Author Archives: 栗田 勇

本の紹介403 シュガーマンのマーケティング30の法則(企業法務・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。 今週も一週間お疲れ様でした。

今日は本の紹介です。
シュガーマンのマーケティング30の法則  お客がモノを買ってしまう心理的トリガーとは

ザ・マーケティングという内容の本です。

マーケティングとはどのように考えることなのかがよくわかります。

マーケティングが好きな方にはもってこいの本ですね。

さて、この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

買いたいと感覚的に思っているお客にも、買い物が理にかなったものだという論理的な保証が必要だということだ。誰もがバカな買い物はしたくない。・・・誰もが自分の買い物には論理的根拠があり、正当化できるものだと確信したいのだ。あなたの役目は、論理を提供することだ。買い物をする理由と正当性を与えてあげなければならない。」(109頁)

この抽象的な文章に、自分の業務をあてはめてみると、何をすべきかが見えてきませんか?

みんな買い物で後悔したくないのです。

買いたいという気持ちはあるけれど、本当にこれを買って、あとで後悔しないか・・・と考えているのです。

売る側は、「大丈夫ですよ。」のあとにくる「なぜなら・・・」を論理的に説明することが大切です。

さまざまな業種の売り方を、このような視点で見ると、本当に勉強になります。

すべては買い手の「不安」や「後悔」を取り除くための工夫なのだとわかります。

不当労働行為102(ジェイウェーブほか1社事件)

おはようございます。

今日は、就労拒否等と不当労働行為に関する命令を見てみましょう。

ジェイウェーブほか1社事件(大阪府平成26年9月29日・労判1099号92頁)

【事案の概要】

本件は、①Y社が、組合員Cの就労復帰を認めなかったこと、②Y社及びA社が、組合員Bに対して、組合加入後、就労日数を減少させたこと、③Y社が、組合加入後、Bに専属車両を割り当てなくなったことなどが、それぞれ不当労働行為であると申し立てられた事案である。

【労働委員会の判断】

①A社は組合員の労組法上の使用者といえないので、A社に対する救済申立は棄却

②体調不良により休業したCの就労復帰を認めなかったY社の対応は不当労働行為にあたらない

③組合加入に加入したBの就労日数を減少させたことは不当労働行為にあたる

④専属のミキサー車を割り当てられていたBに、組合加入後専属車両を割り当てなくなったことは不当労働行為にはあたらない

【命令のポイント】(上記①及び④のみピックアップ)

1 A社代表者が、両組合員の基本的な労働条件について雇用主と同視できる程度に現実的かつ具体的に支配、決定できる地位にあったとみることはできず、この点に関する組合の主張は認められない。
①Y社とA社は別個の法人格を持ち、本店所在地や代表者等が異なっており、近畿運輸局からの一般貨物運送事業の許可も別個に取得していること、②Y社a営業所とA社車庫は同一敷地内にあるが、それぞれの駐車場所は区別されており、また、それぞれのミキサー車も外形的にもはっきり別個のものと区別される状態であったこと、③当該敷地の賃貸借契約も別個に締結されていること、が認められ、それぞれが独立した法人として活動しているとみることができる
以上のとおりであるので、A社は、C組合員及びB組合員の労組法上の使用者であるとはいえず、A社に係る申立ては、その余について判断するまでもなく、これを棄却する

2 平成24年2月、3月及び6月においても、B組合員の乗務する車両は変動しているうえ、①Y社がB組合員に車番5の車両を割り当てなくなったのには、塗装のやり直しをするためという理由があったこと、②車番5の車両を、その後、同組合員に割り当てなかったのは同組合員がメンテナンスを怠っていたことが一因であると陳述されていること、③Y社においては、1台の車両を専属として決められている運転手はほとんどいなかったこと、が認められ、これらのことからすれば、Y社が同年8月から10月半ばまでの2か月余りの間、B組合員を特定の車両に割り当てなかったことには一定の理由があるといえ、他の運転手と比べて、B組合員が特別不利益に扱われているとまで認めることはできない
したがって、この点に係る組合の主張は採用できず、組合の申立ては棄却する。

