Author Archives: 栗田 勇

賃金61(ザ・ウィンザー・ホテルズインターナショナル事件)

おはようございます。 今週も一週間がんばりましょう!!

さて、今日は、元料理人からの賃金減額分差額請求と割増賃金請求に関する裁判例を見てみましょう。

ザ・ウィンザー・ホテルズインターナショナル事件(札幌高裁平成24年10月19日・労判1064号37頁)

【事案の概要】

Y社は、北海道の洞爺湖近くで「ザ・ウィンザーホテル洞爺リゾート&スパ」を経営する会社である。

Xは、平成19年2月、Y社との間で労働契約を締結し、平成21年4月までの間、本件ホテルで料理人又はパティシエとして就労していた。

Y社は、Xの賃金を減額した。

Xは、賃金減額が不当である旨の抗議などはせず、文句を言わないで支払わせる賃金を受領していたところ、平成20年4月になって、Y社から、労働条件確認書に署名押印するよう求められた。

Xは、この書面に署名押印し、会社に提出した。

Y社は、その後、さらに賃金減額の提示をした。

Xは、長時間残業をさせているのに残業代も支払わず、一方的に賃金を切り下げようとするY社の労務管理のあり方に強い反発を覚え、平成21年4月をもってY社を退職した。

【裁判所の判断】

賃金減額は無効

【判例のポイント】

1 平成19年4月にY社がXに賃金年額を500万円にしたい旨の説明ないし提案をしたが、その提示額に関する具体的な説明はなされておらず、他方で、Xはこれに対して、基本給と職務手当の具体的な金額等について尋ねたりすることもなく、「ああ分かりました」などと応答したにとどまるところ、その言葉尻を捉えてXが賃金減額に同意したと解することは、事柄の性質上必ずしも当を得たものとはいえない何故なら、賃金減額の説明ないし提案を受けた労働者が、これを無下に拒否して経営者の不評を買ったりしないよう、その場では当たり障りのない応答をすることは往々にしてあり得る一方で、賃金の減額は労働者の生活を大きく左右する重大事であるから、軽々に承諾できるはずはなく、そうであるからこそ、多くの場合に、労務管理者は、書面を取り交わして、その時点における賃金減額の同意を明確にしておくのであって、賃金減額に関する口頭でのやり取りから労働者の同意の有無を認定するについては、事柄の性質上、そのやり取りの意味等を慎重に吟味検討する必要があるというべきである

2 その後、Y社が、平成19年6月25日支払分から平成20年4月25日支払分までの11か月間、減額後の賃金を支払うにとどめ、Xがこれに対し明示的な抗議をしなかったという事実はあるが、この事実から、Xが平成19年4月の時点で賃金減額に同意していた事実を推認することもできない
何故なら、まず、平成21年4月25日支払分の賃金額からは、Y社について、労働者の同意の有無にかかわらず、自ら提案した減額後の賃金以上は支払わないとの労務管理の方針がうかがわれるところであって、事前に賃金減額に対する同意があったから減額後の賃金を支払っていたものと推認することはできない。
また、賃金減額に不服がある労働者が減額前の賃金を取得するには、職場での軋轢も覚悟した上で、労働組合があれば労働組合に相談し、それがなければ労働基準監督官や弁護士に相談し、最終的には裁判手続をとることが必要になってくるが、そこまでするくらいなら賃金減額に文句を言わないで済ませるという対応も往々にしてあり得ることであり、そうであるとすれば、抗議もしないで減額後の賃金を11か月間受け取っていたのは事前に賃金減額に同意していたからであると推認することも困難である
したがって、Y社の上記主張は採用することができない。

3 ・・・このような無制限な定額時間外賃金に関する合意は、強行法規たる労基法37条以下の規定の適用を潜脱する違法なものであるから、これを全部無効であるとした上で、定額時間外賃金(本件職務手当)の全額を基礎賃金に算入して時間外賃金を計算することも考えられる。
しかしながら、ある合意が強行法規に反しているとしても、当該合意を強行法規に抵触しない意味内容に解することが可能であり、かつ、そのように解することが当事者の合理的意思に合致する場合には、そのように限定解釈するのが相当であって、強行法規に反する合意を直ちに全面的に無効なものと解するのは相当でない。
したがって、本件職務手当の受給に関する合意は、一定時間の残業に対する時間外賃金を定額時間外賃金の形で支払う旨の合意があると解釈するのが相当である

