Monthly Archives: 3月 2017

不当労働行為165 労組の団交申入れに対し文書で報告したとおりであると回答したことの不当労働行為該当性(労務管理・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。 今週も一週間お疲れ様でした。

今日は、労組の団交申入れに対して文書で報告したとおりであると回答したことが不当労働行為に当たるかが争われた事案である。

社会福祉法人札幌明啓院事件(中労委平成28年8月3日・労判1146号93頁)

【事案の概要】

労組の団交申入れに対して文書で報告したとおりであると回答したこと、および労使間の確認書で合意した内容を履行しなかったことが不当労働行為に当たるかが争われた事案である。

【労働委員会の判断】

不当労働行為にあたる

【命令のポイント】

1 自身の立場を文書のみで回答するというY社の対応は、就業規則改正や職務専念義務の免除廃止といった義務的交渉事項について、対面での直接交渉の機会を設けることなくY社側の結論を組合に押しつけるものといえ、団体交渉の相対当事者である組合を軽視し、団体交渉という労働組合の基本的活動を抑制するものであるとともに、組合員に対し、組合には交渉力がないのではないかという疑念を生じさせかねない行為と評価し得る。また、現に、上記団体交渉申入れの議題に関する労使合意が成立したのは、同申入れの約4か月後である翌6年2月26日であり、本件回答書交付行為により、労使合意の成立が遅れた可能性が十分認められる。そして、組合が、労使協議を求める25年2月15日付け要求書等を皮切りに、上記問題に関する書面によるやりとりでは合意に至らなかったため、団体交渉による直接協議を求めたという経緯を経て、本件回答書交付行為がされていることに鑑みれば、Y社は同行為が組合ないし組合員に及ぼしかねない影響や効果を認識・認容していたというべきである。
以上によれば、本件回答書交付行為は、労組法第7条第3号の支配介入に当たるというべきである。

ちゃんと対面で団体交渉に応じましょうね。

組合との団体交渉や組合員に対する処分等については、まずは事前に顧問弁護士から労組法のルールについてレクチャーを受けることが大切です。決して素人判断で進めないようにしましょう。

本の紹介659 手ごわい頭脳(企業法務・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。

今日は本の紹介です。
手ごわい頭脳―アメリカン弁護士の思考法 (新潮新書)

著者は、米国弁護士の方です。

弁護士がどのような思考をしているのかよくわかります。

米国も日本も弁護士の考え方に違いはないようです。

さて、この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

・・・弁護士はきっと、あたかも同情しているように、頷きながらこの話を聞いている。でも、実際には『雑音排除フィルター』的な本能が作動し、女性の話の大部分を聞き流しているだろう。法律的に有意義なものだけをピックアップすればよく、それ以外の話の内容は雑音としてフィルターにブロックされている。」(95頁)

「女性の話の大部分を聞き流しているだろう」(笑)

聞き流しているというと聞こえが悪いですね(笑)

話の中から解決に必要な情報をピックアップしている、というほうがいいでしょうか。

依頼者とすると、何が重要な情報であるかを判断することは難しいです。

だからこそさまざまな話をします。

その話の中に法的に重要な情報が含まれていればよいですが、含まれていないこともあります。

その場合には、重要な情報が出てくるまで根気強く質問を繰り返します。

重要な情報を依頼者から引き出せるかが弁護士には求められているわけです。

解雇227 業務外チャット利用時間も労働時間?(労務管理・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。

今日は、業務外チャット利用と懲戒解雇の有効性に関する裁判例を見てみましょう。

未払賃金等支払請求・損害賠償請求事件(東京地裁平成28年12月28日・労判ジャーナル60号60頁)

【事案の概要】

本件は、本訴事件において、Y社の元従業員XがY社に対し、懲戒解雇は無効であると主張し、反訴事件において、Y社がXに対し、Xの業務中における業務外チャット時間が長時間であり、これを労働時間から控除すると給与が過払いであるとして、不当利得返還請求権に基づき、既払給与金約16万円等、Xが社内のチャットにおいてY社に対する信用毀損行為をしたとして、不法行為による損害賠償請求権に基づき300万円等の支払いを求めた事案である。

