Category Archives: 有期労働契約

有期労働契約101(社会福祉法人仙台市社会福祉協議会事件)

おはようございます。

今日は、有期労働契約の更新上限回数を超えての更新に合理的期待が認められないと判断された裁判例を見てみましょう。

社会福祉法人仙台市社会福祉協議会事件(仙台地裁令和2年6月19日・労経速2423号3頁)

【事案の概要】

本件は、Y社との間で有期雇用契約を締結し、Y社が運営する障害福祉サービス(生活介護)事業所である「a施設」で勤務していたXが、平成30年4月1日をもって雇用契約の期間満了により雇止めされたことについて、Xには労働契約法19条2号に該当する事由があるから、上記雇用契約は従前の内容で更新されるから、Y社が行った雇止めは違法であり、無効であると主張して、Xが、Y社に対し、雇用契約上の地位にあることの確認を求めるとともに、雇用契約に基づく賃金+遅延損害金の支払いを求めた事案である。

【裁判所の判断】

請求棄却

【判例のポイント】

1 ①本件募集要項には、勤務条件のうち更新・雇用期限等として「1年間の有期労働契約。勤務成績により更新は4回まで可能。」との明記されていたこと、②Xは、本件募集要項の内容を確認し、本件募集要項に基づいて応募をしたこと、③採用面接の際、XがC課長から雇用期間が1年間であり、契約更新の回数が4回までであり、5年間が限度であると説明を受けていたこと、④本件契約の雇用契約書において、「更新期間」は「指定管理期間終了まで(最長4回まで更新可)」と記載されており、Xが当該契約書に署名押印していたこと、⑤本件契約の更新について、契約更新ごとに雇用契約書が作成されており、平成26年度ないし平成28年度の更新時の雇用契約書において、「更新期間」は「最長4回まで更新可能」との記載がされており、Xがそれぞれの雇用契約書に署名押印していたこと、⑥平成29年度の雇用契約書において、「契約を更新する可能性 無し」、「更新期間」は「-」と記載がされており、Xが当該契約書に署名押印していたこと、以上の事実が認められる。
これらの事実によれば、Xは、Y社に採用される当初から雇用契約の更新回数が最長4回までであり、雇用期間が最大5年間であることを認識して、本件契約を締結していたものであり、その後の本件契約の更新についても、更新ごとに雇用契約書が作成され、その度に更新回数の最長が4回までであることについて明記がされ、最終更新年である平成29年度には雇用契約の更新を行わない旨が明記されていたことからすると、特段の事情がない限り、Xにおいて、雇用契約の更新4回、雇用期間5年を超えて更に本件契約が更新されるものと期待することについて合理的な理由があると認めることはできない

2 Xは、①Y社には特例延長制度があり、契約職員が5年を超えて雇用される制度が存在していたこと、②希望をすれば、契約職員から嘱託職員への身分の変更と施設の変更をすれば、5年を超えて雇い入れられる運用が労使慣行として成立していたこと、③Y社に採用される以前から5年を超えて雇用されている職員がいることを聞いていたこと、④平成21年3月の団体交渉において、5年雇止めをはじめとするY社の人事制度見直しが検討されることとなり、5年雇止めについても事態の打開可能性があったことからすると、Xには、更新回数4回、雇用期間5年を超えて、更に本件契約が更新されるものと期待することの合理的な理由がある旨主張する。
しかしながら、上記①の点について、特例延長制度(就業規則11条2項)は、Y社の会長がやむを得ないと認めた場合に適用されることとされていることが認められ、当然に特例延長制度が適用されるものではなく、特例延長制度があることが直ちに本件契約の更新への合理的期待を基礎付けるものとは認め難い

更新回数の条件を予め設定していたケースです。

これと似て非なるものとして、5年ルール適用直前になって、突如として上限設定を設ける場合には、既に更新の期待権が発生しているため、そう簡単にはいきません。

有期労働契約100(バンダイ事件)

おはようございます。 今週も一週間がんばりましょう。

今日は、担当業務の移管によりなされた雇止めが有効と判断された裁判例を見てみましょう。

バンダイ事件(東京地裁令和2年3月6日・労経速2423号10頁)

【事案の概要】

本件は、Y社との間で有期労働契約を締結していたXが、Y社に対し、XY社間の上記有期労働契約は労働契約法19条1号ないし2号に該当し、Y社がXの更新申込みを拒絶することは客観的合理的理由を欠き社会通念上相当であると認められず、これを承諾したものとみなされるとして、労働契約に基づき、①労働契約上の権利を有する地位にあることの確認及び②平成30年4月分以降本判決確定の日までの賃金として毎翌月25日限り22万1644円(平成30年2月ないし4月支給の平均賃金)の支払を求める事案である。