4 本件職務手当が95時間分の時間外賃金であると解釈すると、本件職務手当の受給を合意したXは95時間の時間外労働義務を負うことになるものと解されるが、このような長時間の時間外労働を義務付けることは、使用者の業務運営に配慮しながらも労働者の生活と仕事を調和させようとする労基法36条の規定を無意味なものとするばかりでなく、安全配慮義務に違反し、公序良俗に反するおそれさえあるというべきである(月45時間以上の時間外労働の長期継続が健康を害するおそれがあることを指摘する厚生労働省労働基準局長の都道府県労働局長宛の平成13年12月12日付け通達-基発第1063号参照)。
したがって、本県職務手当が95時間分の時間外賃金として合意されていると解釈することはできない
以上のとおりであるから、本県職務手当は、45時間分の通常残業の対価として合意され、そのようなものとして支払われたものと認めるのが相当であり、月45時間を超えてされた通常残業及び深夜残業に対しては、別途、就業規則や法令の定めに従って計算した時間外賃金が支払われなければならない

高裁は、一審の判断を維持しました。

一審判決については、こちらを参照。

いろいろと参考になる裁判例ですね。

使用者側は、賃金減額をする際は、文書で合意をもらっておくべきです。

また、固定残業代の制度がこれだけ普及してくると、今までに検討されてこなかった新しい争点が出てきますね。

上記判例のポイント4については、使用者側としては頭に入れておくべきでしょう。

残業代請求訴訟は今後も増加しておくことは明白です。素人判断でいろんな制度を運用しますと、後でえらいことになります。必ず顧問弁護士に相談をしながら対応しましょう。

本の紹介205 上司はキミのどこを見ているのか?(企業法務・顧問弁護士@静岡)

おはようございます 一週間お疲れ様でした。
__←先日、スタッフを連れて「おか穂」に行ってきました
 
同級生の大将ががんばっています。
 
いつ行っても混んでいます。すばらしいですね。
 
今日は、午前中は、損保会社の方と打合せです。
 
午後は、打合せが1件、弁護団会議が1件入っています。
 

今日も一日がんばります!!

blogram投票ボタン にほんブログ村 士業ブログ 弁護士へ←ぽち。

さて、今日は本の紹介です。

上司はキミのどこを見ているのか?

まさにタイル通りの内容です。

非常にいい本です。

部下のみなさんだけでなく、上司のみなさんも非常に参考になると思います。

おすすめです。

さて、この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

そもそも世の中には2種類の人しかいない。自分の話したいことを話す人と、相手が聞きたいことを話す人だ。自分の話したいことを話す人は常に自分視点。相手が聞きたいことを話す人は常に相手視点。この差はビジネスにおいてものすごく大きい。ビジネスとは、いかに顧客の要望をつかみ、いかに顧客の望みを解決するか。それにかかっている。・・・だからこそ、部下がデリカシーなく自分の話したいことばかりを話していると、『上司相手に自分の話したいことを話している人は、顧客相手にもそうするだろうな』『相手視点になれない人には、仕事を任せられないな』と、上司からダメの太鼓判を押されてしまうんだ。・・・相手は何を知りたいだろうか、何を聞きたいだろうかと考えて話をしていくと、顧客視点で考えることができるようになるんだ。」(155~156頁)

とてもわかりやすいですね。

相手の視点に立つことにより、どのような動きをすればよいかが見えてきます。

外資系生命保険会社のトップセールスマンが、先日、こう言っていました。

「成功している営業マンに話し上手な人はほとんどいないよ。みんな聞き上手。」

自分のことばかり話をする人は、気をつけましょう。

自分のことを話すよりも、相手に質問をしてあげる。

自分よりも相手が話す時間のほうが長くなるように意識する。

自分のことは、相手から質問されたときに、質問された範囲で話しをする。

つまり、相手が関心を持っていることを話す。

こういうことを意識するだけで、かなり変わると思います。

仕事でもプライベートでも、意識し、習慣化することが大切です。

労働災害63(A工業事件)

