Author Archives: 栗田 勇

本の紹介2029 Super Free Agent Style#2(企業法務・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。 今週も1週間がんばりましょう。

今日は、本の紹介です。

今から10年前に紹介した本ですが、再度、読み返してみました。

今では全く状況が異なる与沢さんですが、今も昔も、お金を生み出すプロです。

さて、この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

成功していないのに貯金ばかりしている人は、お金の性格を知らないため、成功には程遠い。お金は自分の潜在意識をよりよい方向に導くために使うのがベストだ。成功にとって一番重要なのは、お金でも人脈でも物でもなく、潜在意識の変革だ。」(186頁)

心の底で「どうせ無理」「どうせ失敗する」と思っているのか、「どうせできる」と思っているのか。

この差は本当に大きいです。

土壇場で踏ん張れるか。

すぐに諦めてしまうか。

知識の差よりも意識の差です。

セクハラ・パワハラ74 大学教授らの厳しい叱責等が違法なハラスメント行為にあたらないとされた事案(労務管理・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。

今日は、大学教授らの厳しい叱責等が違法なハラスメント行為にあたらないとされた事案を見ていきましょう。

国立大学法人A大学事件(旭川地裁令和5年2月17日・労経速2518号40頁)

【事案の概要】

第1事件は、Y大学の准教授であるA及び同助教であるBが、同享受であるC及び同講師であるDから、ハラスメント行為を受け、抑うつ状態となり、病気休暇取得を余儀なくされるなどの精神的苦痛を受けたと主張して、それぞれCらに対し、不法行為に基づき、330万円の損害賠償+遅延損害金の連帯支払を求める事案である。

第2事件は、Aらが、Cらによるハラスメント行為を受け、精神的苦痛を受けたと主張して、それぞれY大学に対し、民法715条、415条又は国家賠償法1条1項に基づき、第1事件と同額の330万円の損害賠償+遅延損害金の支払を求める事案である。

【裁判所の判断】

請求棄却

【判例のポイント】

1 Cの各発言は、Aの引越業者への連絡の失念という業務上のミスに端を発し、その報告を怠ったことに関する業務態度を指導する中でされたものと認められる。そして、Cが、A、B両名に対し、以前から同様の業務態度に関する指導を繰り返していたことや、上記ミスにより本来不必要な費用負担が生じたことに加えて、上記のとおり、Cは、Iから、A、B両名が研究ばかりして動物実験施設の業務を職員に丸投げしているとの報告を受けていたところ、当時、Aは、Cの知らないところで研究助成金の学内申請をしており、そのことに関して、共同研究者への配慮を理由として、Cに報告しないことを正当化する発言をしたことや、H棟の運用開始に向けた業務に遅れが生じていたことなどが認められ、Cが、同会話の中で、Aの返答に怒りを覚えたことは、ある程度、理解し得るものといえる。
Cの「どつき倒したいくらいむかついてんだよ」という発言自体は、当該部分のみを見れば、部下に対する発言として、不適切なものといわざるを得ないが、他方で、会話中、同程度に不適切な発言が繰り返されているものではなく、むしろ、他の場面では、Aのキャリアや成長に期待する趣旨の発言もされているなど、会話全体の内容を踏まえると、Cによる叱責が相当長時間に及んだことを考慮しても、いまだ業務指導として適正な範囲を超えるものとまではいえず、違法なハラスメント行為に当たるとまでは認められない。

ぎりぎりの評価ですが、発言の一部分を切り取るのではなく、会話全体の内容を考慮するという考え方は理解しておくべきです。

社内のハラスメント問題については顧問弁護士に相談の上、適切に対応しましょう。

本の紹介2028 情熱経営#2(企業法務・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。

今日は本の紹介です。

今から8年前に紹介した本ですが、再度、読み返してみました。

著者は、湘南美容クリニックの代表の方です。

タイトルのとおり、経営に対する情熱が伝わってきます。

さて、この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

人間の本質は他人の力で変えることはできません。しかしながら、本人が自分を変えようと思ったら、変わることはできます。どんなにお金と時間をかけて研修し、教育しても、自分が変わろうと思わなければ、人は変わりません。」(143頁)