上記命令のポイント1は、労組法上の使用者性に関する認定をしています。

組合員に対する対応が不当労働行為にはあたらないというためには、非組合員との比較をした際、とりたてて組合員ということを理由として不利益な取扱いをしているわけではないことを丁寧に主張する必要があります。

組合との団体交渉や組合員に対する処分等については、まずは事前に顧問弁護士から労組法のルールについてレクチャーを受けることが大切です。決して素人判断で進めないようにしましょう。

本の紹介402 あなたの財布に奇跡が起こるお金の習慣(企業法務・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。

今日は本の紹介です。
あなたの財布に奇跡が起こるお金の習慣

著者は、コンサルティング会社の社長です。

お金持ちの教科書」の著者ですね。

タイトルは、ちょっとあれですけど、本の内容は参考になります。

日頃からお金持ちと接している著者が、お金持ちの特徴を書いています。

お金をもうける裏技的な話は一切書かれていません。

非常に地道であり、王道を行く内容です。

さて、この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

お金の使い方が上手な人にはある。それはお金を払った相手に対して、必要以上に期待しないというものである。・・・相手への不満のほとんどは、相手が自分の期待したように動いてくれないことに端を発している。相手への期待は、行きすぎると相手への依存につながってしまう。正しいお金の使い方ができる人になるためには、こうした相手への過度の期待から自由になることが重要である。」(224頁)

いかがでしょうか。

相手への不満のほとんどは、相手が自分の期待したように動いてくれないことに端を発しているということです。

思い浮かべてみて下さい。

実際そうじゃないですか?

この場合の相手とは、上司、部下、恋人、配偶者など、自分が何かを期待してしまうすべての人です。

期待が行きすぎると、依存になると。

依存すると、人は弱いですよね。

覚せい剤やたばこの依存症を考えればわかりますね。

それがなくなったら、とたんに生活が不自由、不便になってしまいます。

あまり相手に対して過度な期待をしないことが、心穏やかに生きる秘訣なのかもしれませんね。

有期労働契約54(北海道大学(契約職員雇止め)事件)

おはようございます。

今日は、更新3回後の期間満了を理由とする雇止めに関する裁判例を見てみましょう。

北海道大学(契約職員雇止め)事件(札幌高裁平成26年2月20日・労判1099号78頁)

【事案の概要】

本件は、Y社に契約期間1年間の契約職員として雇用され、3回の契約更新を繰り返してきたXが、平成23年3月31日の契約期間満了をもって雇止めとされたことは許されないとして、Y社に対し、雇用契約上の権利を有する地位の確認、雇止め後から本判決確定の日までの賃金及び遅延損害金並びに本件雇止めが不法行為であるとして慰謝料100万円及び遅延損害金の支払いを求めた事案である。

一審(札幌地裁平成25年8月23日)は、Xの請求を棄却した。

【裁判所の判断】

控訴棄却
→雇止めは有効

【判例のポイント】(原審について)

1 本件においては、平成19年4月の本件労働契約締結の際、Xが3年雇用の方針を認識していたこと、更に、Xが、平成16年4月に短時間勤務職員として雇用された際にも3年雇用の方針を認識していたことは争いがない。当裁判所は、本件で最も問題になる点は、Xにおいて3年雇用の方針を認識した時点において、既に、雇用継続についての合理的期待を有していたと認められるか否かであると考える。

2 ①雇用継続の合理的期待を有するに至った後にXが3年雇用の方針を認識する(あるいは認識し得る)に至ったという場合であれば、使用者が事後的に設けた(労働者に認識させた)雇用期間の制限により労働者の雇用継続の合理的期待が消滅したと判断することが許されるのかという点が重要な論点になるが、②雇用継続の合理的期待を有するに至る前に、Xが3年雇用の方針を認識していたという場合であれば、その方針を前提に、Xが雇止めの時点で雇用継続の合理的期待を有していなかったとしても、①のような問題は生じないから、この区別は、本件の結論に大きな影響を及ぼす重要な点である