おはようございます
__←先日、社団法人の理事会終了後、理事のみなさんと「こはく」に行ってきました

写真は、「さくらえびのかき揚げ」です。

みんなプラスのオーラが出ているので、パワーをもらえます。 本当にいい仲間です。

今日は、午前中は、離婚調停と新規相談が1件です。

午後は、新規相談が3件、顧問先会社との打合せが1件入っています。

今日も一日がんばります!!

blogram投票ボタン にほんブログ村 士業ブログ 弁護士へ←ぽち。

さて、今日は特別加入者死亡に対する労災補償不支給決定処分取消請求に関する最高裁判決を見てみましょう。

A工業事件(最高裁平成24年2月24日判決・労判1064号18頁)

【事案の概要】

本件は、建築工事の請負を業とするY社の代表取締役であり労災保険法(改正前のもの)27条1項所定の事業主(中小事業主)の代表者として法28条1項(現行法34条1項)の承認に基づき労災保険に特別加入していたXが、Y社において受注を希望していた工事の予定地の下見に赴く途中で事故により死亡したことに関し、その妻が、Xの死亡は同項2号にいう「業務上死亡したとき」に当たるとして、法に基づく遺族補償給付及び葬祭料の支給を請求したところ、広島中央労働基準監督署長から、これらを支給しない旨の決定を受けたため、その取消しを求めた事案である。

本件の争点は、労災保険法28条(現行法34条)1項2号所定の業務上死亡した場合に当たるかである。

第1審判決(広島地裁平成21年4月30日)は、Xの本件下見行為に業務遂行性を認めた。

第2審判決(広島高裁平成22年3月19日)は、一審判決を取り消し、業務遂行性を否定した。

【裁判所の判断】

上告棄却
→業務遂行性を否定

【判例のポイント】

1 法28条1項が定める中小事業主の特別加入の制度は、労働者に関し成立している労災保険の保険関係を前提として、当該保険関係上、中小事業主又はその代表者を労働者とみなすことにより、当該中小事業主又はその代表者に対する法の適用を可能とする制度である。そして、法3条1項、労働保険の保険料の徴収等に関する法律3条によれば、保険関係は、労働者を使用する事業について成立するものであり、その成否は当該事業ごとに判断すべきものであるところ(最高裁平成9年1月23日)、同法4条の2第1項において、保険関係が成立した事業の事業主による政府への届出事項の中に「事業の行われる場所」が含まれており、また、労働保険の保険料の徴収等に関する法律施行規則16条1項に基づき労災保険率の適用区分である同施行規則別表第1所定の事業の種類の細目を定める労災保険率適用事業細目表(昭和47年労働省告示第16号)において、同じ建設事業に附帯して行われる事業の中でも当該建設事業の現場内において行われる事業とそうでない事業とで適用される労災保険率の区別がされているものがあることなどに鑑みると、保険関係の成立する事業は、主として場所的な独立性を基準とし、当該一定の場所において一定の組織の下に相関連して行われる作業の一体を単位として区分されるものと解される
そうすると、土木、建築その他の工作物の建設、改造、保存、修理、変更、破壊若しくは解体又はその準備の事業(同施行規則6条2項1号)を行う事業主については、個々の建設等の現場における建築工事等の業務活動と本店等の事務所を拠点とする営業、経営管理その他の業務活動とがそれぞれ別個の事業であって、それぞれその業務の中に労働者を使用するものがあることを前提に、各別に保険関係が成立するものと解される

2 したがって、建設の事業を行う事業主が、その使用する労働者を個々の建設等の現場における事業にのみ従事させ、本店等の事務所を拠点とする営業等の事業に従事させていないときは、上記営業等の事業につき保険関係の成立する余地はないから、上記営業等の事業について、当該事業主が法28条1項に基づく特別加入の承認を受けることはできず、上記営業等の事業に係る業務に起因する事業主又はその代表者の死亡等に関し、その遺族等が法に基づく保険給付を受けることはできないものというべきである