真実です。

人間はそう簡単には変わりません。

良くも悪くも。

表向き変わったように見えても、本質的な部分、根っこの部分は、まさに「三つ子の魂百まで」です。

あまり多くを期待しないことです。

賃金264 有期労働契約を理由とする労働条件の相違と同一労働同一賃金の原則(労務管理・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。

今日は、有期労働契約を理由とする労働条件の相違と同一労働同一賃金の原則について見ていきましょう。

日東電工事件(津地裁令和5年3月16日・労判ジャーナル136号24頁)

【事案の概要】

本件は、Y社と期間の定めのある労働契約を締結していたXら60名が、期間の定めのない労働契約を締結している労働者とXらとの間で、通勤手当、扶養手当、リフレッシュ休暇、賞与及び賃金、年次有給休暇、特別休暇及び福利厚生等に相違があったことは改正前労働契約法20条に違反するものであったと主張し、Y社に対し、主位的に、不法行為に基づき、損害賠償金等の支払を求めるとともに、Xらは、Y社との当初の労働契約締結時から雇用区分の中における有期雇用契約社員ではなく準社員であったのに賞与が支払われなかったとして、主位的に、不法行為に基づく損害賠償金等の支払を求め、予備的に、準社員としての地位に基づく賞与支払請求権に基づき未払賞与等の支払を求めた事案である。

【裁判所の判断】

一部認容

【判例のポイント】

1 通勤手当は、正社員は正社員就業規則によりその支給がされるが、有期雇用契約社員にはその規定がなく、実際に支給されていなかったことから、この相違は労働契約の期間の定めの有無によるものと認められるところ、Y社において、通勤バスを手配し、その経路についても有期雇用契約社員にある程度配慮した上で決定されており、通勤手当を支給しない代わりの代替手段が存在し、十分に機能していたものといえるから、通勤手当の相違が、不合理であるとは認められない

2 扶養手当は、正社員賃金規則所定の条件を満たせば扶養手当が支給される一方で、有期雇用契約社員らにはその規定がなく、実際に支給されていなかったから、この相違は労働契約の期間の定めの有無によるものと認められるところ、Y社の正社員に対して扶養手当が支給されているのは、正社員が長期にわたり継続して勤務することが期待されることから、その生活保障や福利厚生を測り、扶養親族のある者の生活設計等を容易にさせることを通じて、その継続的な雇用を確保するという目的によるものと考えられ、上記目的に照らせば、有期雇用契約社員らにおいても、扶養親族があり、かつ、相応に継続的な勤務が見込まれるのであれば、扶養手当を支給することとした趣旨は同様に妥当するというべきであり、正社員とXらのように長期にわたって勤務している有期雇用契約社員らとの間に扶養手当に係る労働条件の相違があることは、不合理であると認められる。

うーん・・・なんというか、言葉遊びというか物は言いようというか。

どう説明するかだけの問題のように思えてきます。

日頃から顧問弁護士に相談の上、適切に労務管理をすることが肝要です。

本の紹介2027 イーロン・マスク 未来を創る男#2(企業法務・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。 今週も1週間がんばりましょう。

今日は、本の紹介です。

今から7年前に紹介した本ですが、再度、読み返してみました。

本を読み返すと、時の流れの速さを感じます。

進化が止まりませんね。

さて、この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

普通の人ならば、あれだけのプレッシャーにさらされたら、どこかで判断ミスを起こすでしょう。イーロンはそんな状況でも明快で長期的な意思決定が下せる人間です。難しければ難しいほど、彼は力を発揮するんですよ」(201頁)

当時もそうですが、ここ最近のイーロンさんを見ていると、つくづく「図太さ」を感じずにはいられません。

なかなか簡単には真似できませんが、見習うべきところはたくさんあります。

他人の評価や意見に振り回されず、自分が正しいと思うことをやりましょう。

万人から好かれたい、嫌われたくないと思えば思う程、凡庸になってしまいます。

不当労働行為304 コロナ禍を理由に対面での団交に応じなかったことの不当労働行為該当性(労務管理・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。 今週も1週間お疲れさまでした。

今日は、コロナ禍を理由に対面での団交に応じなかったことの不当労働行為該当性について見ていきましょう。

エイ・アンド・エム事件(福岡県労委令和4年3月11日・労判1286号85頁)

