Monthly Archives: 4月 2021

本の紹介1150 非常識に生きる(企業法務・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。 今週も一週間お疲れさまでした。

今日は本の紹介です。

表紙には「非常識に生きるとは、破天荒であれ、ということではない。誰のものでもない、自分の人生を生きることだ。」と書かれています。

必要なのは「働き方改革」ならぬ「生き方改革」です。

さて、この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

常識とは、あなたの身を守るルールではない。あなたを生きづらく縛り、活力を奪い、『みんなと一緒』の枠組みに押しこめて、偽物の安心感の共有を強いる、ズレた正義だ。」(213頁)

何百回とこのブログで触れてきたテーマです。

この窮屈で窒息しそうな社会において、いかに自由に、好きなように生きていくか。

世間の意味不明な「常識」や「同調圧力」の呪縛から自らを解放できるかどうか。

朝から晩までさまざまなことを我慢し、ノルマに押しつぶされ、気づけば1週間が終わっているような生活のどこが楽しいのでしょうか。

Just be yourself.

You only live once.

不当労働行為264 無許可ビデオ撮影を理由とした解雇と不当労働行為(労務管理・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。

今日は、組合員3名を、無許可ビデオ撮影等を理由に解雇したことを不当労働行為とした初審命令が維持された事案を見てみましょう。

木村建設事件(中労委令和2年7月1日・労判1234号102頁)

【事案の概要】

本件は、組合員3名を、無許可ビデオ撮影等を理由に解雇したことを不当労働行為にあたるかが争われた事案である。

【労働委員会の判断】

不当労働行為にあたる

【命令のポイント】

1 組合は、基本的に、団体交渉を申し入れる際は、動画を撮影する方針で臨んでおり、これは言った言わないという争いになる事態を避けるとともに、組合員の行動に規制をかけるために組合の内部資料として撮影しているとされるものである。この方針の目的に一定の合理性がないとまではいえない

2 7月30日付け申入れ後、会社による不当労働行為が度重なっており、組合員らは、更なる不当労働行為が更なる不当労働行為が行われる可能性のある状況において、これを警戒し、不当労働行為が行われた際の記録を残して自らの身を守ろうと考えて会話の秘密録音を行ったものであり、緊急避難的な対応としてやむを得ないものであったといえる。秘密録音は、会社の業務上の秘密を漏えいさせることを目的としたものではなく、実際に漏えいの事実はなく、そのおそれがあったともいえない。

ここまでこじれてしまうと日常業務もままならない状況ではないでしょうか。

動画撮影や秘密録音の問題に対する対処法は、個々の事案によって異なりますので、顧問弁護士に相談をしながら対応しましょう。

本の紹介1149 パンデミック後の世界 10の教訓(企業法務・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。

今日は本の紹介です。

タイトルのとおり、もう後戻りできない世界が今後、どのように進んでいくのかを知ることができます。

これから凄まじい勢いで世界が変化していくことがわかります。

さて、この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

人間は比類なきペースで社会を発展させ、前例のないスピードであらゆる領域へと手を広げている。たとえて言うなら、想像を超えた速度で走るレーシングカーを作り、それに乗って標識もない未知の土地を疾走しているのだ。だが、その車にエアバックを備えるという手間を、私たちは怠ってきた。保険もかけなかった。シートベルトすら装着せずに走ってきた。今やエンジンはだいぶ熱くなっている。」(43~44頁)

いかに非効率を受け入れる社会を作るかを考える必要があります。

便利になればなるほど地球環境に与える影響は大きくなります。

不便だけどサステナブルな生活に受け入れることは、決して後退ではありません。

便利になればなるほど、それが失われたときの不便さは大きくなります。

携帯電話が世の中に普及する前の社会は、今よりも不便だったでしょうか・・・?

インターネットが世の中に誕生する前の社会は、今よりも暮らしにくかったでしょうか・・・?

