Category Archives: メンタルヘルス

解雇328(ビックカメラ事件)

おはようございます。 今週も一週間がんばりましょう。

今日は、休職命令等の措置をとらずに行った解雇が有効とされた裁判例を見てみましょう。

ビックカメラ事件(東京地裁令和元年8月1日・労経速2406号3頁)

【事案の概要】

本件は、Y社との間で雇用契約を締結し、販売員等として勤務していたXが、平成28年4月15日付けでされた解雇は無効であるとして、Y社に対し、①雇用契約上の権利を有する地位にあることの確認、②平成28年5月分から平成30年3月分までの賃金として合計526万7376円+遅延損害金の支払を求める事案である。

【裁判所の判断】

請求棄却

【判例のポイント】

Xは、Y社は、Xが精神疾患にり患している可能性を把握できたにもかかわらず、早期に専門的な医療機関の受診を指示せず、また、休職命令等の措置をとることなく、Xの問題行動が多くなったことを理由に、強制的に心療内科を受診させ、懲戒処分を続けたりしたものであり、かかる対応は不適切である旨主張する。
しかしながら、Y社は、Xの問題行動を確認するようになった後、Xに産業医との面談を行わせ、精神科医を受診させたほか、社員就業規程に基づき精神科医への受診及び通院加療を命じるなどしているのであるから、Xの問題行動が精神疾患による可能性について、相当の配慮を行っていたものと認められる
確かに、Y社は、Xに対して休職の措置をとることなく本件解雇を行ったものであるが、Xから休職の申出がされたことは窺われない上、Y社の社員就業規程においては、Y社が休職を命じるためには、業務外の傷病による勤務不能のための欠勤が引き続き1か月を超えたこと、又は、これに準じる特別な事情に該当することや、医師の診断書の提出が必要とされているところ、Xが1か月を超えて欠勤した事実は認められず、また、証拠によれば、Y社は、原告に対して精神科医の受診を命じた上で、診察した医師に対して病状等を照会したものの、Xの精神疾患の有無や内容、程度及びXの問題行動に与えた影響は明らかにならなかったというべきであるから、Xに対して休職を命じるべき事情は認められない
そして、Y社は、Xの問題行動に対して懲戒処分や指導を行っていたほか、精神科医への受診及び通院加療等を命じるなどしているのに対し、Xは、継続的な通院を怠り、問題行動を繰り返しているのであるから、これらの事情を考慮すると、Y社において休職の措置をとることなく本件解雇に及んだとしても、解雇権を濫用したものということはできない
したがって、Xの上記主張は、採用することができない。

会社としては、本裁判例同様、就業規則に基づき、精神科医への受診や通院加療を命じるというプロセスを踏むケースがあり得ることを認識しておきましょう。

職場のメンタルヘルス対策ガイドブック

おはようございます

今日は、午前中、相続・事業承継に関する打合せのため、静岡銀行の本部に行ってきます

静岡法律税務研究所の業務内容の1つである静岡相続・事業承継トータルサポートセンターの運営準備です。

午後は、事務所に戻り、1件、相談があり、その後、再び静岡銀行本部へ行きます

午後は、社労士のK先生とともに、労務関係のセミナーに関する打合せです。

詳細が決まりましたら、御報告いたします

夜は、顧問会社のMさんとお食事です

今日も一日がんばります!!

さて、今日は、愛知県から出されたメンタルヘルスのガイドブックを紹介します。

職場のメンタルヘルス対策ガイドブック(PDF)

特に内容として新しいものではありませんが、見やすくまとまっています。

是非、参考にしてくださいませ。

メンタルヘルス③(メンタルヘルス対策の新たな枠組み)

「職場におけるメンタルヘルス対策検討会」の報告書取りまとめ
~プライバシーに配慮しつつ、職場環境の改善につながる新たな枠組みを提言~
(厚労省)

「職場におけるメンタルヘルス対策検討会」が対策の新たな枠組みを発表しました。

具体的な枠組みは以下のとおり。

1 一般定期健康診断に併せて医師が労働者のストレスに関連する症状・不調を確認、必要と認められるものについて医師による面接を受けられるしくみの導入

2 医師は労働者のストレスに関連する症状・不調の状況、面接の要否等について事業者に通知しない

3 医師による面接の結果、必要な場合には労働者の同意を得て事業者に意見を提出

4 健康保持に必要な措置を超えて人事・処遇等において不利益な取扱を行ってはならない

このうち、2、3は、労働者のプライバシー保護の観点が含まれています。

メンタルヘルス不調には、特に医療関係者以外の者に知られたくないという要素があり、個人情報の保護に慎重な対応が必要とされます。

担当者のみなさん、是非、活用してください

メンタルヘルス①(具体的対応策)

昨日は、ある会社の社内セミナーでお話をさせていただきました。

テーマは、メンタルヘルスに関する会社の対応策についてです。

社長、役員の皆様、このような機会を与えていただき、ありがとうございました。

メンタルヘルスについて、(財)日本生産性本部メンタルヘルス研究所が、「第5回『メンタルヘルスの取り組み』に関する企業アンケート調査結果」を発表しています。

是非、参考にしてください。

この中で、上場企業での具体的取り組み内容について紹介されています。

1 管理職向けの教育 70.0%

2 長時間労働者への面接相談 63.8%

3 休職者の職場復帰に向けた支援体制の整備 49.5%

4 一般社員向けの教育 48.6%

5 社外の相談機関への委嘱 48.0%

会社として、取り組みやすいところから始めることが大切だと思います