不当労働行為102(ジェイウェーブほか1社事件)

おはようございます。

今日は、就労拒否等と不当労働行為に関する命令を見てみましょう。

ジェイウェーブほか1社事件(大阪府平成26年9月29日・労判1099号92頁)

【事案の概要】

本件は、①Y社が、組合員Cの就労復帰を認めなかったこと、②Y社及びA社が、組合員Bに対して、組合加入後、就労日数を減少させたこと、③Y社が、組合加入後、Bに専属車両を割り当てなくなったことなどが、それぞれ不当労働行為であると申し立てられた事案である。

【労働委員会の判断】

①A社は組合員の労組法上の使用者といえないので、A社に対する救済申立は棄却

②体調不良により休業したCの就労復帰を認めなかったY社の対応は不当労働行為にあたらない

③組合加入に加入したBの就労日数を減少させたことは不当労働行為にあたる

④専属のミキサー車を割り当てられていたBに、組合加入後専属車両を割り当てなくなったことは不当労働行為にはあたらない

【命令のポイント】(上記①及び④のみピックアップ)

1 A社代表者が、両組合員の基本的な労働条件について雇用主と同視できる程度に現実的かつ具体的に支配、決定できる地位にあったとみることはできず、この点に関する組合の主張は認められない。
①Y社とA社は別個の法人格を持ち、本店所在地や代表者等が異なっており、近畿運輸局からの一般貨物運送事業の許可も別個に取得していること、②Y社a営業所とA社車庫は同一敷地内にあるが、それぞれの駐車場所は区別されており、また、それぞれのミキサー車も外形的にもはっきり別個のものと区別される状態であったこと、③当該敷地の賃貸借契約も別個に締結されていること、が認められ、それぞれが独立した法人として活動しているとみることができる
以上のとおりであるので、A社は、C組合員及びB組合員の労組法上の使用者であるとはいえず、A社に係る申立ては、その余について判断するまでもなく、これを棄却する

2 平成24年2月、3月及び6月においても、B組合員の乗務する車両は変動しているうえ、①Y社がB組合員に車番5の車両を割り当てなくなったのには、塗装のやり直しをするためという理由があったこと、②車番5の車両を、その後、同組合員に割り当てなかったのは同組合員がメンテナンスを怠っていたことが一因であると陳述されていること、③Y社においては、1台の車両を専属として決められている運転手はほとんどいなかったこと、が認められ、これらのことからすれば、Y社が同年8月から10月半ばまでの2か月余りの間、B組合員を特定の車両に割り当てなかったことには一定の理由があるといえ、他の運転手と比べて、B組合員が特別不利益に扱われているとまで認めることはできない
したがって、この点に係る組合の主張は採用できず、組合の申立ては棄却する。

上記命令のポイント1は、労組法上の使用者性に関する認定をしています。

組合員に対する対応が不当労働行為にはあたらないというためには、非組合員との比較をした際、とりたてて組合員ということを理由として不利益な取扱いをしているわけではないことを丁寧に主張する必要があります。

組合との団体交渉や組合員に対する処分等については、まずは事前に顧問弁護士から労組法のルールについてレクチャーを受けることが大切です。決して素人判断で進めないようにしましょう。