Author Archives: 栗田 勇

労働災害54(中部電力ほか(浜岡原発)事件)

おはようございます
写真 2012-10-19 20 15 50
←先日、事務所の近くのお祭りに行ってきました。

テンションが上がり、たこやき、焼きとうもろこし、お好み焼きなどを買ってしまいました。

完全におなかいっぱいになってしまい、夜ごはんを食べられませんでした。
 
今日は、午前中に裁判が3件入っています。

午後は、新規相談が1件、打合せが2件入っています。

今日も一日がんばります!!

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さて、今日は、中皮腫で死亡した孫請会社社員の遺族による損害賠償請求についての裁判例を見てみましょう。

中部電力ほか(浜岡原発)事件(静岡地裁平成24年3月23日・労判1052号42頁)

【事案の概要】

本件は、孫請会社である有限会社A工業の従業員としてY1社の浜岡原子力発電所においてメンテナンス業務に従事していたXが、腹膜原発悪性中皮腫により死亡したことについて、Xの遺族がY1社、元請会社のY2社、下請会社のY3社の安全配慮義務違反またはY1社が所有する工作物である浜岡原発の瑕疵によるアスベストばく露によって死亡したと主張して、Y1社らに対して、債務不履行または不法行為による損害賠償を請求した。

【裁判所の判断】

Y1社に対する請求はいずれも棄却

Y2社、Y3社に対しては、連帯して、5000万円強の賠償義務を認めた。

【判例のポイント】

1 安全配慮義務は、ある法律関係に基づいて特別な社会的接触の関係に入った当事者間において、当該法律関係の付随的義務として当事者の一方又は双方が相手方に対して信義則上負う義務として一般に認められるべきものである(最高裁昭和50年2月25日)。
そして、注文者と請負人との間において請負という契約の形式をとりながら、注文者が単に仕事の結果を享受するにとどまらず、請負人の雇用する労働者から実質的に雇用関係に基づいて労働の提供を受けているのと同視しうる状態が生じていると認められる場合、すなわち、注文者の供給する設備、器具等を用いて、注文者の指示のもとに労務の提供を行うなど、注文者と請負人の雇用する労働者との間に実質的に使用従属の関係が生じていると認められる場合には、その間に雇用関係が存在しなくとも、注文者と請負人との請負契約及び請負人とその従業員との雇用関係を媒介として間接的に成立した法律関係に基づいて特別な社会的接触の関係に入ったものとして、信義則上、注文者は当該労働者に対し、使用者が負う安全配慮義務と同様の安全配慮義務を負うものと解するのが相当である。これは、注文者、請負会社及び下請会社と孫請会社の従業員との間においても同様に妥当する

2 安全配慮義務の前提として、使用者が認識すべき予見義務の内容は、生命・健康という被害法益の重大性に鑑み、安全性に疑念を抱かせる程度の抽象的な危惧であれば足り、必ずしも生命・健康に対する障害の性質、程度や発症頻度まで具体的に認識する必要はないと解される(福岡高裁平成元年3月31日)。
・・・アスベストの粉じんは、これを人が吸引した場合には、悪性中皮腫等を発症させて人の生命・健康を害する危険性があるところ、Y2社及びY3社は、上記のとおり、これを予見することが可能であったといえるから、労働者が石綿の粉じんを吸入しないようにするために万全の措置を講ずべき注意義務を負担していたと解される。
具体的には、Y2社及びY3社には、アスベストが使用されている材料をできる限り調査して把握し、A工業の現場作業指揮者や作業員であるXらに対して周知すべき注意義務がある。また、アスベストの人の生命・健康に対する危険性について教育の徹底を図り、Xらに対してマスク着用の必要性について十分な安全教育を行うとともに、アスベスト粉じんの発生する現場で工事の進行管理、作業員に対する指示等を行う場合にはマスクの着用や湿潤化を義務付けるなどの注意義務があった

