本の紹介2077 自分を成長させる極意#2(企業法務・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。 今週も1週間お疲れさまでした。

今日は、本の紹介です。

今から7年前に紹介した本ですが、再度、読み返してみました。

いかにして身体・感情・知性・精神のレベルを向上させるかが書かれています。

さて、この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

日常の生活習慣に『自分の価値観』を反映させる
これも、多くの人にとって難しい課題である。たいていの人が恐ろしいペースで生活しており、『何に拠って立つべきか』『自分は何になりたいのか』、ゆっくり考えることがほとんどない。その結果、外部からのさまざまな要求に応えるだけの生活に終始している。」(135頁)

そう。

みなさん、毎日忙しすぎるのです。

新しいことに挑戦する気も起きない程に、毎日やることが多くないですか?

もうそれどころではないですよね(笑)

まずはその超多忙な生活から抜け出すことが肝なのですが、実際のところ、至難の業です。

一度、リュックの中に入れたら、そう簡単に取り出せないものばかりだからです。

「自らの自由や時間を奪うありとあらゆるモノを、極力、リュックに入れない」ということがいかに大切か、ということなのだと思います。

労働時間101 過半数代表者の選出に違法があるとして、変形労働時間制・36協定が無効とされた事案(労務管理・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。

今日は、過半数代表者の選出に違法があるとして、変形労働時間制・36協定が無効とされた事案を見ていきましょう。

未払割増賃金等支払請求事件(釧路地裁帯広支部令和5年6月2日・労判ジャーナル140号32頁)

【事案の概要】

本件は、社会保険労務士であるBと雇用契約を締結して就労していたAが、Bに対し、①労働契約に基づき、平成31年4月から退職した令和3年4月までの時間外割増賃金等の支払、②不法行為に基づき、有効な労働基準法36条に基づく協定を欠き時間外労働を命ずる適法な権限がないのに、労働基準法32条及び同法36条に違反してBがAに対し違法な残業命令を繰り返して勤務をさせてきたことに対する慰謝料150万円等の支払、③労働契約に基づくBの私生活時間配慮・職場環境調整義務違反による慰謝料の支払、④時間外割増賃金に係る付加金等の支払を求めた事案である。

【裁判所の判断】

一部認容

【判例のポイント】

1 過半数代表者の選出手続は、法に規定する協定等をするものを選出することを明らかにして実施される投票、挙手等の方法によらなければならない(労働基準法施行規則6条の2第1項第2号)ところ、Bの事業所においては、平成16年に1年単位の変形労働時間制を採用した際に、従業員の間で従業員代表としてCを選出する話し合いが持たれた後は、従業員間で話し合いがされないままCが従業員代表としてBとの間で1年単位の変形労働時間制についての協定を締結しており、これによれば、前記の協定に先立って、選出目的を明らかにした投票、挙手等の方法によるCを従業員代表とする民主的な手続は行われていないのであるから、前記各協定届には、労働基準法施行規則6条の2第1項所定の手続によって選出された者ではない者が、Bの労働者の過半数代表者として署名押印しているといわざるを得ないから、Bにおける1年単位の変形労働時間制は無効である。

2 確かに、36協定が無効となれば、使用者は労働者に対して時間外労働を命ずる労働契約上の根拠を欠くことになることから、時間外労働を命ずる業務命令権の行使は違法となるというべきであるが、BにおけるA以外のいずれの労働者もCについて労働者代表としての適格性を否定する者はおらず、仮に従業員代表を選出する手続が行われていれば、Cが従業員代表に選出されていた可能性が高いこと、Aも36協定がCによって締結されていることをBの事業所における勤務開始後数年以内に認識しながら、これに対して異議を述べることをしていなかったこと、法定外労働に対しては、時間外割増賃金の支払が命じられることになることに照らせば、36協定が無効と判断されたとしても、その違法性は、慰謝料を命ずべき違法性があるとは認められない