【裁判所の判断】

請求棄却

【判例のポイント】

1 本件雇用契約は約11年10か月の間合計14回にわたり更新され、その間、Xは、概ね週5日・1日7時間30分勤務を継続してきた。そうすると、一般的に見れば、契約期間満了時において、労働者において有期労働契約が更新されるものと期待することはあり得ることであり、そのように期待することについておよそ理由がないとはいえない。
もっとも、その期待が労働契約法19条2号の適用上「期待することについて合理的な理由あるものであると認められる」か否かを判断するには、上記に見た有期労働契約の更新の回数や雇用の通算期間、雇用期間管理の状況のほか、当該雇用の臨時性・常用性、それまでの契約更新の具体的経緯、雇用継続の期待を持たせる使用者の言動などの諸事情を客観的に見た上で、当該有期労働契約の契約期間満了時においてどのような内容の期待を持つのが通常であるのかを具体的に認定・判断する必要がある。

2 本件においてXが本件雇用契約の期間満了時に合理的に有すべき契約更新に対する期待は、上記のような事情を踏まえたものというべく、その具体的内容は、X雇用の臨時性やその後の環境変化によってXの当初担当業務が減少しX雇用の臨時性が前景化する中、その労働条件に内容や分量が見合うような担当業務をY社内に確保することができれば本件雇用契約は更新される、という内容のものであったとみることができる。結局、本件において、Xが本件雇用契約の期間満了時に合理的に有すべき契約更新に対する期待は、以上のような具体的内容を有するものとして、労働契約法19条2号の適用上、本件雇用契約が更新されるものと期待することについて合理的な理由があると認めることができる

3 当初サンプル発送業務は当時の海外販売会社とY社の事業部がグローバル戦略室に在籍していたXを介して行うものであったところ、前記のとおり、Y社商品の海外流通が進展してきたために、グローバル戦略室のXを介するよりも、海外販売会社とY社の事業部が直接やり取りした方が合理的かつ円滑であるということになり、海外販売会社・Y社事業部間の直接のやり取りが増加し、Xの担当業務が減少していくという状況下においてY社が一気通貫体制を構築する中で、Xが担当していたサンプル発送業務を平成30年4月から各事業部に完全移管した結果、Xの担当業務は、なくなったものである。前記のとおり、サンプル発送業務に要する時間が、上記完全移管によって1か月換算で平均約53時間から約8時間まで減少していることから見ても、上記完全移管について合理的必要性があったということができる。

4 Y社は、平成30年4月1日以降、Xの主な担当業務がなくなることを踏まえ、Xの雇用維持のための有意な措置を複数採ったということができる。そうであるにもかかわらず、Xは、Y社から提示された措置について真摯に向き合わなかったのであって、そのような状況下でY社に更なる措置を講ずべきであったとまではいえないから、Y社は、雇止め回避の努力を尽くしたとみることができる

5 Y社は、Xにその担当業務減少の状況を説明するなどしてXの意向を確認するなどしているし、前記で検討したとおり、Xの雇用維持のため複数の措置に取り組んできたのであり、前記のとおり、平成29年11月30日にも改めて状況を説明した上でXの雇用維持のための措置を複数提示してXに検討の機会を与えた経過が存する。これらからしても、Y社のXに対する本件雇止めの説明が不十分とみることはできず、本件雇止めの手続の相当性を肯認することができる

整理解雇類似の進め方により有効に雇止めを行うことができています。

ポイントをしっかり押さえることが肝要です。

有期労働契約99(地方独立行政法人山口県立病院機構事件)

おはようございます。 今週も一週間お疲れさまでした。

今日は、無期転換前の就業規則改正と看護師に対する雇止めに関する裁判例を見てみましょう。

地方独立行政法人山口県立病院機構事件(山口地裁令和2年2月19日・労判1225号91頁)

【事案の概要】

本件は、Y社との間で期間の定めのある労働契約を締結して、Y社の運営する病院で看護師として勤務していたXが、Y社に対し、平成30年4月1日以降、同契約が更新されなかったことは労働契約法19条に違反するとして、労働契約上の権利を有する地位にあることの確認を求める事案である。

【裁判所の判断】

雇止め無効

【判例のポイント】

1 ・・・このような契約更新手続の状況からすれば、Xは、平成23年4月以降、反復継続して本件労働契約を更新されてきたものであり、その手続は、形式的に更新の意思の確認が行われるのみであって、勤務態度等を考慮した実質的なものではなかったということができる。
また、Xが従事していた看護業務は、臨時的・季節的なものではなく、恒常的業務である上、本件全証拠によっても、本件病院における有期職員と契約期間の定めのない職員との間で、勤務実態や労働条件に有意な差があるものとは認められない
したがって、Xが本件労働契約の契約期間満了時に本件労働契約が更新されるものと期待することについて合理的な理由があるといえ、当該合理的な期待は、平成29年4月1日以前から生じていたものというべきである。