【裁判所の判断】

懲戒解雇は有効

未払賃金等支払請求を一部認容

Y社のXに対する損害賠償請求を一部認容

【判例のポイント】

1 本件チャットは、その回数は異常に多いと言わざるを得ず、社会通念上、社内で許される私語の範囲を逸脱したものと言わざるを得ず、職務専念義務に違反するものというべきであるが、職務専念義務違反(業務懈怠)自体は、単なる債務不履行であり、これが就業に関する規律に反し、職場秩序を乱したと認められた場合に初めて懲戒事由になると解するべきであるところ、本件チャットは、単なるチャットの私的利用にとどまらず、その内容は、顧客情報、信用毀損、誹謗中傷及びセクハラというものであるから、就業に関する規律(服務心得)に反し、職場秩序を乱すものと認められ、本件解雇は、客観的に合理的な理由があり、社会通念上相当であると認められるから、本件解雇は、有効である。

2 本件タイムカードによれば、Xは終業時刻(午後6時)よりも遅い退勤が常態化していることが認められるところ、Y社において、Xが残業する場合、所属長(部長)への申請が不要という扱いをしており、残業することについて、何ら異議を述べていないことからすれば、居残り残業時間については、黙示の指揮命令に基づく時間外労働にあたると認められ、居残り残業時間から、この時間になされたチャットに要した時間を控除するべきか問題となるところ、明らかに業務と関係のない内容のチャットだけを長時間に亘って行っていた時間を特定することが困難であること等を考慮すれば、所定労働時間外になされたチャットについても、Y社の指揮命令下においてなされたものであり、労働時間に当たるというべきであるから、居残り残業時間から、この時間になされたチャットに要した時間を控除することはできない。

黙示の指揮命令と判断される要素がすべて揃っているのでこのように判断されてもやむをえません。

恐ろしいことに業務目的外のチャットをやっていた時間も労働時間となっていることです。

時代も時代ですし、不必要に会社に残っている従業員はどんどん退社させるのが得策です。

解雇を選択する前には必ず顧問弁護士に相談の上、慎重かつ適切に対応することが肝心です。決して、素人判断で進めないようにしましょう。

本の紹介658 禅の言葉(企業法務・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。

今日は本の紹介です。
ふっと心がかるくなる禅の言葉 (コスモ文庫)

タイトル通り、禅の言葉が紹介されています。

読み進めていくうちに「ふっと心がかるくなる」のがわかります。

おすすめです。

さて、この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

木鶏鳴子夜(もっけいしやになく)
虚勢を張ってみせたり、威嚇したり、相手に惑わされているようでは本物ではない、いかにも強そうに見せているうちはまだまだで、どんなときも泰然自若として無為自然、じっと構えていられるのが本物の強さだということです。」(182~183頁)

本当に強いと自分を大きく見せる必要がありません。

見せようとしなくても強いことがわかるからです。

強い人は虚勢、威嚇とは無縁です。

逆に大きなことを言ってる人を見ると、「必死になって大きく見せようとしているんだろうな」と思ってしまいます。

大きなことを言えば言うほど自分の小ささが露呈するのにね。

賃金128 基本給の一部を固定残業代とする就業規則変更と労働者の同意の有効性(労務管理・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。 今週も一週間がんばりましょう。

今日は、基本給の一部を固定残業代とする就業規則変更の有効性に関する裁判例を見てみましょう。

プロポライフ事件(東京地裁平成27年3月13日・労判1146号85頁)

【事案の概要】

1 主位的請求
 Xは、Y社に対し、労働契約に基づき、平成23年2月分から平成25年2月分までの未払賃金合計1288万8408円(平成26年7月10日付けで元本組入れした確定遅延損害金を含む。)+遅延損害金の支払を求めるとともに、労基法114条に基づき、付加金911万6855円+遅延損害金の支払を求めている。
2 予備的請求
 Xは、Y社に対し、債務不履行に基づき、損害125万3735円+遅延損害金の支払を求めている。

