Author Archives: 栗田 勇

本の紹介30 成功のコンセプト(企業法務・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。

さて、今日も引き続き本の紹介です。
成功のコンセプト
成功のコンセプト

楽天社長の三木谷さんの本です。

少し前の本ですが、気になって読み返してみました。

2007年に出版された本なのですが、その頃に読んだ印象と、今、読み返しての印象は、やはり違いました。

言葉では表現しづらいですが、5年前より、三木谷さんの言っていることに共感できるというか、理解できるというか・・・。

サイバーエージェント社長の藤田さんや今回の三木谷さんのように、自分でがんばって会社を大きくしていった方の本は、とても参考になります。

共通する点がたくさんあるので、参考にしやすいのだと思います。

この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

最初に極論を言おう。
ビジネスで成功するかどうかの鍵は、結局のところ、仕事を人生最大の遊びにできるかどうかだ。
」(65頁)

僕が捉えているプロフェッショナルとは、1日24時間、1年365日、どこにいて何をしていても仕事のことを考えている人のことだ。」(68頁)

藤田さんにしても三木谷さんにしても、めちゃくちゃ仕事をしています。

「仕事を人生最大の遊びにできるかどうか」という発想は、よく理解できます。

なんだかんだ言って、結局、仕事しているとき、仕事のことを考えているときが一番楽しいのです。

「仕事中毒」? そうなのかもしれません。

仕事をしすぎるとあまりよろしくない評価を受けることもあります。

評価なんてどうでもいいのですが。

ただ、サッカー選手や野球選手が、どれだけ練習しても、「仕事中毒ですね」とは言われないわけです。

「プロ意識が高い」と評価されるのではないでしょうか。

僕は、まだゴルフや旅行を満喫するのは当分先でいいです。

老後にとっておきますよ。

本の紹介29 ドラッカー 時代を超える言葉(企業法務・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。  

さて、今日も、引き続き、本の紹介です。
ドラッカー 時代を超える言葉―洞察力を鍛える160の英知
ドラッカー 時代を超える言葉―洞察力を鍛える160の英知

究極のドラッカー」、「ドラッカーが教える営業プロフェッショナルの条件」に次いで3冊目のドラッカー本。

いろんな方がドラッカーに関する本を書いていますが、個人的には、今回の本が今のところ、一番わかりやすいです。

ドラッカーさんが書いたたくさんの本の中のいいとこどりみたいな本で、初心者が読んでも、とても参考になります。

この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

大きいことがよいのは、規模が大きくなければ仕事ができない場合に限られる。組織にとって最適の規模とは、組織の機能や仕事に必要な情報を最も有効に扱うことのできる規模である。
多くの企業が自らにとって適切な規模を知らない。規模にふさわしい戦略や構造についてはさらに知らない。
」(178頁)

法律事務所でも多く見られる現象です。

弁護士やスタッフの数が多いが、スケールメリットを活かせていないという状況です。

むしろ、事務所の方針等に関する意思決定を民主的に行うのが普通ですので、人数が多い分、決定までにやたらと時間がかかるという状況に陥りやすいのです。

例えば、月に1回の会議で議題を出しても、その場では結論が出ず、翌月まわしとなってしまう、という経験、ありませんか?

この点、弁護士1人の場合、結論を出すのが楽です。

自分がこうだと決めれば、それで終わりだからです。 

経営はスピードが命です。 早ければ早いほうがいいと思っています。

じっくり考えたからといって、失敗するときは失敗するのです。

だったら、早く決断し、早く実行したほうがいいわけです。 

また、これとは逆に、人件費を抑えようと、自分ひとりもしくは身内と2人で仕事をするというのも、とても大変です。

あらゆることを自分でやらなければならず、時間ばかりかかってしまうという状況です。

人にやってもらえることは人にやってもらう、というのは、士業や経営者として当然のことだと思っています。

自分でやった方が早い場合であっても、長期的な観点からすれば、スタッフにやってもらう方がよほど効率的です。

私の事務所は、今年の2月から、弁護士1名、スタッフ4名体制となります。

この体制ですと、人が少なすぎるということはありません。

スタッフを5名にするときが来るかもしれませんが、それはもう少しこの体制で様子を見てからにします。

どの程度が組織として「最適な規模」であるかは、まだよくわかりません。

少なくとも、「人が無駄に多い」という状況だけは避けたいと思います。

本の紹介28 自衛隊の仕事術(企業法務・顧問弁護士@静岡)

