Monthly Archives: 10月 2017

従業員に対する損害賠償請求6 会社の元従業員に対する多額の損害賠償請求と不当提訴(労務管理・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。

今日は、うつ病を理由に退職した社員に対する損害賠償請求と反訴請求に関する裁判例を見てみましょう。

プロシード元従業員事件(横浜地裁平成29年3月30日・労判1159号5頁)

【事案の概要】

本訴は、Y社が、Y社に勤務していたXが虚偽の事実をねつ造して退職し、就業規則に違反して業務の引継ぎをしなかったこと(Y社主張の被告の不法行為)が不法行為に当たるなどと主張して、Xに対し、不法行為に基づき、1270万5144円の損害賠償+遅延損害金の支払を求めた事案である。

反訴は、Xが、Y社ないしその代表取締役によるXへの退職妨害、本訴の提起及び準備書面による人格攻撃(X主張の原告の不法行為)が不法行為ないし違法な職務執行に当たるなどと主張して、Y社に対し、不法行為又は会社法350条に基づき、330万円の損害賠償+遅延損害金の支払を求めた事案である。

【裁判所の判断】

Y社の本訴請求を棄却する。

Y社は、Xに対し、110万円+遅延損害金を支払え。

【判例のポイント】

1 訴えの提起は、提訴者が当該訴訟において主張した権利又は法律関係が事実的、法律的根拠を欠くものである上、同人がそのことを知りながら又は通常人であれば容易にそのことを知り得たのにあえて提起したなど、裁判制度の趣旨目的に照らして著しく相当性を欠く場合に限り、相手方に対する違法な行為となる(最高裁昭和63年1月26日第三小法廷判決・民集42巻1号1頁)。本訴は、Xが虚偽の事実をねつ造して退職し、就業規則に違反して業務の引継ぎをしなかったというY社主張のXの不法行為によってY社に生じた1270万5144円の損害賠償を求めるものであるところ、前記認定したXのY社退職に至る経緯並びに前記に認定したY社退職後の就労状況に照らすと、Y社において、Y社主張のXの不法行為があるものと認識したことについては全く根拠がないとまでは断じ得ないとしても、前記に説示したとおり、Y社主張のXの不法行為によってY社主張の損害は生じ得ない。
そうすると、Y社主張のXの不法行為に基づく損害賠償請求権は、事実的、法律的根拠を欠くものというべきであるし、Y社主張のXの不法行為によってY社主張の損害が生じ得ないことは、通常人であれば容易にそのことを知り得たと認めるのが相当である。
それにもかかわらず、Xに対し、Y社におけるXの月収(額面約20万円)の5年分以上に相当する1270万5144円もの大金の賠償を請求することは、裁判制度の趣旨目的に照らして著しく相当性を欠くというべきである
したがって、Y社による本訴の提起は、Xに対する違法な行為となる。

2 民事訴訟においては、裁判を受ける権利の行使として自由な主張立証活動が保障されなければならず、その主張立証行為の中に相手の名誉等を損なうような表現が含まれていたとしても、相手を誹謗中傷する目的の下にことさら粗暴な表現を用いた場合など、著しく相当性を欠く場合でない限り、不法行為を構成するものではないと解するのが相当である。
これを本件について見るに、「XがY社を欺くために躁うつ病のふりをしている。」との準備書面の記載は、まさに、Xが躁うつ病であるという虚偽の事実をねつ造して退職し、業務の引継ぎを行わなかったとする、本件訴訟におけるY社の請求内容そのものである。また、「Xが躁鬱病という病を選んだ理由は他にもある。それは、①Xの母は、長期間に渡り鬱病を罹患しており、自殺未遂の経験もある。その母親をやはり長期に渡り間近で見ていたので、一番安易にマネが出来ること、②最近の社会現象ともなっているメンタル性の病であれば、簡単に業務から離れ易いこと、などが挙げられる。そして見事に鬱病を演じきっただけでなく、挙げ句の果てに、Y社やY社の顧客を納得させる理由(診断書の提出)の説明責任すら放棄したのである。」との準備書面の記載も、Xが躁うつ病のふりをしているとのY社の主張を裏付けるために、その主張内容に即して記載されたものであると認められる。
そうすると、後者の記載にはいささかX及びXの母への配慮に欠ける面があるにしても、著しく相当性を欠くものとしてXに対する不法行為を構成するに足る違法性を有するものとはいえない。なお、Xの母への人格攻撃に関するXの主張は、権利主体が異なるため、失当である。

