不当労働行為101(ZINZAN事件)

おはようございます。

今日は、離職した組合員に対する解雇予告手当および未払時間外労働賃金の支払を議題とする団交に応じないことと不当労働行為に関する命令を見てみましょう。

ZINZAN事件(岡山県労委平成26年9月25日・労判1099号93頁)

【事案の概要】

本件は、Y社が経営する飲食店で働いていたX組合の組合員Aの解雇予告手当および未払残業代を議題とする団交に一度は応じたものの、その後、平成25年10月3日および同月10日に組合が申し入れた団交にY社が応じなかったことが、不当労働行為に当たるとして救済が申し立てられた事案である。

【労働委員会の判断】

不当労働行為にあたる

【命令のポイント】

1 Y社は、解雇予告手当について、A及びX組合に十分な説明を行っておらず、離職に際して未清算の事項が存在するので、本件当事者間で協議する必要がある
以上のことから、Y社がA組合員の合意退職等を理由に解雇予告手当の支払いを議題とする団体交渉に応じないことには理由がない。

2 ・・・このように、Y社は、A組合員の時間外労働の実態を正確に把握していたとはいえない。また、X組合はY社に対し、再三にわたりA組合員の勤務実態を把握し、時間外労働の有無を明らかにするため、A組合員に関するタイムカード、A組合員の勤務した店舗の営業日報、会社の就業規則等の資料の提供を求めたにもかかわらず、Y社はタイムカードの一部を提示したのみで、団交でその他の資料をX組合に提示していないことが認められる。また、A組合員が休憩時間も含めて最大で14時間就労を繰り返していた際にも、Y社は職務懈怠等を理由に時間外労働は生じていない旨を主張するが、具体的な職務懈怠の説明をしていないことが認められる
以上に述べたY社の対応は、交渉の都度、主張が変遷するなどX組合の理解と納得を目指した誠実な対応であったとはいえないから、説明を尽くしたとの主張は認容することはできず、団体交渉を拒否する正当理由とは認められない

3 前記判断のとおり、Y社が、A組合員に対する解雇予告手当及び未払い残業代に関する組合の本件団交申入れに応じないことは労組法7条2号に該当する不当労働行為である。

全体を通じて、使用者側の説明不足という評価をされています。

もちろん使用者として、正直なところ、組合に見せたくなく会社の資料もありますが、少なくとも就業規則に見せない理由はないと思いますが。

組合との団体交渉や組合員に対する処分等については、まずは事前に顧問弁護士から労組法のルールについてレクチャーを受けることが大切です。決して素人判断で進めないようにしましょう。