こんにちは。

あけましておめでとうございます。

本年もよろしくお願いいたします。

写真 11-12-31 13 18 34←昨日、母と一緒に、法多山に行ってきました

毎年の恒例行事です。

母が元気なうちは、一緒に行こうと思います。

いつまでも元気でいてください。

さて、今日は、本の紹介をします。
自衛隊の仕事術
自衛隊の仕事術

おもしろそうだったので読んでみました。

会社の経営にもあてはまる内容が多く、参考になります。

思っていたよりもいい本でした。

この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

『自軍敗れたり』とは敵の優勢に屈するばかりではなく、自己崩壊によることが多い。・・・敵は目の前の敵ではなく、くじけそうになる自分の中の自分と言える。
誰にでもつらいことや手を抜きたくなることが訪れる。また失敗もする。負けなしの人生などあるわけがない。誰もが勝ちと負け、成功と失敗を繰り返して生きている。「なにくそ!」とつらい局面や失敗から立ち上がるそのプロセスの中で、はじめて人は成長できる。何度も壁にぶち当たり、転び、立ち上がった分だけ、伸びていく。踏んだ修羅場の数だけ人は伸びていく。昨日の自分に満足していては勝ちにつながらない。なぜなら敵も同じように努力しているからだ。
」(166~167頁)

裁判や交渉もまったく同じことがいえます。

「もう駄目かもしれない」と思ったところから、どれだけ踏ん張れるか。

「踏んだ修羅場の数だけ人は伸びていく」とはその通りだと思います。

楽な仕事ばかりを何年やっていても、たいした成長は望めません。

誰もが嫌がるような仕事、誰が見ても大変な仕事にどれだけ取り組むかだと思います。

どんな相手に対しても、どんな場面でも、常に「タフ・ネゴシエーター」になれるよう、修行を積んでいきたいと思います。

本の紹介27 ドラッカーが教える営業プロフェッショナルの条件(企業法務・顧問弁護士@静岡)

こんにちは。

さて、今日は、またまた本の紹介です。
ドラッカーが教える 営業プロフェッショナルの条件
ドラッカーが教える 営業プロフェッショナルの条件

ドラッカーさんの原書ではありませんが、最初はこういう本の方が入りやすいし、わかりやすいのでおすすめです。

以前にもドラッカー本として、「究極のドラッカー」という本を紹介しました。

どの本もだいたい書いてある内容は同じです。 

それでも、いろいろな角度から著者が解説しているところがまた参考になるのです。

私も、あと5冊ほどドラッカー本を読んでみようと思います。

この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

最大の危険は、製品やサービスが何であり、何であるべきかであり、いかに買われ、いかに使われるかについて、顧客以上に知っていると過信することである」(78頁)

どういうことを言おうとしているのかわかりますか?

著者は、以下のように解説しています。

・・・モノがコモディティ(汎用品)化すると、誰もが情報を持つようになります。インターネットの普及がそれに拍車をかけました。普及というのが恥ずかしいくらいに当たり前になって、もう誰でも必要な情報は簡単に手に入れることができます。
売り手が買い手より情報を持つということは、ほとんどの場合に期待できなくなってきました。そうすると営業パーソンの仕事も説明することではなくなりました。買い手の意思決定をお手伝いすることが求められているのです。
」(79頁)

