らの不法行為責任は免れないものというべきである。

2 社会福祉法は、福祉サービスの利用者の利益の保護及び地域における社会福祉の推進等を図る手段として、社会福祉事業従事者の処遇、すなわち労働条件や労働環境等を改善することをもその趣旨及び目的としているが、これは、福祉サービスの利用者の利益の保護や地域における社会福祉の推進等という、より高次の目的達成のための手段にとどまるものであるから、これに対応して、社会福祉事業従事者の労働条件や労働環境等の改善に関し、所轄庁に付与されている権限も、指導及び助言にとどまり、不当労働行為の存否や解雇の有効性等の個別の労働問題について公権的に介入する権限までは付与されていない。
そうすると、被告県に社会福祉事業従事者の労働条件や労働環境等に配慮する義務があるとしても、その内容・程度は相当に限定的なものといわざるを得ず、被告県が、社会福祉法人の労働条件や労働環境等に問題があることを認識しながら、社会福祉法91条に基づく指導又は助言を行うことなく放置し、かえって問題状況を容認しこれを助長する処分を行うがごとき特段の事情がない限り、同義務に違反することを理由として、被告県の行為が不法行為を構成することはないと解される。

3 Xらは、未払賃金相当額の逸失利益として、それぞれの定年までの就労継続を前提とする得べかりし賃金等の請求をしているものの、本件解雇がなかったとしても、Xらの定年まで三郡福祉会が事業を継続し、かつ、Xらが定年まで三郡福祉会で勤務を続けるという高度の蓋然性が認められるものではない。他方、本件学園は定員割れの状況であったものの、支援費の支給が期待できることなども考慮すれば、E会長及び理事らによる本件学園の廃園及び本件解雇がなければ、最低でも1年は本件学園の事業の継続は可能であり、かつ、Xらが本件学園で勤務を継続することも確実であったと考えられ、また、本件解雇後、通常再就職に要する期間としても、長くとも1年程度と考えられることなどに照らせば、不法行為と相当因果関係の認められる損害の範囲としては、1年分の給与相当額を限度とするのが相当である
また、本件解雇による財産的損害として、相当期間の未払賃金相当額が認められる本件においては、さらに、精神的損害である慰謝料を認めるのは相当ではない。
さらに、Xらは、仮処分により三郡福祉会から賃金請求権の一部の支払を受けているところ、後の本案訴訟の確定判決を得て、支払の効果が確定している。したがって、Xらの損害賠償請求権と実質的に競合する前記賃金請求権の回収分については、Xらに損害が発生していないというべきであるから、これを前記の1年分の給与等相当額損害額から控除すべきものである。

非常に珍しいタイプの解雇事案ですね。

立証のハードルが通常の解雇事案よりも数段高いことは容易に理解できます。

学園が廃園している以上、学園を被告としても回収できないため、不法行為構成とし、被告を法人ではなく理事等にしたわけです。

解雇を選択する前には必ず顧問弁護士に相談の上、慎重かつ適切に対応することが肝心です。決して、素人判断で進めないようにしましょう。

本の紹介253 スラムダンク論語(企業法務・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。

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←先日、紺屋町に新しくオープンした「寿し幸 実宇栄」に行ってきました。

写真は、「ウニクレ」です。

ウニとクレソンを炒めてあります。それをパンと一緒に食べるのです。 お寿司屋さんとは思えません。

お寿司屋さんとは思えないメニューの充実さに脱帽です。

おいしゅうございました。 

今日は、午前中は、富士の裁判所で労働事件の裁判が1件入っています。

午後は、静岡に戻り、破産事件の債権者集会、不動産関係の裁判、裁判員裁判対象事件の事前打合せ、顧問先会社との打合せが入っています。

今日も一日がんばります!!

さて、今日は本の紹介です。

 スラムダンク論語

このような系統の本は、無理がある場合が多いですが、あまりそこは深くつっこまずに読めば、発想とチャレンジ精神を参考にすることができます。

帯に「『スラムダンク』の名言と『論語』の名言は、これほどまで見事に共鳴している。」

と書かれていますが、言うほど共鳴していません(笑)

さて、この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

義を見て為さざるは勇なきなり」(193頁)

意味は、「人としてなさねばならない正しいことがわかっているのに、やろうとしないのは、真の勇気がない臆病者である」という意味です。

 有名な言葉です。

私の尊敬する経営者の方が、「人間として一番大切にしなければいけないのは『義』だ」と仰っていました。

人として正しいことをしなければいけないということです。

「自分が得をする、儲かる、だけど人としてどうなの?」ということはしてはいけないのです。

損得だけを判断基準にすると、「義」を忘れてしまいますよね。

いつまでも「義」を忘れないで仕事をしていきたいです。

不当労働行為73(日本郵便事件)

おはようございます。 今週も一週間、がんばっていきましょう!!