2 本件就業規則の改正の有効性については措くとしても、平成29年4月1日以前の段階で、Xには既に本件労働契約更新について合理的期待が生じており、本件就業規則の改正によって更新上限条項が設けられたことをもって、その合理的期待が消滅したと解することはできず、また、証拠によれば、本件就業規則の改正についてY社からXに対して具体的な説明がされたのは、平成29年4月契約書が取り交わされた後である同月12日又は同月13日であることが認められ、Xが通算雇用期間の上限設定について認識していたとはいえないので、Xの本件労働契約更新に対する合理的期待が消滅したといえない。
・・・以上を総合すると、本件労働契約は、少なくとも労働契約法19条2号に該当する。

3 本件雇止めの原因は、B副部長の行った評価C(4点)にあるといえるので、B副部長の評価の客観的合理性を検討する必要があるところ、証拠によれば、B副部長がC(4点)と評価した根拠は、Xが過去に同僚とトラブルを起こしたことや、Xが異動の内示を受けてこれを拒否したことが2度あるとの認識のもと、Xが、自己の性格について、まじめで、気になることは見逃せず、協調性があり、まわりに柔軟に対応している旨を回答したことから、Xは自分の考えを押し通す性格で、協調性に問題があり、自分を客観的に評価できていないと判断した上、Xが異動について、納得ができれば異動できるが、納得できるまでは意見を言う旨を回答したことから、異動についての組織内の調整が難しいと判断したことにあると認められる。
しかし、Xの同僚との過去のトラブルについては、本件全証拠によっても、Xにどの程度の非が認められるのかが明らかではなく、また、Y社が主張するXの平成28年6月及び同年9月の異動の内示拒否の後にも、Xは平成29年4月に異動の内示を受け入れたことは当事者間に争いがない。また、証人Dによれば、Y社における異動命令は、当該職員が異動の内示を承諾することが前提とされていたことが認められるから、異動の内示は、異動命令に先立ち、異動を受諾するどうかについて検討する機会を与えるための事前の告知であり、その後に異動計画が撤回ないし変更される余地を残しているものと解される上、正規職員とは異なり、有期職員は内示の時点でしか異動の希望を述べることができなかったことが認められるため、Xの回答自体からB副部長のように判断することについて、必ずしも客観的合理性を有するものであるとはいえない(B副部長自身の問題ではなく、前記の判断のとおり、被告の行った本件面接試験自体が客観的合理性を担保されたものでないことが現実化したものである)。
したがって、B副部長が行ったC(4点)の評価についても、客観的合理性が欠けているといえ、本件雇止めは、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない

上記判例のポイント2は注意が必要です。

5年ルールによる無期転換回避のためにやりがちなパターンなので気を付けてください。

有期労働契約98(グリーントラストうつのみや事件)

おはようございます。 今週も一週間がんばりましょう。

今日は、人員整理目的の有期労働契約の雇止めに関する裁判例を見てみましょう。

グリーントラストうつのみや事件(宇都宮地裁令和2年6月10日・労判ジャーナル101号2頁)

【事案の概要】

本件は、平成24年に自然環境保護を目的とするグリーントラスト運動を行う公益財団法人であるY社との間で有期労働契約を締結していた非常勤嘱託員Xが、その後4回にわたり更新を繰り返した後の平成29年4月1日に締結した期間の定めのある労働契約は労働契約法19条各号の要件を満たしており、かつ、Y社がXからの更新の申入れを拒絶することは客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められないから、Y社は上記労働契約と同一の労働条件でこれを承諾したものとみなされ、かつ、同法18条1項により期間の定めのない労働契約に転換されたなどと主張して、労働契約に基づき、労働契約上の権利を有する地位確認及び未払賃金などを求めた事案である。

【裁判所の判断】

請求認容

【判例のポイント】

1 Xは、Y社の基幹業務を含め、ほとんどの業務について主務者ないし担当者として関与して、その内容につき精通を深め、それなりの信頼を得ていたことがうかがわれる。
Xは、本件各労働契約上は「非常勤嘱託員」として採用されたものであるとはいえ、Y社のg用務に常時従事することが可能な正規の職員が存在しない中、自らに課せられた業務量を超え、かかる常勤性に欠ける正職員に代わって、Y社の基幹業務ないしこれに関連する多くの業務に携わり、時には主務者としてその業務遂行を差配していたものということができる。
以上によると、Xの業務実態は、本件各労働契約締結のかなり早い段階から、非常勤としての臨時的なものから基幹的業務に関する常用的なものへと変容するとともに、その雇用期間の定めも、・・・当初予定された3年間(更新を含む)を超えて継続している点で報酬財源確保の必要性というよりむしろ雇止めを容易にするだけの名目的なものになりつつあったとみるのが相当である上、本件各労働契約の各更新手続それ自体も実質的な審査はほとんど行われず、単にXの意向確認を行うだけの形式的なものに変じていたものといわざるを得ない。
そうすると、・・・Xの雇用継続に対する期待を保護する必要は高いものというべきであるから、Xにおいて本件労働契約の満了時に同労働契約が更新されるものと期待することについて合理的な理由があるというべきである。

