本の紹介791 「勝ち抜く大人」の勉強法(企業法務・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。

今日は本の紹介です。
「勝ち抜く大人」の勉強法 (新書y)

15年以上前の本ですが、もう1度読み返してみました。

勉強法とはいえ、具体的な方法論というよりは勉強に対する姿勢が書かれています。

さて、この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

人はけっして誤った選択から自由になることができません。大事なことは誤った選択をしたときにはいち早くそれに気づいて、軌道修正できるか否かがかしこくなれるかどうかの決め手なのです。さもないと、間違った選択がさらなる間違った選択を呼び、今日のわが国の経済状況に典型的に見られるように、泥沼からまったく抜け出せない事態へと発展するからです。」(124~125頁)

冤罪を生み出す仕組みと同じです。

「あれ、この人、犯人じゃないかも・・・」と思った段階で方向転換ができればいいのですが、証拠をねつ造してまでも自分たちの判断が正しかったとしたい捜査当局のようです。

それはさておき、誤った選択を絶対にしないなんてことは不可能です。

人間ですから間違うこともあります。

間違えたと思ったときに軌道修正をする勇気、スピードこそが大切なのです。

「ぶれない」ことがよしとされている昨今ですが、状況に応じて臨機応変に対応することはどんどんすべきです。

ぶれていいのです。

解雇264 解雇前の指導教育とそれに対する労働者の態度(労務管理・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。

今日は、賃金減額を伴う配転命令及び懲戒解雇の有効性に関する裁判例を見てみましょう。

レコフ事件(東京地裁平成29年2月23日・労判ジャーナル72号57頁)

【事案の概要】

本件は、企業買収や合併等に関するコンサルティング業を行うY社に勤務する元従業員Xが、Y社に対し、賃金減額等の処分、配転命令、解雇等の懲戒処分がいずれも無効である旨を主張して、雇用契約上の権利を有する地位にあることの確認と、未払賃金及び賞与等の支払を求めた事案である。

【裁判所の判断】

懲戒解雇は有効

配転命令に伴う賃金減額は無効

【判例のポイント】

1 4月1日付け賃金減額(降格に伴う賃金減額)の有効性について、平成24年度におけるXの業績及び能力は、Xが、Y社代表者の指示等を全く聞き入れないばかりか、Xにおいて客観的な状況等を正しく把握する能力や姿勢が欠如していたことからすると、Y社代表者のみならず他の幹部職員の総意の下になされた絶対的にも相対的にも著しく低いXの業績評価は妥当であり、そのような人事考課に基づきXの職掌(ランク・職号)を平成25年4月1日付けで「VP-11」から「VP-9」に降格された上、それに伴い従前67万7000円であった基本給を63万7000円に減額したY社の措置(4月1日付け賃金減額)は、Xが被る不利益の程度を勘案しても、適法かつ有効である。

2 これまでのXの業績の低さや勤務態度が著しく不良であること、そのような状況を踏まえて、本件譴責処分や本件出勤停止処分といった懲戒処分が行われたにもかかわらず、Xがその態度を改めようとする姿勢を全く示すことなく、むしろ、そのような処分等に及んだY社の側に能力的な問題があってXよりも劣るものであるという認識で凝り固まっており、上司等への誹謗中傷を何のためらいもなく繰り返していることや、就業規則や業務命令等に明らかに反する自己の行為の正当性を独善的なな考えに基づき主張し続けることからすると、就業規則所定の「正当な理由なく業務上の指揮命令に従わず、不当に反抗し、業務の正常な運営を妨害したとき」及び「数度の懲戒処分にかかわらず、改悛の情がないとき」に該当するものと認められ、これに加えて諭旨解雇ないし懲戒解雇における就業規則所定の手続に関する瑕疵が全く主張されず、Xにおいてこれを争うものではないことからすると、これら一連の処分に係る手続は適正に経られたものと推認され、本件懲戒解雇は、客観的に合理的な理由があり、社会通念上の相当性も認められる。

解雇事案の場合、上記判例のポイント2のように、解雇前の指導教育時における労働者の態度を具体的に主張立証することが重要です。

この過程を経ずにいきなり解雇をしてしまうと会社側にとって厳しい判断が待っています。

解雇を選択する前には必ず顧問弁護士に相談の上、慎重かつ適切に対応することが肝心です。決して、素人判断で進めないようにしましょう。

本の紹介790 日本電産 永守重信が社員に言い続けた仕事の勝ち方(企業法務・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。 今週も一週間がんばりましょう。