3 工作物責任は、工作物が通常有すべき安全性を欠くときに認められ、工作物の構造、用法、場所敵環境及び利用状況等の事情を総合考慮して具体的個別的に判断すべきであると解される(最高裁昭和56年12月16日)。
・・・シール材はポンプに配管を連結する箇所等に使用される原子力発電所において必須の部品であり耐熱性、強度などの点でアスベスト含有製品の使用が適していること、シール材については現在においても法令によってアスベストの使用禁止から除外されていること、アスベスト非含有の適当な代替品が当時なかったことが認められる。そうすると、アスベスト非含有の代替品を使用することは当時としては不可能ないし著しく困難であったといえるから、社会通念上、工作物が通常有すべき安全性を欠くということはできない

地元静岡の裁判例です。

上記判例のポイント1の安全配慮義務については、応用可能性があり、参考になりますね。

工作物責任は否定されています。

本の紹介135 脳を活かすアインシュタインの言葉(企業法務・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。 

さて、今日は本の紹介です。
脳を活かすアインシュタインの言葉 (PHP文庫)
脳を活かすアインシュタインの言葉 (PHP文庫)

よくあるタイプの本ですが、嫌いではありません。

アインシュタインさんのことばが紹介されていますが、脳を活かすと結びつけるのは、やはり無理があります。

茂木さん監修なので、むりくりなんでしょう。

さて、この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

言葉とは空しい響きであり、かつそれに尽きています。かつて破壊への道には常に理想に対する口先だけの奉仕が伴っていました。けだし、個性というものは聞いたり言ったりすることによって形成されるものではなく、労働と活力によってのみつくられるものだ。」(68頁)

これは、1963年、アメリカにおける高等教育300年祭講演「教育について」の一節だそうです。

要するに、言っているだけでは何も変わらないということです。

どんなにいいアイデアがあっても、それを実現しない限り、何の意味もありません。

実行あるのみです。

私も、まだまだ発展途上です。

これからもものすごい勢いで、アイデアを実行してきますよ。

賃金50(日本機電事件)

おはようございます。

さて、今日は、退職した営業社員からの退職慰労金および割増賃金請求に関する裁判例を見てみましょう。

日本機電事件(大阪地裁平成24年3月9日・労判1051号70頁)

【事案の概要】

Y社は、建設現場仮設資材の製造、販売、リースを主たる業務としている会社である。

Xは平成7年にY社に入社し、Y社グラフィック事業部に配属され、その後は、Y社を退職する20年までの間、営業に従事してきた。

Xは、退職後、Y社に対して、退職慰労金、時間外労働割増賃金および付加金の請求をした。

【裁判所の判断】

退職慰労金規定の廃止は無効

退職慰労金の支払いを命じた

未払残業代約680万円の支払いを命じた

【判例のポイント】

1 本件退職慰労金規定4条には、「支給しない場合もある」旨規定されているところ、本件退職慰労金が、賃金の後払い的性質を有していることにかんがみると、当該従業員に懲戒解雇事由若しくはそれと同等の背信行為が存在したというような特段の事情が認められない限り、Y社が恣意的な理由に基づいて退職慰労金を支給しないということは許されないと解するのが相当である。他方、当該従業員としても、懲戒解雇事由若しくはそれと同等の背信行為をしたにもかかわらず、退職慰労金を請求することは信義則に反することになると解するのが相当である。

2 ・・・確かに、XがY社の競業他社に就職していることは、上記就業規則に反するものではある。しかし、(1)同条項は、1年間という制限はあるものの、一般的抽象的にY社の競業・競合会社(同概念も抽象的一般的であると評価できる。)への入社を禁止しており、Y社を退職した従業員に対して過大な制約を強いるものであるといわざるを得ないこと、(2)Y社においては、同制約に見合う代替措置(退職慰労金の支払等)が設けられていたとは認められないこと(ただし、Y社は、退職年金制度を廃止するに当たって、解約返戻金を支払っているが、同支払をもって、1年間の制約を正当化できるとは言い難い。)、(3)Y社がXの同競業行為によって個別具体的にいかなる損害(損害額等)を被ったか明確であるとはいえないこと、(4)取引先との信頼関係等種々の理由があったとはいえ(Y社代表者)、結果的に、Y社は、Xの同競業行為について、これを禁止する法的な手段(仮処分申立手続)を執らなかったこと、以上の点が認められ、これらの点からすると、Xの上記行為は、形式的には競業行為に該当し、就業規則49条に反するものとはいうものの、同行為をもって、退職慰労金を不支給とするに相応しい背信行為に該当するのは相当とはいえない

