本の紹介2053 20代のうちに知っておきたいお金のルール38#2(企業法務・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。

今日は、本の紹介です。

今から7年前に紹介した本ですが、再度、読み返してみました。

まさにお金のルールが書かれています。

若いうちにここに書かれているルールを身につけておくと、人生の後半戦がとても楽になります。

さて、この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

『収入を増やして支出を減らすことがお金持ちになる王道だ』というのは間違っている。『いかにお金を払わずに済むか』ばかり考えているようなせこい人間には人が集まってこない。お金は人が運んでくる。つまりどんなに収入を増やしてもお金を使わなければ、いずれお金も枯渇するというわけだ。
継続的なお金持ちになるためにはどうすればいいか。たくさん稼いでたくさん使うことだ。」(26頁)

その人がけちでせこい人かどうかは、少し付き合ってみればすぐにわかります。

引き寄せの法則からすれば、テイカーにはテイカーが、ギバーにはギバーが引き寄せられます。

プライベートでどうしようがその人の自由ですが、ビジネスにおいては、どのような人間関係を構築するかは、長期的な視点では、極めて大切なことです。

賃金268 労働契約書等において、割増賃金の対価と明記された職務手当に、通常の労働時間の対価も含まれているとされた事案(労務管理・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。 今週も1週間がんばりましょう。

今日は、労働契約書等において、割増賃金の対価と明記された職務手当に、通常の労働時間の対価も含まれているとされた事案を見ていきましょう。

国・渋谷労基署長(カスタマーディライト)事件(東京地裁令和5年1月26日・労済速2524号19頁)

【事案の概要】

本件は、渋谷労働基準監督署長から平成29年12月14日付けで労働者災害補償保険法14条1項に基づく休業補償給付を支給する旨の決定を受けたXが、本件処分には給付基礎日額の算定を誤った違法があると主張して、その取消しを求める事案である。

【裁判所の判断】

請求認容

【判例のポイント】

1 本件労働契約に係る契約書や本件会社の就業規則の記載を踏まえても、XのY社における地位及び職責に照らし、通常の労働時間に対応する賃金が基本給の限りであったと認めるには無理があること、業務と脳・心臓疾患の発症との関連性が強いと評価される80時間を大幅に超える1か月当たり150時間前後の法定時間外労働を前提とする職務手当を支給することは当事者の通常の意思に反することを総合考慮すると、本件Y社から支払われた職務手当には、その手当の名称が推認させるとおり、通常の労働時間も含め、XのD事業部マネージャーとしての職責に対応する業務への対価としての性質を有する部分が一定程度は存在したと認めるのが相当である。
Y社は、職務手当の全額を割増賃金として支給する旨の合意は必ずしも長時間の時間外労働等をXに義務付けるものではなく、むしろ労使双方にとって一定の合理性があると主張する。しかし、時間外労働が1か月当たり80時間を大幅に超過しない限り、職務手当を超える割増賃金が発生しないという賃金体系は、直ちに長時間の時間外労働等を義務付けるものではないにしても、それを誘発する効果があることは否定し難い
この点は、Xが平成27年12月から平成28年6月までの間において80時間を超える法定時間外労働を行った月は4か月であり、うち3か月の法定時間外労働時間数は100時間を超えていることからも裏付けられており、労働者であるXにとって極めて不利益の大きい合意というほかなく、これが当事者の通常の意思に沿うものと認めることはできない。したがって、Y社の上記主張は採用することができない。

2 職務手当は、その全額が労基法37条に基づく割増賃金として支払われるものと認めることはできず、通常の労働時間の賃金として支払われる部分が含まれると認められる。
本件労働契約に係る契約書においても、本件会社の就業規則においても、職務手当に含まれる労基法37条に基づく割増賃金に対応する時間外労働等の時間数は記載されておらず、その他本件全証拠に照らしても、本件労働契約において、職務手当における通常の労働時間の賃金に当たる部分と同条の定める割増賃金に当たる部分とを判別することはできないものといわざるを得ない。
 したがって、職務手当の支払をもって、本件会社がXに対し労基法37条に基づく割増賃金として支払ったとする前提を欠くことになるから、結局のところ、職務手当の全額を通常の労働時間の賃金に当たるものとして給付基礎日額を算定するよりほかないというべきである。