今日は本の紹介です。
日本電産 永守重信が社員に言い続けた仕事の勝ち方

永守社長の本はこれまでに何冊か読んできましたが、どの本を読んでも仕事に対する厳しさがびしびし伝わってきます。

甘っちょろい考え方は一切通用しないことがよくわかります。

おすすめです。

さて、この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

『人生というのは、長い目で見れば苦と楽が半分ずつ、そういうものだと思う。楽をすれば、必ずそのあとには苦がついてくるものだし、苦しみのあとでこそ、本当の楽を得られるものだ』『ところが、多くの人々は楽を求めすぎるように思えてならない。いい車に乗りたい、いい家に住みたいと、自己の欲望だけを大きく膨らませている。それに至る苦を経験せずして-』』」(30頁)

No pain, No gainですね。

人の2倍働き、3倍努力する。

人が休んでいるときにこそ汗をかく。

それを途中で投げ出さずにやり続ける。

それができれば、いやでも結果は出ます。

頭ではわかっていても体が言うことをきかないのです。

途中で投げ出すくせがついているとそこから抜け出すのは至難の業です。

でも、人生を変えるためには、日頃の習慣を変える以外に方法はありません。

できるかできないかではなく、やるかやらないかの問題です。

配転・出向・転籍35 上司の不適切発言と慰謝料請求(労務管理・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。 みなさん、よいGWを!

今日は、転勤命令の有効性ならびに上司らの言動等による不法行為の成否に関する裁判例を見てみましょう。

ホンダ開発事件(東京高裁平成29年4月26日・労判1170号53頁)

【事案の概要】

本件は、Y社に正社員として採用され、そのA5事業部総務係に配属されたXが、その後、上司であるC及びDらの言動により精神的に苦痛を与えられた上、合理的な理由なく、不当な動機・目的によりY社のA3事業部ケータリングサービス課ランドリー班に異動させられたとして、Y社に対し、A3ランドリー班において勤務する労働契約上の義務を負わないことの確認を求めるとともに、不法行為に基づく損害賠償請求権により、慰謝料500万円+遅延損害金の支払いを求める事案である。

原審は、請求棄却。

【裁判所の判断】

Y社はXに対し、100万円+遅延損害金を支払え

【判例のポイント】

1 Y社の労働協約及び就業規則には、業務上の都合により、配置転換等を命ずることがある旨が規定されており、Y社には社員の配置転換等について、裁量が認められるところ、Xも出張精算業務や常便業務等の一定の総務業務は担当していたが、担当する業務においてミスが多く見受けられていたこと、A5総務では総務係の人数等から総務業務以外の業務も内部で手分けして担当する必要があった反面、A3ランドリー班では洗濯物の数量が増加し、人員の補強が求められており、本件異動命令が不当な動機・目的をもってなされたとまでは認めるに足りる証拠がないことからすれば、C及びDがしたXへの業務分担の在り方や本件異動を命ずることなどは、新卒社員に対する対応としては配慮に欠ける部分が多く見られるものの、これを違法と評価し、本件異動命令が無効であるとまで認めることはできない

2 しかしながら、Xが、大学院卒の新入社員でありながら、配属直後に、X以外誰も経験していない配属先の部署とは異なる部署で約1か月半もの間の研修を命じられたこと、その後も2年以上にわたって、配属先の部署の業務に専念し、同業務を修得する十分な機会を与えられないままの状態にありながら、本来達するべきレベルに達していないとの評価をされた上、それまでの業務とは関係がなく、周囲から問題がある人と見られるような部署に異動させられたことが認められる。また、Xは、総務係の仕事を担当することを希望しながら、実際には、C又はDの指示により、販売部門の所管する自販機の在庫集計作業やOJTプログラムには記載がない社員寮の契約社員の面接事務を担当した上、自販機の在庫集計作業では、自らの提案が認められなかったのに、Jの同様の提案は採用され、Cから、Jを見習うように指導されたことが認められる。そして、Cの平成23年12月の面談の際の発言は、X本人尋問の結果からうかがわれるXの内向的な性格に加え、同期会が関東地区で行われたことに鑑みると、Y社における上司で、先輩社員であることからの助言であるとしても、配慮を欠いたものというべきである。また、Cの平成24年8月の面談の際の発言についても、ミスは重ねながらも、ケアレスミスをなくし、少しずつではあるができる役割を増やそうとしているXに対し、配慮を欠いた言動であり、これを聞いたXが悔しい気持ちを抱いたことは十分に理解できる。さらに、平成25年7月の新入社員の実習終了後の送別会の二次会でのDの「多くの人がお前をばかにしている。」との発言に至っては、Xに対する配慮が感じられない発言であり、内向的な性格のXが「多くの人って誰ですか」と問いただしたことからも、Xの屈辱感には深いものがあったというべきである
以上のC及びDの言動並びに本件異動は、一体として考えれば、Xに対し、労働者として通常甘受すべき程度を著しく超える不利益を課すものと評価すべきであり、かつ、前記のC及びDの言動はY社の業務の執行として行われたものであることから、全体としてY社の不法行為に該当する。