3 本件においては、タイムカード等Xの労働時間を直接証する資料が作成されておらず、Xの正確な退勤時刻を認定することは困難であるが、上記したXの業務内容、XのY社における売上実績、上記した時間外労働に関するY社の指導内容等にかんがみれば、Xは、少なくとも、営業活動後の残務整理等のために、午後8時までは業務に従事していたと推認するのが相当である

4 Y社は、Xを労基法上の管理監督者に該当するとして、他の従業員に比して高額な賃金(役職手当20万円を含む60万円)を支給していたこと、Y社は、Xに対し、幹部会議への出席などを要請し、Xは、同会議に出席するなど、形式的には幹部社員として待遇されていたこと、労基法上の管理監督者に該当するか否かは種々の事情を考慮した法的判断を要求されるものであること等諸般の事情を総合的に勘案すると、本件に関しては、Y社がXに対して時間外割増賃金を支払わなかったことをもって、付加金の支払義務を負わせることは相当とはいえない

いろいろと考えさせられる裁判例です。

やはり、どの裁判例を見ても、残業代の不支給を管理監督者該当性を根拠とするのは、もはや無理があると言わざるを得ません。

裁判所の基準では、まず管理監督者には該当しないということを、そろそろ会社は自覚すべきです。

本件では、付加金こそ課せられてはいませんが、管理監督者に該当するとして、月額60万円もの高額な賃金を支給していたため、算出される未払残業代がえらいことになってしまいます。

もう1つ。

退職金の不支給については、多くの裁判例が出ていますが、今回も金額こそ多額ではありませんが、競業行為を理由とする退職金の不支給は認められませんでした。

退職後の競業避止義務については、職業選択の自由との関係からも制限的に解釈されますので、ご注意ください。

残業代請求訴訟は今後も増加しておくことは明白です。素人判断でいろんな制度を運用しますと、後でえらいことになります。必ず顧問弁護士に相談をしながら対応しましょう。

本の紹介134 儲かっているラーメン屋は朝8時に掃除する!(企業法務・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。

さて、今日は本の紹介です。

儲かっているラーメン屋は朝8時に掃除する! (宝島社新書)
儲かっているラーメン屋は朝8時に掃除する! (宝島社新書)

読んでみましたが、タイトルはたいして意味がありませんでした。

もっと内容にマッチしたタイトルがあると思いますが・・・。

単にキャッチーなタイトルにしたかっただけだと思います。

さて、この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

『今は何をやってもダメだよ。そのうちまた景気のいいときが必ず来るさ』
本気でこう考えている人がいまだにいます。時代が大きく変わり、自らを変えない限り生き残れない環境にあることを肌身に感じなければなりません。多くの成功者はいま、逆転の発想で破壊に取り組んでいます。創造のための破壊をしていくのです。成功者はこの『破壊力』を持っているのです。
」(72~73頁)

これも言うのは簡単ですが、実際に「創造のための破壊」を実践している人がどれほどいるでしょうか。

「創造のための破壊」と言われても、なにをどうしたらよいのかわからない人もいると思います。

また、「逆転の発想」というのもまた言うのは簡単ですが、有効な「逆転の発想」というのは、とても難しいです。

現時点での私の考えでは、最初からうまくいく「逆転の発想」など存在しないということです。

とにかく数多く「逆転の発想」をしてみる。

みんなが右に行くといったら、とにかく左に行ってみる。

これを繰り返し繰り返し行っていくと、今まで意識して行ってきた「逆転の発想」が、無意識にできるようになってきます。

「そんなの無理だよ」と言われたら、チャンスと思うくらいがちょうどいいのです。

多くの人が無理だと考えているのだから、それをやってうまく行けば、すごいことになります(笑)

