有期労働契約7(京都新聞COM事件)

おはようございます。

さて、今日は、雇止めに関する裁判例を見てみましょう。

京都新聞COM事件(京都地裁平成22年5月18日・労判1004号160頁)

【事案の概要】

Y社は、京都新聞社の事業部門である京都新聞の販売、広告等の各業務について、京都新聞社の委託によりそれらを行うために京都新聞社の全額出資により設立された子会社である。

Xらは、Y社との間で、雇用契約期間6ヶ月とする雇用契約を締結した。

X1は、勤続年数7年9か月、更新回数10回、X2は、勤続年数4年11か月、更新回数4回に及ぶ。

Y社は、Xらに対し、雇用契約を更新しない旨の通知をした。

Xは、本件雇止めは無効であるとして提訴した。

【裁判所の判断】

雇止めは無効

【判例のポイント】

1 使用者と労働者の間で期限の定めのある雇用契約が締結された場合であっても、(1)更新が繰り返され、更新手続が形式的であるなど、当該雇用契約が期間の定めのない契約に転化したり、実質的に期間の定めのない雇用契約と異ならない状況になった場合には、普通解雇の要件に準じた要件がなければ使用者において雇用契約を終了させることができず、(2)労働者が継続雇用の合理的期待を有するに至ったと認められる場合には、期間の満了により直ちに雇用契約が終了するわけではなく、使用者が更新を拒絶するためには、社会通念上相当とされる客観的合理的理由が必要とされると解される。

2 XらとY社との雇用契約の更新が形式だけのものであったということはできず、XらとY社との雇用契約が、期間の定めのない雇用契約に転化した、又はそれと実質的に異ならない関係が生じたと認めることはできない。

3 Y社は、契約社員については3年を超えて更新されないという「3年ルール」が存在すると主張する。
京都新聞社グループにおいて、正社員と契約社員との採用方法や勤務体系の違い等からすると、「3年ルール」は一定の合理性を有しているということができる。
しかし、Y社においては、「3年ルール」が厳格に守られ、契約社員に周知されていたとは考えられず、Xらに対してもその旨の説明がされていたと認めることはできない。
したがって、「3年ルール」について説明をしていたことを理由としてXらにおいて契約期間満了後も雇用継続を期待することは合理的ではないとするY社の主張は採用できない。

4 契約期間であるが、X1については、勤続年数7年9か月、更新回数10回、X2については、勤続年数4年11か月、更新回数は4回に及んでいること、Xらの業務は、広告記事の作成やイベントの運営など、新聞編集等の業務と比べると軽いものではあるが、ほぼ自分の判断で業務を遂行しており、誰でも行うことができる補助的・機械的な業務とはいえないこと、Xらは、契約の満了時期を迎えても、翌年度に継続する業務を担当しており、当然更新されることが前提であったようにうかがえることなどからすると、Xらとしては、契約の更新を期待することには合理性があるといえる。

この裁判例をみても、そう簡単に雇止めはできないことがよくわかります。

会社のみなさんも、「期間雇用だから、いつでも解雇できる」と思っていると、裁判で負けてしまいます。

有期労働契約は、雇止め、期間途中での解雇などで対応を誤ると敗訴リスクが高まります。

事前に顧問弁護士に相談の上、慎重に対応しましょう。