不当労働行為263 組合掲示板不貸与・休憩室の就業時間外の利用制限と不当労働行為(労務管理・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。 今週も一週間がんばりましょう。

今日は、組合掲示板の貸与及び休憩室の就業時間外の利用を認めない会社の対応が不当労働行為に当たらないとされた事案を見てみましょう。

グローバル事件(東京都労委令和元年9月17日・労判1232号104頁)

【事案の概要】

組合掲示板の貸与及び休憩室の就業時間外の利用を認めない会社の対応が不当労働行為にあたるかが争われた事案である。

【労働委員会の判断】

不当労働行為にあたらない

【命令のポイント】

1 掲示板の貸与や休憩室の利用等の便宜供与は、労使合意に基づいて行われるものであり、使用者に便宜供与を行う義務があるわけではない
本件では、28年10月28日の団体交渉で、便宜供与に関する具体的な条件を会社が提出すると述べてはいたものの、その後の団体交渉も含め、便宜供与をするという合意には至っていない

2 Y社が、組合掲示板貸与及び休憩室の就業時間外の利用という便宜供与を実施することについて組合との合意に至らず、便宜供与を認めていないことが、便宜供与は労使合意に基づいて行われるものであることを踏まえた相当な対応といえる範囲を逸脱して組合を弱体化させる行為に当たるとまでいうことはできない

一度便宜供与を行うと、その後は、合理的理由なくそれをなくすことは不当労働行為に該当しますので注意は必要です。

だからこそ最初が肝心です。組合との協議、交渉の際は必ず顧問弁護士に相談することが大切です。

本の紹介1148 自由への手紙(企業法務・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。 今週も一週間お疲れさまでした。

今日は本の紹介です。

著者は言わずと知れた台湾の最年少デジタル大臣です。

タイトルのとおり、あらゆることから自由であることを勧めています。

さまざまなしがらみの中で不自由を感じている方は多いと思います。

そのような方は、是非、読んでみましょう。

さて、この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

常識・ジェンダー・家族制度・格差・お金・仕事……。誰かが決めた『正しさ』には、もう、合わせなくていい。」(表紙)

このブログで幾度となく書いてきたことです。

本当に自分がそれを望んでいるのであればいいですが、世間体や周りの目や評価を気にするあまり、本当はやりたくもないことを我慢しながらやり続ける人生の何が楽しいのでしょうか。

我慢して我慢して一生を終えるなんて、死んでもいやです。

世の中にはたくさんの「べき論」が存在しますが、世間体や周りの目や評価を気にしない人たちは、それらの「べき論」から完全に解放されているため、本当に自由な生活をしています。

誰にどう思われようと心底どうでもいいと思っているのです(笑)

人生は一度きりしかなく、また、あっと言う間に終わってしまいます。

YOLO 自分が生きたいように生きればいいのですよ。

不当労働行為262 組合員の人事異動と不当労働行為(労務管理・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。

今日は、組合員を廃棄物の収集運搬をするコースドライバーから廃棄物の仕分業務に人事異動したことが不当労働行為とされた事案を見てみましょう。

上田清掃事件(京都府労委令和元年9月18日・労判1232号102頁)

【事案の概要】

組合員を廃棄物の収集運搬をするコースドライバーから廃棄物の仕分業務に人事異動したことが不当労働行為にあたるかが争われた事案である。

【労働委員会の判断】

不当労働行為にあたる

【命令のポイント】

1 A組合員は平成5年の入社以来コースドライバー業務に従事してきたことが認められ、このように長年同一の業務に従事してきた労働者を、それとは異質の業務に異動することは、それ自体不利益性を有すると認められるところ、本件人事異動後のA組合員の業務にはドライバー業務も含まれているが、これは、仕分後の資源物を近隣の回収業者に搬入するだけの業務であって、また、主たる業務は、コースドライバー業務とは異質なことが明らかな仕分作業であったと認められる。よって、本件人事異動には、不利益性が認められる。

2 本件人事異動は、Y社の中核的事業所における中核的業務から本社から離れたほとんど他に従業員がいない現場作業所での単純作業への異動であって、当該職場における従業員の一般的認識に照らして通常不利益なものと受け止められ、それによって当該職場における従業員の労働組合活動への意欲が委縮し、組合活動一般に対して制約効果が及ぶようなものであったと認めるのが相当である。

仮に業務内容が異なる場合でも、当該配置転換に合理的理由が存在すれば不当労働行為とは認定されません。

もっとも、一般論としては、業務内容が大きく異なる場合には、それ相応の理由を準備する必要があります。

理由の合理性の有無については判断が難しいので、顧問弁護士に相談しましょう。

本の紹介1147 私たちは成功者に何を学ぶべきか(企業法務・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。