3 Xは、自らが従事していた謝金業務は、非正規職員と比較しても不安定であり、財源を厚生科研補助金に依存しており、その支給がなくなれば、終了する可能性があることを認識していたのであるから、そのような謝金業務に最長で1年半従事したからといって、Xが3年雇用の方針を認識した時点において、その方針を超えて勤務が継続されるという合理的期待を有するに至っていたとはいえない。平成16年4月当時、C教授の研究に対する厚生科研補助金の支給は、平成17年3月31日までの予定であったから、その時点で、Xがある程度の勤務継続の期待を抱いたとしても、それが合理的なものと評価し得るのは、平成17年3月31日までが限度である。

4 仮にXが謝金業務に従事した期間を実質的には雇用的関係であると評価した場合には、平成14年10月頃から平成23年3月31日の本件雇止めまでの間に8年半の雇用的期間があったことになる。しかし、形式的に雇用的期間が相当連続したと評価したとしても、その実質は変わらないのであり、謝金業務に従事していた期間は、上記のように不安定で、雇用継続の合理的期待を持ち得ない雇用的関係であることに変わりはない。しかも、Xは、そのような雇用的関係が最長でも1年半続いた段階で3年雇用の方針を認識するに至っている。そうすると、謝金業務に従事した期間を実質的に雇用的関係であると評価したとしても、本件雇止め当時、Xが雇用継続の合理的期待を有していなかったという上記判断が変わるものではない。

5 なお、大学の非常勤講師として、1年の雇用契約が20回更新され、21年間にわたって勤務を継続してきた者につき、解雇に関する法理を類推しなかった原審の判断が維持された事例として、最高裁平成2年12月21日判決(亜細亜大学事件)がある連続した雇用的期間が相当継続したと評価したからといって、当然に解雇に関する法理が類推されるわけではなく、その雇用的期間の性質、実質が問題になると解される

非常に参考になる裁判例です。

特に上記判例のポイント3、4は理解しておくべき考え方ですね。

日頃から顧問弁護士に相談しながら適切に労務管理を行うことが大切です。

本の紹介401 若者よ、天下を取れ。(企業法務・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。 今週もがんばりましょう。

今日は本の紹介です。
若者よ、天下を取れ。

著者は、商品の企画開発、ネーミング開発、テレビCMの企画製作等をしている方です。

タイトルだけで、2秒で買いました。

最近、「天下を取る」ことを目標にしている若手、まわりにいます?

私の周りには、結構います。

さて、この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

一発芸人を大尊敬している。一発で、妻子を養っていく。その一発を生むためにどれほど苦労したんだろう。」(86頁)

オレなんかいまだに一発も芸を身につけてない。君の一発芸はなんだい?遠慮なんかしないで、バンバン公開するんだ。」(87頁)

著者が言うとおりですね。

一発芸人をばかにしてはいけません。

あなたには、妻子を養っていくだけの一発芸、ありますか?

僕にはないな・・・。

僕もダンディさんのように破壊力のある一発芸を身につけたいな。

ゲッツ!!

不当労働行為101(ZINZAN事件)

おはようございます。

今日は、離職した組合員に対する解雇予告手当および未払時間外労働賃金の支払を議題とする団交に応じないことと不当労働行為に関する命令を見てみましょう。

ZINZAN事件(岡山県労委平成26年9月25日・労判1099号93頁)

【事案の概要】

本件は、Y社が経営する飲食店で働いていたX組合の組合員Aの解雇予告手当および未払残業代を議題とする団交に一度は応じたものの、その後、平成25年10月3日および同月10日に組合が申し入れた団交にY社が応じなかったことが、不当労働行為に当たるとして救済が申し立てられた事案である。

