不当労働行為297 会社による研修事業のグループ会社への事業譲渡等について組合らに通知しなかったことの不当労働行為該当性(労務管理・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。今週も一週間お疲れさまでした。

今日は、会社による研修事業のグループ会社への事業譲渡等について組合らに通知しなかったことの不当労働行為該当性について見ていきましょう。

サイマル・インターナショナル事件(東京都労委令和4年2月1日・労判1267号92頁)

【事案の概要】

本件は、会社による、法人語学研修事業のグループ会社への事業譲渡、同事業部門の閉鎖に伴う契約社員および業務委託講師との契約の終了について、組合らが抗議するまで組合らに通知しなかったことが、支配介入の不当労働行為にあたるかが争われた事案である。

【労働委員会の判断】

不当労働行為にあたる

【命令のポイント】

1 組織再編後の本件労使間の経緯からすると、本件労働協約が組合支部に承継されたか否かはさておき、会社は本件労働協約の趣旨を十分に尊重した対応を執るべきであったといえ、本件事業譲渡が組合員らの契約の存続という労働条件に重大な影響を及ぼすものであったことを鑑みれば、会社は、本件事業譲渡について、従業員である組合員に通知する前又は同時期に組合に通知することが労使関係上求められていたといえる。

2 会社は、組合支部で役職を有するDに個別に通知していることから、同人から組合らに本件事業譲渡の件が伝えられるものと考えていた旨主張するが、従業員に対する通知をもって組合らへの通知に代えることはできないといわざるを得ない。

3 会社は、本件事業譲渡について、従業員である組合員に通知する前又は同時期に組合に通知することが労使関係上求められる状況にあったが、会社は、本件事業譲渡を従業員らに通知しながら組合らには抗議を受けるまで通知しなかったのであるから、会社の対応は、組合らの存在を軽視したものであったといわざるを得ない

上記命令のポイント1は言うまでもないところですが、命令のポイント2についてはしっかり理解しておかないと誤解・勘違いしてしまうかもしれませんね。

労働組合との対応については、日頃から顧問弁護士に相談しながら進めることが肝要です。