2 本件雇止めは、宇都宮市の財政支援団体であるY社が労契法18条所定の期間の定めのない労働契約の締結申込権の発生を回避する目的で行われたものということができる

5年ルール適用間近での雇止めは、それだけで当該ルールの回避目的を認定されやすいということを十分理解しましょう。

有期労働契約97(グローバルレギュラリーパートナーズ事件)

おはようございます。

今日は、有期雇用労働者に対する解雇の意思表示は、雇用期間満了後の契約更新拒絶の意思表示を含むとされた裁判例を見てみましょう。

グローバルレギュラリーパートナーズ事件(東京地裁令和元年10月17日・労経速2414号39頁)

【事案の概要】

本件は、Y社に雇用されていたXがY社に解雇されたところ、同解雇は解雇権の濫用により無効であると主張し、Y社に対し、雇用契約上の権利を有する地位にあることの確認を求めるとともに、雇用契約に基づき、平成30年3月分の未払賃金22万5806円(日割計算による未払額)及び同年4月から本判決確定の日まで毎月末日限り100万円並びにこれらに対する各支払期日の翌日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求める事案である。

【裁判所の判断】

1 Y社は、Xに対し、平成30年3月末日限り22万5806円、同年4月から同年8月まで毎月末日限り100万円及び同年9月末日限り50万円並びにこれらの金員に対する各支払期日の翌日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。

 Xのその余の請求を棄却する。

【判例のポイント】

1 平成29年11月13日のやり取りにおいて、Xは、製品標準書が本件機器の届出時に必要であることを主張していたのに対し、Bは本件機器の輸入、販売時期が先であることを説明していたというのであるから、Xの認識が誤ったものであったとしても、BからXに対し、本件機器の届出時に製品標準書が必要とされていないことについて、Xの認識を正すための的確な説明、指導がされていたものとは認められない。また、Y社は、Xの同日の言動に対して本件警告書により警告を与えたと主張するが、Bは、Xの同日の言動について机を手でひっくり返すような動きをした旨供述するのに対し、Bが同日Cに対して送信したメールにはXが机を蹴った旨の記載があるなど、同メールによる報告は正確さを欠くものといえる。
他方、Xは同日Cに対して送信したメールにおいてBとの関係等について電話で話すことを希望していたにもかかわらず、Y社はXから事情を聴くことなく一方的に警告書を送付しているのであり、本件警告書による警告についても、Xに対する適切な指導がされたものとはいい難い
Y社は、Xの上記やり取りのほか、XがBや自らの前任者を非難する旨の言動を行っていたことを縷々主張するが、これらのXの言動について具体的な経緯や態様を的確に認めるに足りる証拠はなく、また、BやCからXに対して行われた指導等の有無,内容も明らかとはいえない
そうすると、Y社の指摘するXの言動は、指導等により改善の余地があったものというべきであり、本件解雇の有効性を基礎づける客観的合理的理由に当たるということはできない。

2 Xは、本件契約が期間の定めのある契約であるとしても、本件契約には自動更新条項が付されていることから、平成30年9月15日の期間満了をもって自動更新されたと解すべきである旨主張する。
しかしながら、前記前提事実によれば、Y社は、平成30年3月9日、同月23日付けでXを解雇する旨の意思表示(本件解雇)をしたことが認められるところ、同意思表示は、Y社においてXとの雇用関係を継続させる意思がないことを表示したものと考えられるから、同意思表示には、同年9月15日の期間満了後の更新を拒絶する旨の意思表示が含まれると解するのが相当である。

本件は、指導・教育等が不十分であった、もしくはそのエビデンスが不足していた事案です。

また、上記判例のポイント2の考え方は理解しておきましょう。

有期労働契約96(博報堂事件)

おはようございます。

今日は、雇止めに関する裁判例を見てみましょう。

博報堂事件(福岡地裁令和2年3月17日・労判ジャーナル99号22頁)

【事案の概要】

本件は、Xにおいて、XがY社との間で、昭和63年4月から、1年毎の有期雇用契約を締結し、これを29回にわたって更新、継続してきたところ、原・被告間の有期雇用契約は、労働契約法19条1号又は2号に該当し、Y社がXに対し、平成30年3月31日の雇用期間満了をもって雇止めしたことは、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であるとは認められないから、従前の有期雇用契約が更新によって継続している旨主張して、労働契約上の権利を有する地位にあることの確認を求めるとともに、本件雇止め後の賃金として、平成30年4月から毎月25日限り月額25万円+遅延損害金の支払、本件雇止め後の賞与として、平成30年6月から毎年6月25日及び12月25日限り各25万円+遅延損害金の支払をそれぞれ求めた事案である。