上記判例のポイント1は、完全に返り討ちにあった状態です。

濫訴として訴えの提起自体が不法行為にあたることは労働事件ではそれほど多くありませんが、本件では必要以上に大きな金額を請求したこともあり肯定されています。

特に使用者が労働者を訴える場合には感情的にならず冷静に判断することが求められます。是非、顧問弁護士に相談をしましょう。

本の紹介724 ムダの片づけ方(企業法務・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。 今週も一週間がんばりましょう。

今日は本の紹介です。
ムダの片づけ方

あらゆる意味で「ムダ」の片付け方を説いています。

つまり、机の上だけではなく、ムダな考え方、ムダな人間関係をいかに排除するかということです。

さて、この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

あなたのデスクの上の物を捨てると、あなたに対する上司の評価はガラリと変わる。なぜなら、上司はデスクの上が美しい部下を信用するからだ。あなたが上司になったことを想像してみよう。デスクの上が物で溢れ返っている人間に、頼み事をするだろうか。・・・とても怖くて、そんな部下には頼み事はできないはずだ。デスクの上が美しいということは、もうそれだけで実力なのだ。」(86~87頁)

部下のみなさん、みなさんも上司になればわかります(笑)

机の上がごちゃごちゃな人は、心に余裕がないんだろうな・・・と推測してしまうのです。

日々大量の仕事を処理しなければならないのはみんな同じです。

そんな中でも、ある人の机の上はいつ見ても美しいってこと、ないですか?

もうそれだけで「この人、仕事ができるな」と思ってしまいます。

忙しいのはみんな同じです。

言い訳を探している時間があるのなら、その時間で机をきれいにしましょう。

すべては習慣の問題です。

解雇244 業務消滅を理由とする整理解雇の有効性(労務管理・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。 今週も一週間お疲れ様でした。

今日は、業務消滅を理由とする整理解雇を有効と認めた裁判例を見てみましょう。

H協同組合事件(大阪高裁平成29年2月3日・労経速2316号3頁)

【事案の概要】

本件の本訴は、Y社の従業員であったが、平成26年3月20日に解雇されたXが、解雇は無効であるとして、①労働契約上の地位の確認と、②平成26年2月21日から判決確定まで(将来分を含む)毎月15万円の賃金+遅延損害金の支払を請求する事案であり、

反訴は、Y社が、Xに対し、Xは、平成23年7月から平成26年1月まで、労働契約に含まれていないと知りながら、通勤費等の名目で毎月5万円を利得したとして、不当利得返還請求権及び悪意の受益者に対する利息請求権(民法704条)により、155万円+遅延損害金の支払を請求する事案である。

原判決は、Xの請求の一部を認容し、Y社の請求を棄却したので、Y社が控訴をした。

【裁判所の判断】

原判決を以下のとおり変更する。

Xの請求をいずれも棄却する。

Y社の請求を棄却する。

【判例のポイント】

1 本件労働契約は、Y社にはXに従事させる業務が存在しないことを前提に、Xを協同組合員の工場に派遣し、協同組合員のミキサー車乗務や車両誘導等の現場立会業務に従事させ、協同組合員が支払う対価を賃金に充てることを内容とするものであるところ、平成25年には協同組合員からの派遣依頼がほぼなくなり、将来的にも派遣依頼を受けることは期待できない状況に陥っていたのであるから、本件解雇には客観的合理的理由があるといえる