多くの人から無理だと言われ、そんなことやって大丈夫?と心配されるくらいがちょうどいいのです。

解雇83(国(在日米軍従業員)事件)

おはようございます。

さて、今日は、傷病休暇期間満了による解雇に関する裁判例を見てみましょう。

国(在日米軍従業員)事件(東京地裁平成23年3月9日・労判1052号89頁)

【事案の概要】

Xは、傷病休暇を取得したが、休職期間満了時、職場復帰可能と判断しなかったYは、Xを解雇した。

Xは、本件解雇は無効であると主張し争った。

【裁判所の判断】

解雇は有効

【判例のポイント】

1 本件基本労務契約によれば、有給休暇を消費した後に、労働者の業務外の傷病による傷病休暇(無給)は1年6か月間認められ、X・Y間の労働契約は、Yによる解雇予告の手続を経ることにより、原則としてその最終日に終了するが、労働者が回復すれば、解雇予告の撤回を要求することができ、Yは、Xを勤務に戻すと定められている。そうすると、労働者が業務外の傷病により、1年6か月間の傷病休暇(無給)を取得した場合は、Yがその最終日に有効となる解雇予告をして、労働契約の終了を主張・立証するのが抗弁となり、労働者が、再抗弁として、復職を申し入れ、回復して就労が可能になったことを立証したときは、労働契約の終了という法的効果が妨げられるという攻撃防御方法の構造であると解すべきである。これは、労働契約上の傷病休暇の制度が、業務外の傷病による長期間に及ぶ労務の提供を受けられない状況に対する解雇猶予を目的とする制度であるから、労働契約上の猶予期間が終了することで、労働を終了とし得ることが原則となると考えるのが相当であること、Xは、本件訴訟の段階でカルテの証拠化を拒否しており、個人情報保護の観点からしても、労働者個人の健康状態に関する情報は、原則として当該労働者個人の支配領域にある情報であることという事情を考慮すれば、労働者に回復して就労可能であることの立証責任を負わせるのが合理的であるということができる。

2 そうすると、Xは、労働契約上猶予されている傷病休暇(無給)の終了日までに、復職することをYに申し入れ、回復して就労が可能になったことを客観的証拠を示す等して立証することになる。そして、・・・本件争点は、Xが、無給の傷病休暇の最終日までに自らが回復して就労可能な状態になったことを立証しているかという点に尽きることになる。

3 ・・・以上によれば、Xは、その立証責任を負う傷病休暇の休職理由が解消していることの立証を尽くしていないといわざるを得ず、そうすると、休職期間満了時に解雇するという内容の本件解雇は有効である

休職期間満了時のトラブルは、少なくありません。

会社側も、正直なところ、どのように対応してよいのかわからないのではないでしょうか。

この問題は、弁護士にとっても、簡単な問題ではありません。

本件裁判例では、健康状態が回復し、就労可能となったことについて、労働者側に立証責任を負わせるのが合理的であると判断しています。

参考にすべき点ですね。

解雇を選択する前には必ず顧問弁護士に相談の上、慎重かつ適切に対応することが肝心です。決して、素人判断で進めないようにしましょう。

本の紹介133 それでもあきらめない ハーバードが私に教えてくれたこと(企業法務・顧問弁護士@静岡)

おはようございます
写真 2012-10-14 12 14 53←先日、「すがい」に行ってきました。

両替町から移転してから、はじめて行きました。

いつ行っても混んでいます。すごいですね!

「すがい」といえば、とんこつラーメンとまぐろ丼ですが、今回は、新メニューのしょうゆラーメンを食べました。

正直、驚きました。めちゃくちゃうまいです!!