【事案の概要】

本件は、コロナ禍を理由に対面での団交に応じなかったことが不当労働行為にあたるかが争われた事案である。

【労働委員会の判断】

不当労働行為にあたらない

【命令のポイント】

1 本件において、対面による団交を行うとした場合、通常施設には出入りしていない組合側のA1委員長および会社側代理人であるB9弁護士が団交の出席者に含まれることが想定される。
そして、組合が3年1月5日付けで団交申入れを行った時点の社会情勢をみれば、福岡県内においては新型コロナウイルス感染症の感染が拡大する状況にあり、それを受けて、同月14日から翌月7日までの間、緊急事態宣言が発令される状況に至っていた。
このような中、Y社が、介護を必要とする多数の高齢者が入居する施設内における新型コロナウイルス感染症の感染リスクを低減させるため、外部の者の立入り自体を制限すべきと考えることは、社会通念上不当とはいえない
また、上記の状況にあって、Y社が、高齢者の介護等に携わる施設職員が対面による団交に出席することで、新型コロナウイルス感染症に感染するリスクを考慮し、対面による実施には応じられないとしたことについては、相応に理解できるところである。
加えて、Y社は文書により一定の回答を行っている
さらに、3年3月5日、組合が処遇改善加算の支給基準を明確にすること等について団交を申し入れたことに対しては、Y社は、同月16日、書面により回答するとともに、ウェブ会議方式等による団交の実施を申し入れている
上記の事情からすれば、Y社の対応は、正当な理由なく団交を拒んだとまではいえず、労組法7条2号の不当労働行為には該当しない。

理由付け及び結論に異論はないと思います。

このような状況下において、ウェブ会議方式による団体交渉を拒否する合理的理由はないものと思われます。

労働組合との対応については、日頃から顧問弁護士に相談しながら進めることが肝要です。

本の紹介2026 超訳 努力論#2(企業法務・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。

今日は、本の紹介です。

今から11年前に紹介した本ですが、再度、読み返してみました。

幸田露伴の「努力論」と「修省論」を読みやすくしてくれています。

露伴さんは、まえがきによれば、「百年に一人の頭脳」の持ち主だったそうです。

そんな露伴さんの言葉を紹介してくれています。

非常にいい言葉に出会えます。 おすすめです。

さて、この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

同じコインは同じ価値しかもたない。もし今の自分が昨年や一昨年の自分と同じなら、自分が受け取るべき運命も同じはずだ。つまり、新しい自分を作り出さないかぎり、新しい運命を獲得することはできないということだ。同一の自分は同一の状態を繰り返すだけだ。」(014)

1年前より自分はどれほど成長したのでしょう。

毎日、怠らずに努力を続けてきたでしょうか。

自己研鑽をしなくなったら、もう終わりの始まりです。

何歳になっても、「もうこれでいい」なんてことはありません。

社会や顧客から求められる自分であり続けるために、常に自分の商品価値を高める努力をする必要があります。

労働時間97 36協定の有効性(労務管理・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。

今日は、36協定の有効性に関する裁判例を見ていきましょう。

医療法人社団菅沼会事件(東京地裁令和4年12月26日・労判ジャーナル135号46頁)

【事案の概要】

本件は、Y社に雇用されているXが、Y社に対し、Y社が、Xの加入する労働組合が申し入れた過半数代表者の選出手段に関する協議等の要求を拒絶し、Xを過半数代表者の選出手続から排除し、Xがは関数代表者として選出されたにもかかわらずその地位を否定し、Xに無効な労使協定に基づく残業を指示し、もってXの権利を侵害したと主張して、不法行為に基づく損害賠償金約70万円等の支払を求めた事案である。

【裁判所の判断】

請求棄却

【判例のポイント】

1 本件クリニックの従業員の過半数で組織する労働組合でなければ、Y社との間で、本件クリニックの従業員の36協定を締結する権限はないから、X以外の本件クリニックの従業員の加入者の有無・加入者数が明らかではなかった本件組合との間で、団体交渉事項とされていなかったにもかかわらず、Y社が、本件クリニックの過半数代表者の選出について事前に協議する義務はないというべきであるから、Y社がこれを拒否する旨の回答をしたことに違法はないというべきである。