2 Y社は、建交労と、Xの「職員の身分・処遇に影響を及ぼす恐れのある場合」には建交労と事前に協議するとの協定を結んでいるところ、本件解雇予告にあたり建交労と事前に協議をしていないし、少なくとも平成26年1月18日以降は、建交労からの団体交渉の申入れを正当な理由なく拒否し、ようやくもたれた同年2月28日の団体交渉においても、Y社は、整理解雇ではなく労働契約の解約であるとして、実質的な協議をしないまま解雇している
しかし、建交労は、Xが平成17年1月に甲社に雇用される時からこれに関与し、XがY社の専務理事を退任した際には、Y社が、Xに従事させる業務が存在しないことや経済的逼迫を理由に、再雇用を拒否していたにもかかわらず、Y社に強く働きかけ、協同組合員に派遣させてでもXを雇用させたものである。そして、建交労は、Y社が平成25年4月に解雇予告通知を行った際には、団体交渉によりこれを撤回させるなどしており、前回の解雇予告の撤回後のY社及びXの状況に変化がないことも理解していたはずである
建交労は、Xの雇用から本件解雇予告に至る経緯や、解雇の必要性、合理性、解雇回避努力、人選の相当性等についてY社が一貫して主張する内容等、すなわち、Y社との協議(団体交渉)においてY社が説明するであろう内容を知悉しており、これに対する建交労の主張も前回の解雇撤回時の団体交渉における説明と同様になったことからすれば、Xもその内容を承知していたことが推認できる。そして、前回、解雇を撤回したにもかかわらず、改めて本件解雇予告をしたことは、Y社において、今回は解雇予告を撤回する意思がないことを示しているものであり、他方、建交労も、本件解雇予告の撤回以外の円満解決に向けた具体的方策を提示していない
これらの事情を総合すると、Xとの協議や交渉は、平成26年2月28日の団体交渉で行き詰まり、進展の見込みがなかったといえるから、Y社は、本件解雇予告前に建交労と事前に協議をせず、その後も、必ずしも誠実に協議をしたとはいえないものの、この点を考慮しても、本件解雇は社会通念上相当なものではない(解雇権を濫用したもの)とまではいえない

一審と控訴審で判断が分かれているとおり、ぎりぎりの判断です。

特に上記判例のポイント2の判断は、担当裁判官の考え方1つで変わり得るところなので、この裁判例を実務に活かすということはなかなか難しいです。

こういう判断もありうるよ、という程度ですかね。

解雇を選択する前には必ず顧問弁護士に相談の上、慎重かつ適切に対応することが肝心です。決して、素人判断で進めないようにしましょう。

本の紹介723 コピーキャット(企業法務・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。

今日は本の紹介です。
コピーキャット―模倣者こそがイノベーションを起こす

模倣をポジティブに捉え、いかに模倣すべきかを説いています。

いろいろな例が挙げられており、とてもわかりやすいです。

さて、この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

冷静に考えれば、真似をしている時期の企業は競争力も強い。逆に他社が真似をしているとこぼす側は落ち目であることが多い。」(194頁)

我流は駄目だ、生きている時間が少ないから。先例から教訓を学ぶ」(200頁)

「模倣者こそがイノベーションを起こす」というサブタイトルからもわかるとおり、他社のいいところをどんどん模倣していこうということです。

最初から我流だと時間がかかりすぎるのです。

真似をして、形を少し変える。

こんなことはいつの時代もどこの業界でも行われていることです。

1から10まで我流なんて時間がもったいない。

時間がいくらあっても足りません。

真似をして、形を少し変える。 これでいいのです。

有期労働契約74 雇止めが有効と判断された理由とは?(労務管理・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。

今日は、雇止めの主たる理由または動機は勤務成績、勤務方法、それらの改善可能性にあったとし、雇止めを有効とした事例を見てみましょう。

札幌交通事件(札幌地裁平成29年3月28日・労経速2315号7頁)