しょうゆラーメンランキングで、間違いなくベスト3に入ります。 

一度、とんこつではなく、しょうゆラーメンを注文してください。 かなりおすすめですよ!

今日は、午前中、裁判が1件と打合せが1件入っています。

午後は、名古屋で社団法人の理事会です

今日も一日がんばります!!

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さて、今日は本の紹介です。
それでもあきらめない ハーバードが私に教えてくれたこと
それでもあきらめない ハーバードが私に教えてくれたこと

著者は、私と同世代の方で、ハーバード大学の大学院を卒業された方です。

大学院での様子、そこで学んだことがまとめられており、非常に参考になります。

本の1頁目には、アメリカの詩人・思想家であるエマーソンの言葉が紹介されています。

“Do not go where the path may lead, go instead where there is no path and leave a trail.”
(すでに道があるところを歩むな、道なきところに足跡を残して進め)

いい言葉ですね。

こういう言葉、大好きです。

さて、この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

選考の結果がどうなるかは、書類を見た瞬間に直感的にわかる。そして、その予想は、後で覆されることがほとんどない。・・・選ばれる書類と選ばれない書類は、どこが違うのか?
選ばれる書類は、ひと言で言うと、『魂が細部に宿っている』のだという。
誤字・脱字がないのはもちろん、書体やインデント(書き出しの頭のライン)がきちんと統一されており、レイアウトそのものが美しい。細部までこだわってつくられた書類は、表紙を見ただけでわかるという。
『細部へのこだわり』とは、要するに読み手に対する気遣いであり、自分がいかにその案件を大事に思っているかを示す証拠でもある
」(137~138頁)

文字の大きさがひと回り大きくなったからといって、それが何かが劇的に変わるわけではない。きっと、本質は別のところにあるのだ。
『細部にこだわり続ける情熱があるか』
『読み手の負担を少しでも減らそうとする気遣いや余裕があるか』
書類が選ばれるか否かの差は、きっとそんなところにあるのだと思う。
」(140頁)

大変参考になる発言です。

これらは、すべて私の仕事でも同じことが言えます。

「細部へのこだわり」というキーワードを常に意識しながら、仕事ができる人が「一流」なんでしょうね。

また、仕事に信念や情熱を持っている人と持っていない人の差というのが、こういった細部に表れるのだと思います。

一緒に仕事をするのであれば、信念や情熱を持った人とやりたいものです。

労働時間30(ジェイアール総研サービス事件)

おはようございます。

今日は、守衛の休憩・仮眠時間中の割増賃金等に関する最高裁判決を見てみましょう。

ジェイアール総研サービス事件(最高裁平成24年9月6日・労判1052号97頁)

【事案の概要】

Y社は、財団法人Aのビル管理等を目的等する会社であって、AからAの研究所における守衛業務を受託していた。

Xは、平成15年3月、Y社に嘱託社員として雇用され、同年4月には社員として総務部守衛室勤務を命じられた。

A研究所における守衛の業務は、守衛室において、受付、鍵の保管、火災報知器への対応、巡回、異常の有無の確認、門扉の施錠等のほか、地震や火災報知器の発報などに臨機に対応するものであった。

守衛の勤務は、一昼夜交代勤務で、休憩時間合計4時間、仮眠時間4時間であり、2人の守衛が交代で休憩・仮眠をとっていた。

Xは、平成17年1月18年12月までの間の休憩時間および仮眠時間が労働時間に当たると主張して、労働時間または労働基準法37条に基づき割増賃金等の支払を求めた。

これに対し、東京高裁は、休憩時間及び仮眠時間は、労基法上の労働時間に当たると判断した。

Y社は、これを不服として、上告・上告受理申立てをした。

【裁判所の判断】

上告棄却、上告受理申立て不受理

【判例のポイント】

労働時間24(ジェイアール総研サービス事件)参照。

以前、紹介した高裁判決が、最高裁でも維持されました。

会社側は、この判例に不満を言っても始まりません。

裁判になれば、このような判断が出ることを前提とした労務管理を行う必要があります。

労働時間に関する考え方は、裁判例をよく知っておかないとあとでえらいことになります。事前に必ず顧問弁護士に相談することをおすすめいたします。

本の紹介132 競争に勝つ条件(企業法務・顧問弁護士@静岡)