3 Y社は、建設の事業である建築工事の請負業を行っていた事業主であるが、その使用する労働者を、個々の建築の現場における事業にのみ従事させ、本店を拠点とする営業等の事業には全く従事させていなかったものといえる。そうすると、Y社については、その請負に係る建築工事が関係する個々の建築の現場における事業につき保険関係が成立していたにとどまり、上記営業等の事業については保険関係が成立していなかったものといわざるを得ない。そのため、労災保険の特別加入の申請においても、Y社は、個々の建築の現場における事業についてのみ保険関係が成立することを前提として、Xが行う業務の内容を当該事業に係る「建築工事施工(8:00~17:00)」とした上で特別加入の承認を受けたものとみるほかはない
したがって、Xの遺族である上告人は、上記営業等の事業に係る業務に起因するXの死亡に関し、法に基づく保険給付を受けることはできないものというべきところ、本件下見行為は上記営業等の事業に係る業務として行われたものといわざるを得ず、本件下見行為中に発生した本件事故によるXの死亡は上記営業等の事業に係る業務に起因するものというべきであるから、上告人に遺族補償給付等を支給しない旨の本件各処分を適法とした原審の判断は、結論において是認することができる。

特別加入者に関する最高裁の判断です。

参考にしてください。

本の紹介204 本当に頭がよくなる1分間勉強法(企業法務・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。

さて、今日は本の紹介です。
本当に頭がよくなる1分間勉強法
少し前の本ですが、もう一度読んでみました。

「勉強法」という言葉がタイトルについている本を片っ端から読み直しています。

この本は、いわゆる勉強法とは異なり、速読法に近いものです。

いかに素早く学習するか、という点を強調したものです。

さて、この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

よく、『専門家になりたいので大学に通います』という人がいるのですが、それは『時間のムダ』であるケースが多いです。図書館に行って、その分野の本を200冊近く読破したほうが、専門家になるには手っ取り早いのです。・・・アインシュタインもエジソンも、学校で勉強したわけではなく、自分で勉強をしました。」(89~90頁)

予備校やセミナーに通うことで、勉強した「つもり」になっていませんか、という話です。

学んだことを実践しなければ、意味がありませんよね。

セミナーを受けて、「ためになりました」「目から鱗が落ちました」と言い、そのまま行動に移さないのであれば、時間の無駄になってしまいます。

99%の人は、実行に移さないのではないでしょうか。

いいと思ったことは、間髪入れずに行動に移すという習慣が身についている人こそ、インプットをする意味があるのではないでしょうか。

特に20代、30代は、行動力が命だと思います。

やってなんぼ、みたいな感じです。

賃金60(HSBCサービシーズ・ジャパン・リミテッド事件)

おはようございます。

さて、今日は、解雇予告手当請求権の消滅時効について判示した裁判例を見てみましょう。

HSBCサービシーズ・ジャパン・リミテッド事件(東京地裁平成25年1月18日・労経速2168号26頁)

【事案の概要】

本件は、Xが、Y社に対し、Y社が支払った解雇予告手当の額には不足があると主張して、同未払分として190万9056円及びこれに対する退職日以降の賃確法所定の遅延利息並びに同額の付加金等を求めた事案である。

Y社は、通信・情報関連ハードウェア及びソフトウェアの開発、保守及び管理並びに情報・電算処理業、労務管理事務代行業等を目的とし、バハマ国法を準拠法とする外国会社であり、世界的金融グループであるHSBC(香港上海銀行)グループの労務管理事務の代行等を行っている。

【裁判所の判断】

請求棄却

【判例のポイント】

1 Xは、解雇予告手当請求権はその性質上時効消滅しない旨主張し、この点に関する根拠として行政通達(昭27・5・17基収1906号)を引用するが、当裁判所は、解雇予告手当請求権は、その性質上時効消滅しうるものであって、その時効期間は2年であると解する
すなわち、使用者が労働基準法20条所定の予告期間を置かず、または予告手当の支払をしないで労働者に解雇の通知をした場合、その通知は即時解雇としては効力を生じないが、使用者が即時解雇を固執する趣旨でない限り、通知後同条所定の30日の期間を経過するか、または通知の後に同条所定の予告手当の支払をしたときは、そのいずれかのときから解雇の効力を生ずるものと解すべきであるところ(最高裁昭和35年3月11日判決)、ここにいう「予告手当の支払をしたとき」には、使用者側が自ら正当であるものとして計算した結果に従って解雇予告手当を支払ったところ、不足額があった場合も含まれるものと解する。