2 過半数代表者の選出手続は、「協定等をする者を選出することを明らかにして実施される投票、挙手等の方法」によらなければならないが(労働基準法施行規則6条の2第1項2号)、使用者において立候補者の一般募集を行うことが義務付けられているものではなく、また、労働者又は労働組合からの要求によってそのような義務が生じるとも解されないから、Xが、第2回団体交渉で、本件組合との事前協議を行わないことに抗議したことなどをもって、Y社において一般募集を行う義務が生じたということはいえず、Y社が令和元年の過半数代表者の選出に当たり立候補者の一般募集を行わなかったことが不法行為を構成するとは認められない。

労使協定締結時の過半数代表者の選出方法については、一般的なルールが定められていますので、留意点をしっかりと押さえてながら進めていきましょう。

日頃の労務管理が勝敗を決します。日頃から顧問弁護士に相談することが大切です。

本の紹介2025 賢人の知恵#2(企業法務・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。

今日は本の紹介です。

今から11年前に紹介した本ですが、再度、読み返してみました。

この本の著者は、17世紀のスペインで活躍した方だそうです。

今読んでも何の違和感もないのがすごいです。

さて、この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

人はつきあう友人によって判断される。だから、よく吟味してから注意深く選ぼう。分別に欠ける人の仲間だと決して思われないように。・・・友人関係は、たまたまできるのを待つのではなく、自分たちで選びとって作っていくものなのだ。」(32頁)

誰とどれだけ時間を共有するかによって、その人の「常識」が形成されていきます。

できるだけ自分の成長につながる人と時間を共にしましょう。

待っているだけでなく、自ら行動しなければ、何も変わりません。

チャンスは、待つものではなく、自ら作り出すものだからです。

人生を有意義なものにするのも無価値にしてしまうのも、すべては日々の自らの選択次第。

労働時間96 不動産会社における事業場外みなし労働時間制適用の有効性(労務管理・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。 今週もがんばりましょう。

今日は、不動産会社における事業場外みなし労働時間制適用の有効性に関する裁判例を見ていきましょう。

住友不動産事件(名古屋地裁令和5年2月10日・労判ジャーナル136号36頁)

【事案の概要】

本件は、Y社に対し、雇用契約に基づき、時間外労働に対する未払割増賃金等の支払及び付加金等の支払を求め、また、Xは、パワーハラスメントを受けたとして、営業所の所長であるC及びXの指導係であるDに対しては、不法行為による損害賠償請求権に基づき、Y社に対しては、使用者責任(不法行為)、職場環境配慮義務違反又は措置義務違反(不法行為又は債務不履行)による損害賠償請求権に基づき、連帯して、330万円等の支払をもとめた事案である。

【裁判所の判断】

一部認容

【判例のポイント】

1 Xは、土地の確認等のために営業所外での業務を行うことがあったと認められるが、Xは、Cに対し、一日の行動予定を毎朝メール送信しており、その中には営業所外での業務を行う予定が記載され、また、Xは営業所外での業務を行う場合でもいったん出社した上で、営業所外に移動し、再び営業所に戻っているのであるから、Y社がXの勤務の状況を具体的に把握することが困難であると認めるに足りないから、「労働時間を算定し難いとき」に該当するとは認められず、Xに対する事業場外みなし労働時間制は適用されない。

2 Cの行為について、Xに対する指導の中で半年程度の間、暴行、暴言が少なくない頻度で継続的に行われたことが認められ、XがY社を退職した理由の1つにもなったことが認められるが、他方で、Cによるハラスメントが業務と無関係に行われたものではなく、指導の必要性自体は否定できないこと等の事情を総合考慮すれば、Cの不法行為によってXに生じた精神的苦痛に対する慰謝料としては、70万円と認め、また、Y社は使用者責任に基づく損害賠償として連帯して、77万円等を支払う義務を負う。

事業場外みなし労働時間制については、過去の類似の裁判例と同様、有効に運用することは極めて困難です。

残業代請求リスクが高まりますので、安易な導入は控えましょう。

日頃の労務管理が勝敗を決します。日頃から顧問弁護士に相談することが大切です。