【裁判所の判断】

雇止めは無効

【判例のポイント】

1 Y社は、平成25年4月1日付の雇用契約書において、平成30年3月31日以降は契約を更新しないことを明記し、そのことをXが承知した上で、契約書に署名押印をし、その後も毎年同内容の契約書に署名押印をしていることや、転職支援会社への登録をしていることから、Xが平成30年3月31日をもって雇用契約を終了することについて同意していたのであり、本件労働契約は合意によって終了したと主張する。
確かに、Xは、平成25年から、平成30年3月31日以降に契約を更新しない旨が記載された雇用契約書に署名押印をし、最終更新時の平成29年4月1日時点でも、同様の記載がある雇用契約書に署名押印しているのであり、そのような記載の意味内容についても十分知悉していたものと考えられる
ところで、約30年にわたり本件雇用契約を更新してきたXにとって、Y社との有期雇用契約を終了させることは、その生活面のみならず、社会的な立場等にも大きな変化をもたらすものであり、その負担も少なくないものと考えられるから、XとY社との間で本件雇用契約を終了させる合意を認定するには慎重を期す必要があり、これを肯定するには、Xの明確な意思が認められなければならないものというべきである
しかるに、不更新条項が記載された雇用契約書への署名押印を拒否することは、Xにとって、本件雇用契約が更新できないことを意味するのであるから、このような条項のある雇用契約書に署名押印をしていたからといって、直ちに、Xが雇用契約を終了させる旨の明確な意思を表明したものとみることは相当ではない
また、平成29年5月17日に転職支援会社であるキャプコに氏名等の登録をした事実は認められるものの、平成30年3月31日をもって雇止めになるという不安から、やむなく登録をしたとも考えられるところであり、このような事情があるからといって、本件雇用契約を終了させる旨のXの意思が明らかであったとまでいうことはできない。むしろ、Xは、平成29年5月にはEに対して雇止めは困ると述べ、同年6月には福岡労働局へ相談して、Y社に対して契約が更新されないことの理由書を求めた上、Y社の社長に対して雇用継続を求める手紙を送付するなどの行動をとっており、これらは、Xが労働契約の終了に同意したことと相反する事情であるということができる。
以上からすれば、本件雇用契約が合意によって終了したものと認めることはできず、平成25年の契約書から5年間継続して記載された平成30年3月31日以降は更新しない旨の記載は、雇止めの予告とみるべきであるから、Y社は、契約期間満了日である平成30年3月31日にXを雇止めしたものというべきである

2 Y社の主張するところを端的にいえば、最長5年ルールを原則とし、これと認めた人材のみ5年を超えて登用する制度を構築し、その登用に至らなかったXに対し、最長5年ルールを適用して、雇止めをしようとするものであるが、そのためには、前記で述べたようなXの契約更新に対する期待を前提にしてもなお雇止めを合理的であると認めるに足りる客観的な理由が必要であるというべきである
この点、Y社の主張する人件費の削減や業務効率の見直しの必要性というおよそ一般的な理由では本件雇止めの合理性を肯定するには不十分であると言わざるを得ない。また、Xのコミュニケーション能力の問題については、上記に述べるような指摘があることを踏まえても、雇用を継続することが困難であるほどの重大なものとまでは認め難い。むしろ、Xを新卒採用し、長期間にわたって雇用を継続しながら、その間、Y社が、Xに対して、その主張する様な問題点を指摘し、適切な指導教育を行ったともいえないから、上記の問題を殊更に重視することはできないのである。そして、他に、本件雇止めを是認すべき客観的・合理的な理由は見出せない。
以上によれば、Xが本件雇用契約の契約期間が満了する平成30年3月31日までの間に更新の申込みをしたのに対し、Y社が、当該申込みを拒絶したことは、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められないことから、Y社は従前の有期雇用契約の内容である労働条件と同一の労働条件で当該申込みを承諾したものとみなされる

上記判例のポイント1はしっかり押さえておきましょう。

これまでの裁判所の考え方からすれば、特に驚く内容ではありません。

有期労働契約95(学校法人A学園(雇止め)事件)

おはようございます。

今日は、雇用継続の合理的期待がないとして有期労働契約の期間満了時の雇止めが有効とされた裁判例を見てみましょう。

学校法人A学園(雇止め)事件(那覇地裁令和元年11月27日・労経速2407号7頁)

【事案の概要】

本件は、Y社との間で期間の定めのある労働契約を締結していたXが、Y社の雇止めは、客観的に合理的な理由及び社会通念上の相当性を欠くものであり、労働契約法19条によりXとY社との間の労働契約は従前と同一の内容で更新されたなどと主張して、Y社に対し、地位保全及び賃金仮払いを求める事案である。