2 そうすると、かかる支払をした解雇は有効であるものと解すべきところ、そうであるとしても、使用者側が不足分の解雇予告手当を支払う義務を免れると解することには何ら合理的理由はないから、少なくともこの場合、労働者に不足分の解雇予告手当請求権が生じるものと解すべきである。Xが引用する前記行政通達が、解雇予告手当について一切債権債務関係の生じないことを前提として、これを理由に解雇予告手当が時効消滅し得ないものと解しているのであれば、かかる解釈は相当ではない。
そして、解雇予告手当について、請求権を観念することができる場合には、これについて時効を観念することもできるものというべきであって、その時効期間は、解雇予告手当請求権が労働基準法115条の「この法律に規定する(中略)その他の請求権」に当たることは文言上明らかであるから、同条により2年となると解すべきである

3 Xは、地位確認請求訴訟の提起が、時効中断ないしこれに準ずる効力を有するものと主張する。
この点、地位確認請求訴訟は、労働者としての地位のあることを前提とするものであるから、その訴訟提起を、同様の前提に立つ賃金請求権の行使と同視する余地はあるとしても、労働者としての地位を失ったことを前提とする解雇予告手当請求権の行使と同視する余地はない。
よって、Xによる訴訟の提起を、解雇予告手当請求権の行使と同視することはできず、Xの前記主張には理由がない

4 労働者は、付加金を請求する場合、違反のあった時から2年以内に裁判上の請求をしなければならないところ(労基法114条ただし書。この期間制限は除斥期間の定めであると解される。)、・・・この裁判上の請求には、労働審判の申立ても含むものと解する

解雇予告手当の消滅時効について判示しています。

2年以上後に解雇予告手当を請求されることはあまりありませんが、参考にしてください。

とはいえ、ややマニアックな論点ですので、事前に顧問弁護士に相談すれば足りますね。

本の紹介203 仕事頭がよくなるアウトプット勉強法(企業法務・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。 

さて、今日は本の紹介です。
仕事頭がよくなるアウトプット勉強法

前の本ですが、もう一度読んでみました。

タイトルに「勉強法」という言葉が使われていますが、勉強の方法に関する記述はそれほど多くありません。

むしろ勉強や仕事に対する向き合い方、考え方が書かれています。

さて、この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

採用試験の面接で中心に見ているのは『成功体験』です。一番重視しているのは、『成功の再現性』。つまり、そのやり方でもう一回やったら、同じような結果が出せるのかという点。方法論を確立しているかどうかが、勉強したことを生かして仕事で成果を確実に出せるか否かのカギとなります。・・・単なるラッキーかもしれませんし、もしかしたら天才なのかもしれません。しかし、ビジネスで求められるのは天才ではなく、継続して成果を出せる人。一発屋よりはコンスタントに成果を出せる努力家がいいのです。」(185~186頁)

いわゆる「一発屋」ではなく、ヒットを連発できることが事業をしていく上では必要になってきます。

まぐれ当たりでは、長く続かないわけです。

継続して成果を出せる人というのは、やはり基本ができている人なんだと思います。

基本がしっかり身についていれば、状況が変わっても柔軟に対応できるので。

ちなみに学校での勉強の出来、不出来は、仕事で成功するか否かに全く関係ありません。

これだけは断言できます。

例外がありすぎて、法則化するのは無理なのです。

むしろ、社会に出てからも、学ぶことを止めない人こそが成功に近い人なのではないでしょうか。

20代、30代で勉強するのは当たり前ですが、40代以降も、ずっと向上心を持って、生涯、勉強していたいと思います。

賃金59(ワークフロンティア事件)

おはようございます。一週間、お疲れ様でした。

さて、今日は、元従業員9名による未払割増賃金等請求に関する裁判例を見てみましょう。

ワークフロンティア事件(東京地裁平成24年9月4日・労判1063号65頁)

【事案の概要】

本件は、Y社の従業員であったXらが、Y社に対し、未払割増賃金および付加金を求めた事案である。

Y社は、産業廃棄物の収集運搬を主たる業とする会社である。

本件の争点は、(1)清算確認の効力、固定割増賃金に関する合意等の成否およびその有効性、(3)Xらの労働時間、(4)Xらに支払われるべき割増賃金の額、(5)付加金請求の可否などである。

【裁判所の判断】

Xらの未払割増賃金請求を認容(6万余円から97万余円)