おはようございます もう一週間も終わりですね。
写真 2012-10-06 19 15 33
←先日、事務所の近くの焼き鳥屋「日乃出」に久しぶりに行ってきました

いつ行っても混んでいます。安くておいしいから、当然ですね。

勉強になります。

今日は、午前中は、裁判が2件と打合せが1件入っています。

午後は、浜松の裁判所で裁判が1件と新規相談が1件入っています

今日も一日がんばります!!

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さて、今日は本の紹介です。
競争に勝つ条件
競争に勝つ条件

過去50年のICT(情報通信技術)活用による経営イノベーションについて書かれています。

ライフネット生命の岩瀬さん、ローソンの新浪さんなどが研究会のメンバーとなっています。

法律事務所経営にあたり、今のところ、直接的には関係しませんが、なにかのヒントが得られるだろうと思い、読んでみました。

さて、この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

・・・本当に必要であり、高い収益を生み出せるという確信があるなら、決して諦めてはいけない。周囲の反対を押してでもやり抜くことが、熾烈な競争に勝ち抜くことにつながる。
今の時代、その会社にしかできない、その会社でないと成し遂げることができない役割を見いだせるかどうかが、競争に勝つための最大のポイントだろう。
競争に勝ち抜くには、カリスマ性のある経営者は必要ないが、明確なビジョンを示して最後までやり抜ける胆力のある、気概のある経営者が欠かせない。・・・
」(335~336頁)

特別なことは1つも書かれていません。

結局、「明確なビジョン」を持って、「最後まであきらめないでやり続ける」ことが大切なんだということがわかります。

なんだかんだいって、基本は、これです。

私は、この文章を読んだとき、「自分の事務所でないと成し遂げることができない役割」とは何かについて考えてみました。

すぐには頭に浮かびませんでした。

まだまだそのレベルにはないわけです。

ここから3年間で、事務所の役割を明確にしたいと思います。

解雇82(学校法人V大学事件)

おはようございます。

さて、今日は、准教授からの必須科目等の講義を行う地位確認等請求に関する裁判例を見てみましょう。

学校法人V大学事件(東京地裁平成24年5月31日・労判1051号5頁)

【事案の概要】

Xは、Y大学の准教授である。

Y大学は、Xに対し、必須科目の講義の担当を外し、研究室に卒業研究生・大学院生を配属せず、学部の学科会議および大学院の専攻会議に出席させないとの措置をとった。

Xは、Y大学の各措置が、懲戒権を濫用し、または人事権の裁量を逸脱するものであり、Xの講義を担当する権利、研究室を持ち卒研生等の配属を受ける権利、学科会議等に出席する権利を侵害し、違法・無効であると主張し、争った。

【裁判所の判断】

XがY大学に対し、講義目録記載の講義を行う地位にあることの確認を求める部分を却下する。

XがY大学に対し、研究室を持ち、卒業研究生・大学院生の配属を受ける地位にあることの確認を求める部分を却下する。

【判例のポイント】

1 大学教員が講義を担当して学生に教授することは、自らの研究成果を発表し、学生との意見交換をすることなどによって、学問研究を深め、発展させることを意味するから、大学教員が講義を担当することは、労働契約上の単なる義務の側面のみならず、権利としての側面を有するものと解するのが相当である

