Category Archives: 賃金

賃金255 退職手当不当受領に基づく損害賠償請求権と消滅時効(労務管理・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。

今日は、退職手当不当受領に基づく損害賠償請求権と消滅時効に関する裁判例を見ていきましょう。

神戸市事件(大阪高裁令和4年12月20日・労判ジャーナル133号28頁)

【事案の概要】

本件は、K市が、Xらに対し、次の①のとおり主張して、次の②の請求をする事案である。
①K市は、地方公共団体であり、Xらは、K市の元職員又はその法定相続人である。当該元職員らは、労働組合の業務に専従し、あるいは専従期間に関する法令の適用を回避するために特定法人へ退職派遣されていた期間があり、K市は、Xらに対して退職手当を支払うに当たり、当該退職手当の額を算定するについては、前記専従期間及び退職派遣の期間を法令(又はその趣旨)に従って在籍期間から除算すべきであるのに、労働組合との間で法令の定める専従期間の上限を超過した者について当該除算すべき期間を限定する違法な取決めをした上、当該取決めに基づき本来除算すべき期間を除算せず高額な退職手当を支払った。本件退職手当受給者らが、当該退職手当を受領するに当たり除算期間の誤りを正すことなく退職手当を受領した不法行為により、K市に損害が生じた。
②不法行為に基づく損害賠償請求権に基づき、当該退職手当の過払額相当額の損害賠償金+遅延損害金の支払を求める。

原審は、当事者双方の不法行為の成否をめぐる主張のやり取りが続く中、第6回口頭弁論期日において、消滅時効の成否について判断するとして弁論を終結した。
原審は、K市の主張する損害賠償請求権は時効により消滅したとして、K市の請求をいずれも棄却し、K市は本件控訴を提起した。

【裁判所の判断】

原判決を取り消す。
本件を神戸地方裁判所に差し戻す。

【判例のポイント】

1 不法行為に基づく損害賠償請求権の消滅時効は、被害者が損害及び加害者を知った時から起算される(民法724条)。そして、「損害及び加害者を知った時」とは、加害者に対する賠償請求が事実上可能な状況のもとに、その可能な程度にこれを知った時を意味し(最高裁昭和48年11月16日判決参照)、被害者が法人である場合には、通常、法人の代表者又は不法行為に関係する事柄について代表者から委任を受けるなど、特定の事項につき法人を代表する権限を有する者が「損害及び加害者」を知った時から時効期間が進行すると解される。
もっとも、代表者等も他の加害者とともに当該不法行為に加担するなどし、代表者等と他の加害者との共同不法行為が成立するような場合には、加害代表者等が損害賠償請求権を行使することを現実的に期待することは困難であるから、このような場合には単に加害代表者等が損害及び加害者を知るのみでは時効期間は進行せず、法人の利益を正当に保全する権限のある加害代表者等以外の代表者等において、損害賠償請求権を行使することが可能な程度に「損害及び加害者」を知った時から、時効期間が進行すると解するのが相当である。

2 これを本件についてみると、本件退職手当の受給が違法であるかについて当事者間に争いがあるものの、仮に本件退職手当の支給が給与条例主義の趣旨に反するものであり違法であるとして、その受給行為が不法行為に該当する場合には、給与課長が本件取決めに基づき、違法な退職手当支給決裁を行うのは、K市に対する背信行為であるといわざるを得ない。給与課長による支給決裁と本件退職手当受給者らによる受給行為は、K市に対する共同不法行為に当たるというべきである。
そして、弁論の全趣旨によれば、K市においては、給与課長が違法に支給された退職手当の返還請求を行う権限を有すると認められる。ところが、給与課長であっても、違法な退職手当支給決裁を行った場合には、自らが加担した共同不法行為に関し、自らこれを是正し、又はK市代表者を通じてK市が損害賠償請求権を行使するための役割を果たすことは期待できない。当該給与課長自身の認識のみを基準に、消滅時効の時効期間が進行するということはできない
そうすると、本件退職手当受給者らのうち、最終の本件退職手当を受給したY1の退職手当支給決裁を行った給与課長には、自らが加担した共同不法行為に関し、自らこれを是正し、又はK市代表者を通じて控訴人神戸市が損害賠償請求権を行使するための役割を果たすことは期待できなかったといえるから、給与課長の認識を基準に、消滅時効の時効期間が進行するとはいえない

上記判例のポイント1の消滅時効の起算日についての考え方は、是非、しっかりと押さえておきましょう。

日頃から顧問弁護士に相談の上、適切に有給休暇に関する運用を行うことが肝要です。

賃金254 年次有給休暇の時季変更権行使が適法とされた事案(労務管理・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。

今日は、年次有給休暇の時季変更権行使が適法とされた事案を見ていきましょう。

阪神電気鉄道事件(大阪地裁令和4年12月15日・労経速2512号22頁)

