本の紹介10 「事務ミス」をナメるな!(企業法務・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。 また一週間始まりましたね。 がんばりましょう!!

さて、今日は、本の紹介です。

「事務ミス」をナメるな! (光文社新書)
「事務ミス」をナメるな! (光文社新書)

少し前に買った本です。

「いいね!」と思った文章はこちら。

ミスの原因を、作業者個人の能力不足に求めることは、あまり適切ではないのです。『まさか、あの熟練者がミスをするとは』という事態も多く起こっていることを、軽視すべきではありません。
作業者個人の優劣ばかりに目を奪われずに、職場の体勢を改革することでミスの鎮圧を目指すことが、企業のミス対策のあるべき姿と言えます。
」(28頁)

この本にも書かれていますが、昔に比べて、社会全体がおおらかさを失ってきており、ほんの些細なミスでも許されなくなってきています(生活自体は、どんどん進化していく一方で、昔の方が暮らしやすかったと思うこと、ありませんか?)

それゆえ、企業としては、ヒューマンエラーをなくすことに躍起にならざるを得ません。

これは、法律事務所でも同じことです。

他方で、人である以上、常に完璧に仕事を行うことは不可能です(より正確に言えば、機械であっても同様です)。

そのため、私は、従業員に対し、「ミスをするな!」「なんでミスをするんだ!」と大声で叱っても、あまり意味がないと考えています。

もちろん、上司も人間です。ミスが多い部下には、正直、腹が立ちますし、「何度言ったらわかるんだ!!」と思いたくなるのもよくわかります。

しかし、ミスについて叱責することは有害無益です。

従業員は萎縮し、持っている力を十分に発揮できなくなってしまい、更なるミスにつながりかねません。

完全に悪循環です。 

大切なことは、ミスは必ず起こるということを前提に、いかにミスを修正する体制を整えるか、ということです。

会社のトップや上司がこのことを理解しているか否かで、部下の働きやすさは格段に変わってきます。

「この従業員、ダメだな~」ではなく、「俺の会社のチェック体制、ダメだな~」と考えましょう。

従業員のミスは、会社全体のミスなのです。 つまり、トップのミスなのです。