【事案の概要】

本件は、Xが、Y社に対し、Y社がした後記の本件雇止め等が無効及び違法であると主張して、労働契約上の権利を有する地位にあることの確認を求め、また、不法行為に基づき、平成27年10月1日から同28年1月20日までの賃金相当損害金67万0399円+遅延損害金の支払いを求め、同28年1月21日から本判決確定の日まで毎月27日限り賃金相当損害金18万3915円の支払を求める事案である。

【裁判所の判断】

請求棄却

【判例のポイント】

1 Xの勤務方法は、Y社の一般的な又は勤務成績の良い乗務員とは異なり、甲駅のタクシー乗り場に駐車して、客を待ち、客を乗せて目的地まで運んだ後、客を探しながらタクシーを運転するということ(流し)をせずに、客を乗せないまま、同駅に戻り、タクシー乗り場に駐車して、客を待つ、そして、Y社からの無線による配車指示については、キャンセルボタンを押すことで応じない、というものであった。
無線による配車指示については、例えば、平成27年4月1日から同月30日までは、閉局ボタンを9回押し、休憩ボタンを111回押し、合計120回、配車指示が入らない状態を作り出した上、126回の配車指示に対し、了解ボタンを押して配車を受けたのはわずか5回にとどまり、キャンセルボタンを押して配車指示拒絶をしたのは121回にものぼっていた。
これらのような勤務方法の結果、平成27年7月27日から同年8月26日までの期間については、Xの走行距離及び売上は、Y社が定めた目標の走行距離及び売上に届いたことがなかっただけでなく、百合が原営業所の乗務員の平均の走行距離及び売上にも届いたことがなく、特に、Xの売上は、百合が原営業所の乗務員の平均の売上の半分に満たないことが多かった

2 ・・・以上の事情によれば、Xにおいて、平成27年9月30日の期間満了時に、本件労働契約3が更新されると期待することには、その程度は強くないものの、合理的な理由があるというべきであり、本件労働契約3は、労働契約法19条2号に該当するものである。

3 ・・・以上のような、Xの勤務成績が極めて悪かったこと、Xの勤務方法が一般的な又は勤務成績の良いY社乗務員と異なっていたこと、Xの勤務成績及び勤務方法について改善可能性がなかったこと、Xは雇用期間を6か月とする有期労働契約が2回更新されたにとどまっていたこと、平成26年6月頃又は同年7月頃のY社から日本交通労働組合に対する説明などによれば、X以外で更新を拒絶された嘱託社員として証拠上認められる者が1名であることといった事情、Xの主張及び本件全証拠に照らしても、本件雇止めには、客観的合理性も社会通念上の相当性も認められるというほかない。

2号事案で、これだけの事情がそろえば、雇止めは有効と判断されます。

多くの場合、ここまでの事情がそろう前にしびれを切らして解雇してしまうのです。

期間途中の解雇は期間満了による雇止めよりも要件が厳しいので判断を誤らないように気をつけましょう。

日頃から顧問弁護士に相談しながら適切に労務管理を行うことが大切です。

本の紹介722 その他大勢から抜け出し、超一流になるために知っておくべきこと(企業法務・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。 今週も一週間がんばりましょう。

今日は本の紹介です。
その他大勢から抜け出し、超一流になるために知っておくべきこと

千田さんの本らしいタイトルです。

タイトルはさておき、内容的にはいつも通り、参考になる考え方が書かれています。

さて、この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

ごく短時間で圧倒的な実績を残している人たちを黙って観察していると、こんなことに気づかされる。
頭が柔らかいのだ。『かくあるべし』といった固定観念がなく、いいと思ったことはすぐに試してみる若々しさをいつまでも失っていない。そしてこれまでの『正解』が古いとか間違っていると気づいた途端に、拍子抜けするほどあっさりと手放すのだ。」(31頁)