【事案の概要】

鉄道事業を営むY社に雇用されて車掌として勤務していたXは、平成30年9月19日につき年次有給休暇の時季指定をしたところ、Y社により時季変更権を行使されたが出勤せず、翌20日に欠勤を理由とする注意指導を受け、1日分の賃金9714円を減給された。
本件は、Xが、上記時季変更が違法であると主張して、Y社に対し、①雇用契約に基づき、減給された賃金9714円+遅延損害金、②労働基準法114条に基づき、上記賃金と同額の付加金+遅延損害金、③不法行為に基づき、違法な時季変更権の行使を前提とする注意指導による慰謝料50万円+遅延損害金の各支払を請求する事案である。

【裁判所の判断】

請求棄却

【判例のポイント】

1 時季変更権の行使の要件である「事業の正常な運営を妨げる場合」に該当するか否かの判断において、代替勤務者確保の難易は、その判断の一要素であって、特に、勤務割による勤務体制がとられている事業場の場合には、重要な判断要素であるというべきである。このような勤務体制がとられている事業場において、勤務割における勤務予定日につき年次休暇の時季指定がされた場合に、使用者としての通常の配慮をすれば、代替勤務者を確保して勤務割を変更することが客観的に可能な状況にあると認められるにもかかわらず、使用者がそのための配慮をしなかった結果、代替勤務者が配置されなかったときは、必要配置人員を欠くことをもって事業の正常な運営を妨げる場合に当たるということができないと解するのが相当である(最高裁昭和62年7月10日判決、最高裁昭和62年9月29日判決)。
そして、勤務割における勤務予定日につき年次休暇の時季指定がされた場合に、使用者としての通常の配慮をすれば代替勤務者を確保して勤務割を変更することが客観的に可能な状況にあったか否かについては、当該事業場において、年次休暇の時季指定に伴う勤務割の変更が、どのような方法により、どの程度行われていたか、年次休暇の時季指定に対し使用者が従前どのような対応の仕方をしてきたか、当該労働者の作業の内容、性質、欠勤補充要員の作業の繁閑などからみて、他の者による代替勤務が可能であったか、また、当該年次休暇の時季指定が、使用者が代替勤務者を確保しうるだけの時間的余裕のある時期にされたものであるか、更には、当該事業場において週休制がどのように運用されてきたかなどの諸点を考慮して判断されるべきである。上記の諸点に照らし、使用者が通常の配慮をしたとしても代替勤務者を確保して勤務割を変更することが客観的に可能な状況になかったと判断しうる場合には、使用者において代替勤務者を確保するための配慮をしたとみうる何らかの具体的行為をしなかったとしても、そのことにより、使用者がした時季変更権の行使が違法となることはないと解するのが相当である(最高裁平成元年7月4日判決)。

2 Y社は、勤務割の中に予備循環を設けたり、W勤務を命じたりするなどして代替勤務者を確保していたところ、9月19日については、Xに先行して年休申請した車掌や社内行事のために勤務できない車掌がおり、Xに対して同日の年休を付与すると、確保していた代替勤務者を超える補充要員が必要となり、勤務割で確保された公休日の出勤回避やW勤務の上限の遵守といったQ1列車所において労使合意により実施されてきた取扱いに反しなければ、補充人員を確保できない状況にあったものということができる。これらの事情に照らすと、本件時季指定が1か月前にされたものであり、その間に使用者が通常の配慮をしたとしても、同日は、Xの代替勤務者を確保して勤務割を変更することが客観的に可能な状況にはなかったというべきである。

使用者の時季変更権の行使は上記判例のポイント1のとおり、決して簡単には認められません。

まずは最高裁の規範を押さえた上で、慎重に対応する必要があります。

日頃から顧問弁護士に相談の上、適切に有給休暇に関する運用を行うことが肝要です。

賃金253 中退共に基づく退職金から社内規定に基づく退職金額を控除した差額を会社に支払う旨の合意の有効性(労務管理・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。

今日は、退職金の差額分返還請求と損害賠償請求に関する裁判例を見ていきましょう。

タイムス物流事件(大阪地裁令和4年12月22日・労判ジャーナル133号22頁)

【事案の概要】

本件は、貨物の輸送等を業とするY社に勤務し退職したXが、独立行政法人勤労者退職金共済機構との間で締結していた、中小企業退職金共済法に基づく退職金共済契約に基づいて、機構から退職金の支払いを受けたところ、本訴において、Y社が、Xとの間で、Xが機構から受け取る退職金からY社の社内規定に基づく退職金額を控除した差額をY社に対して支払う旨の合意を締結したと主張して、Xに対し、同合意に基づき、同差額である約113万円等の支払を求め、反訴において、本訴の提起が、裁判制度の趣旨目的に照らして著しく相当性を欠く行為であるとして、Xが、Y社に対し、不法行為に基づき、本訴に対応するための弁護士費用である11万円の損害賠償等の支払を求めた事案である。

