おはようございます。 今週も1週間お疲れ様でした。
今日は、酒気帯び運転を理由とする解雇の有効性に関する裁判例を見ていきましょう。
静岡鐵工所事件(大阪地裁令和7年9月26日・労判ジャーナル165頁16頁)
【事案の概要】
本件は、Y社の元従業員Xが、Y社による解雇は無効であるとして、労働契約上の権利を有する地位にあることの確認請求並びに労働契約に基づく未払賃金等の支払及び不法行為に基づく慰謝料等の支払を求めた事案である。
【裁判所の判断】
請求棄却
【判例のポイント】
1 本件酒気帯び運転は、本件就業規則所定の懲戒解雇事由に該当するところ、本件酒気帯び運転は、長時間にわたり相当量の飲酒をした後に行われたものであり、Xの血中アルコール濃度が本件酒気帯び運転から約8時間経過した時点でも高濃度であったこと、運転中の異常な運転態様及び警察官から職務質問を受けた際の異常な対応に照らせば、運転中のアルコールによる影響は非常に強いものであったというべきであり、交通事故を起こす可能性の高い非常に危険なものであったと評価するのが相当であり、本件酒気帯び運転は、Y社の業務終了後に行われたものであるものの、社用車を運転するものであり、その運転中に交通事故を起こした場合、Y社に自動車損害賠償保障法3条の運行供用者責任等による民事上の損害賠償責任が発生し得るものであったといえるから、単なる私生活上の行為にとどまるものであったとはいえず、加えて、警察官に対し、怒鳴りつけたり、暴言を吐いたりしたものであるから、近隣住民に与えた不安及び迷惑並びに警察官の職務を遅滞させたことは軽視できず、本件酒気帯び運転後の事情も悪質であるから、本件解雇は、懲戒権を濫用したものとは認められない。
この事案だけを見れば、結論に疑問を持つ方は多くはないと思いますが、裁判例の中には、類似の事案でも、解雇を無効と判断する例があるため、現場の判断を悩ませます。
これに退職金請求が加わるとさらに悩ませることになります。
日頃から顧問弁護士に相談をすることを習慣化しましょう。