通常、このようなケースでは、裁判所は多額の慰謝料を認めない傾向にあります。

本件では、100万円を認めており、金額としては比較的高額になっています。

実際の対応については顧問弁護士に相談しながら慎重に行いましょう。

本の紹介789 億万長者の教科書(企業法務・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。 今週は今日と明日は通常通り営業しております。

今日は本の紹介です。
億万長者の教科書

クリス岡崎さんの本です。

タイトルはあれですが、本の内容はステージを上がっていくために必要な考え方が書かれています。

さて、この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

まずは時間を売るだけのサイクルから抜け出すために、今いる場所で自分の価値を上げることから始めてほしい。価値を上げていけば、今の収入を維持したまま仕事の量を減らし、自分のための時間をつくれるようになってくる。そして、自分の価値をさらに上げるための専門知識や専門技術の学習に、その時間を使う。今、週6日間働いている人は、ぜひとも残りの1日を学習のために費やしてほしい。あるいは、毎日3時間、学習の時間をつくることでもいい。」(292頁)

根本的に勉強が好きな人は、何の苦もなく、日々の勉強を継続することができます。

「忙しいから勉強できない」なんてのはうそですから(笑)

どんだけスマホいじってるんですかと。 

時間はあるのです。

10年後、どんな自分になっていたいかを考え、毎日毎日、コツコツ努力を続ける。

継続は力なり。

不当労働行為194 組合員に対する雇止めと不当労働行為(労務管理・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。 今週も一週間お疲れ様でした。

今日は、組合員2名の就労するパチンコ店のワゴンサービスからの撤退を理由に同人らとの雇用契約を更新しなかったことの不当労働行為とされた事案を見てみましょう。

丙川飲料販売事件(大阪府労委平成29年8月7日・労判1170号92頁)

【事案の概要】

本件は、組合員2名の就労するパチンコ店のワゴンサービスからの撤退を理由に同人らとの雇用契約を更新しなかったことの不当労働行為該当性が争われた事案である。

【労働委員会の判断】

不当労働行為にあたる

【命令のポイント】

1 平成28年1月10日に黒鳥店から撤退した後も、Y社従業員がワゴンサービスを行っているパチンコ店は、同年2月1日現在において、羽曳野店、堺インター店、泉北店、春木駅前店等、計44店舗あることからすると、黒鳥店撤退後もY社においてワゴンサービスを行う店舗は存在し、しかも、その店舗には、かつてA組合員が勤務していた店舗も含まれている。以上のような状況において、Y社は、本件組合員2名に雇用契約の終了を申し入れた理由として黒鳥店からの撤退を挙げるが、これのみをもって、本件雇用契約解除通知を行った合理的な理由であるとみることはできない

2 ・・・以上のことを総合すると、本件雇用契約解除通知をしたことに合理的な理由はなく、また、Y社が撤退店舗からの通常の雇用契約解除の手続きを踏まずに、組合が結成され、組合活動が開始した直後に本件雇用契約解除通知を行ったのは、組合が組合結成や組合活動を開始したことを認識し、組合及び組合員を職場から排除することを企図して行ったとみるのが相当である。

会社の行為について合理的な理由を説明できればいいですが、できないと不当労働行為と判断されてしまいます。

組合との団体交渉や組合員に対する処分等については、まずは事前に顧問弁護士から労組法のルールについてレクチャーを受けることが大切です。決して素人判断で進めないようにしましょう。