【裁判所の判断】

本訴請求棄却

反訴請求棄却

【判例のポイント】

1 中小企業退職金共済法の定め等によれば、同法は、従業員の福祉の増進と中小企業の振興という同法所定の目的を達するため、従業員が、事業主を介することなく、直接、機構から原則として同法の定める額の退職金を取得する仕組みを設け、国は、掛金の助成や事業主に対する税制における優遇といった、通常の退職金制度では認められない措置を講じるものとしているところ、従業員が、機構から受け取る同法所定の退職金と事業主があらかじめ定めた額との差額を、事業主に対して返還する旨の合意の効力について検討すると、同同意は、使用者である事業主が、労働者である従業員に対し、実質的に、退職金請求権の一部を譲渡することを義務付け、中小企業退職金共済法10条5項の要件を満たさないのに、これが適用された場合と同様の結果をもたらすことを可能とするものといえ、また、同合意は、事業主が、同法の規定する退職金額よりも低い水準の退職金制度をもうけながら、中退共を利用することによって、国から、より高い水準の退職金の支給を前提とした掛金の助成を受け、自ら運営する退職金制度では得られない税制面の優遇を受けることを可能とするものといえるから、中退共退職金返還合意は、中小企業退職金共済法1条、10条5項及び同法20条等の趣旨、目的に著しく反するものであって、民法90条により、無効であると解すべきである。

中退共を利用されているみなさんは、是非、この裁判例を理解しておきましょう。

日頃から顧問弁護士に相談の上、適切に労務管理をすることが肝要です。

賃金252 時間外労働手当の定額払いの有効性(労務管理・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。

今日は、時間外労働手当の定額払いの有効性に関する最高裁判決を見ていきましょう。

熊本総合運輸事件(最高裁令和5年3月10日・労判ジャーナル133号2頁)

【事案の概要】

本件は、Y社に雇用され、トラック運転手として勤務していたXが、Y社に対し、時間外労働、休日労働及び深夜労働に対する賃金並びに付加金等の支払を求める事案である。

原審(福岡高裁令和4年1月21日判決)は要旨、次のように述べて、弁済により賃金の未払はなくなったなどとして、Xの各請求を棄却した。
本件割増賃金のうち調整手当については、時間外労働等の時間数に応じて支給されていたものではないこと等から、その支払により労働基準法37条の割増賃金が支払われたということはできない。他方、本件時間外手当については、平成27年就業規則の定めに基づき基本給とは別途支給され、金額の計算自体は可能である以上、通常の労働時間の賃金に当たる部分と同条の割増賃金に当たる部分とを判別することができる上、新給与体系の導入に当たり、Y社から労働者に対し、本件時間外手当や本件割増賃金についての一応の説明があったと考えられること等も考慮すると、時間外労働等の対価として支払われるものと認められるから、その支払により同条の割増賃金が支払われたということができる。

【裁判所の判断】

破棄差戻し

【判例のポイント】

1 労働基準法37条は、労働基準法37条等に定められた方法により算定された額を下回らない額の割増賃金を支払うことを義務付けるにとどまり、使用者は、労働者に対し、雇用契約に基づき、上記方法以外の方法により算定された手当を時間外労働等に対する対価として支払うことにより、同条の割増賃金を支払うことができる。そして、使用者が労働者に対して同条の割増賃金を支払ったものといえるためには、通常の労働時間の賃金に当たる部分と同条の割増賃金に当たる部分とを判別することができることが必要である。
雇用契約において、ある手当が時間外労働等に対する対価として支払われるものとされているか否かは、雇用契約に係る契約書等の記載内容のほか、具体的事案に応じ、使用者の労働者に対する当該手当等に関する説明の内容、労働者の実際の労働時間等の勤務状況などの諸般の事情を考慮して判断すべきである。その判断に際しては、労働基準法37条が時間外労働等を抑制するとともに労働者への補償を実現しようとする趣旨による規定であることを踏まえた上で、当該手当の名称や算定方法だけでなく、当該雇用契約の定める賃金体系全体における当該手当の位置付け等にも留意して検討しなければならないというべきである(以上につき、最高裁平成30年7月19日判決、最高裁令和2年3月30日判決)。