未払割増賃金と同額の付加金の支払を命じた

【判例のポイント】

1 X1ら3名は、平成20年7月分以前の割増賃金についても請求しているが、X1ら3名は、平成20年9月8日及び同月12日、平成20年2月1日から同年7月31日までの未払割増賃金の額を了承し、当該割増賃金を受領したことを確認した旨、及び「今回受領した割増賃金以外に、貴社に対する賃金債権はありません」との文言が記載された第1確認書及び第2確認書を、署名捺印の上、Y社に提出していることが認められるから、X1ら3名は、上記第1確認書及び第2確認書の提出によって、Y社に対し、平成20年7月分以前の割増賃金につき清算を確認するとともに、仮に未払の割増賃金債権が存在するとしても当該債権を放棄する旨の意思を表示したものと解される
・・・これに対し、Xらは、X1ら3名の上記意思表示につき、労基法は強行法規であるから、時間外手当請求権を放棄したとまでは言えない旨を主張する。しかしながら、あらかじめ将来の割増賃金について労働者がこれを放棄することは労基法37条に違反し許されないというべきであるが、既に発生済みの割増賃金を、労働者がその自由意思に基づき放棄することは何ら労基法には反しないと解されるから、Xの上記主張は採用の限りではない。

2 ・・・報償手当は、労基法施行規則21条に規程する除外賃金には該当しないから、割増賃金の算定基礎賃金となるものと解するのが相当である。
これに対し、Y社は、報償手当は割増賃金見合いとして支給されているものであるから算定基礎賃金とならない旨主張する。確かに、Xらに交付された労働条件通知書には、報償手当につき「時間外労働等に対する割増賃金の意味を有する」との記載がされており、新賃金規程にも同趣旨の規定がある。しかしながら、証拠によれば、Xらに支給された報償手当は、粗利生産性の上位3名、リピーター顧客からの発注などの業績ないし功績を達成した者に対し、ミニボーナスとして現金支給される手当であると認められるから、労働条件通知書や新賃金規程に「割増賃金の意味を有する」等と規定されているとしても、報償手当は業績ないし功績に対する報酬としての性質を失わないものと解するのが相当である。そうであるとすると、仮に報償手当について、労働条件通知書や新賃金規程で規定されるとおり、割増賃金の意味をも有していると解し得たとしても業績ないし功績に対する報酬としての部分と、時間外労働等に対する割増賃金としての部分とを区別することができないものと言わざるを得ないから、結局、報償手当の支給をもって時間外労働に対する割増賃金が支給されたものと見ることはできないと言うべきである。したがって、Y社の上記主張は採用することができない。

3 一般に、固定割増賃金に関する上記のような合意がされた場合についての合理的意思解釈としては、実際に行われた時間外労働時間に基づいて計算した割増賃金の額が、あらかじめ定められた固定割増賃金の額に満たない場合であっても、基本給は満額支払われる(固定割増賃金は減額されない。)というものであると解するのが相当である。固定割増賃金を基本給に含ませることのメリットとしては、あらかじめ時間外労働があることが予想される場合に、一定時間までの時間外労働に対する割増賃金については基本給で支払済みとすることによって、労基法に則った厳密な割増賃金の事後的な算定・支払という煩雑な手続を回避することができることが挙げられるが、Y社主張のように解した場合には、実際の時間外労働時間が本件であれば1月当たり45時間に満たない場合には、割増賃金額を計算した上で、基本給中の固定割増賃金を減額する措置が必要となって、上記メリットが得られなくなってしまう。また、そもそも、Y社主張のような内容の合意をするのであれば、端的に、固定割増賃金額を控除した額を「基本給」として合意すれば足り、あえて固定割増賃金額を含めた額を「基本給」として合意する意味はないことになるから、そのような解釈が妥当でないことは明らかである。

固定残業代に関する判断は大変参考になります。

なんでもかんでも固定残業代の趣旨であるとすることに対する警鐘の意味合いが強いですね。

形式及び実質ともに残業代であることを明確にする必要があるということです。

残業代請求訴訟は今後も増加しておくことは明白です。素人判断でいろんな制度を運用しますと、後でえらいことになります。必ず顧問弁護士に相談をしながら対応しましょう。

本の紹介202 世界のエリートはなぜ歩きながら本を読むのか?(企業法務・顧問弁護士@静岡)

おはようございます
__←先日、事務所の近くの「天盛楼」に行ってきました

写真は、「つぶ貝のねぎソースがけ」です。 味付けがたまりません。

青島ビールとよく合います。

今日は、午前中は、富士の裁判所で労働事件の裁判です

午後は、富士の顧問先会社で打合せです。

今日も一日がんばります!!

blogram投票ボタン にほんブログ村 士業ブログ 弁護士へ←ぽち。

さて、今日は本の紹介です。

世界のエリートはなぜ歩きながら本を読むのか?

