名誉毀損9 総会における発言が名誉毀損に該当するとされ、慰謝料5万円の支払を命じられた事案(不動産・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。

今日は、総会における発言が名誉毀損に該当するとされ、慰謝料5万円の支払を命じられた事案(東京地判平成30年9月21日)を見ていきましょう。

【事案の概要】

本件は、原告が、当時居住していたマンションの住民である被告から暴行を受け、又は被告の発言により名誉を毀損されたなどと主張して、被告に対し、不法行為に基づき、損害賠償金245万5796円+遅延損害金の支払を求める事案である。

【裁判所の判断】

被告は、原告に対し、5万円+遅延損害金を支払え

【判例のポイント】

1 被告が、原告に対し、「お前の家には警察が突入したことは知ってるぞ」と発言したことは、当事者間に争いがない。
そして、当該発言は、原告が警察沙汰となる事件を起こしたとの事実を摘示するものであり、原告の社会的評価を低下させるものと認めることができる。
この点について、被告は、上記発言は、本件総会の場にいたAやBにも聞き取れない状態であったなどと主張するが、上記発言は、本件総会終了後、防災訓練の準備がされているときに本件マンションの住民が集まった場所でされた発言であり、AやBが聞き取れなかったからといって第三者が上記発言を聞いて伝播し得るような状況になかったなどとは到底いえない。

2 被告が、原告に対し、「お前みたいのがここに住んでいることがおかしい」、「親父の金で遊んでるだけだろ」、「この無職野郎め」などと発言したと認められ、この認定に反する証拠はない(なお,被告も発言したかどうか覚えていないと述べるにとどまっている。)。
そして、当該各発言は、原告と被告とがお互い口論する中でされた発言ではあるものの、いたずらに原告を侮辱するものであるから、社会通念上許容される限度を超えて、原告の名誉感情を侵害するというべきである。
したがって、被告の上記の各発言は、原告の名誉を毀損し、又は名誉感情を侵害するものとして、不法行為を構成する。

3 原告と被告は、本件総会の議事進行中にも口論となり、上記で認定した被告の各発言は本件総会終了後に再び口論となった際の発言であるという経緯、被告の上記の各発言内容、上記の各発言が本件マンションの住民が多数集まる本件総会終了直後にされたこと、原告も被告に対して「めがねざる」とか「めがねぶた」などと侮辱的な発言をしていることなど、本件に現れた一切の事情を考慮すると、被告の発言により原告に生じた精神的苦痛に対する慰謝料は5万円と認めるのが相当である。

まあ、なんともあれですが、感情的にならずに対応することが大切です。

上記判例のポイント3の事情からすれば、被告も反訴したらどうなったでしょうね。

マンション管理や区分所有に関する疑問点や問題点については、不動産分野に精通した弁護士に相談することが肝要です。