結局のところ、決断力と行動力がものを言うわけです。

ささいなことでもなかなか決断できない人は、どこに行っても、何をしてても決断が遅いのです。

じっくり時間をかけて考えた方が良い選択ができるという幻想にとりつかれているのかもしれません。

日常生活における多くのたわいもない決断を早くする。

あーでもない、こーでもないと時間をかけない。

意識して秒速で決めるのです。

こういうところから変えていくことが、決断力を早める訓練になります。

不当労働行為177 会社が組合員に対するハラスメントを放置したことの不当労働行為該当性(労務管理・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。 今週も一週間お疲れ様でした。

今日は、Aが夫の陳述書を別事件の証拠とすることに協力し、その後組合支部に加入したことを理由に、会社が他の従業員によるAに対するセクハラやパワハラを放置したことが不当労働行為に当たるかが争われた事案について見ていきましょう。

日東興産事件(神奈川県労委平成29年1月12日・労判1156号92頁)

【事案の概要】

本件は、Aが夫の陳述書を別事件の証拠とすることに協力し、その後組合支部に加入したことを理由に、会社が他の従業員によるAに対するセクハラやパワハラを放置したことが不当労働行為にあたるかが争われた事案である。

【労働委員会の判断】

不当労働行為にあたらない

【命令のポイント】

1 Y社としては、X3の通報したセクハラについて、その解決を当事者間の話合いに委ねるとの方針でいたことがうかがえるものの、その決定がなされたのは同人の組合支部への加入前であり、加入後もその方針に変更は見られないことからすると、Y社が、X3が組合支部に加入して組合員になったことや組合支部の正当な行為をしたことを理由に上記のセクハラを放置したものと認めることはできない。

2 また、Xらは、本件陳述書を24-35号事件の証拠とすることに協力したX3に対するパワハラをY社が放置したことは、労組法7条4号に該当すると主張する。
しかし、仮にY社が本件陳述書の作成にX3が何らかの協力をしたものと考えたとしても、上述したとおり、X3の通報したセクハラに関する方針を決定したのは本件陳述書の提出前であることからすると、Y社が24-35号事件の「証拠を提示し・・・たことを理由として」X3に対する上記方針を決定したものと認めることはできず、上記主張は採用できない。

3 以上により、X3に対するセクハラやパワハラに関するY社の対応は、労組法7条1号及び4号の不利益取扱いには当たらない。

上記命令のポイント1のような事情があれば、会社側に不当労働行為意思がないことは明らかですので、大丈夫です。

組合との団体交渉や組合員に対する処分等については、まずは事前に顧問弁護士から労組法のルールについてレクチャーを受けることが大切です。決して素人判断で進めないようにしましょう。

本の紹介721 筋トレライフバランス(企業法務・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。

今日は本の紹介です。
筋トレライフバランス マッチョ社長が教える完全無欠の時間管理術

Testosteroneさんの本です。

今回の本は筋トレはメインの内容ではなく、筋トレをするためにいかに時間管理をするかということです(笑)

なんでも筋トレと結びつける姿勢、最高です。

表紙には「鉄アレイは裏切らない」と書かれています。

筋トレしている人で異論がある人はいないのではないでしょうか。

さて、この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

人間関係をすべて損得勘定で見ろとは言わないが、自分にプラスにならない人間と付き合う必要は一切ない。何かの形で自分のためになる関係じゃないと続かないし、続ける意味がない。だからこそ、友人はしっかり選んだほうがいい。ネガティブな人は君の足をひっぱるが、ポジティブな人は君が上のレベルに行くことをバックアップしてくれる。」(135~136頁)

自分の成長にとってプラスになる人とだけ付き合えばよいのです。

一緒にいてマイナスになる人と付き合う理由が見当たりません。

与えられた時間が有限である以上、わざわざ大切な時間を割いてまでマイナスになることをする必要はありません。

人生は、「誰と一緒に時間を過ごすか」ということがあらゆる点に大きく影響を与えます。

付き合う人を選ぶというのは、つまるところ、自分の人生をどう生きたいかを選んでいることと同じことなのだと思います。

管理監督者37 弁当チェーン店店長の管理監督者性(労務管理・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。