本のタイトルは、とても大切だということを気付かされます(笑)

ほとんど題名だけで買ってしまいます。 「さおだけ屋はなぜ・・・」を思い出します。

僕は、この田村さんの本が好きです。

とにかく内容がおもしろいので、つい買ってしまいます。

これを読んで、僕も、早朝から筋トレをすることにしました(笑)

とても良い本です。 おすすめです。

さて、この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

・・・私は最高のパフォーマンスをコンスタントに出すために、常日ごろからコンディショニングに最大の配慮をして努力を積み重ねる彼らのひたむきさに大いに触発された。」(12頁)

・・・日本のリーダー層は運動が足らない。コンディショニングが今一つなのだ。一般のビジネスマンもしかり。・・・運動が足らないし、食事や心のケアへの配慮が不十分だから、疲れやすいし勉強や仕事に行き詰まる。そもそも文武両道は日本人の知恵であった。しかし、今や世界中で文武両道が当たり前なのだ。」(5頁)

確かに、「仕事が忙しくて、運動をする時間がない」という方は多いのではないでしょうか。

「運動する時間があったら、仕事を片付けたい」と。

気持ちはよくわかります(笑)

いかに運動を毎日の生活の中に組み込むかがポイントです。

私のおすすめは、この本にも書かれていますが、朝の時間を活用することです。

朝型の生活がしている人はわかると思いますが、朝の2~3時間というのは、1日の中で最も密度の濃い時間帯です。

この時間帯に最初は10分だけでもいいので、運動をする時間を入れるのです。

いきなり30分というと、間違いなく挫折します。

10分だけなら、続けられそうな気がしませんか?

大切なのは、1回あたりの時間を長くすることではなく、短時間でもいいので毎日続けることです。

勉強と同じです。

勉強や仕事で成功体験をしてきている人は、何か新しいことを始めるときのポイントを心得ています。

勉強も仕事も運動も、いかに習慣化するかという一点に尽きます。

人間が習慣を作れば、習慣が人間を作ってくれます。

労働災害62(リゾートソリューション(高松工場・石綿)事件)

おはようございます
写真 (4)←先日、「Venti Due」に行ってきました

定期的に行かないと、気がすみません(笑)

マリナーラとモレッティ。翼君と岬君のような関係です。

今日は、午前中は、顧問先会社の社長との打合せが入っています。

午後は、新規相談が1件、裁判の打合せが1件入っています。

今日も一日がんばります!!

blogram投票ボタン にほんブログ村 士業ブログ 弁護士へ←ぽち。

さて、今日は、石綿粉じん吸引等による健康被害と損害賠償請求に関する裁判例を見てみましょう。

リゾートソリューション(高松工場・石綿)事件
(高松地裁平成24年9月26日・労判1063号36頁)

【事案の概要】

本件は、Y社の高松工場で石綿セメント管製造過程での作業に従事していたXらが、Y社が石綿粉じんの飛散抑制、吸引予防、教育、早期発見および救護等の安全配慮義務を尽くさなかったことにより業務遂行中に石綿粉じんを吸引し、これによって石綿肺等の疾病に罹患したと主張し、Y社に対し、債務不履行または不法行為に基づく損害賠償を求めた事案である。

【裁判所の判断】

Y社に対し、合計約4000万円の支払を命じた

【判例のポイント】

1 国に予見可能性が生じた時期は別段として、じん肺法は、石綿を具体的に明記した上、前記のように規定したのであるから、じん肺法が施行された昭和35年頃には、一民間企業においても、石綿による健康被害の発生を具体的に予見することは十分可能というべきである

