配転・出向・転籍22(学校法人越原学園(名古屋女子大学)事件)

おはようございます。 今週も一週間お疲れ様でした。

今日は、配転命令拒否を理由とする解雇に関する裁判例を見てみましょう。

学校法人越原学園(名古屋女子大学)事件(名古屋高裁平成26年7月4日・労判1101号65頁)

【事案の概要】

本件は、Y社が設置・経営している名古屋女子大学の教授であり、Y社から平成23年4月1日付けで教職員研修室(兼務)の配転命令を受け、これを拒否したことを理由に普通解雇されたXが、Y社に対し、①労働契約上の権利を有する地位にあることの確認、②未払賃金及び遅延損害金を求めた事案である。

原審は、本件配転命令は、業務上正当かつ合理的な理由や人選の合成はないのみならず、Xに対し不当な目的を持って行われたもので不当労働行為にも該当するから無効であり、これに従わなかったことを理由とする本件解雇も無効であると判断した。

【裁判所の判断】

配転命令は無効

本件解雇も無効

【判例のポイント】

1 Y社は、具体的に誰に対して配転命令を出すかについては、使用者側に相当広い裁量権があるとして、別段組合員を狙い撃ちにしているのではなく、学内行政に対する貢献度が低い、すなわち、あからさまにいえば比較的暇な教員を選ぶと、結果的に組合員に当たるにすぎず、Y社には、Xに様々な問題行動があったればこそ、Xを教職員研修室に配属することがXの行動に良い影響を与えるのではないかとの目論見もあったなどと主張して上記認定判断を批判するが、様々な問題行動のある人物を教職員に対する研修を実施する立場にある教職員研修室の室員に選任するのはむしろ不合理というべきであって、上記Y社の目論見をもって業務上の必要性があるといえるものでないから、Y社の主張は採用できない

2 (原審判断)・・・以上の事情を総合考慮すると、Y社が教職員研修室への異動を命じる職員が大学組合の組合員である場合には、その選任は恣意的に行われており、その異動命令の目的は、組合活動を封じ込め、あるいは職員に対しことさら知識・技能の不足をあげつらい、また、あえて無意味・手間のかかる単純作業に従事させるなどして、当該教職員の自尊心を傷つけ、心理的圧迫・精神的苦痛を与え、これに耐えられない者についてはそのまま退職に追い込み、これに反発する者については懲戒処分を出した上で、最終的には解雇処分をすることにあると認めるのが相当である

3(原審判断)以上によれば、本件配転命令は、業務上正当かつ合理的な理由や人選の合理性はないのみならず、Xに対する不当な目的をもって行われたもので、不当労働行為にも該当するというべきである
したがって、その余の点(著しい不利益の生む、手続違背の違法の有無、信義則に反するか否か)について判断するまでもなく、本件配転命令は違法であって、無効というべきである。

配転命令は使用者に広い裁量が認められていますが、その対象が組合員(特にポストが上の人の場合)である場合には、不当労働行為の問題が起こります。

また、あからさまに配置転換を退職勧奨の手段として用いると、権利濫用となります。

実際の対応については顧問弁護士に相談しながら慎重に行いましょう。