2 新給与体系の下においては、時間外労働等の有無やその多寡と直接関係なく決定される本件割増賃金の総額のうち、基本給等を通常の労働時間の賃金として労働基準法37条等に定められた方法により算定された額が本件時間外手当の額となり、その余の額が調整手当の額となるから、本件時間外手当と調整手当とは、前者の額が定まることにより当然に後者の額が定まるという関係にあり、両者が区別されていることについては、本件割増賃金の内訳として計算上区別された数額に、それぞれ名称が付されているという以上の意味を見いだすことができない
そうすると、本件時間外手当の支払により労働基準法37条の割増賃金が支払われたものといえるか否かを検討するに当たっては、本件時間外手当と調整手当から成る本件割増賃金が、全体として時間外労働等に対する対価として支払われるものとされているか否かを問題とすべきこととなる。

3 Y社は、労働基準監督署から適正な労働時間の管理を行うよう指導を受けたことを契機として新給与体系を導入するに当たり、賃金総額の算定については従前の取扱いを継続する一方で、旧給与体系の下において自身が通常の労働時間の賃金と位置付けていた基本歩合給の相当部分を新たに調整手当として支給するものとしたということができる。
そうすると、旧給与体系の下においては、基本給及び基本歩合給のみが通常の労働時間の賃金であったとしても、Xに係る通常の労働時間の賃金の額は、新給与体系の下における基本給等及び調整手当の合計に相当する額と大きく変わらない水準、具体的には1時間当たり平均1300~1400円程度であったことがうかがわれる。一方、上記のような調整手当の導入の結果、新給与体系の下においては、基本給等のみが通常の労働時間の賃金であり本件割増賃金は時間外労働等に対する対価として支払われるものと仮定すると、Xに係る通常の労働時間の賃金の額は、19か月間を通じ、1時間当たり平均約840円となり、旧給与体系の下における水準から大きく減少することとなる。
また、Xについては、上記19か月間を通じ、1か月当たりの時間外労働等は平均80時間弱であるところ、これを前提として算定される本件時間外手当をも上回る水準の調整手当が支払われていることからすれば、本件割増賃金が時間外労働等に対する対価として支払われるものと仮定すると、実際の勤務状況に照らして想定し難い程度の長時間の時間外労働等を見込んだ過大な割増賃金が支払われる賃金体系が導入されたこととなる
しかるところ、新給与体系の導入に当たり、Y社からXを含む労働者に対しては、基本給の増額や調整手当の導入等に関する一応の説明がされたにとどまり、基本歩合給の相当部分を調整手当として支給するものとされたことに伴い上記のような変化が生ずることについて、十分な説明がされたともうかがわれない
以上によれば、新給与体系は、その実質において、時間外労働等の有無やその多寡と直接関係なく決定される賃金総額を超えて労働基準法37条の割増賃金が生じないようにすべく、旧給与体系の下においては通常の労働時間の賃金に当たる基本歩合給として支払われていた賃金の一部につき、名目のみを本件割増賃金に置き換えて支払うことを内容とする賃金体系であるというべきである。そうすると、本件割増賃金は、その一部に時間外労働等に対する対価として支払われているものを含むとしても、通常の労働時間の賃金として支払われるべき部分をも相当程度含んでいるものと解さざるを得ない。
そして、前記事実関係等を総合しても、本件割増賃金のうちどの部分が時間外労働等に対する対価に当たるかが明確になっているといった事情もうかがわれない以上、本件割増賃金につき、通常の労働時間の賃金に当たる部分と労働基準法37条の割増賃金に当たる部分とを判別することはできないこととなるから、被上告人の上告人に対する本件割増賃金の支払により、同条の割増賃金が支払われたものということはできない。
したがって、Y社のXに対する本件時間外手当の支払により労働基準法37条の割増賃金が支払われたものとした原審の判断には、割増賃金に関する法令の解釈適用を誤った違法がある。

有名な最高裁判決です。

振り分け方式に基づく賃金体系については、今後は採用しにくくなることは明らかです。

日頃から顧問弁護士に相談の上、適切に労務管理をすることが肝要です。

賃金251 業務関連費用を労働者に負担させることの労基法24条1項違反該当性(労務管理・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。 今週も1週間がんばりましょう。

今日は、業務関連費用を労働者に負担させることの労基法24条1項違反該当性について見ていきましょう。

大陸交通事件(東京地裁令和3年4月8日・労判1282号62頁)

【事案の概要】

本件は、Y社に雇用され、タクシー乗務員として勤務していたX1が、Y社に対し、
ア 乗務員の歩合給の算定にあたり、クレジットチケット、クレジットカード及びID決済の取扱手数料を乗務員に負担させることは、労働基準法24条1項本文に定める賃金全額払の原則に反する違法行為であるから許されず、本件手数料を乗務員に負担させない場合の賃金と実際に支払われた賃金との差額が未払であると主張して、
①主位的には、賃金請求権に基づき、平成27年8月25日から平成29年7月25日までを支払日とする未払賃金+遅延損害金の支払を求め、
②予備的には、民法704条に基づき、上記未払賃金相当額の不当利得金+利息の支払を求め、
また、③民法704条に基づき、平成19年8月25日から平成27年7月25日までを支払日とする未払賃金相当額の不当利得金+利息の支払を求め、
イ 歩合給の算定にあたり本件手数料を負担させられ続けたことや、定年を迎えた際に退職を余儀なくさせられたことなどにより、精神的苦痛を受けたと主張して、民法709条に基づき、慰謝料+遅延損害金の支払を求め、
ウ 過失によりY社の営業車両を損傷したことから、被告の規定に基づき、事故負担金を支払ったが、Y社は、損傷部分の全てを修理しておらず、修理未了の部分に係る事故負担金を不当に利得していると主張して、民法703条に基づき、修理未了の部分に係る事故負担金相当額+遅延損害金の支払を求める事案である。