2 ・・・学部及び大学院における学生に対する講義の課目、時間数及び時間割等の編成については、年度ごとに、学部においては各学科主任又はこれを補佐する担当幹事が、大学院においては研究科長を助ける研究科幹事が、それぞれ原案を作成し、教授会及び研究科会議の審議・議決を経て、最終的には、学長がこれを決定していると認めるのが相当である。
・・・そうすると、学長は、大学及び大学院における教育目的の効果的かつ円滑な実施のため、あらゆる事情を総合考慮の上、講義編成を決定することができると解するのが相当であるし、平成22年度以降の講義の担当につき、Xに講義目録記載の講義を担当させる旨の手続が履践されていない事情の下では、大学教員に講義を担当する権利が抽象的に認められるからといって、Xには、Y大学に対して具体的な講義の担当を求める権利ないし法律上の地位はおよそ認められないというほかない
したがって、本件訴えのうち、Xが講義目録記載の講義を行う地位にあることの確認の求める訴えは不適法であるから却下を免れないし、当該地位を前提とする上記講義を行なうことの妨害排除請求は理由がない。

3 大学設置基準36条2項は、「研究室は、専任の教員に対しては必ず備えるものとする。」と規程しており、大学教員の教育研究の拠点としての研究室を持つことは、専任の教員の権利であるということができるところ、Y大学も、少なくとも3階居室をXの研究室として設置し、Xが同居室を利用することを認めているのであるから、XがY大学に対して物理的施設としての研究室の設置を求める利益はないというべきである。
・・・以上によれば、XがY大学に対して研究室を持ち卒業生等の配属を受ける地位にあることの確認を求める訴えは、不適法であるから却下すべきであるし、当該地位を前提とする研究室の設置及び卒業生等の配属の義務付請求は理由がないというべきである。

本件は、大学教員の講義担当等に関する就労請求権が問題となった事案です。

労働者の就労請求権は、一般的には認められていません。

本件でも、教授という職業の特殊性を考慮しつつも、就労請求権を具体的な権利として認められていません。

解雇を選択する前には必ず顧問弁護士に相談の上、慎重かつ適切に対応することが肝心です。決して、素人判断で進めないようにしましょう。

本の紹介131 勝つための状況判断学(企業法務・顧問弁護士@静岡)

おはようございます 今日もいい天気ですね。
写真 2012-09-30 12 12 03
←先日、丸子にある「Pizzeria IL Brolo」に行ってきました。

このお店、日本庭園を眺めながらイタリアンを楽しむというコンセプトです。

写真は、イタリア産パンチェッタのカルボナーラ。 やさしいお味でした

この他、水牛のモッツァレラチーズは秀逸でした。

今日は、午前中に裁判1件と裁判の打合せが入っています。

午後は、裁判3件と顧問先の社長との打合せが入っています。

今日も一日がんばります!!

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さて、今日は本の紹介です。
勝つための状況判断学―軍隊に学ぶ戦略ノート (PHP新書)
勝つための状況判断学―軍隊に学ぶ戦略ノート (PHP新書)

著者は、元自衛隊員のようです。

戦場における状況判断の思考過程、戦局眼が示されており、仕事にも参考になる点が多数あります。

さて、この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

最善を求める慎重さは、最も恐ろしい敵である。おおむね良しで手荒く実行する計画は、来週までかかって作成する完璧な計画より、はるかに優れている」(203頁)

完璧な計画は、実行に移すまでの時間を遅らせます。

もっとも、計画に最善も最悪もないと思うのですが。

計画が最善か否かは、結果としてわかることであり、実行する前に、その計画が最善かどうかなんてどうやって判断するのでしょうか。

最善と思っていた計画が、いざ実行に移してみると、うまくいかないことなんてよくあることです。

そうだとすれば、実行前の計画段階をできるだけ短くし、タイミングを逸しない時点で、実行に移すべきです。

また、計画段階での時間と結果の出来不出来は、必ずしも比例しません。

日頃から、迅速に意思決定をする訓練をしている人は、なにごとにおいても、判断が速い。

判断が速いからといって、いい加減に判断しているわけではなく、訓練の結果、状況分析やリスクの有無・程度等を迅速に判断できるようになっているのです。

すべては、日頃の意識と訓練なんだと思います。