【裁判所の判断】

1 Y社は、Xに対し、643万6912円及びこれに対する平成26年7月11日から支払済みまで年14.6%の割合による金員を支払え。

2 Y社は、Xに対し、243万6535円及びこれに対する本判決確定の日の翌日から支払済みまで年5%の割合による金員を支払え。

【判例のポイント】

1 前記のとおりの変更の内容に照らせば、23年6月変更の目的は、基本給を減じ、その減額分を労基法及び同法施行規則の除外賃金とし、又は固定残業代とすることによって、残業代計算の基礎となる賃金の額を減ずることに主たる目的があったものと認めるほかないところ、そのような目的自体の合理性やY社がXに対して前記目的を明確に説明したことを認めるに足りる証拠がない以上、形式的にXが同意した旨の書証があるとしても、その同意がXの自由な意思に基づくものと認めるべき客観的に合理的な事情はない
そうすると、23年6月変更はその効力を認めることができないから、平成23年6月も、Xの賃金(固定給)は、23年4月変更時点と同じ、基本給35万円及び家賃手当3万円の合計38万円というべきである。

2 Xは、平成23年2月分から同年5月分までの割増賃金の立証が認められなかった場合に、裁判所が、その損害(同期間に得られたであろう割増賃金相当額)を民事訴訟法248条に従って認定すべき旨を主張する。
しかしながら、ある一定の期間内に得られたであろう割増賃金相当額という損害は、その客観的性質に照らせば、その額を立証することが極めて困難であるとは認められない(本件において同期間の割増賃金の立証に成功したかどうかという事情がこの認定判断を左右するものではない。)。したがって、民事訴訟法248条に従って損害額を認定することは許されないというべきである。

3 Xは、平成23年6月以降も、同年5月までと比較して勤務内容に大きな変更がなく継続して時間外労働が発生していること等から損害の認定月の直近である同年6月から同年8月までの3か月間の時間外労働時間の平均値を同年2月から同年5月までの各月時間外労働が発生していた場合の割増賃金額の損害と認定すべき旨を主張する。
しかしながら、既に認定したXの同年6月から同年8月までの労働時間は、別紙労働時間集計表記載のとおりであって、おおむね、始業時刻は午前9時又は午前9時30分、終業時刻は午後9時30分から午後11時45分までのばらつきがある上にそのばらつきには確たる規則性を見出すことができないし、休日の取得についても同年6月から同年8月までと同様とみるべき事情が見当たらないことに照らせば、同期間の時間外労働時間の平均値と同じ時間外労働を、同年2月から同年5月まで行っていたと認めることはできない。

上記判例のポイント1は是非参考にしてください。

形式的に従業員の同意書さえ取ればOKなんてことはありませんのでご注意を。

日頃から顧問弁護士に相談しながら適切に労務管理を行うことが大切です。

本の紹介657 「言葉にできる」は武器になる。(企業法務・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。 今週も一週間お疲れ様でした。

今日は本の紹介です。
「言葉にできる」は武器になる。

著者は、電通のコピーライターの方です。

考えていることを適切に言葉で表現できる力というのは、文章をつくる仕事をしている人ならだれもが求められるものです。

文章をつくる仕事をしている人が読むと納得できる点が多い本です。

さて、この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

『君の立場になれば君が正しい。僕の立場になれば僕が正しい』これはミュージシャンであるボブ・ディランが残した言葉であり、自分の視点だけでなく、相手の立場から物事を考える重要性を的確に表現している。・・・仕事のことならば、自分の上司や部下、同僚、その他にもクライアントや取引先の人に憑依してみる。そして、彼らが何を思いながら働いているかに思いを馳せる。」(128頁)

日頃、事務所のミーティング等でスタッフや同僚に伝えていることがこれです。

どんな仕事でも同じだと思いますが、「相手の立場に立って考える」ことこそがサービス業なのだと思います。

これが自然とできる人もいれば、なかなかそこまで思いが及ばない人もいます。

同じ仕事を見ていても、気が利く人というのは、配慮が行き届いています。

こういう人の仕事を見るととても気持ちがいいですし、「あ、この人、仕事できるな~」と好印象ですよね。

すべては「自分が逆の立場なら、こうしたほうがうれしいな」ということを先回りできるどうかです。

かゆいところに手が届くような配慮のできる人と一緒に仕事がしたいですね。

不当労働行為164 整理解雇において組合員を解雇したことと被解雇者選定の合理性(労務管理・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。