【裁判所の判断】

請求棄却

【判例のポイント】

1 労働契約の内容となる賃金体系の設計は、法令による規制及び公序良俗に反することがない限り、私的自治の原則に従い、当事者の意思によって決定することができるものであり、基本的に労使の自治に委ねられている事柄というべきである。歩合給に関し、出来高払制の保障給(労基法27条)及び最低賃金(同法28条)の規制はあるものの、歩合給の定め方を指定し、あるいは規制した法令等は見当たらない
そして、歩合給は、成果主義に基づく賃金であり、労働の成果に応じて金額が変動することを内容とするものである以上、労働の成果ということのできる使用者の得た利益に応じて歩合給の金額が変動する賃金体系は、合理性を有するものといえる。
Y社における歩合給は、本件改正前から一貫して「月間営業収入」(旧給与規定7項の「月間運送収入」と同じ意味である。)のうち44万円を超える金額に45%を乗じて算定するとされているところ、本件給与規定14条本文は、労働の成果ということのできる使用者の得た利益に応じて歩合給を算定するために、タクシーの乗客が支払う運賃料金総額から、被告にそもそも入金されず、被告の利益とはならない本件手数料を控除した残額を歩合給算定の基礎となる「月間営業収入」とする旨を内容とするものであるから、成果主義に基づく賃金を算定するための合理性を有する規定ということができる。

2 そして、本件給与規定14条本文は、同規定6条1項に基づき算定された従業員の歩合給から本件手数料を控除するという内容ではなく、あくまでも、成果主義に基づく賃金である歩合給を算定するにあたり、その算定基礎となる「月間営業収入」を算定する過程で、本件手数料の存在を考慮するものにすぎない
したがって、本件給与規定14条本文は、労基法24条1項本文の賃金全額払の原則に反するものではない

3 なお、旧給与規定には、本件給与規定の「月間営業収入」と同じ意味である「月間運送収入」について、タクシーの乗客が支払う運賃料金総額から本件手数料を控除したものとする旨の明文の規定は存在しなかったことから、本件給与規定14条本文の新設は、外形上、就業規則の不利益変更に当たるとみる余地もある。
しかしながら、Y社は、クレジットカード決済機の導入前から、歩合給を算定するにあたり、タクシーの乗客が支払う運賃料金総額から被告の収入とはならない消費税等を控除したものを「月間運送収入」とする取扱いをしており、旧給与規定は、歩合給について、労働の成果ということのできる使用者の得た利益に応じて金額を変動させるとの考え方を採用していたと解することができる。
そうすると、本件給与規定14条本文の内容は、旧給与規定の適用時における歩合給の算定に関する上記の考え方を明確にしたものにすぎず、実質的には、従前の労働条件を労働者に不利益に変更したと評価することはできない。

タクシー会社や運送会社でよく見かける給与体系ですが、歩合給に関しては、どのように賃金額を計算するのかを巡って争われるケースが少なくありません。

日頃から顧問弁護士に相談の上、適切に労務管理をすることが肝要です。 

賃金250 各種手当の時間外割増賃金該当性(労務管理・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。 今週も1週間お疲れさまでした。

今日は、各種手当の時間外割増賃金該当性に関する裁判例を見ていきましょう。

住吉運輸事件(大阪地裁令和4年10月13日・労判ジャーナル132号52頁)

【事案の概要】

本件は、Y社との間で労働契約を締結し、貨物自動車の運転手として稼働していたXが、平成30年7月から令和元年5月までの間、時間外労働を行ったとして、Y社に対し、労働契約に基づき、時間外労働に対する未払割増賃金等の支払を求めるとともに、労基法114条に基づき、付加金等の支払を求めた事案である。

【裁判所の判断】

一部認容

【判例のポイント】

1 業務手当について、Y社は、Xに対し、「業績手当」の名目で賃金を支払ってきたところ、本件労働契約の締結時、Y社がXに対して業績手当を時間外労働に対する対価として支払う旨を説明したとは認められず、契約書及び就業規則にもその旨の規定はなく、むしろ、就業規則上、「業績手当」は「手当」の一つとされているところ、これは割増賃金の支払とは区別されており、また、「業績手当」という名称から、時間外労働に対する対価として当該賃金が支払われたものと理解することも困難であるから、業績手当が時間外労働等に対する対価として支払われたものと認めることはできず、基礎賃金に含まれるものと解するのが相当である。