【労働委員会の判断】

不当労働行為にあたる

【命令のポイント】

1 Y社は、解雇予告手当について、A及びX組合に十分な説明を行っておらず、離職に際して未清算の事項が存在するので、本件当事者間で協議する必要がある
以上のことから、Y社がA組合員の合意退職等を理由に解雇予告手当の支払いを議題とする団体交渉に応じないことには理由がない。

2 ・・・このように、Y社は、A組合員の時間外労働の実態を正確に把握していたとはいえない。また、X組合はY社に対し、再三にわたりA組合員の勤務実態を把握し、時間外労働の有無を明らかにするため、A組合員に関するタイムカード、A組合員の勤務した店舗の営業日報、会社の就業規則等の資料の提供を求めたにもかかわらず、Y社はタイムカードの一部を提示したのみで、団交でその他の資料をX組合に提示していないことが認められる。また、A組合員が休憩時間も含めて最大で14時間就労を繰り返していた際にも、Y社は職務懈怠等を理由に時間外労働は生じていない旨を主張するが、具体的な職務懈怠の説明をしていないことが認められる
以上に述べたY社の対応は、交渉の都度、主張が変遷するなどX組合の理解と納得を目指した誠実な対応であったとはいえないから、説明を尽くしたとの主張は認容することはできず、団体交渉を拒否する正当理由とは認められない

3 前記判断のとおり、Y社が、A組合員に対する解雇予告手当及び未払い残業代に関する組合の本件団交申入れに応じないことは労組法7条2号に該当する不当労働行為である。

全体を通じて、使用者側の説明不足という評価をされています。

もちろん使用者として、正直なところ、組合に見せたくなく会社の資料もありますが、少なくとも就業規則に見せない理由はないと思いますが。

組合との団体交渉や組合員に対する処分等については、まずは事前に顧問弁護士から労組法のルールについてレクチャーを受けることが大切です。決して素人判断で進めないようにしましょう。

本の紹介400 人生を変える正しい努力の法則(企業法務・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。

今日は本の紹介です。
人生を変える 正しい努力の法則

著者は、弁護士の方です。

「努力」がテーマになっていますが、努力以外にも著者の人生観や考え方を知ることができます。

さて、この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

結果ではなくプロセスで評価を求めたり、努力を売り物にするときは、実は努力が嫌で嫌でしょうがないか、結果が出ない言い訳にしている場合です。こういう努力は、愛の押し売りと同じように、見苦しいものです。自己中心的な、承認欲求を満たしたいだけの行為にすぎません。そして、多くの場合、結果もついてきません。ビジネスの世界でも、プロセスをやたら強調する人がいますが、それはプロフェッショナルのやることではありません。プロフェッショナルは結果がすべて。努力してもしなくても、結果を出さなければ意味がありません。努力やプロセスは、あくまで他人が評価するものであって、自分が声高に主張するものではないのです。」(138頁)

褒められたい症候群の方には、耳が痛い意見だと思います。

その仕事でお金をいただいている以上、仕事の種類に関係なく、多くの方がプロフェッショナルです。

プロセスが重視されて久しいこの社会において、あえて「結果がすべて」と言うことの意味は大きいと思います。

僕たちは、より結果を重視すべきです。

プロセスを重視するということは、結果が出ないときの言い訳、逃げ道を予め設定しておくことなのかもしれません。

もちろんどれだけ一生懸命に努力しても、結果が伴わないことはあります。

でも、ここでプロセス重視に逃げない。

あくまでも「結果がすべて」というスタンスを崩さないことで見えてくる道もあるのだと思います。

賃金88(フジスター事件)

おはようございます。

今日は、賃金格差の一部が性別に基づく不合理な取扱いとされた裁判例を見てみましょう。

フジスター事件(東京地裁平成26年7月18日・労経速2227号9頁)

