労働災害62(リゾートソリューション(高松工場・石綿)事件)

おはようございます
写真 (4)←先日、「Venti Due」に行ってきました

定期的に行かないと、気がすみません(笑)

マリナーラとモレッティ。翼君と岬君のような関係です。

今日は、午前中は、顧問先会社の社長との打合せが入っています。

午後は、新規相談が1件、裁判の打合せが1件入っています。

今日も一日がんばります!!

blogram投票ボタン にほんブログ村 士業ブログ 弁護士へ←ぽち。

さて、今日は、石綿粉じん吸引等による健康被害と損害賠償請求に関する裁判例を見てみましょう。

リゾートソリューション(高松工場・石綿)事件
(高松地裁平成24年9月26日・労判1063号36頁)

【事案の概要】

本件は、Y社の高松工場で石綿セメント管製造過程での作業に従事していたXらが、Y社が石綿粉じんの飛散抑制、吸引予防、教育、早期発見および救護等の安全配慮義務を尽くさなかったことにより業務遂行中に石綿粉じんを吸引し、これによって石綿肺等の疾病に罹患したと主張し、Y社に対し、債務不履行または不法行為に基づく損害賠償を求めた事案である。

【裁判所の判断】

Y社に対し、合計約4000万円の支払を命じた

【判例のポイント】

1 国に予見可能性が生じた時期は別段として、じん肺法は、石綿を具体的に明記した上、前記のように規定したのであるから、じん肺法が施行された昭和35年頃には、一民間企業においても、石綿による健康被害の発生を具体的に予見することは十分可能というべきである

2 じん肺法の施行後もわが国で大量の石綿の使用が継続されたという点については、じん肺法が施行された昭和35年頃には、今日明らかとなっている石綿が人の健康に与える影響の大きさの全部が明らかになっていたとは認められず、じん肺法が施行された以降も大量の石綿の使用が継続されたことは認められるが、同法は、石綿粉じんによる健康被害が発生していることを前提として、粉じん発生抑制、労働者における粉じん対策、健康管理等、適切な管理を行うことにより健康被害の抑制・防止を図るために制定されたものであることからすると、同法施行後の石綿使用・消費量が多かったことをもって、予見可能性、結果回避可能性を否定することはできないというべきである。

3 被告は、防じんマスクや安全衛生手帳の支給などを行っていたのであるから、Xらが自ら石綿粉じん発生抑制、吸引防止のための措置を講じなかったことにも過失があるとして過失相殺をすべきである旨主張する。
しかしながら、X1、X4及びX6らは、石綿粉じんにばく露することを防止するための防じんマスクの支給を受けたことはなく、石綿粉じんによる健康障害発生の可能性や、石綿粉じん抑制のための教育、指導を受けたこともなく、じん肺を早期発見・予防するためのじん肺健康診断を受けたこともなかったのであるから、当該Xらにおいて、石綿粉じんのばく露を避けることは容易ではなく、Xら自ら石綿粉じん発生抑制措置や吸引抑制措置をとらなかったことに過失があると評価することはできない
したがって、Y社の上記主張は採用できず、Y社の過失相殺の主張は採用できない。

4 債務不履行に基づく損害賠償請求権や、不法行為に基づく損害賠償請求権は、その権利行使が可能な時期から消滅時効が進行するものであるところ(民法166条1項)、・・・被告はXの損害賠償請求権は消滅時効により消滅したと主張する。 
しかしながら、従前から発生している損害であったとしても、その後に、新たに合併症が発症した場合などについては、当該合併症については従前に権利行使を行うことが不可能であるから、当該合併症の発症時点から、当該合併症の発症時点から、当該合併症を含めた権利行使が可能になったものと解するのが相当である。
Xは、本件訴訟提起後である平成23年2月10日に続発性気管支炎との診断を受けており、続発性気管支炎は、じん肺法およびじん肺法施行規則において、じん肺の合併症として定められていることからすると、その診断を受けるまで、続発性気管支炎を含めた上での損害賠償請求を行うことは不可能であったといえる。
したがって、Xは、当該診断を受けた日以降から続発性気管支炎を含めた損害賠償請求が可能となったものであり、消滅時効完成前である平成23年10月3日に訴えの変更の形で、その権利行使を行ったことは当裁判所に顕著であるから、消滅時効は完成していないというべきである。

予見可能性、結果回避可能性、過失相殺、消滅時効の起算点に関する裁判所の判断について参考にしてください。