変形労働時間制の無効例が後を絶ちません。

「例外規定の厳格解釈」がここでも影響しています。

労使協定締結時の過半数代表者の選出方法には気を付けましょう。

日頃の労務管理が勝敗を決します。日頃から顧問弁護士に相談することが大切です。

本の紹介2076 イヤなやつほど仕事がデキる#2(企業法務・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。

今日は、本の紹介です。

今から5年前に紹介した本ですが、再度、読み返してみました。

いかに多数派に同調しないことが大切であるかがよくわかります。

さて、この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

仕事がつまらないのは、誰かの敷いたレールの上を歩いているからだ。周囲から疎まれてもいい。イヤなやつだと思われてもいい。ルールを破って創造的に生きろ。

これだけ自由気ままな生活をしていると、もはや誰かの敷いたレールの上を歩く人生はとても送れません。

仮にそれが「安定した生活」だとしても。

目的地も自由、行き方も自由、そんなエキサイティングでスリリングな人生を送るほうが私には合っています。

好きなように選んで、やりたいようにやって、生きたいように生きたいのです。

不当労働行為313 住宅手当支給区分の変更が不当労働行為にあたるか(労務管理・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。 今週も1週間がんばりましょう。

今日は、住宅手当支給区分の変更が不当労働行為にあたるかが争われた事案について見ていきましょう。

ENEOS(旧エクソンモービル・住宅手当変更)事件(中労委令和4年6月1日・労判1295号103頁)

【事案の概要】

本件は、配偶者死亡による「既婚者」から「単身独立生計者」への住宅手当支給区分の変更が不当労働行為にあたるかが争われた事案である。

【労働委員会の判断】

不当労働行為にあたらない

【命令のポイント】

1 会社には、支給区分上の「扶養家族を有する者」について適用する特例措置を定めた運用ルールが存在する。運用ルールとは、独身の非管理職従業員で扶養者を有する者について、その被扶養者が就職などの理由により扶養から外れた場合、当該従業員が元被扶養者と同居する場合に限って、「単身独立生計者」ではなく「扶養家族を有しない既婚者」扱いとする、というものである。
運用ルールは、Xのような、「扶養家族を有しない者」に該当していた者が配偶者を亡くして、元被扶養者と同居しているケースを想定したものではなかった。しかし会社は、Xに配慮し、運用ルールの趣旨に鑑み、Xのケースにもこれを適用してよいと判断し、「元被扶養者と同居して生計を共にする」という要件で、「既婚者」から「単身独立生計者」に変更をしないで「既婚者」の区分のまま住宅手当の支給を認めることとした(運用ルールの取扱い)。
このような運用ルールの取扱いは、運用ルールの趣旨を従業員に有利となるように更に推し進めるものであり、合理的なものといえる。
運用ルールの取扱いを多くの従業員に統一的に適用する以上、会社が「生計を共にする」という要件を、住民票により判定できる「世帯」を基準として判断することは社会通念に合致しており、会社の上記判断は不合理なものとはいえない。

特にXに対して不利益を当たる意図・目的が客観的に認められないことから、不当労働行為該当性が否定されています。

労働組合との対応については、日頃から顧問弁護士に相談しながら進めることが肝要です。

本の紹介2075 己を、奮い立たせる言葉。#2(企業法務・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。 今週も1週間お疲れさまでした。

今日は、本の紹介です。

今から6年前に紹介した本ですが、再度、読み返してみました。

タイトルのとおり、著者を奮い立たせた言葉が紹介されています。

さて、この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

できるか、できないかの最初の分岐点はやるかやらないかだ。」(40頁)

ちなみに第2の分岐点は、やり続けるか途中でやめてしまうか、です。

何でもそうですが、継続しなければ、身につきません。

逆に言えば、継続できれば、たいていのことはできるようになります。

それ以上でもそれ以下でもありません。

不当労働行為312 組合員がグループLINEを使用して社内の友人に組合への加入を勧誘するメッセージを送信したこと等を理由として減給の懲戒処分としたことが不当労働行為にあたるとされた事案(労務管理・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。