今日は、業務縮小を理由に組合員3名を解雇したことが不当労働行為にあたるかが争われた事案を見てみましょう。

エミレーツ航空事件(大阪府労委平成28年10月11日・労判1148号94頁)

【事案の概要】

業務縮小を理由に組合員3名を解雇したことが不当労働行為にあたるかが争われた事案である。

【労働委員会の判断】

不当労働行為にあたる

【命令のポイント】

1 本件自宅待機命令及び本件解雇は、大阪コールセンター及び予約発券機能の廃止に伴う一連のものとして行われたところ、①人員整理を直ちに行う必要があったかについては疑問が残るところであり、②自宅待機命令及び解雇の対象者の選定が合理的であったかについて、疑問を抱かざるを得ず、③会社が解雇回避努力を尽くしたとは言い難く、本件自宅待機命令及び本件解雇に至る手続についても相当性があるということができず、これらのことに、会社と組合との間の労使関係についても、会社と組合等との間では、未払残業代やパワハラ問題を巡って対立関係にあり、また、本件自宅待機命令及び本件解雇に至る経緯において、会社の組合を軽視した姿勢が窺えることからすると、会社は、大阪コールセンター廃止を口実として、本件自宅待機命令及び本件解雇に及んだものとみざるを得ない。そうであれば、本件自宅待機命令及び本件解雇は、組合員であるが故の不利益取扱いであり、労働組合法第7条第1号に該当する不当労働行為である。

2 本件自宅待機命令及び本件解雇は、組合員であるが故の不利益取扱いであり、会社から組合員を駆逐することによって、会社への組合活動による影響力を減じさせるものでもあるから、組合に対する支配介入であって、労働組合法第7条第3号に該当する不当労働行為である

整理解雇の要件(要素)を満たしていて有効と判断される場合には不当労働行為性も否定されるのが一般的です。

特に被解雇者選定の合理性については被解雇者が組合員である場合には注意しなければいけません。

組合との団体交渉や組合員に対する処分等については、まずは事前に顧問弁護士から労組法のルールについてレクチャーを受けることが大切です。決して素人判断で進めないようにしましょう。

本の紹介656 自分を信じ抜く100の言葉(企業法務・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。

今日は本の紹介です。
エマソン 自分を信じ抜く100の言葉

帯には「根拠のない自信こそが絶対的な自信である」と書かれています。

私は「根拠のない自信」というのを認めていませんが、この本自体はとてもよい本だと思います。

おすすめです。

さて、この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

エマソンは、その人が発する言葉や行動だけでなく、ちょっとした所作、立ち居振る舞いにも、その人の人格が表れると述べています。私達は、気づかないうちに自分の人格を『告白』しており、同時に目の前の人の人格を感じ取っているというわけです。・・・どんなに言葉で取り繕っても、人に悟られないように秘密にしていても、知られてたくない自分の考えや行為は何らかの形で相手に伝わります。同様に、向上心を持ち、立派な行いをしていることを敢えて語らなくても、目の前の人は感じとってくれるものです。」(36)

よくわかります。

人は、他人のちょっとしたしぐさ、くせ、立ち居振る舞いからその人がどのような人なのかを判断しています。

自分では気にもならない些細なくせを他人がどう評価しているかを知ることはとても大切です。

強い人間になりたいと思うのなら、弱い印象を与えるようなしぐさや口癖を出さないことです。

私は、しぐさや口癖を直すと人生が変わると思っています。

すべては細部に宿りますから、自分の小さなくせを見直すことがはじめの一歩になります。

自分のまわりの成功者はどんなくせがあるのかをじっくり観察してみてください。

きっと参考になると思います。

解雇226 度重なる無断欠勤を理由とする懲戒解雇の有効性(労務管理・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。 今週も一週間がんばりましょう。

今日は、度重なる無断欠勤を理由になされた懲戒免職処分の取消請求に関する裁判例を見てみましょう。

札幌市・市教委(市立中学校教諭)事件(札幌高裁平成28年9月29日・労判1148号17頁)

【事案の概要】

本件は、地方公共団体であるY市において中学校教諭の地位にあったXが、札幌市教育委員会がXに対して平成21年4月30日付けでした懲戒免職処分は、地方公務員法29条1項に反し、又は裁量権を逸脱若しくは濫用した違法があると主張して、同処分の取消しを求める事案である。