【裁判所の判断】

本件申立てをいずれも却下する。

【判例のポイント】

1 Xは、看護師として採用されたものであり、業務内容は、臨時的なものではなく、継続的に行っていく必要がある業務も含まれていたことが認められる。しかし、Y社が採用している看護師は全て任期制雇用であり、Xの地位は、正職員と記されている場合があるものの、それは、派遣社員との比較における記載で、契約書上も就業規則上も明確に有期雇用であるとされ、更新の可能性は指摘されているが、継続的に更新されるとまではされていない
また、Xは、当初2年の契約期間で雇用され、その後、1回の更新を経て、通算期間2年5月の勤務をしてきたものであり、多数回で長期間の契約期間であったものではない

2 1回の更新後の契約期間についての意味合いについては、Z4博士によるXに対しての説明内容について、当事者間に争いがあるものの、更新期間が5月であり、クリニックの再開の目途がたった場合に、更新を必ず行うというのであれば、そもそも2年更新を検討するという前提(Y社側の説明に合致する。)だったからこそ、とりあえず年度末まで契約更新して、それまでの間に考え、更新しない方針となったのであれば、更新しないこととすることを考えた上での、更新であったと認められる。
また、契約更新の手続は、システム上で行えるものとなっており、Y社から契約更新の条件を明示され、かつ、それにXが同意すれば更新されるというものであり、厳格なものであった。

3 以上の事情を総合すると、X自身としては、Y社において勤務するにあたり看護師として長期にわたり働く予定であったことはうかがえるものの、あくまで主観的なものといえ、Xに雇用継続の合理的期待があるとはいえず、本件労働契約は労働契約法19条2号に該当しない。

上記判例のポイント1、2のような運用をしている限り、雇止めが無効と判断される可能性はかなり低いといえます。

雇止めが無効と判断されている事案の多くは、運用の稚拙さがその理由となっています。

有期労働契約94(学校法人Y大学事件)

おはようございます。

今日は、特任教員の雇止めについて更新期待の合理的理由が否定された裁判例を見てみましょう。

学校法人Y大学事件(札幌高裁令和元年9月24日・労経速2401号3頁)

【事案の概要】

Y社は、Y大学を設置、運営している。Xは、Y社と、Y社がXをY大学の特別任用教員として雇用する旨の有期労働契約を締結した。本件労働契約はその後6回にわたって更新されたが、Xは、平成29年3月31日をもってその更新を拒絶された。本件は、Xが、同拒絶は労働契約法19条2号に違反すると主張して、Y社に対し、労働契約上の権利を有する地位にあることの確認を求めるとともに、同年4月1日から本判決の確定に至るまで、毎月21日限り、賃金月額38万1000円+遅延損害金の支払を求める事案である。

原審は、Xの請求をいずれも棄却した。これに対して、Xは控訴するとともに、当審において、非常勤講師としての賃金月額21万0560円+遅延損害金の支払請求を予備的に追加した。

【裁判所の判断】

控訴棄却

【判例のポイント】

1 Xは、ロシア語の教職課程では、有期労働契約の教員が専任教員として教職課程の担当になったことは過去になかったことから、教職課程の担当となることを依頼されたXは、平成29年度以降も雇用継続への期待を持つことになった旨主張する。
しかし、Xが主張するような過去の事例と有期労働契約を締結しているXの労働契約の更新の問題とは客観的にみて関連性を欠くといわざるを得ない。加えて、本件教職課程の完成年度は平成28年度までであるから、Xが本件教職課程の専任教員となったことが平成29年度以降における本件労働契約の更新を期待することの合理的理由となるものではない。

2 Xは、平成26年3月19日の本件説明会におけるA3理事の説明は、雇用継続への期待を抱かせるものであった旨主張する。
しかし、A3理事は、本件説明会において、平成29年度以降の雇用の可能性に対する質問に対して、Xを含む特任教員の雇用継続は平成28年度末、すなわち平成29年3月31日までを念頭に置いており、同日までは雇用の継続が確実であるが、労働契約が1年ごとに更新される以上、2年後、3年後の雇用の継続を約束することはできない旨回答しているこのようなやり取りの経緯からすれば、A3理事が平成29年3月末で契約を打ち切ると断言しなかったからといって本件労働契約の更新を期待させることの合理的な理由となると評価することはできない

本件は、5年の雇用上限設定がされている事例です。

当初より雇用期間の上限を設定し、かつ、恣意的な運用をしていない場合には、雇止めは有効と判断されることが多いです。

有期労働契約93(シェーンコーポレーション事件)

おはようございます。 今週も一週間がんばりましょう。

今日は、雇止めの有効性が争われた裁判例を見てみましょう。

シェーンコーポレーション事件(東京高裁令和元年10月9日・労判ジャーナル95号30頁)