固定残業制度に関する裁判例をほぼ落ち着いてきていますので、しっかり制度運用さえできれば、無理なく有効と判断されます。

判例の考え方を正確に理解しないで、素人判断で制度を導入することは百害あって一利なしなので気を付けましょう。

日頃から顧問弁護士に相談の上、適切に労務管理をすることが肝要です。

本の紹介2052 好きなことだけして生きていけ#2(企業法務・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。 今週も1週間お疲れさまでした。

今日は、本の紹介です。

今から7年前に紹介した本ですが、再度、読み返してみました。

帯には「君にはいやなことをがまんする時間はない」と書かれています。

好きなことをして生きても、我慢をして生きても、いずれにせよ、人生はあっという間に終わります。

限られた大切な時間を我慢して生きていくなんてまっぴらです。

さて、この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

両親に今日まで育ててもらったことを『あたりまえ』だと思っているのは、感謝とは対極の行為となる。両親が自分を育てたのは『あたりまえ』と思っている人間は、上司や仲間にも『あたりまえ』と思っている。先祖に感謝できない人は、師匠にもお客様にも感謝できない人だ。」(183頁)

「あたりまえ」は失ってはじめて当たり前でなかったことに気がつきます。

さまざまな人の助けがさも当然のことのように思えてしまう時がありますが、そんなことはありません。

世の中に「あたりまえ」なことは1つもありません。

感謝をする気持ちというのは貴いです。

セクハラ・パワハラ78 宛先やCCに該当者以外を入れ、部下を叱責するメールを送信したこと等による譴責処分等が有効とされた事案(労務管理・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。

今日は、宛先やCCに該当者以外を入れ、部下を叱責するメールを送信したこと等による譴責処分等が有効とされた事案を見ていきましょう。

ちふれホールディングス事件(東京地裁令和5年1月30日・労経速2524号28頁)

【事案の概要】

本件は、Y社との間で雇用契約を締結したXが、Y社から、他の従業員らに対するパワー・ハラスメントに該当する行為があったとして、始末書を提出するよう命じる旨の譴責処分を受け、その後、Y社の社長室に配転する旨の命令を受けたことから、本件譴責処分は理由を欠くものとして無効であって、本件配転命令も無効である旨主張して、Y社に対し、本件譴責処分の無効確認、XがY社の社長室で勤務する雇用契約上の義務がないことの確認及びXをY社の海外事業部に配転することを求める事案である。

【裁判所の判断】

請求棄却

【判例のポイント】

1 Xは、令和2年3月13日、アジア市場における広告代理店の選定に関し、AがCを選定することを前提に検討を進めていたことについて、Dアジア事業本部長及びAに対し、CcにK及びMを入れた上で、もともと打ち合わせた内容とは違うとして、「Aさんの言動にも目に余るものを感じております」などと記載した電子メールを送信している。
このうち、「Aさんの言動にも目に余るものを感じております」との文言は、Xの部下であったAの言動について客観的な事実を指摘することなく、感情的にAを叱責する印象を与えるものであったことは否定し難い上、前記電子メールは、Dアジア事業本部長からAが中心になって前記検討を進めてほしい旨の指示を受けた後に、A以外の者を宛先やCcに入れて送信されたものであって、業務上必要かつ相当な範囲を超えてAを叱責するものであったというべきである。
Xは、前記電子メールは、AがXを無視してDアジア事業本部長と二人で検討を進めていたことが組織の秩序を乱す行為であることを、Dアジア事業本部長に対して発信したものである旨主張しているものの、仮に広告代理店の選定に関するAの検討内容やその過程に何らかの問題があったとしても、Xとしては、AやDアジア事業本部長との間で個別に指導や相談を行うことで足り、A以外の者を宛先やCcに入れて前記電子メールを送信することが、業務上必要かつ相当であったとはいい難い
そうすると、Xが前記電子メールを送信したことについて後にAに謝罪したことを考慮しても、XがA以外の者を宛先やCcに入れて前記電子メールを送信し、Aを叱責したことは、他の従業員を業務遂行上の対等な者と認め、職場における健全な秩序及び協力関係を保持する義務に反して、上司としての地位を利用し、Aへの嫌がらせを行った行為に当たるものと認められ、Y社の就業規則55条2項、59条1号、63条4号、67条1項に反し、111条18号、19号の懲戒事由に該当する。