2 運行手当について、Y社は、Xに対し、「運行手当」の名目で賃金を支払ってきたところ、本件労働契約の締結時、Y社がXに対して運行手当を時間外労働に対する対価として支払う旨を説明したとは認められず、契約書及び就業規則にもその旨の規定はなく、また、「運行手当」という名称から、時間外労働に対する対価として当該賃金が支払われたものと理解することも困難であることは、業績手当と同様であるから、運行手当が時間外労働等に対する対価として支払われたものと認めることはできず、基礎賃金に含まれるものと解するのが相当である。

3 無事故手当について、無事故手当は、就業規則上に定めがあり、Xに対しても平成30年7月から平成31年3月まで毎月同額が支払われていることに照らすと、一定の条件を満たせば一定の額が支払われる性質を有していたと認められ、労働基準法37条5項及び同法施行規則21条所定の除外賃金に含まれず、また、同手当は、支給要件が就業規則上明らかでないものの、その名称に照らし、勤務中に交通事故を生じさせなかったことによって支払われるものと推認されるから、同手当は、通常の労働時間における労働の成果に対する対価としての性質を有し、割増賃金として支払われたものとみることもできず、無事故手当が時間外労働等に対する対価として支払われたものと認めることはできず、基礎賃金に含まれるものと解するのが相当である。

いくつもの手当にまたがって固定残業代の意味を持たせるのはやめたほうがいいです。

固定残業代は固定残業代として誰がどう見てもそうとしか解釈できないように支払うのをおすすめいたします。

日頃から顧問弁護士に相談の上、適切に労務管理をすることが肝要です。

賃金249 タイムカードについて文書提出命令が認められた事案(労務管理・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。

今日は、タイムカードについて文書提出命令が認められた事案を見ていきましょう。

JYU-KEN事件(東京地裁立川支部令和4年9月16日・労判ジャーナル132号58頁)

【事案の概要】

本件は、Y社の元従業員Xの時間外勤務手当等請求事件及びY社の損害賠償等請求反訴事件について、Xが、Y社に対し、Xの出退勤時刻が記載された該当期間のタイムカードの提出を求めるため、民事訴訟法220条4号(同号の除外事由がない文書)により、文書提出義務を負っているとして、文書提出命令申立てがされた事案である。

【裁判所の判断】

認容

【判例のポイント】

1 Y社の従業員に関する出退勤時刻は、サイボウズというソフトウェアを使用したタイムカードにより行われており、平成31年2月1日から令和2年6月15日までのタイムカードの出退勤時刻の記録については、従業員であったXが自らサイボウズから印刷したものを提出していること、令和2年6月頃に労働基準監督署が介入したことを契機として、サイボウズ内のタイムカードがロックされたうえ、業務用PCの持ち出しが禁止されてしまい、Xは、令和2年6月16日以降令和2年7月31日(Xの退職日)までのタイムカードが入手できず、本件訴訟に証拠として提出できていないことが認められ、Xが提出を求めている本件文書については、当然、Y社が管理し、所持しているものと認めるべきであること等から、Y社は、本件文書を所持していると認めるべきで、民事訴訟法220条4号により、Xの本件申立ては理由があるから、これを認容する。

残業代請求訴訟においてときどき登場する文書提出命令です。

文書所持者が文書提出命令に従わない場合や、裁判での使用を妨害する目的で当該文書を滅失した場合は、「当該文書の記載に関する相手方の主張」や「その事実に関する相手方の主張」を、裁判所は真実と認めることができるので注意しましょう。

日頃から顧問弁護士に相談の上、適切に労務管理をすることが肝要です。

賃金248 在宅勤務者への出社命令に業務上の必要性が認められなかった事案(労務管理・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。 今週も1週間がんばりましょう。

今日は、在宅勤務者への出社命令に業務上の必要性が認められなかった事案を見ていきましょう。

ITサービス事業A社事件(東京地裁令和4年11月16日・労経速2506号28頁)