【事案の概要】

本件は、Y社が、Xとの間で、期間を平成27年3月1日から平成28年2月28日までの1年間とする有期労働契約を締結してXを雇用し、1度、契約を更新したが、その後、契約更新を拒絶したため、Xは、労働契約法19条により契約が更新されたものとみなされると主張して、Y社に対し、労働契約上の地位の確認を求めるとともに、平成29年3月分以降、判決確定の日までの賃金等の支払を求めた。

原判決は、Xの請求を棄却したため、Xが控訴した。

【裁判所の判断】

原判決取消し
→請求認容

【判例のポイント】

1 労働契約法19条2号該当性について、Y社は、従業員講師とは一律に1年間の有期労働契約を締結しているが、契約の更新を希望する講師との間では、遅刻が多かったり、授業の質が低いなどの事情がある場合を除き、通常は契約の更新をしており、Xとの間でも、平成27年3月1日に1年間の有期労働契約を締結し、その後、Xから授業観察の申出を拒否されたり、前日の午後11時29分になってから翌日のストライキを通知されたり、Xの授業を観察した上司が7項目について改善必要との講評をしたとの事情があったものの、その後の平成28年3月1日、Xと契約を更新し、このような経緯からすると、Xにおいて本件雇用契約の契約期間の満了時に同契約が更新されるものと期待することについて合理的な理由があったと認めるべきである。

2 Xが有給休暇として取得した休暇について、正当な理由のない欠勤であったと認めることはできず、また、Y社は、Xの勤務内容が不良であるとして、種々の主張をするが、いずれも雇止めをするかどうかの判断に際して重視することを相当とするようなものとは認められないから、本件雇止めは、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であるとは認められないといわざるを得ず、Y社は、本件雇用契約の内容である労働条件と同一の労働条件により契約締結の申込みを承諾したものとみなされるから、Xは、Y社に対し、労働契約上の権利を有する地位にあることの確認及び平成29年4月から本判決確定の日まで毎月15日限り25万7800円の賃金の支払を求めることができる。

雇止めの理由として小さいミス等をいくつ積み重ねても、結局、取るに足らない場合には合理的な理由にはなりません。

有期労働契約92(ジャパン・ビジネスラボ事件)

おはようございます。

今日は、育児休業取得後になされた有期労働契約への変更、雇止めが有効と判断された裁判例を見てみましょう。

ジャパン・ビジネスラボ事件(東京高裁令和元年11月28日・労経速2400号41頁)

【事案の概要】

本件乙事件は、語学スクールの運営等を目的とする株式会社であるY社が、育児休業を取得し、育児休業期間が終了するXとの間で平成26年9月1日付けで締結した契約期間を1年とする契約社員契約は、Y社が期間満了により終了する旨を通知したことによって、平成27年9月1日、終了したと主張して、Xに対し、Y社に対する労働契約上の権利を有する地位にないことの確認を求めた事案である。
本件甲事件本訴は、Xが、Y社に対し、ア(ア)一審原告が一審被告との間で平成26年9月1日付けでした労働契約に関する合意によっても、Y社との間で平成20年7月9日付けで締結した期間の定めのない労働契約(以下「本件正社員契約」という。)は解約されていない、(イ)仮に、本件合意が本件正社員契約を解約する合意であったとしても、①均等法及び育介法に違反する、②Xの自由な意思に基づく承諾がない、③錯誤に当たるなどの理由により無効であり、本件正社員契約はなお存続すると主張して、本件正社員契約に基づき、正社員としての労働契約上の権利を有する地位にあることの確認を求めるとともに、平成26年9月分から平成27年8月分までの未払賃金合計448万8000円+遅延損害金、イ 仮に、本件合意によって本件正社員契約が解約されたとしても、XとY社は、本件合意において、Xが希望すればその希望する労働条件の正社員に戻ることができるとの停止条件付き無期労働契約を締結したと主張して、Xの希望した所定労働時間の短縮された無期労働契約に基づき、正社員としての労働契約上の権利を有する地位にあることの確認を求めるとともに、平成26年10月分から平成27年8月分までの未払賃金合計337万4800円+遅延損害金の支払を求め、ウ 仮に、XのY社に対する正社員としての地位が認められないとしても、Y社がした本件契約社員契約の更新拒絶(本件雇止め)は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められないと主張して、本件契約社員契約に基づき、労働契約上の権利を有する地位にあることの確認を求めるとともに、同月から弁済期である毎月20日限り賃金1か月10万6000円+遅延損害金の支払を求め,エ Y社が、Xを契約社員にした上で正社員に戻すことを拒んだことやこれに関連する一連の行為は違法であると主張して、不法行為に基づき、慰謝料300万円及び弁護士費用30万円の合計330万円+遅延損害金の支払を求めた事案である。
 本件甲事件反訴は、Y社が、Xに対し、Xが平成27年10月に行った記者会見の席において、内容虚偽の発言をし、これによりY社の信用等が毀損されたと主張して、不法行為に基づき、慰謝料300万円及び弁護士費用30万円の合計330万円+遅延損害金の支払を求める事案である。