【事案の概要】

本件は、Y社に雇用され、約20年間勤務した後、平成21年5月9日付けで定年退職したXが、在職中、Xが女性であることを理由として、賃金及び賞与が男性従業員よりも不当に低く抑えられてきたため、本来Xが受けるべきであった平成18年5月分以降の月例賃金、住宅手当、時間外割増手当、退職金、夏季・冬季賞与及び決算賞与の額と実際にXが支給された額との各差額相当額、年金差額相当額、慰謝料及び弁護士費用の合計として、①主位的に1621万4960円、②予備的に1551万7093円の損害を被ったと主張し、不法行為に基づく損害賠償請求をした事案である。

【裁判所の判断】

Y社はXに対し、55万円(慰謝料50万円+弁護士費用5万円)+遅延損害金を支払え。

その余の請求は棄却

【判例のポイント】

1 Y社における賃金決定過程は、諸要素を考慮するものの、最終的にはY社代表者の判断で決定している部分が大きいものである。
企業として、いかなる点を重視して従業員にインセンティブを与えるべきか、という事柄は、当該企業の経営判断に属するものであり、当該企業の経営方針等に照らし、一定の職種によりインセンティブを与えるという方針の下で給与決定をすること自体は、それが職種の違いを踏まえても合理性を有しない不当な差別にわたると評価される場合に該当しない限り、違法とされるものではないというべきである。

2 Xは、平成20年2月8日付けの本件合意書において、本件組合フジスター支部の支部長として記名押印をしているところであるが、本件合意書には、X以外の本件組合の特定の組合員4名について住宅手当、家族手当及び主任手当を同年2月から支給する旨の条項、過去分の住宅手当及び家族手当については、上記組合員4名に対し、解決金名目で210万3000円を支払う旨の条項の他、いわゆる清算条項(「本件に関し」との限定を付したもの。)が設けられている。・・・本件合意書における清算条項の当事者である「組合員」にはXも含まれるということが本件合意書締結当時の当事者の意思に合致するものと解するのが相当であって、Xの、平成20年1月分までの住宅手当及び家族手当については、Y社との関係においては、本件合意により清算済みであり、現在ではY社に対する請求権を有しないというべきである

3 Xは、在職中、Y社の不法行為により、同じ企画職の男性従業員と比べて、役職手当(主任手当)の支給される時期が著しく遅くなるという不利益を被っていた。そして、その不利益は、Xが支給されるべき時間外割増手当やXが受給すべき年金額にも一定の不利益を及ぼすものである。これらの不利益の程度を具体的に認定することができないことは既に述べたとおりであるが、Xは、Y社のかかる取扱いにより、性別により差別されないという人格権を侵害されたものであり、これによりXが被った精神的苦痛を慰謝するには、上記のXが被った不利益をも考慮した相応の金員の支払が必要である。そこで検討するに、Xと、企画職の男性従業員との間の主任手当の支給額の差額、Xの勤続年数、Y社における賃金決定方法について、経営陣の裁量に委ねられる部分が大きく、Xの予測可能性が乏しいといえること、上記のとおりXが具体的な程度を認定することはできないが一定の不利益を受けていること、その他本件に現れた諸般の事情を総合すると、Xの慰謝料は、50万円と認めるのが相当である。

原告側の代理人の訴訟活動の大変さが思い浮かびます。

慰謝料の金額、少なくないですかね・・・? 日本の裁判所ではこんなもんでしょうか?