【事案の概要】

Xは、令和2年5月、ITソフト開発やSES等の事業を行うY社との間で、労働契約を締結した。同契約書には、就業場所について「本社事務所」と、賃金月額(40万円)には「毎月45時間分のみなし残業」が含まれる旨の記載があった。
Xは、令和3年3月3日まで自宅でリモートワークを行い、初日のほかに、Y社の事務所に出社したのは1度だけであった。Xが自宅で業務を行っている際には、Slackのダイレクトメッセージ機能を用いて、他の従業員との間でやりとりをしていたが、そのやりとりには、Y社代表者を揶揄する内容が含まれていた。
Xが本件やり取りを行っていたことが判明したことから、Y社代表者は、令和3年3月2日、Xに対し、Xを同月4日から出勤停止1か月等とする懲戒処分を通知するとともに、「管理監督の観点からリモートワーク禁止とする」旨を通告し、同月4日以降のY社の事務所への出勤を求めた(なお、懲戒処分は後に保留とされた。)。
Y社は、令和3年2月分の賃金については、Xの労務提供があったにもかかわらず、その一部(5万7144円)を支払っていない。また、同年3月分以降の賃金については、Xの欠勤を理由に同月分として3万8095円のみを支払った。
Xは、Y社の違法な懲戒処分等によって労務を提供できなかったと主張して、民法536条2項に基づき、令和3年から同年4月4日までの未払賃金等の支払いを求めて提訴した。

これに対し、Y社はXが報告していた勤務時間に虚偽報告等があると主張して、賃金規程6条に基づき、不就労時間分の賃金の返還を求めて提訴した。

【裁判所の判断】

Y社は、Xに対し、5万7163円+遅延損害金を支払え

Y社は、Xに対し、40万円+遅延損害金を支払え

Y社の反訴請求は棄却

【判例のポイント】

1 本件労働契約に係る契約書には、その就業場所は「本件事務所」とされているものの、Y社代表者自身が、①デザイナーは自宅で勤務をしても問題ない、②リモートワークが基本であるが、何かあったときには出社できることが条件である旨供述していること、③現に、Xは、令和3年3月3日まで自宅で業務を行い、初日のほかに、Y社の事務所に出社したのは1度だけであり、Y社もそれに異論を述べてこなかったことからすると、本件労働契約においては、本件契約書の記載にかかわらず、就業場所は原則としてXの自宅とし、Y社は、業務上の必要がある場合に限って、本件事務所への出勤を求めることができると解するのが相当である。

2 たしかに、Xは他の従業員との間で、本件やり取りも含め、必ずしも業務に必要不可欠な会話をしていたわけではないことは認められるものの、Y社が提出する証拠によっても、その時間が、Y社が主張するような長時間であるとは認められず、これにより業務に支障が生じたとも認められない。また、一般にオンライン上に限らず、従業員同士の私的な会話が行われることもあり、本件やり取りの内容は、Y社代表者を揶揄する内容が含まれる点でY社代表者が不快に感じた点は理解できるものの、そのことを理由に、事務所への出社を命じる業務上の必要性が生じたともいえない
これに加えて、Y社代表者は、令和3年3月2日午後3時24分にXに対し、メールを送った後、Xとの間で、メール上で、本件やり取りの当否をめぐって、お互いを非難しあう中で、Xの反省がないことを理由にその5時間後に本件懲戒処分とともに、本件出社命令を発したものであり、そのような経緯を踏まえると、本件の事情の下においては、本社事務所への出勤を求める業務上の必要があったとは認められない。
そうすると、Y社は、本件労働契約に基づき事務所への出社を命じることができなかったというべきであって、本件出社命令は無効であるといえる。

使用者側の判断・対応には共感しますが、裁判所の判断は上記のとおりです。

リモートワークを主たる働き方として採用している会社の経営者のみなさんは、上記判例のポイント1をしっかりと押さえておきましょう。

日頃から顧問弁護士に相談の上、適切に労務管理をすることが肝要です。

賃金247 年俸制において、一方的な固定残業代の減額が年俸額決定権の濫用にあたるとされた事案(労務管理・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。

今日は、年俸制において、一方的な固定残業代の減額が年俸額決定権の濫用にあたるとされた事案を見ていきましょう。

インテリム事件(東京高裁令和4年6月29日・労経速2505号10頁)

【事案の概要】

本件は、Y社との間で本件労働契約を締結し、退職するに至ったXが、次の(1)のとおり、Y社に対し、本件賃金減額①ないし③について、本件労働契約に基づく未払賃金の支払請求をし、また、次の(2)のとおり、Y社及びY社の代表取締役であるY1に対し、Xを医薬品の延慶担当から外したことや、Xを退職にまで至らせたこと等について、不法行為による損害賠償請求等をする事案である。
(以下略)

原審は、本件労働契約に基づく賃金請求等につき、本件賃金減額①、③に係る賃金の減額は違法・無効であるとしつつ、みなし手当の減額については、労働者であるXの同意等がなければできない通常の賃金の減額には当たらないから、違法ではないとして、その差額分の賃金請求は認められないなどと判断した。
また、原審は、不法行為による損害賠償請求等については、一部認められるが、その余の各請求は認められないと判断した。
Y社らがその違法な行為によりXを退職せざるを得なくさせたことは不法行為に当たるが、その損害額は、66万円であると判断をしている。