本の紹介788 オリジナリティ(企業法務・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。

今日は本の紹介です。
オリジナリティ 全員に好かれることを目指す時代は終わった

本田直之さんの本です。

サブタイトルは「全員に好かれることを目指す時代は終わった」です。

タイトル及びサブタイトルから何をいわんとしているのか容易に察することができますね。

この本で紹介されている方はみなさんオリジナリティの塊です。

とても参考になります。

おすすめです。

さて、この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

同じことの繰り返し、というのは多くの仕事でも同じです。しかし、それを漫然とやっているだけでは、進化するどころか、退化していってしまいます。
『そうなると、自分でも仕事がつまらなくなっていきますよね。毎日同じことをやっていても、何か発見がやっぱりあるんですよ。なのに、それをただの作業にしてしまうと、本当につまらなくなる。同じ魚でも何か違うんじゃないか、今日は速くやってみよう、なんて自分で意識すると、仕事は変わっていきます』
仕事がつまらないという人がいますが、それはつまらないのではなくて、自分でつまらなくしているのです。そういう人は、どこに行っても同じことを繰り返してしまいます。」(74頁)

これは鮨好きで知らない人はいないであろう「鮨さいとう」の店主齋藤孝司さんの言葉です。

仕事におもしろいもつまらないもありません。

どのような意識を持って目の前の仕事をするか。 ただそれだけです。

「仕事がつまらないという人がいますが、それはつまらないのではなくて、自分でつまらなくしているのです。」

まさにこの言葉のとおりです。

同じことをやっていても、5年後10年後、大きな差が生まれてしまうのはこれが理由なのです。

わかる人にはわかる。 

やっている人はやっている。

結果が出るのは偶然ではなく、必然なのです。

解雇263 虚偽報告等に基づく懲戒解雇と相当性判断(労務管理・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。

今日は、虚偽報告等に基づく懲戒解雇の有効性に関する裁判例を見てみましょう。

アストラゼネカ事件(東京地裁平成29年10月27日・労判ジャーナル72号30頁)

【事案の概要】

本件は、Y社の元従業員が、Y社の行った懲戒解雇が無効であると主張して、Y社に対し、雇用契約に基づき、雇用契約上の権利を有する地位にあることの確認を求めるとともに、平成27年12月以降本判決が確定するまでの間、毎月25日限り、賃金月額約64万円等及び平成28年3月分の賞与約267万円の支払を求めた事案である。

【裁判所の判断】

解雇無効

未払賞与等支払請求は一部認容

【判例のポイント】

1 シンポジウムの虚偽報告については、Xの出欠確認方法が不適切であったことに起因するもので、それは注意することにより今後同様の誤りを生じないと期待することができるものであり、また、Xの営業活動の虚偽報告については、Y社自身MRに対して、データ入力の有無について注意喚起をすることがなかったことの影響も考えられ、今後、Xがデータの入力を正確にすると期待することができ、そして、虚偽内容のメールや必要のないメールの発信行為については、Xの問題意識や苦しい思いをその解決に必要な範囲を超えて周囲に流布するものであるが、外部に流布したのではなく、Y社の中の一部の者に流布したに止まっており、いずれの行為についても懲戒処分を検討するに当たって考慮すべき事情等があり、個別の注意、指導といった機会もなかったのであるから、これらの行為全てを総合考慮しても、懲戒解雇と、その前提である諭旨解雇という極めて重い処分が社会通念上相当であると認めるには足りないというべきであり、本件懲戒解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認めることができず、懲戒権を濫用したものとして、無効である。

2 Xは、Y社との間の労働契約において、賞与として年267万2235円を支給するものとされていた旨を主張するが、平成28年の賞与額は基本給3か月分の固定分と平成27年7月から12月の評価変動部分に分かれていること、評価変動分の標準評価が基本給1.5か月分であること、評価変動賞与は、基本給1.5か月分の0%から200%の範囲で、各人の業務目標の達成如何で金額が決定されること、Xの平成27年1月から6月までの評価変動の賞与は1.03か月分であったことが認められ、Y社において、賞与のうち評価変動賞与は、Y社が裁量によってその都度決定する金額が支払われるものであって、あらかじめ定まった金額が支払われるものではないことがうかがわれるから、XとY社との間の労働契約において、Xが解雇されなかったならば確実に評価変動賞与として基本給1.5か月分の支払がされるとは認められず、XのY社に対する平成28年の賞与の支払請求は、固定分である基本給3か月分の178万1490円に限られ、その余の請求は理由がない。

