Daily Archives: 2016年9月27日

不当労働行為155(沖縄セメント工業事件)

おはようございます。

今日は、労組の申し入れた人事考課制度等を議題とする団交に応じなかったことが不当労働行為にあたるとされた事案を見てみましょう。

沖縄セメント工業事件(中労委平成28年3月2日・労判1137号93頁)

【事案の概要】

本件は、労組の申し入れた人事考課制度等を議題とする団交に応じなかったことが不当労働行為にあたるかが争われた事案である。

【労働委員会の判断】

不当労働行為にあたる

【命令のポイント】

1 人事考課については、会社の人事考課規程によれば、一時金だけではなく昇給及び昇格など組合員の労働条件に広範かつ多大な影響を及ぼし得るものである上、組合が開示を求めた査定結果は、もともと人事考課規程に基づいて考課の当事者には開示されることが予定されており、実際に、組合員に対しては、23年春闘や同年冬季一時金交渉に際して開示されていた。
しかも、開示された人事考課結果表によれば、いずれも組合員(分会員の多く)が規律性において4段階の評価区分の最低ランクに位置付けられており、沖縄県労委に対する救済申立てが相次ぐなど、当時の対立した労使関係も踏まえると、組合からみれば人事考課の公平性が疑われるのももっともな事情が認められる。また、その後、会社は、人事考課結果表の開示を一方的に中止しており、このことは、人事考課制度の運用に対する組合の不信感を増幅させるものであったと推認される
それにもかかわらず、会社においては、査定結果について被評定者が意見を述べることのできる仕組み(苦情処理機関)がないことから、組合としては、組合員の査定に対する疑念を解消するには、団交で査定結果の開示や査定根拠の説明等を求めるほかなく、人事考課制度の運用について問題を提起し、査定結果の開示等について機関を設けて協議するよう求めていたものである。
これらの事情からすると、人事考課制度の在り方は、本件労使関係において従来から懸案事項であったということができる。

2 ・・・したがって、会社は、人事考課制度等の問題を議題とする本件制度団交申入れに対して、合理的な理由のない回答に終始して速やかに応じなかったものであり、本件団交申入れに対する会社の上記対応には「正当な理由」(労組法7条2号)がなかったものと認められる。

上記の事情からすると、不当労働行為と判断されてもやむを得ないと思われます。

会社側としては気が進まないのは理解できますが、大局的な判断が求められるところです。

組合との団体交渉や組合員に対する処分等については、まずは事前に顧問弁護士から労組法のルールについてレクチャーを受けることが大切です。決して素人判断で進めないようにしましょう。