2 じん肺法の施行後もわが国で大量の石綿の使用が継続されたという点については、じん肺法が施行された昭和35年頃には、今日明らかとなっている石綿が人の健康に与える影響の大きさの全部が明らかになっていたとは認められず、じん肺法が施行された以降も大量の石綿の使用が継続されたことは認められるが、同法は、石綿粉じんによる健康被害が発生していることを前提として、粉じん発生抑制、労働者における粉じん対策、健康管理等、適切な管理を行うことにより健康被害の抑制・防止を図るために制定されたものであることからすると、同法施行後の石綿使用・消費量が多かったことをもって、予見可能性、結果回避可能性を否定することはできないというべきである。

3 被告は、防じんマスクや安全衛生手帳の支給などを行っていたのであるから、Xらが自ら石綿粉じん発生抑制、吸引防止のための措置を講じなかったことにも過失があるとして過失相殺をすべきである旨主張する。
しかしながら、X1、X4及びX6らは、石綿粉じんにばく露することを防止するための防じんマスクの支給を受けたことはなく、石綿粉じんによる健康障害発生の可能性や、石綿粉じん抑制のための教育、指導を受けたこともなく、じん肺を早期発見・予防するためのじん肺健康診断を受けたこともなかったのであるから、当該Xらにおいて、石綿粉じんのばく露を避けることは容易ではなく、Xら自ら石綿粉じん発生抑制措置や吸引抑制措置をとらなかったことに過失があると評価することはできない
したがって、Y社の上記主張は採用できず、Y社の過失相殺の主張は採用できない。

4 債務不履行に基づく損害賠償請求権や、不法行為に基づく損害賠償請求権は、その権利行使が可能な時期から消滅時効が進行するものであるところ(民法166条1項)、・・・被告はXの損害賠償請求権は消滅時効により消滅したと主張する。 
しかしながら、従前から発生している損害であったとしても、その後に、新たに合併症が発症した場合などについては、当該合併症については従前に権利行使を行うことが不可能であるから、当該合併症の発症時点から、当該合併症の発症時点から、当該合併症を含めた権利行使が可能になったものと解するのが相当である。
Xは、本件訴訟提起後である平成23年2月10日に続発性気管支炎との診断を受けており、続発性気管支炎は、じん肺法およびじん肺法施行規則において、じん肺の合併症として定められていることからすると、その診断を受けるまで、続発性気管支炎を含めた上での損害賠償請求を行うことは不可能であったといえる。
したがって、Xは、当該診断を受けた日以降から続発性気管支炎を含めた損害賠償請求が可能となったものであり、消滅時効完成前である平成23年10月3日に訴えの変更の形で、その権利行使を行ったことは当裁判所に顕著であるから、消滅時効は完成していないというべきである。

予見可能性、結果回避可能性、過失相殺、消滅時効の起算点に関する裁判所の判断について参考にしてください。

本の紹介201 起業家(企業法務・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。

さて、今日は本の紹介です。

起業家

サイバーエージェント社長の藤田さんの本です。

藤田さんの本は、共著も含め、ほぼ全て読んでいます。

経営に関する考え方がとても参考になるからです。

今回の本は、これまでの会社経営について振り返る内容になっています。

私は起業家ではありませんが、大切なことは業界を問わず共通しているのだと思います。

さて、この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

不可能を可能にするのが起業家です。皆の反対を押し切っても、逆風に晒されても、窮地に追い込まれても、それでも自分が本気で熱狂しているものなら不屈の精神で乗り越えなければならないのです。熱狂は、それを成し遂げるためであれば、さまざまな困難、孤独や憂鬱や怒りを乗り越える力を内包したものだと私は思います。」(288頁)

みなさんは、本気で熱狂できるものがありますか?

正直なところ、あまりないのではないでしょうか。

熱狂できるものがあれば、逆風に晒されても、窮地に追い込まれても、不屈の精神で乗り越えられます。

逆風に晒されたり、窮地に追い込まれて、あきらめるようでは、そもそも熱狂しているとはいえません。

起業家が熱狂できるものに基づいて起業することは、ある意味、当たり前なのかもしれません。

ただ、熱狂することは、起業家にしか認められていない特権ではありません。

ただ、日常の仕事の中に熱狂できることを見つけられる人は、それほど多くないように思います。

日常生活の中に熱狂できることを見つけられるかどうかが、生活を充実させるポイントになってくるのではないでしょうか。