原審は、Xには法29条1項各号該当事由があり、また、本件処分をしたことにつき札幌市教育委員会に裁量権の逸脱又は濫用があったとはいえないから、同処分は適法であるとして、Xの請求を棄却したところ、これを不服としてXが本件控訴をした。

【裁判所の判断】

控訴棄却

【判例のポイント】

1 ・・・これらの事情を総合とすると、札幌市教育委員会は、本件処分に至るまでの間、病気休職や病気休暇の取得、無断欠勤を繰り返すXに対し、長期間にわたって継続的に、復職や継続的な職務遂行ができるように可能な限りの配慮や指導等の対応をしてきたものといえるのであって、本件処分をした平成21年4月の時点において、Xについて、なお休職等の処分をし、その後の様子をみるなどの対応をすべき状況にはなかったといえる。そうすると、本件処分をするに至るまでの札幌市教育委員会の対応が、Xに対する配慮を欠く不適切なものであったということはできない。

2 教員の無断欠勤は、授業その他の校務に大きな影響を及ぼすものであり、また、生徒及びその保護者の学校に対する信頼を大きく損なうものであることからすれば、それ自体が重大な非違行為に当たることは明らかである。本件においても、本件無断欠勤により、本件学校において現実に学校運営上の支障が生じたものであるほか、札幌市教育委員会においても非常勤講師等を採用するなどの特別な措置が必要となり、また、生徒の保護者等からも苦情が寄せられるなど、様々な重大な影響が生じたといえる。そして、Xは、かかる重大な非違行為である無断欠勤を、長期間にわたって何度も繰り返したものであり、非難すべき程度は極めて強いというべきである
・・・そして、札幌市教育委員会は、上記のとおり、Xに対して長期間にわたって継続的に可能な限りの配慮や指導等の対応をしてきたにもかかわらず、Xが無断欠勤を繰り返したことから、2度の事情聴取を行い、本件無断欠勤に関するXの言い分等を確認した上で、Xに対して懲戒処分を科すことを決定し、また、以前に科された停職処分よりも重い免職処分を選択したものである。
これらの事情を総合すると、Xが抑鬱状態等にあったことを考慮しても、札幌市教育委員会が、Xに対して懲戒処分を科すことを決定し、また、処分内容として免職を選択したことが、社会観念上著しく妥当を欠き、裁量権の範囲を逸脱しこれを濫用したものと認めることはできない。

常識的に考えてこれ以外の結論はないと思います。

もっとも、たまに「え、これでも解雇無効なの?」という判断が出されるのもまた事実です。

今回は妥当な判断だと思います。

解雇を選択する前には必ず顧問弁護士に相談の上、慎重かつ適切に対応することが肝心です。決して、素人判断で進めないようにしましょう。

本の紹介655 人生が劇的に上向く「脳内会話」の法則(企業法務・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。 今週も一週間お疲れ様でした。

今日は本の紹介です。
人生が劇的に上向く「脳内会話」の法則

著者は「脳内会話」という言葉を使っていますが、広い意味ではアファメーションの話です。

日常的にいかなる言葉を選択するかが人生に強く影響を与えるということはよく言われることです。

さて、この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

自分では『こうでこうで、こうだからできない』とロジカルに考えた気になっているけれど、実際は最初に『でも』『だって』『どうせ』に合う理由を考え出した。あなたはそれを論理的な思考だと錯覚したまま『だからできない』と結論を下している場合があるのです。」(44頁)

なるほど!

さも論理的に否定的な結論を出したように感じていても、結局のところ、それは、一番最初に逆説の接続詞を使った時点で自ら選択している結論なのです。

「でも」「だって」「どうせ」と言った瞬間、あとは否定的な結論にたどり着くための屁理屈をこねているだけなのです。

論理的でもなんでもない。

みんなやらない理由を考える天才ですからね(笑)

やり続ける理由はなかなか出てこないのに、やらない理由となると瞬時にいくつも思いつく(笑)

だからこそ、何を始めるときに「でも」「だって」「どうせ」といったやらないための接続詞を口に出さないことです。

たったこれだけのことで人生を変わると思えるのは僕だけでしょうか。