メールでCCを入れて叱責したことが指摘されています。

社内のハラスメント問題については顧問弁護士に相談の上、適切に対応しましょう。

 

本の紹介2051 常識を破る勇気が道をひらく#2(企業法務・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。

今日は、本の紹介です。

今から7年前に紹介した本ですが、再度、読み返してみました。

「常識」は個々人によって違いますので、あまりあてになりません。

大切なのは、自分の「常識」を他人に押し付けないことです。

さて、この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

成功を継続している人は愚痴を言うくらいならとっくに行動に移して改善しているから、愚痴を言う必要がない。」(152頁)

現実社会は、愚痴で溢れかえっています。

特に対人関係や仕事に対する不満が大半を占めるのではないでしょうか。

居酒屋に行くとよくわかります(笑)

愚痴を言うなとは思いませんが、愚痴を言ったところで状況は変わりません。

結局、自分の力をつけて、選択権という名の自由を手に入れるほかありません。

労働時間98 事業場外みなし労働時間制の有効性(労務管理・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。

今日は、事業場外みなし労働時間制の有効性に関する裁判例を見ていきましょう。

東京精密事件(東京地裁令和4年11月30日・労判ジャーナル138号38頁)

【事案の概要】

本件は、Y社との間で労働契約を締結していたXが、Y社に対し、A営業所の主任であり、Xの上司であったBからパワーハラスメントを受けており、Y社に安全配慮義務違反があったとして、債務不履行に基づく損害賠償金等の支払を求めるとともに、時間外労働をしたとして、労働契約に基づき、未払割増賃金等の支払を求めた事案である。

【裁判所の判断】

損害賠償請求棄却

未払割増賃金等支払請求一部認容

【判例のポイント】

1 Xは営業職であったが、原則としてA営業所に出社して営業に出た後、一旦帰社して退勤していた上、営業先においてもY社から貸与を受けたパソコン、スマートフォンを携帯して上司からの指示を受け、営業先、営業先での滞在時間、営業先に関する報告事項、移動時間等を記載した販売員週報を1週間ごとにY社に提出していたのであるから、Y社がXの出勤時刻、退勤時刻、営業先での行動等を把握することに支障があったとは認められず、また、Xが勤怠月報に出勤時刻及び退勤時刻を手動で入力したところ、Cは毎日ではなく月単位で入力時刻の承認を行っていたのであって、Y社が労基法上の労働時間把握義務を尽くしていたとはいい難く、Xが従事する営業業務は、「労働時間を算定し難いとき」に該当するとはいえないから、事業場外みなし労働時間制の適用があるとはいえない。

このような事情が認められる限り、事業場外みなし労働時間制の適用は認められません。

営業職に対して安易に同制度を導入している会社が散見されますのでご注意ください。

日頃の労務管理が勝敗を決します。日頃から顧問弁護士に相談することが大切です。

本の紹介2050 持たないヤツほど、成功する!#2(企業法務・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。 今週も1週間がんばりましょう。