【裁判所の判断】

1 Xの控訴及びXの当審における追加請求(正社員復帰合意に基づく地位確認請求、債務不履行による損害賠償請求及び信義則違反を理由とする不法行為による損害賠償請求)をいずれも棄却する。

2 Y社の控訴に基づき、原判決を次のとおり変更する。
(1) Y社は、Xに対し、5万5000円+遅延損害金を支払え。
    Xのその余の甲事件本訴各請求(当審における追加請求を除く。)をいずれも棄却する。
(2)ア Xは、Y社に対し、55万円+遅延損害金を支払え。
    Y社のその余の甲事件反訴請求を棄却する。

【判例のポイント】

1 正社員と契約社員とでは、契約期間の有無、勤務日数、所定労働時間、賃金の構成(固定残業代を含むか否か、クラス担当業務とその他の業務に係る賃金が内訳として区別されているか否か。)のいずれもが相違する上、Y社における正社員と契約社員とでは、所定労働時間に係る就業規則の適用関係が異なり、また、業務内容について、正社員はコーチ業務として最低限担当するべきコマ数が定められており、各種プロジェクトにおいてリーダーの役割を担うとされているのに対し、契約社員は上記コマ数の定めがなく、上記リーダーの役割を担わないとの違いがあり、その担う業務にも相当の違いがあるから、単に一時的に労働条件の一部を変更するものとはいえない。
 そうすると、Xは、雇用形態として選択の対象とされていた中から正社員ではなく契約社員を選択し、Y社との間で本件雇用契約書を取り交わし、契約社員として期間を1年更新とする有期労働契約を締結したもの(本件合意)であるから、これにより、本件正社員契約を解約したものと認めるのが相当である。

2 このようなY社による雇用形態の説明及び本件契約社員契約締結の際の説明の内容並びにその状況、Xが育児休業終了時に置かれていた状況、Xが自ら退職の意向を表明したものの、一転して契約社員としての復職を求めたという経過等によれば、本件合意には、Xの自由な意思に基づいてしたものと認めるに足りる合理的な理由が客観的に存在するものといえる
 したがって,本件合意は、均等法9条3項や育介法10条の「不利益な取扱い」には当たらないというべきである。

3 Y社代表者の命令に反し、自己がした誓約にも反して、執務室における録音を繰り返した上、職務専念義務に反し、就業時間中に、多数回にわたり、業務用のメールアドレスを使用して、私的なメールのやり取りをし、Y社をマタハラ企業であるとの印象を与えようとして、マスコミ等の外部の関係者らに対し、あえて事実とは異なる情報を提供し、Y社の名誉、信用を毀損するおそれがある行為に及び、Y社との信頼関係を破壊する行為に終始しており、かつ反省の念を示しているものでもないから、雇用の継続を期待できない十分な事由があるものと認められる
 したがって、本件雇止めは、客観的に合理的な理由を有し、社会通念上相当であるというべきである。

4 本件記者会見は、本件甲事件本訴を提起した日に、X及びX訴訟代理人弁護士らが、厚生労働省記者クラブにおいて、クラブに加盟する報道機関に対し、訴状の写し等を資料として配布し、録音データを提供するなどして、Y社の会社名を明らかにして、その内容が広く一般国民に報道されることを企図して実施されたものである。
そして、報道機関に対する記者会見は、弁論主義が適用される民事訴訟手続における主張、立証とは異なり、一方的に報道機関に情報を提供するものであり、相手方の反論の機会も保障されているわけではないから、記者会見における発言によって摘示した事実が、訴訟の相手方の社会的評価を低下させるものであった場合には、名誉毀損、信用毀損の不法行為が成立する余地がある
Xは、記者会見は、報道機関に対するものであるから、記者らにとっては、記者会見における発言は、当事者が裁判手続で立証できる範囲の主張にすぎないと受け止めるものである、訴状を閲覧した報道機関からの取材に応じることと何ら変わるものではないなどと主張する。
しかしながら、Xらは、報道機関からの取材に応じるのとは異なり、自ら積極的に広く社会に報道されることを期待して、本件記者会見を実施し、本件各発言をしており、報道に接した一般人の普通の注意と読み方を基準とすると、それが単に一方当事者の主張にとどまるものではなく、その発言には法律上、事実上の根拠があり、その発言にあるような事実が存在したものと受け止める者が相当程度あることは否定できないし、実際、Y社に対しては、マタハラ行為をしたとして苦情のメールがあったところでもある。そして、Xらは、本件記者会見において本件各発言をしたことが認められるから、その発言内容を事実として摘示したものというべきである。

非常に注目を集めている事件の控訴審判決です。

最高裁がどのような判断をするのか気になるところです。

上記判例のポイント3、4は、賛否両論あるところですが、重要な点なので、押さえておきましょう。