解雇156(ミクスジャパン事件)

おはようございます。

今日は、経営悪化に伴う会社解散と解雇の有効性に関する裁判例を見てみましょう。

ミクスジャパン事件(東京地裁平成25年12月27日・労判1095号86頁)

【事案の概要】

本件は、Y社を解雇されたX1~X12が、①当該解雇は、手続きの妥当性および相当性を欠いており無効であると主張し、解雇後2か月分の賃金の支払いを、②仮に上記解雇が有効であるとしても、Y社は、解雇の3か月前にはXらに解雇を予告すべき労働契約上の信義則に基づく義務を負っていたがこれを怠ったと主張し、そのためXらが上記解雇後2か月分の賃金相当額の損害を被ったとして、その賠償を求め、かつ、③未払いの時間外割増賃金、④付加金および各遅延損害金の支払いを求めた事案である。

【裁判所の判断】

本件解雇は有効
→2か月分の賃金相当額の損害賠償請求権は発生しない

信義則上の通知義務は認められない

時間外割増賃金、付加金の支払いを命じた

【判例のポイント】

1 Y社の業績が悪化し回復の見込みがないことから、単独株主であるMISA社の意向を踏まえて解散するに至ったことに伴うXらの解雇はやむを得ないものというべきであり、解雇について合理的な理由があったものと認められる。

2 Xらは、本件労働協約1及び2の失効後も、Y社は、本件労働協約2に定めがあった本件通知義務を信義則上負っていたところこれを怠っており、そのような状況下で行われた本件解雇は相当性を欠く旨主張する。
しかし、本件労働協約1及び2は、いずれも、その更新期間の限度が3年と明定されており、当該定めにより、本件解雇の約1年前である平成22年11月15日に失効している。・・・本件のように、新たな労働協約の締結を、本件組合内部における引継ぎの不備によって失念した場合についてまで、当然に、信義則上、Y社が本件通知義務を負うと解することはできない
したがって、Y社が、本件解雇の3か月前にその旨を通知せず、1か月前に説明するにとどまった点をもって、本件解雇が相当性を欠くものであるということはできない。

3 Xらの退職に伴う経済的手当としては、Y社がXらに対し、Y社所定の規定に基づく退職金を満額支給したことにより一定程度は果たされているとみることができ、それ以上の手当をすべきであるとする根拠は見いだし難い。また、本件解雇は、本件解散と同時にXらに説明されたものであるところ、長期間にわたり経営状況が低迷し、改善の兆しの見えないY社の事業について、これをいつ廃止するべきかという問題は、基本的にはY社側の経営判断により決定されるべきものであって、本件通知義務をY社が負っていない本件においては、本件解雇の通知が解雇の1か月前であること(労働基準法20条1項本文の要求する予告期間は遵守されている。)をもって、Xらに時間的余裕を与えなかったということはできないし、Y社が本件組合との団体交渉に応じ、本件組合の要求に対し検討の上回答していることなどからすれば、Y社においてXらの就職活動を援助する措置を取らなければならない根拠も格別見いだすことができない。

労働組合のみなさんは、上記判例のポイント2のような状況に気をつけましょう。

会社をいつたたむかは経営判断ですので、原則として会社の自由ですね。

解雇を選択する前には必ず顧問弁護士に相談の上、慎重かつ適切に対応することが肝心です。決して、素人判断で進めないようにしましょう。