今日は本の紹介です。

ナポレオン・ヒルさんの本です。

まさに私たちが成功者から学ぶべきことが書かれています。

さて、この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

私たちは習慣に支配されている。一人の例外もなく全員である!習慣は、思考と行動の繰り返しによって定着する。したがって、私たちは自分の思考を支配する程度に応じて、運命と生き方を支配しているのである。だから、必要かつ適切な習慣を身につけるように、自分の思考を方向づけなければならない。」(167頁)

もはや誰も疑う余地のない真実です。

いかなる習慣を身に付けているかは、まさにいかなる人生を送るかと同義です。

日々のルーティン、時間の使い方の集積が今の自分です。

自分の価値を向上させる習慣に支配されるか、その逆か。

それだけの話です。

解雇344 証拠の偽造・書面の虚偽記載と不当提訴(労務管理・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。

今日は、営業部長に対する懲戒解雇の存否等と不法行為該当性に関する裁判例を見てみましょう。

日成産業事件(札幌地裁令和2年5月26日・労判1232号32頁)

【事案の概要】

本件は、Y社の従業員であったXが、①Y社がXに対してしたとされる懲戒解雇は存在せず、又は無効なものであるとして、労働契約に基づき、懲戒解雇の不存在又は無効を前提とした未払賃金及び遅延損害金の支払を求め、②懲戒解雇事由がないにもかかわらずY社がXを懲戒解雇したかのように装うなどしたため、Xが支給を受けるべき退職金共済制度に基づく退職一時金が減額されたとして、不法行為に基づき、同減額相当額の損害賠償及び遅延損害金の支払を求め、③上記②のように懲戒解雇したことを装い、上記退職一時金の受給を妨害し、不当な損害賠償請求をするなどしてXの人格権及び財産権を侵害したとして、不法行為に基づき、慰謝料等の損害賠償及び遅延損害金の支払を求め、④Y社が主張するXのY社に対する労働契約に基づく損害賠償債務は存在しないとして、その不存在の確認を求める事案である。

【裁判所の判断】

Y社はXに対し、未払賃金28万3800円+遅延損害金を支払え

Y社はXに対し、61万4760円+遅延損害金

債務不存在確認認容

【判例のポイント】

1 本件損害賠償請求の内容をみると、本件約束手形の不渡りに伴う損害のみならず、XがY社の従業員としての地位を有していた間の本件経費についても、それが損害ではないことは明らかであるにもかかわらず損害賠償を求めている。また、本件損害賠償請求の方法をみると、存在しない本件懲戒解雇に係る本件懲戒解雇通知とともにしていることや、本件回答書において本件経費について明らかな虚偽記載をしていることに鑑みると、正当な権利の行使とは評価できない。加えて、Y社は、本件訴訟において、本件取引に係る決裁等に関してあえて事実と異なる主張をしたばかりではなく、Y社内部における決裁手続を経た本件申請認可書Aを改変した本件申請認可書Bや偽造した本件申請認可書Cを書証として提出しているのであって、もはや正当な権利の行使として許容される方法を逸脱していることは明らかである。そうすると、本件損害賠償請求及びそれに関する本件訴訟におけるY社の訴訟行為は、Xに対する不法行為となるものというべきである。

提訴や訴訟行為の不法行為該当性については、要件が厳しいので、そう簡単には認められませんが、本件くらいの事情があればさすがに認められます。

提訴や反訴の是非については、感情に任せず、冷静に判断する必要があります。

事前に顧問弁護士に相談することが大切です。

本の紹介1146 マーケターのように生きろ(企業法務・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。 今週も一週間がんばりましょう。

今日は本の紹介です。

サブタイトルは「『あなたが必要だ』と言われ続ける人の思考と行動」です。

日常生活にマーケティングの考え方を取り入れることをすすめています。

切り口がおもしろく、とてもいい本です。

おすすめです。

さて、この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

自分を表現するのではなく、人の期待に応えることを追求するのです。そのために、まずは相手をよく知り、相手が何を求めているかに思いをめぐらせます。そして、自分にできる精一杯でそれに応えます。・・・そんな生き方を『マーケターのように生きる』と呼んでいます。マーケティングとは、そうして『常に相手からスタートする』という考え方を体現したものだからです。」(3頁)