今日は、組合員がグループLINEを使用して社内の友人に組合への加入を勧誘するメッセージを送信したこと等を理由として減給の懲戒処分としたことが不当労働行為にあたるとされた事案を見ていきましょう。

カンプロ事件(茨城県労委令和4年10月20日・労判1295号101頁)

【事案の概要】

本件は、組合員がグループLINEを使用して社内の友人に組合への加入を勧誘するメッセージを送信したこと等を理由として減給の懲戒処分としたことが不当労働行為にあたるかが争われた事案である。

【労働委員会の判断】

不当労働行為にあたる

【命令のポイント】

1 Xによる本件グループLINEへの本件メッセージの送信は、組合への加入勧誘を行う目的でなされたものであり、その内容が事実に反している部分があるが、Xに殊更、虚偽の事実を送信したとの認識がなく、また、Y社の信用・信頼を失墜させることについて、あえて意図した証拠はない。加えて、本件メッセージが拡散した事実は認められない。また、本件処分は、懲戒処分としては重すぎるものと判断せざるを得ず、懲戒処分は、Xに対する不利益取扱い(労組法7条1号)に当たる。

2 本件処分がなされることは、組合員はもちろん、従業員が組合への加入や何らかの関与を行った場合には、本件処分のような懲戒処分等がなされるおそれを抱かせ、ひいては、従業員の組合への不加入、組合員の脱退などの組合の活動・運営を阻害するおそれがある。よって、本件処分は、XによるY社従業員に対する組合への加入勧誘行為に干渉するものであり、組合に対する労組法7条3号の支配介入に当たる。

上記命令のポイント1のような事情がある場合、会社としては、何らかの懲戒処分を検討することは理解できるところですが、減給は重すぎる(相当性に欠く)という判断です。

労働組合との対応については、日頃から顧問弁護士に相談しながら進めることが肝要です。

本の紹介2074 「言葉」が人生を変えるしくみ その最終結論#2(企業法務・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。

今日は、本の紹介です。

言葉の力を信じている者からすれば、この本の内容は特に驚くものではありません。

日頃使う言葉や大切にしている言葉がその人の人生を形成していることは紛れもない真実です。

さて、この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

本当の意味で『すべては自分次第』を受け入れたとき、その瞬間から人生は大きく変わります。なぜなら、この言葉の真意は『究極の自由』だからです。」(215頁)

これほどまでに選択の自由が保障されている時代において、それでもなお、現状に不満を抱えている人がどれほど多いことでしょう。

現在の自分がこれまでの自分の選択の結果であるのと同じように、これから先の人生も自分の選択の集積です。

不満を言っているうちに限りある人生の貴重な時間がどんどん減っていってしまいます。

賃金275 原審判決を維持し、請負制賃金の計算において割増賃金を控除する賃金制度が判別性の要件を満たし、合理的であるとされた事案(労務管理・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。 今週も1週間がんばりましょう。

今日は、原審判決を維持し、請負制賃金の計算において割増賃金を控除する賃金制度が判別性の要件を満たし、合理的であるとされた事案を見ていきましょう。

JPロジスティクス事件(大阪高裁令和5年7月20日・労経速2532号3頁)

【事案の概要】

本件は、貨物自動車運送事業等を行っているY社との間で労働契約を締結し、集配業務に従事していたXらが、Y社に対し、Xらに支給すべき能率手当の算定に当たり割増賃金の一部である「時間外手当A」に相当する額を控除しており、労働基準法37条所定の割増賃金の一部が未払である等と主張し、その支払いを求めた事案である。