今日は、弁当チェーン店元店長の管理監督者性と割増賃金等請求に関する事案を見てみましょう。

プレナス(ほっともっと元店長B)事件(大分地裁平成29年3月30日・労判1158号32頁)

【事案の概要】

本件は、Y社の元従業員であり、平成26年8月5日にY社を退職したXが、Y社に対し、時間外労働の賃金及び寮費相当額として控除されてきた賃金部分+遅延損害金、付加金+遅延損害金、慰謝料50万円+遅延損害金の支払いを求める事案である。

【裁判所の判断】

Y社は、Xに対し、1011万4971円+内953万3480円に対する遅延損害金(6%)を支払え

その余の請求はいずれも棄却

【判例のポイント】

1 Xは、その職務内容、責任と権限、勤務態様及び賃金等の待遇などの実態からすれば、労働時間、休憩及び休日に関する規制の枠を超えて活動することが要請されざるを得ない重要な職務と責任を有するとも、現実の勤務態度が労働時間等の規制になじまないような立場にあるともいえないから、労働条件の決定その他労務管理について経営者と一体的な立場にある者、すなわち管理監督者に該当するとは認められない。 

2 本件では、Xの時間外労働の割増賃金支払義務の前提問題として、Xの管理監督者該当性が主要な争点として争われているところ、この点に関する当事者双方の主張内容や事実関係のほか、栃木労基署はY社に対し是正勧告を行ったものの、Y社から管理監督者に該当する旨の報告書が提出されて以降特段の手続が取られていないことなどに照らせば、Y社がXの割増賃金の支払義務を争うことには合理的な理由がないとはいえないというべきである。
したがって、未払賃金に対する遅延損害金については、商事法定利率によるべきである。

3 Y社は、Xに対し、労基法37条の定める時間外割増賃金及び休日割増賃金の支払義務を怠っているものといえるが、当事者双方の主張内容や事実関係、その後の訴訟経過に照らせば、Y社に対し、付加金という制裁を課すことが相当とはいえない

管理監督者性に関しては、上記判例のポイント1のとおり、箸にも棒にもかからない感じですが、この争点の裏の意味としては、上記判例のポイント3のとおり、付加金を抑えるということが挙げられます。

うまくいくときといかないときがありますが。

あと、上記判例のポイント2についても、14.6%になっていない点で参考になります。

管理監督者性に関する対応については、会社に対するインパクトが大きいため、必ず顧問弁護士に相談しながら進めることをおすすめいたします。

本の紹介720 「しゃべらない営業」の技術(企業法務・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。

今日は本の紹介です。
「しゃべらない営業」の技術 (PHPビジネス新書)

タイトル通り、しゃべらない営業のやり方が書かれています。

仕事で必要なのは、うまく話すことではなく、うまく聴くことなので、正しいと思います。

さて、この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

しゃべらないということは、なにも情報を隠すという意味ではありません。営業マンの都合だけでしゃべりまくるのは、お客さまにとって迷惑だということです。相手の気持ちを察すれば、むしろなるべくしゃべらないほうが好意を持たれます。・・・お客さまが求めているのは、巧みな話術でもなければ、笑える話でもありません。真実を知りたいのです。余計な言葉で飾られた情報には、もう飽き飽きしています。」(60頁)

おっしゃる通りです。

話が長い人のことを好きな人などいません。

これは性格でもなんでもなく、端的に要点を他者に伝える訓練をしていないだけです。

スタバで女子会をやっている分にはいいですが、仕事上で話が長い、それでいて要領を得ないのでは周りは困ってしまいます。

ポイントは、一度にすべてのことを伝えようとしない、ということです。

典型例が、理由や経緯や背景事情から話しはじめるということです。

なかなか結論にたどり着かない(笑)

聞いている側とすれば、とりあえず、結論を聞きたいのです。忙しいので。

できるだけ聞いている人の時間泥棒にならないように配慮しましょう。