さて、今日は人事異動と不当労働行為に関する命令を見てみましょう。

日本郵便事件(神奈川県労委平成25年6月21日・労判1073号93頁)

【事案の概要】

平成23年3月頃、Xは、「動労千葉を支援する会・全逓横浜」を結成し、代表に就任した。

同年7月、Y社は、Xに対し、横浜泉支店第二集配営業課への人事異動がある旨を伝えたが、Xは、拒否すると述べた。

同月、Xは、戸塚支店前等において、強制配転反対との見出しのビラを配布した。

その翌日、Y社は、Xに横浜泉支店第二集配営業課への異動を発令した。

なお、この異動により、Xの担当業務に変更はなく、同人の通勤時間は、片道約45分から約65分となった。

【労働委員会の判断】

本件人事異動は不当労働行為に当たらない。

【命令のポイント】

1 一般的に、労組法7条1号に定めのある「労働組合の正当な行為」とは、労働組合自身が行う行為、若しくは組合員が労働組合からの授権によって行う行為に限られるものではなく、客観的にみて組合員に影響する労働条件の維持・改善などを図る行為や、労働組合の自主的・民主的運営を志向する組合員による自発的活動をも含むと解すべきである

2 支援する会は、組合のあり方を変えていく体質改善を目的としてはいるものの、実際には組合の組合員以外の者も所属することができる会であり、その主な活動は、動労千葉の国鉄分割民営化に反対して解雇された動労千葉の組合員に対しての支援活動として物資販売を行うことを通じて解雇撤回の運動を職場の中に広めること、被災地への救援物資販売、反原発の運動などであり、客観的にみて労働条件の維持・改善など組合の目的に沿った活動であるとはいい難い。現に動労千葉を支援する会の要綱には組合に関する項目はなく、支援する会が労働条件に係る問題を取り上げ会社に対し要求した事実もない。このほか、支援する会の活動が組合内の意見表明行為であるとする特段の事情も認められず、組合の自主的・民主的運営を志向する活動はいえない。
したがって、支援する会の活動が労働組合の行為とは認められない以上、それが正当な行為か否かを問題とするまでもなく、本件人事異動は労組法7条1号の不利益取扱いには該当せず、ひいては支援する会に対する同3号の支配介入にも該当しない

労組法7条1号の「労働組合の正当な行為」の意義について示されています。

こういう形での判断は、珍しいと思います。 参考にしてください。

組合との団体交渉や組合員に対する処分等については、まずは事前に顧問弁護士から労組法のルールについてレクチャーを受けることが大切です。決して素人判断で進めないようにしましょう。

本の紹介252 決断できる人は2択で考える(企業法務・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。今週も一週間、お疲れ様でした。

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←先日、「焼肉・ホルモン六番町」に行ってきました。

写真は、「上ロース」です。すばらしい。

上カルビは、20代までの食べ物だと最近思うようになりました。

おいしゅうございました。

今日は、終日、会社訪問をしてきます。

夕方から、検察庁へ行き、刑事裁判(否認事件)の準備です。

夜は、顧問先の社長のお誕生日会です。

今日も一日がんばります!!

さて、今日は本の紹介です。

 決断できる人は2択で考える (星海社新書)

 

決断できる人の特徴について書かれている本です。

どうしたら決断力を高めることができるのか、というテーマは、私の大きな関心事です。

ということで、買ってみました。

さて、この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

僕がほとんどしないこと。それは『人に相談をして決める』。人の意見に耳を貸さない、というのではありません。自分がすべき決断を、人に委ねない、と言えばいいでしょうか。
よく、重要な決断の前に誰かに相談をしたがる人がいます。僕もたまにそうした質問を受けることがあって、『それは、これこれこうしたほうがいいんじゃない』とアドバイスをすることはあります。すると、返ってくるのは『え~、でもこうじゃない?』という反対意見だったりします。『それなら聞かないで自分で決めたらいいのに』と思います。アドバイスを求める人にありがちなのは、自分の中でもう結論が出ているのに他人に相談する。これは、背中を押してもらって、自分の意見を正当化したいだけ。」(60頁)

同意見です。

私が、何かを相談する場合、心がけていることがあります。

1つ目。 相談する相手は、特定の1人だけ。 10人も20人も相談しても何の意味もないからです。

多数決で決めるの?みたいな気持ちです。

2つ目。 相談した方の意見に従う。 単に背中を押してもらいたいだけ、という相談のしかたはしない。

結局、自分の中で結論が決まっているのに、相談するのは時間の無駄だからです。

また、相談を受けていただく方の時間を奪うことになるからです。 むしろこちらの方が大きいです。

相談をする場合、自分が心から信用している人1人だけに相談をし、その人の意見に従うというのが私のルールです。

とにかく相手の時間を無駄に奪わないことです。 

賃金65(朝日交通事件)

