有期労働契約51(富士通関西システムズ事件)

おはようございます。 今週も一週間がんばっていきましょう!

今日は、パワハラ対処を要望した女性期間雇用者の雇止めに関する裁判例を見てみましょう。

富士通関西システムズ事件(大阪地裁平成24年3月30日・労判1093号82頁)

【事案の概要】

本件は、Y社との間で期間の定めのある雇用契約を締結していたXが、上司であったAから、パワーハラスメントに該当する嫌がらせを受けたうえ、これに対処するようY社に要望したところ、Y社から不当に雇止めされたなどとして、Y社に対する雇用契約上の地位の確認および雇止め後の賃金の支払いの請求ならびにY社らに対する不法行為または債務不履行(安全配慮義務違反)に基づく損害賠償を請求した事案である。

【裁判所の判断】

請求棄却

【判例のポイント】

1 ・・・以上見てきたとおり、XがAによるパワハラに該当すると主張する各言動は、いずれも、事実の存在自体が立証されていないか、仮に言動自体が事実であっても違法性を有しないものというべきであるから、Aの言動がパワハラに該当し、不法行為が成立するとのXの主張には理由がない。

2 Y社には、定年後の嘱託社員を除き、有期雇用契約を結んでいる従業員はX以外におらず、Xとの契約は、Y社の元社長であるEの紹介による極めて例外的な契約であったことが認められる。また、Xは、入社前に、Eの妻から、「忙しい部署があって、人手が足りないから」と言われており、実際の担当業務も、もともとBが一人で担当していた業務の一部を分担するというものであったことが認められるから、XとY社との間の契約は、Y社の人手不足を解消するための臨時的なものであったとみるのが相当である。
そして、Y社は、契約期間を平成22年12月20日までとする労働契約書の締結に際し、Xに対し、受注売上業務を関連会社に移管したこと及びCの復帰により企画・業務部の人員に余剰が生じたことを説明して以後の契約更新をしないことを伝え、Xも、「会社の言うことはわかりました。」と答えて、不更新条項のある労働契約書に署名・押印して提出しているのであるから、たとえそれまでに2回契約更新が行われていたとしても、Xには、平成22年12月20日以降の契約更新について合理的期待があったとは認められず、本件雇止めは、解雇権濫用法理を類推適用すべき場合に当たらないというべきである

3 なお、仮に、本件について、Xに契約更新への合理的期待があったと認められるとしても、上記の様な契約締結に至る経緯、契約形態の特殊性、担当業務の内容等を総合考慮すれば、当該期待の程度は希薄というべきであり、企画・業務部の人員に余剰が生じている状況からすれば、いずれにしても、本件雇止めは相当というべきである。

パワハラで訴訟をする場合には、立証方法を事前に考えてから提訴する必要があります。

雇止めにおいて会社がとるべき手順については、過去の裁判例の蓄積が相当程度ありますので、それらを参考にしながらすすめるべきです。

顧問弁護士や顧問社労士に相談しながら行うことをおすすめします。