原審は、Xらの請求を全て棄却したため、これを不服とするXらが控訴を提起した。

【裁判所の判断】

控訴棄却

【判例のポイント】

1 請負制賃金に係る仕事の単位量に対する賃金率に関しては、労基法27条が、出来高払制その他の請負制で使用する労働者について、労働時間に応じ、一定額の賃金の保障をしなければならない旨を定めており、最低賃金法のような特別法は存在しない
本件賃金規則等は、時間制賃金と請負制賃金とを併用する併用型賃金体系を採用しているところ、その一部を構成する時間制賃金の水準は最低賃金法に違反すると認めるには足りない。また、賃金規則等の定めによれば、時間制賃金に対応する時間外手当A(60時間を超える労働時間に係る時間外手当を含まない。)の総額が、取り扱った荷物の重量、伝票枚数、客の軒数、走行距離等の集配業務の業務量に基づいて算出される賃金対象額を上回る場合、本件計算方法に基づき、能率手当が支給されることはないが、時間制賃金に対応する基本給及び時間外手当の支払も減額されることはないから、最低賃金法に違反しない内容の賃金が保障される。さらに、本件賃金規則等が併用する請負制賃金は、出来高を示す揚高の一定割合を賃金として支払うことを保障するものではなく、質の高い労働(労働密度の高い労働)を提供した場合に、賃金対象額と時間外手当Aとの差額に相当する価値を見出して、時間外賃金に加算をする性格のもので、出来高払制賃金とは異なり、Y社が併用している請負制賃金によって、出来高払制賃金の下で生じ得るような弊害が生じる危険性があると認めるには足りない
これらの諸事情に照らせば、本件賃金規則等の定めは、能率手当算定の計算式を「賃金対象額」-「時間外手当A」としている部分も含め、労基法27条が求める賃金の保障をしているものと解するのが相当である。

2 Xらは、本件には、時間外手当の額を控除する計算方法について判別性の要件を欠く旨判断した最高裁令和2年3月30日(国際自動車事件第2次上告審判決)の射程が及ぶから、本件の計算方法も判別性の要件を欠く旨主張する。しかしながら、上記判決の事案では、「歩合給(1)」の金額を導くために「対象額A」から差し引かれる割増金に歩合給対応部分が含まれており、歩合給に係る基礎賃金やそれを基礎として算定した時間外手当の額が不明確になってしまい、判別性を欠くことが明らかである。また、上記判決の事案では、「対象額A」は、出来高を示す揚高の一定割合を合計する方法で計算されており、「歩合給(1)」として、出来高に比例した歩合給の支払を保障する趣旨の定めがされていて、「歩合給(1)」が「出来高払制によって定められた賃金」に該当することが明らかである。
これに対し、本件賃金規則等において、能率手当算定の賃金対象額は、出来高を示す揚高の一定割合という形で計算されるものではなく、「出来高払制によって定められた賃金」とは異なる「その他の請負制によって定められた賃金」に該当することが明らかである。そうすると、本件の能率手当については、上記判決が指摘した「出来高払制によって定められた賃金」に該当する歩合給に関する問題は生じない

最高裁はどのように判断するでしょうね。

上記判例のポイント2にもあるとおり、国際自動車事件との比較検討をする必要があります。

日頃から顧問弁護士に相談しながら適切に労務管理を行うことが大切です。

本の紹介2073 ザ・ビリオネア・テンプレート#2(企業法務・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。 今週も1週間お疲れさまでした。

今日は、本の紹介です。

今から6年前に紹介した本ですが、再度、読み返してみました。

帯には「『億』を稼ぎ、お金に不自由ない人生を手に入れろ!」と書かれています。

テクニックではなく、マインドの問題であることがよくわかります。

さて、この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

マインドセットが、物事の成否の8割を決めます。マインドセットさえできていれば、仕事でも恋愛でもスポーツでも、8割は成功するといえます。・・・ひと握りの人しか成功しないのは、マインドセットの重要性を、ひと握りの人しか理解していないからともいえます。」(24頁)