相当性がないということで懲戒解雇が無効と判断されています。

相当性判断を事前に適切に行うことはとても難しいですね。

解雇を選択する前には必ず顧問弁護士に相談の上、慎重かつ適切に対応することが肝心です。決して、素人判断で進めないようにしましょう。

本の紹介787 SIMPLE RULES(企業法務・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。

今日は本の紹介です。
SIMPLE RULES 「仕事が速い人」はここまでシンプルに考える 三笠書房 電子書籍

サブタイトルは、「『仕事が速い人』はここまでシンプルに考える」です。

仕事が速いと言われる人は、単に頭が良いだけではなく、速くするためのルールがあるのです。

さて、この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

全体的に見ると、『優先順位ルール』『タイミング・ルール』『コーディネーション・ルール』を習得するまでには、しばらく時間がかかる。とくに『タイミング・ルール』をつくるコツを身につけるには、じゅうぶんな経験を積む必要がある。しかしながら、『シンプルなルール』にしたがって経営戦略を立てている企業は-とりわけ、習得するまでが大変だといわれているルールを確立した企業は-えてして経済的な成功を収めているのも事実だ。」(171頁)

会社の中に何らかのルールを作る場合、できる限り、シンプルにするべきです。

細かなルールをたくさん作るのではなく。

例えば「相手の立場に立って仕事をする」。

どのような書面を作成することが相手、すなわち読み手にとってうれしいかを考える。工夫する。

一事が万事、こういうことができる人は、すべてにおいて他者への想像力を働かせることができます。 

シンプルなルールをもとに各自が考え、工夫する。

これが仕事だと信じています。

細かなルールをつくればつくるほど、仕事が作業にかわってしまう。 そんな気がするのです。

賃金151 手当の「出来高払制賃金」該当性(労務管理・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。 今週も一週間がんばりましょう。

今日は、各手当の「月によって定められた賃金」該当性に関する裁判例を見てみましょう。

川崎陸送事件(東京地裁平成29年3月3日・労判ジャーナル72号55頁)

【事案の概要】

本件は、従業員ら(3名)において、それぞれ平成24年7月から平成26年8月までに支給されるべき時間外労働等に係る割増賃金等の支払、労働基準法114条所定の付加金等の支払を求めた事案である。

【裁判所の判断】

未払時間外労働等割増賃金等支払請求は認容

付加金等支払請求は一部認容

【判例のポイント】

1 「出来高払制」とは、賃金の対象が労働時間ではなく、労働者の製造した物品の量・価格や売上げの額などに応じた一定比率で額が定まる賃金制度をいうものと解されるところ、従業員らの従事する業務は、乗務職としてトラックに乗務し、トラックを運行するとともに、その運行の前後における積荷の積卸作業に従事するものであり、具体的な運行及び積荷の積卸しの内容はY社の指示によって決まるものであるから、本件各手当が当該手当の支給対象とするXらの労務の内容は、労働時間内に提供が求められる労務の内容そのものであること、しかも、地場手当は、実際には1日につき5000円の支給となっていて、運行回数、運送距離ないし走行距離、積荷の積載量、売上げといった作業の成果とは関連しておらず、乗務日数に応じて支給される手当といえること等から、本件各手当は、出来高払制賃金に当たらないと考えられる。

2 一般的に割増賃金等の支払がされないことは、付加金支払を命ずることを相当とする芳しからぬ事情であり、本件においても、問題となった本件各手当が割増賃金の基礎賃金として扱われず、ひいて過少な割増賃金の支払しかされていなかったことが認められるが、他方において、本件における本件各手当が固定給であるのか出来高払制賃金であるのかは、その判別が明確かつ容易にできるものとは言い難く、してみると、その判断を使用者であるY社において誤ったとしてもやむを得ない点もあり、将来にわたる違法行為の抑止等の観点からは、必ずしも未払割増賃金相当額全部の付加金の付加が適切であるとも言い難く、こうした事情を総合して考慮すると、本件においては、付加金として未払時間外割増賃金等の約25%相当の各支払を命じることが相当である。

業務内容からして「出来高払制」ということは考えられないとして出来高払制賃金に当たらないと判断されています。

日頃から顧問弁護士に相談しながら適切に労務管理を行うことが大切です。