【裁判所の判断】

1 原判決のうち、XとY社らに対する部分を次のとおり変更する。
2 Y社らは、Xに対し、連帯して33万円+遅延損害金を支払え。
3 Y社は、Xに対し、39万円+遅延損害金を支払え。
4 Y社は、Xに対し、75万円+遅延損害金を支払え。
5 Y社は、Xに対し、45万円+遅延損害金を支払え。
6 Y社は、Xに対し、43万円+遅延損害金を支払え。
7 Y社は、Xに対し、10万4032円+遅延損害金を支払え。
8 Y社は、Xに対し、33万円+遅延損害金を支払え。
9 Y社らは、Xに対し、連帯して110万円+遅延損害金を支払え。
10 Y社らは、Xに対し、連帯して66万円+遅延損害金を支払え。

【判例のポイント】

1 固定残業代として支払う旨合意されていたと認められる、14期のみなし手当(月額22万円)は、年俸960万円(月額80万円)に含める旨の合意がされていたことが認められる。このように、本件労働契約に係る年俸制の合意の内容は、職務給と同様に、みなし手当もその一部に含めるものであったというのであり、そうである以上、このような、みなし手当を減額できるのは、職務給の減額の場合と同様、Y社に最終的な年俸額決定権限を付与した本件賃金規程の定めに基づいて初めて可能であったものというべく、時間外労働等に従事していた時間がみなし手当で定められている時間より実際には少ないなどの理由から、Y社において自由に減額することはできない性質のものであったというべきである。
・・・Y社が本件賃金減額①を行うに当たって、合理的で公正な評価や手続を履践したとは認められず、Y社は、合理性・透明性に欠ける手続で、公正性・客観性に乏しい判断の下で、年俸額決定権限を濫用してXの15期の年俸を決定したものと認められる。そうすると、本件賃金減額①については、固定残業代月額3万8000円分の減額についても、違法・無効なものと解するのが相当である。

2 たとえ割増賃金の支払方法について、様々な方法が許されるとしても、本件みなし手当は、本件労働契約において年額960万円として合意されていた年俸の一部を構成するものと位置付けられていたのであるから、これは、基本給の一部を構成する場合と同様に捉えられるものである。それにもかかわらず、Y社は、このような性質を有する「みなし手当」を、合理性・透明性に欠ける手続で、公正性・客観性に乏しい判断の下で、年俸決定権限を濫用して本件賃金減額①ないし③を行ったものであるから、このような一方的な減額は、許されないものといわなければならない。

個人的には、使用者側からするとあえて年俸制を採用するメリットはほとんどないように思います。

年俸制を採用している会社では、残業代に関するいくつかの特殊な問題がありますので、事前に必ず顧問弁護士に相談をして対応しましょう。

日頃から顧問弁護士に相談の上、適切に労務管理をすることが肝要です。

賃金246 会社による賃金の消滅時効援用が権利の濫用にあたるか(労務管理・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。

今日は、会社による賃金の消滅時効援用が権利の濫用にあたるかについて争点となった事案を見ていきましょう。

酔心開発事件(東京地裁令和4年4月12日・労判1276号54頁)

【事案の概要】

本件は、未払残業代、付加金、不法行為に基づく損害賠償等を請求する事案である。

【裁判所の判断】

1 Y社はXに対し、88万8788円+遅延損害金を支払え。

2 Y社はXに対し、64万3767円+遅延損害金を支払え。

【判例のポイント】

1 Xは、故意に割増賃金の支払を怠っていたY社が消滅時効を援用するのは権利の濫用であると主張するが、消滅時効制度は故意に義務の履行を怠っていたものを時効の援用権者から排除する仕組みをとっておらず、また、本件全証拠を検討しても、Y社がXによる権利行使を殊更に妨げたとも認められないことからすると、Y社が本件割増賃金請求について消滅時効を援用することが権利の濫用に当たると認めることはできない

2 また、Xは、当時、割増賃金の請求を委任していた前代理人らが催告を適時に行わなかったために消滅時効が完成してしまったのであり、それにもかかわらずY社が消滅時効を援用するのは、前代理人らの拙劣な対応の咎をXに押し付けることによって不当に利得を得るものであって、公序良俗に反するなどとも主張するが、X側の事情を理由にY社が時効の利益を受けることが制限される理由はない。この点に関するXの主張は、独自の主張と言わざるを得ず、採用しない。

未払賃金等の請求を行う場合には、消滅時効期間が他の債権と比べて短いため、対応を誤ると原告としては上記のような主張をせざるを得なくなります。

労働者側としては気を付けなければいけないポイントの1つです。

使用者側としては上記のような考え方を押さえておきましょう。

日頃から顧問弁護士に相談の上、適切に労務管理をすることが肝要です。