1つの分水嶺は、この文章を読んで腑に落ちるか否か、です。

マインドセットこそが肝なのです。

綺麗事ではなく真実です。

何をやってもだいたいうまくいく人は、このマインドセットがとても上手です。

テクニックでもIQでもなく、マインドの問題です。

解雇403 配転命令に従わず19日間連続で欠勤した警備員の懲戒解雇が有効とされた事案(労務管理・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。

今日は、配転命令に従わず19日間連続で欠勤した警備員の懲戒解雇が有効とされた事案を見ていきましょう。

ティー・オーオー事件(東京地裁令和5年2月16日・労経速2531号35頁)

【事案の概要】

本件は、Y社と雇用契約を締結し警備員として勤務していたXが、Y社から令和3年4月5日付けで配転命令を受けたこと、同年5月7日付けで懲戒解雇されたことに関し、本件配転命令及び本件解雇がいずれも無効である旨主張して、Y社に対し、①雇用契約上の権利を有する地位にあることの確認、②本件雇用契約に基づき本件配転命令以降(令和3年4月1日から本判決確定の日まで)の賃金月額40万4868円+遅延損害金の支払、③本件雇用契約に基づき業績一時金1万8000円(令和3年9月から本判決確定の日まで毎年7月及び12月)+遅延損害金の支払をそれぞれ求めた事案である。

【裁判所の判断】

請求棄却

【判例のポイント】

1 Xは、有効な本件配転命令を拒否し、正当な理由なく令和4年4月16日から同年5月7日までの22日間、勤務シフト上の労働日としては19日間連続で欠勤したものということができる。
雇用契約においては、出勤して労務を提供するということが最も基本的かつ重要な債務であるから、Xは重大な債務不履行をしたというべきであり、これにより、Y社が代替要員の確保に奔走するなど迷惑を被ったことは当然であり、企業秩序を著しく害する行為であるといえる。その期間についても、勤務シフト上の労働日単位で見ても19日連続というように長期間であるし、Xは、Y社から書面による警告を受けながらも、Y社に対し、自宅待機にした上で休業手当を支払うように要求していたことなどから、本件解雇をせずとも、その後、欠勤を続けていた可能性が極めて高いというべきである
したがって、Xは、少なくとも、就業規則43条2号(出勤常ならず改善の見込みのないとき)、7号(第16条から第21条まで、又は第36条、第37条、第53条の規定に違反した場合であって、その事案が重篤なとき)及び9号(その他前各項に準ずる程度の不都合な行為を行ったとき)の懲戒解雇事由に該当するといえる。また、本件解雇は、懲戒解雇として、客観的に合理的な理由を有するということができる。

2 Xは、本件配転命令を拒否し、正当な理由なく令和4年4月16日から同年5月7日までの22日間、勤務シフト上の労働日としては19日間連続で欠勤しており、長期間にわたり重大な債務不履行をしたものといえる。また、Y社は、本件解雇に先立ち、Xに対し、2度書面で出勤を命じるとともに従わない場合は処分する旨の警告をしており、手続的にも適正である
他方で、Xは、Y社が本件配転命令を撤回したり配転先を再度検討したりする旨を一度も述べていないにもかかわらず、Y社に対し、自宅待機にした上で休業手当を支払うように要求しており、働かずして支払を受けることを画策していたと思われるし、Y社が新しい配転先を検討している間自宅待機になった旨通知書に虚偽の記載をするなど、自身の要求を押し通そうとする姿勢が顕著であり、情状面も悪い。Xは、本件解雇をされなくても、その後、欠勤を続けていた可能性が極めて高いというべきである。
したがって、本件解雇は、懲戒解雇として、社会通念上相当であると認められる。

配転命令拒否を理由とする解雇の事案においては、前提となる配転命令の有効性がまずは判断され、仮に有効であると判断された場合には、かかる命令に反したことを理由とする解雇の相当性が問題となります。

日頃の労務管理が勝敗を決します。日頃から顧問弁護士に相談することが大切です。