おはようございます。

さて、今日は、タクシー運転手らによる未払賃金等請求に関する裁判例を見てみましょう。

朝日交通事件(札幌地裁平成24年9月28日・労判1073号86頁)

【事案の概要】

本件は、Xらが、Y社に対し、時間外等割増賃金の未払があるとして、その支払と、同額の労働基準法114条に基づく付加金の支払等を求める事案である。

【裁判所の判断】

Y社に対し、合計約700万円の未払残業代の支払いを命じるとともに、同額の付加金の支払いを命じた。

【判例のポイント】

1 Y社賃金体系は、時間外等の労働時間に関係なく、出来高によって決定される完全歩合制であり、労基法等に従った時間外等の各割増賃金の支払を行わないものであって、出来高が少なければ最低賃金を下回る場合もあるし、有給補償は平均営収の28.8%とされているのであって、労基法等に違反することは明らかである

2 Y社は、休憩時間協定を適用すれば、労基法算定をしても、Y社のXらに対する未払賃金は、いずれもXら算定より少なくなるなどと主張する。しかし、客待ちのための停車が15分以上となることも十分あり得るものと考えられ、15分以上の停車を休憩時間とみなすことは相当でなく、休憩時間協定があるからといって、15分以上の停車を勤務時間から除外することはできないというべきであり、休憩時間として1時間を控除するXらの算定は相当である。

3 Y社賃金算定では、従業員が実際に従事した勤務の実態を反映させることなく、総営収を100%として、基本給34%、深夜時間手当4%、超勤時間手当11.8%、臨時労働手当4.2%と形式的に割り振っているのであるが、このような勤務実態と乖離した割振りをあえて行っていること自体、完全歩合制による賃金体系が労基法等に違反することを認識しながら、一見労基法等に従っているかのように書類上の形を整えるために行っていることが推認できるものであり、これを覆すに足りる証拠はないし、他のタクシー会社もこのような賃金体系を採用しているからといって、違法な行為が許されるものでないことも自明のことであって、付加金の支払を命ずることの相当性が失われるものではない

4 以上の認定事実等を総合すると、Y社に対し、Xらに対する付加金の支払を命ずるのが相当である。なお、仮に、Y社が主張するように、日本全国の大部分のタクシー会社が、Y社と同様に労基法等に違反する完全歩合制を採用しているのであるとすれば、タクシーの乗務員に過重な労働を強いたり、出来高を上げるための無理な運転等を助長させることにもつながり、従業員及び乗客のみならず第三者を含む道路交通の安全性にも関わるのであって、むしろ、違法な行為を防止するという観点からしても、付加金の支払を命じることが相当というべきである

すごい金額ですね。付加金を合わせると、1400万円!!

会社側は、控訴して、未払残業代を全額支払い、付加金の支払を免れる方法をとるのではないでしょうか。

「多くのタクシー会社は、完全歩合でやっているじゃないか!」という主張は、上記判例のポイント4で一蹴されています。

他の多くのタクシー会社さん、どうするのでしょうか。

残業代請求訴訟は今後も増加しておくことは明白です。素人判断でいろんな制度を運用しますと、後でえらいことになります。必ず顧問弁護士に相談をしながら対応しましょう。

本の紹介251 東大医学部生が書いた頭がよくなる勉強法(企業法務・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。

さて、今日は、本の紹介です。

 東大医学部生が書いた頭がよくなる勉強法

東大理Ⅲの方が書かれた勉強法に関する本です。

内容は、特に奇をてらったことは書かれておらず、すべて王道の勉強法です。

当たり前のことを飽きずに反復継続してできればよいのです。

さて、この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

天才と呼ばれることの多い、野球選手のイチロー選手は、試合が終わると必ずビデオで自分のフォームをチェックします。その真面目さにはアメリカの大リーガーたちも舌を巻きます。イチロー選手が圧倒的な強さを誇っている背景には、持ち前の才能だけではなく、物理的に多くの時間を野球に対して割いていることもあるのです。多かれ少なかれ、各界のトップで活躍する人たちというのは、才能に加えて、多大なる時間をその世界での活躍のために振り向けています。」(159頁)

このことは、いろんな本に書かれていることですね。

楽をして、トップに立った人はいないということです。

トップを目指す人に限っては、「ワークライフバランス」は無縁のものかもしれませんね。

私たちのように個人事業で仕事をしている人や経営者は、好きなだけ仕事をしても、会社からも労基署からも何も言われないので、かえって気が楽です。

体力の続く限り、仕事に没頭したいと思います。