今日は、本の紹介です。

今から5年前に紹介した本ですが、再度、読み返してみました。

できるだけ所有せず、身軽でいるほうが、身動きが取りやすいのは言うまでもありません。

さて、この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

しがらみは、あなたの外にあるのではない。しがらみは、すべてあなたの中にある。あなたが決断すれば、すべてのしがらみは消える。」(148頁)

真実です。

特に大人になってからの状況・結果は、良くも悪くも、すべて自分の選択と決断によるものです。

持つか持たないか、大きくするか小さくするか、手を出すか出さないか、やり続けるか辞めてしまうか。

しがらみとか大人の事情は単なる言い訳にすぎません。

どこまでいっても、すべては自分の選択と決断の賜物です。

配転・出向・転籍53 配転命令の有効性(労務管理・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。 今週も1週間お疲れさまでした。

今日は、配転命令の有効性に関する裁判例を見ていきましょう。

摂津金属工業事件(大阪地裁令和5年3月31日・労判138号14頁)

【事案の概要】

本件は、平成元年にY社に雇用され、令和2年2月当時、大阪府守口市に所在する本社のシステム課に勤務していたXが、同年4月1日付けでC工場製造部製造一課配属検査担当としての勤務を命ずる旨の配転命令を受けたことにつき、Y社に対し、本件配転命令は、Xの職種をコンピューターの構築及び管理に限定する旨の労働契約上の合意に反し、又はY社の配転命令権を濫用するものであるから無効であるとして、C工場検査課に勤務する労働契約上の義務がないことの確認を求めた事案である。

【裁判所の判断】

請求棄却

【判例のポイント】

1 Y社は、比較的業務量に余裕があり、今後は若手従業員の力も必要となってくる部署である本社システム課から、欠員補充が急務となっているC工場検査課にXを配置転換するために本件配転命令を発したのであって、本件配転命令には、その人選も含めて合理性があり、業務上の必要性が認められるというべきであり、また、本件配転命令が、Xを退職に追い込むような不当な動機・目的に基づくものであったとはいえず、そして、Y社は、Xの負担に配慮して、手当の支給に関する特別措置を講じているものであり、Xの妻であるNの治療に具体的な支障が生じているとの事実も認められないことにも鑑みれば、Nの健康状態の点に関し、本件配転命令により、Xに通常甘受すべき程度を著しく超える不利益が生じたとはいえず、また、本件配転命令によりXの父であるPの介護等に影響が出るものではないこと、Y社がXの帰省費用を負担するなどして一定の配慮をしていること等を考慮すれば、Pの健康状態に関し、本件配転命令により、Xに通常甘受すべき程度を著しく超える不利益が生じたとはいえないこと等から、本件配転命令がY社の配転命令権を濫用した無効なものであるとはいえない。

配偶者、子、両親等の健康問題等が存在する場合、本件同様、配転命令の要件である「通常甘受すべき程度を著しく超える不利益」の有無が問題となりますが、これまでの裁判例の傾向を見る限り、かなりシビアに判断されています。

微妙な事案において、配転命令を行う場合には、事前に顧問弁護士に相談することをおすすめいたします。

本の紹介2049 稼げる30代になるために絶対に染まってはいけない70の習慣(企業法務・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。

今日は、本の紹介です。

タイトルにもあるとおり、20代、30代前半にどのような「習慣」を身につけるかによって、その後の人生が決まるといっても過言ではありません。

それほどまでに「習慣」は重要です。

さて、この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

はじめの5年でついた習慣を、人は一生繰り返す。」(1頁)

5年かどうかはさておき、最初が肝心と言われる所以です。

私たちは、自ら作り上げた「習慣」に完全に支配されて生きています。

「習慣」の力はとても強く、一度作り上げられた「習慣」はそう簡単に消すことができません。

だからこそ、繰り返しになりますが、人生の早いうちにどのような習慣を身につけてきたのかが極めて重要なのです。

同一労働同一賃金26 定年後再雇用者の基本給・手当・賞与にかかる労契法20条違反の有無(労務管理・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。