これは、決してビジネスだけの話ではなく、人間関係全般にいえることです。

目の前の人に喜んでほしいと思う力をどれだけ強く持っているかと密接に関連していると思います。

相手の喜んでいる姿を見て喜べるか。

結局、根本的な価値観はこれです。

有期労働契約103 7回更新の有期契約社員の雇止めが有効?(労務管理・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。 今週も一週間お疲れさまでした。

今日は、同一の使用者との間で、労働契約の更新を7回行った有期契約社員に、次の更新の合理的な期待が認められなかった裁判例を見てみましょう。

日本通運事件(東京地裁令和2年10月1日・労経速2438号3頁)

【事案の概要】

本件は、Y社との間で、平成29年8月31日に、期間を同年9月1日から平成30年3月31日までとして労働契約を締結し、同契約を更新されずY社から雇止めされたXが、XとY社の労働契約は労働契約法19条1号又は2号の要件を満たしており、雇止めについて客観的合理的な理由も社会通念上相当性もないため、従前の労働契約の内容で契約が更新されたと主張して、Y社に対し、労働契約上の権利を有する地位にあることの確認を求めるとともに、労働契約に基づき平成30年4月分以降の賃金+遅延損害金の支払を求めた事案である。

【裁判所の判断】

請求棄却

【判例のポイント】

1 XとY社との間の労働契約の契約期間は通算5年10箇月、有期労働契約の更新回数は7回に及ぶものの、毎回、必ず契約書が作成されており、契約日の前に、Y社の管理職からXに対し、Xの署名押印を求める契約書を交付し、管理職がXの面前で契約書を読み上げて契約の意思を確認するといった手続を取っており、更新処理が形骸化していたとはいえず、いずれかから格別の意思表示がなければ当然更新されるべき労働契約を締結する意思であったと認められる場合には当たらないというべきである。

2 本件のように契約書に不更新条項等が記載され、これに対する同意が更新の条件となっている場合には、労働者としては署名を拒否して直ちに契約関係を終了させるか、署名して次期の期間満了時に契約関係を終了させるかの二者択一を迫られるため、労働者が不更新条項を含む契約書に署名押印する行為は、労働者の自由な意思に基づくものか一般的に疑問があり、契約更新時において労働者が置かれた前記の状況を考慮すれば、不更新条項等を含む契約書に署名押印する行為があることをもって、直ちに不更新条項等に対する承諾があり、合理的期待の放棄がされたと認めるべきではない。労働者が置かれた前記の状況からすれば、前記行為が労働者の自由な意思に基づいてされものと認めるに足りる合理的な理由が客観的に存在する場合に限り(山梨県民信用組合事件最高裁判決)、労働者により更新に対する合理的な期待の放棄がされたと認めるべきである。
・・・本件では、Xは、労働契約7の締結の際、管理職に対し、不更新条項等について異議を留めるメールを送っている。そうすると、労働契約5から8までの不更新条項等の契約書に署名押印する行為がXの自由な意思に基づいてされたものと認めるに足りる合理的な理由が、客観的に存在するとはいえない

3 労働契約1から7までは、Q2事業所におけるQ3の商品配送業務をY社が受注する限りにおいて継続する性質の雇用であったところ、Y社が同業務を受注できず事業所を閉鎖して撤退するに至ったため、労働契約7の締結前に、Xが、Y社の管理職から、Y社がQ3の商品配送業務を失注し事業所を閉鎖する見込みとなり、次期契約期間満了後の雇用継続がないことについて、個人面談を含めた複数回の説明を受け、Y社に代わりQ3業務を受注した後継業者への移籍ができることなどを説明され、契約書にも不更新条項が設けられたことにより、労働契約7の締結の時点においては、それまでの契約期間通算5年1箇月、5回の更新がされたことによって生じるべき更新の合理的期待は、打ち消されてしまったといえる。

上記判例のポイント2は非常に重要です。

ただ単に不更新条項を入れておけばよいというほど単純ではないことを理解しておきましょう。

5年ルールの対応については顧問弁護士と相談の上、慎重に行いましょう。