日頃から顧問弁護士に相談しながら適切に労務管理を行うことが大切です。

本の紹介399 銀座に集う一流の午後6時からの成功仕事術(企業法務・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。 今週も一週間がんばりましょう。

今日は本の紹介です。
銀座に集う一流の午後6 時からの成功仕事術~エグゼクティブから学ぶ、人の心を動かす極意~

著者は、銀座のクラブのオーナーの方です。

銀座で多くのビジネスマンを接客する中で見えた一流の方の話題やマナーを紹介してくれています。

さて、この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

ゲストが自分より年齢的に若くても、自分の考えや価値観を主張せず、話の主導権を相手に委ねることができる人は素敵だと思います。・・・基本的に、人は誰かの話を聞くよりも話しているときのほうが幸せです。だからこそ、できるだけ相手が話している時間を多くつくるように意識しましょう。」(107頁)

よく聞く話ですが、トップセールスマンは、話すのがうまいのではなく、聞くのがうまいのです。

人はみな、はなしを聞いてほしいのです。

口べたなトップセールスマンを僕は何人も知っています。

会話はキャッチボールです。

どれだけ相手の方に気持ちよくボールを投げてもらえるかが大切だと思います。

自分ばかりがボールを投げていないか。

自分が投げたいボールばかりを投げていないか。

意識することが大切です。

 

配転・出向・転籍22(学校法人越原学園(名古屋女子大学)事件)

おはようございます。 今週も一週間お疲れ様でした。

今日は、配転命令拒否を理由とする解雇に関する裁判例を見てみましょう。

学校法人越原学園(名古屋女子大学)事件(名古屋高裁平成26年7月4日・労判1101号65頁)

【事案の概要】

本件は、Y社が設置・経営している名古屋女子大学の教授であり、Y社から平成23年4月1日付けで教職員研修室(兼務)の配転命令を受け、これを拒否したことを理由に普通解雇されたXが、Y社に対し、①労働契約上の権利を有する地位にあることの確認、②未払賃金及び遅延損害金を求めた事案である。

原審は、本件配転命令は、業務上正当かつ合理的な理由や人選の合成はないのみならず、Xに対し不当な目的を持って行われたもので不当労働行為にも該当するから無効であり、これに従わなかったことを理由とする本件解雇も無効であると判断した。

【裁判所の判断】

配転命令は無効

本件解雇も無効

【判例のポイント】

1 Y社は、具体的に誰に対して配転命令を出すかについては、使用者側に相当広い裁量権があるとして、別段組合員を狙い撃ちにしているのではなく、学内行政に対する貢献度が低い、すなわち、あからさまにいえば比較的暇な教員を選ぶと、結果的に組合員に当たるにすぎず、Y社には、Xに様々な問題行動があったればこそ、Xを教職員研修室に配属することがXの行動に良い影響を与えるのではないかとの目論見もあったなどと主張して上記認定判断を批判するが、様々な問題行動のある人物を教職員に対する研修を実施する立場にある教職員研修室の室員に選任するのはむしろ不合理というべきであって、上記Y社の目論見をもって業務上の必要性があるといえるものでないから、Y社の主張は採用できない

2 (原審判断)・・・以上の事情を総合考慮すると、Y社が教職員研修室への異動を命じる職員が大学組合の組合員である場合には、その選任は恣意的に行われており、その異動命令の目的は、組合活動を封じ込め、あるいは職員に対しことさら知識・技能の不足をあげつらい、また、あえて無意味・手間のかかる単純作業に従事させるなどして、当該教職員の自尊心を傷つけ、心理的圧迫・精神的苦痛を与え、これに耐えられない者についてはそのまま退職に追い込み、これに反発する者については懲戒処分を出した上で、最終的には解雇処分をすることにあると認めるのが相当である

3(原審判断)以上によれば、本件配転命令は、業務上正当かつ合理的な理由や人選の合理性はないのみならず、Xに対する不当な目的をもって行われたもので、不当労働行為にも該当するというべきである
したがって、その余の点(著しい不利益の生む、手続違背の違法の有無、信義則に反するか否か)について判断するまでもなく、本件配転命令は違法であって、無効というべきである。

配転命令は使用者に広い裁量が認められていますが、その対象が組合員(特にポストが上の人の場合)である場合には、不当労働行為の問題が起こります。

また、あからさまに配置転換を退職勧奨の手段として用いると、権利濫用となります。

実際の対応については顧問弁護士に相談しながら慎重に行いましょう。