今日は、定年後再雇用者の基本給・手当・賞与にかかる労契法20条違反の有無に関する裁判例を見ていきましょう。

名古屋自動車学校(再雇用)事件(最高裁令和5年7月20日・労判1292号5頁)

【事案の概要】

本件は、Y社を定年退職した後に、Y社と期間の定めのある労働契約を締結して勤務していたXらが、Y社と期間の定めのない労働契約を締結している労働者との間における基本給、賞与等の相違は労働契約法20条に違反するものであったと主張して、Y社に対し、不法行為等に基づき、上記相違に係る差額について損害賠償等を求める事案である。

【裁判所の判断】

原判決中、Xらの基本給及び賞与に係る損害賠償請求に関するY社敗訴部分を破棄する。

前項の部分につき、本件を名古屋高等裁判所に差し戻す

【判例のポイント】

1 管理職以外の正職員のうち所定の資格の取得から1年以上勤務した者の基本給の額について、勤続年数による差異が大きいとまではいえないことからすると、正職員の基本給は、勤続年数に応じて額が定められる勤続給としての性質のみを有するということはできず、職務の内容に応じて額が定められる職務給としての性質をも有するものとみる余地がある。
他方で、正職員については、長期雇用を前提として、役職に就き、昇進することが想定されていたところ、一部の正職員には役付手当が別途支給されていたものの、その支給額は明らかでないこと、正職員の基本給には功績給も含まれていることなどに照らすと、その基本給は、職務遂行能力に応じて額が定められる職能給としての性質を有するものとみる余地もある。そして、前記事実関係からは、正職員に対して、上記のように様々な性質を有する可能性がある基本給を支給することとされた目的を確定することもできない。
また、嘱託職員は定年退職後再雇用された者であって、役職に就くことが想定されていないことに加え、その基本給が正職員の基本給とは異なる基準の下で支給され、被上告人らの嘱託職員としての基本給が勤続年数に応じて増額されることもなかったこと等からすると、嘱託職員の基本給は、正職員の基本給とは異なる性質や支給の目的を有するものとみるべきである。
しかるに、原審は、正職員の基本給につき、一部の者の勤続年数に応じた金額の推移から年功的性格を有するものであったとするにとどまり、他の性質の有無及び内容並びに支給の目的を検討せず、また、嘱託職員の基本給についても、その性質及び支給の目的を何ら検討していない
また、労使交渉に関する事情を労働契約法20条にいう「その他の事情」として考慮するに当たっては、労働条件に係る合意の有無や内容といった労使交渉の結果のみならず、その具体的な経緯をも勘案すべきものと解される
Y社は、X1及びその所属する労働組合との間で、嘱託職員としての賃金を含む労働条件の見直しについて労使交渉を行っていたところ、原審は、上記労使交渉につき、その結果に着目するにとどまり、上記見直しの要求等に対するY社の回答やこれに対する上記労働組合等の反応の有無及び内容といった具体的な経緯を勘案していない
以上によれば、正職員と嘱託職員であるXらとの間で基本給の金額が異なるという労働条件の相違について、各基本給の性質やこれを支給することとされた目的を十分に踏まえることなく、また、労使交渉に関する事情を適切に考慮しないまま、その一部が労働契約法20条にいう不合理と認められるものに当たるとした原審の判断には、同条の解釈適用を誤った違法がある。 

最高裁の判断として実務に与える影響はとても大きいです。

正社員と嘱託社員との労働条件の格差について、名古屋高裁の判断が待たれます。

とはいえ、前回も書きましたが、労働力不足が今後ますます深刻化する中で、はたしてこのような「格差」をどこまで許容し続けるのかは、法律論とは別に考える必要があろうかと思います。

同一労働同一賃金の問題は判断が非常に悩ましいので、顧問弁護士に相談して対応するようにしてください。