あらゆる業種にあてはまることだと思います。 弁護士業界も例外ではありません。

若手経営者のみなさん、若手弁護士のみなさん、重要なのは、この内容をいかに具体化するかということです。

無から有を生み出すことはとても難しいです。

こういう場合には、ヒントを探すのです。

日頃から、できるだけ異業種の方の話を聞き、アイデアの種を探すのです。

通常、そのまま自分の業界に持ってきても、使えませんので、形(見せ方)を変えて、取り入れます。

結局は、習慣の問題なのです。

「何か新しくておもしろいことないかな~」と思いながら、いろいろな人と話をしていれば、「種」がころがっています。

お互い、がんばりましょう。

本の紹介26 モチベーション3.0-持続する「やる気!」をいかに引き出すか-(企業法務・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。

さて、今日は、本の紹介です。
モチベーション3.0 持続する「やる気!」をいかに引き出すか
モチベーション3.0 持続する「やる気!」をいかに引き出すか

「ハイコンセプト」の著者ダニエル・ピンクさんの本です。

とてもいい本です。 経営者のみなさんにおすすめの本です。

いろいろなヒントやアイデアの種が詰まっています。

テーマは、サブタイトルにあるように、持続するやる気をいかに引き出すか、という点にあります。

「モチベーション3.0」とあるように、「モチベーション1.0」と「モチベーション2.0」があるわけです。

1.0でも2.0でも足りないですよ、という本です。 

この本で、「いいね!」と思ったのはこちら。

〈モチベーション1.0〉は、人間は生物的な存在なので生存のために行動する、とみなした。〈モチベーション2.0〉は、人には報酬と処罰が効果的だとみなした。現在必要とされているアップグレード版の〈モチベーション3.0〉は、人間には、学びたい、創造したい、世界をよくしたいという第三の動機づけもある、とみなしている。」(31頁)

総論部分としては、こういうことです。

重要なのは、これをどのように具体化するか、ということです。

従業員に対して、「人間には、学びたい、創造したい、世界をよくしたいという動機づけがあるから、がんばってください」なんて、意味のわからないことを言っても、誰も動きません。

経営者は、従業員のモチベーションを常に高い状態に保つためにはどうしたらよいかということを常に考えています。

現在、日本のほとんどの会社が〈モチベーション2.0〉の状態だと思います。

アメとムチ、つまり、信賞必罰に基づいて動機付けをする方法です。

今ある「常識的な」動機付けの方法よりもさらに効果的な方法はないのだろうか、と思った経営者のみなさん、是非、この本を読みましょう。

来年1年は、「常識的な」法律事務所にとらわれない事務所作りをしていきます。

そのために、年末年始に、しっかり方向性を固めたいと思います。

本の紹介25 藤田晋の仕事学(企業法務・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。

さて、今日は本の紹介です。
藤田晋の仕事学 自己成長を促す77の新セオリー
藤田晋の仕事学 自己成長を促す77の新セオリー

おなじみ、サイバーエージェント社長の藤田さんの本です。

以前、「藤田晋の成長論」を紹介しました。

今回の本は、この本よりも先に出版されたものですが、アマゾンで見つけたので買いました。

藤田さんの本、というより、藤田さんの考えには、特徴があります。

毎回、うまいこと変化球(チェンジアップ)を投げてくるのです。

問題提起をし、その解決策(藤田さんの意見)を提示する際、読んでいる側の予想とは別の方向、スピードの球を投げてくるのです。

ありきたりなことしか書いていない本より100倍、おもしろいです。

経営者としての厳しさが伝わってきます。 

そんな藤田さんの今回の本ですが、「いいね!」と思ったのはこちら。

そもそも自分の身近な上司の望むものすら汲み取ろうとしない人に顧客の望むものを汲み取ることなどできるのでしょうか。そういう人は、実際の顧客と接する時もきっと同じことをするでしょう。
・・・評価されていないと感じた時はまず、自分の出した成果があなたの上司(会社)の本当に望むものかどうか確認して下さい。会社もまたあなたのクライアントなのです。
」(24頁)

いいこと言いますね。

「仕事ができる」人というのは、相手(顧客、上司など)の意を的確に汲み取る力を持っています。

相手の発する言葉や表情、性格から的確に意を汲み取り、過不足なく要求に応える。

不足しているだけではく、やり過ぎもダメ。

そのバランスが大切なのです。 

繊細さが要求されるのです。 

この点に関して「おおざっぱ」な人は、たぶんサービス業に向いていません。

私の経験上、このバランスがうまくとれる人は、特に何も教えられなくてもできます。

いわゆる「サービス業に向いている人」というやつです。

その逆もまたしかり。

おそらくそれまで生きてきた環境によって、無意識のうちに培われてきた部分が非常に大きいのだと思います。

バランスの取り方を学ぶには、とにかく「売れている人」の近くでまねをすることです。

それ以外に方法はないと思います。

管理監督者27(シーディーシー事件)

おはようございます。 

さて、今日は、飲食店調理長の割増賃金等請求に関する裁判例を見てみましょう。

シーディーシー事件(山形地裁平成23年5月25日・労判1034号47頁)

【事案の概要】

Y社は、居酒屋等を経営する会社である。

Y社は、仙台調理師紹介所から調理長としてXの紹介を受け、Xと、平成18年4月、期間の定めのない労働契約を締結した。

本件店舗における調理場スタッフは4名であったが、Xが最も経験が長く、作業の指示などを行っていた。

Xは、Y社退職後、Y社に対し、未払い残業代を請求した。

Y社は、Xが管理監督者に該当する等と主張し争った。

【裁判所の判断】

管理監督者性を否定

【判例のポイント】

1 確かに、管理監督者は、労働基準法の労働時間等に関する規定の適用を受けないが、それは、当該労働者が、経営者と一体的な立場において、労働時間、休憩及び休日等に関する規定の枠を超えて事業活動することを要請されてもやむを得ないものといえるような重要な職務と権限を付与されており、また、そのために賃金等の待遇及びその勤務態様において、他の一般労働者に比べて優遇措置が講じられているので、労働時間等に関する規定の適用を除外されても、当該労働者の保護に欠けることがないという趣旨によるものと解される
したがって、Xが管理監督者に当たるというためには、形式的に役職にあることのみならず、実質的に、他の従業員の労務管理を含め、企業全体の事業経営に関わる重要な権限を付与されており、その勤務態様が労働時間等に対する規制になじまないものであり、給与及び一時金において、管理監督者にふさわしい待遇がされていることを要するものというべきである

2 ・・・以上のとおり、Xは、平成18年4月以降退職した平成19年7月までの間、管理監督者の地位にあることを前提とする手当の支給を受けておらず、その年収において、他の従業員とは異なる処遇を受けていたことを示す証拠はないから、給与等において管理監督者にふさわしい待遇はされていなかったものというべきである。

3 Xは、Y社に調理長として紹介されて採用されたものであり、本件店舗の調理場スタッフはXのほか3名であって、その余の本件店舗の従業員がどの程度いたのかは明らかではないものの、その余の従業員について、Xがその労務管理や人事について関与することがなかったことが認められる。そして、Xが、調理場スタッフの採用に際し、面接を行っていたことも上記認定のとおりであるが、調理場スタッフとしての採否及び昇給についての意見を述べることができるだけであることもまた上記認定のとおりであって、従業員として採用したり、昇給を決定する権限までは有していなかったし、Y社における人事考課制度がどのようなものであったかは不明であるが、昇給に関する意見を述べる際、調理場スタッフについてXが何らかの人事考課を行っていたことを窺わせる証拠は見当たらない。
したがって、Xが、本件店舗の調理場内において、その労務管理について、経営者と一体的立場にあったとは認め難い。

4 長時間の時間外労働については、これに応じた時間外手当を支払うべきことは上記認定のとおりであるところ、時間外手当の支払によっても解消されない精神的苦痛をXが被っており、慰謝料の支払をもってこれを慰謝すべき程度にまで達していたことを認めることはできないから、労働環境等を理由とする慰謝料の請求は理由がない

特にコメントすることはありません。

本件程度の事情では労基法上の管理監督者に該当しないことは明らかです。

管理監督者性に関する対応については、会社に対するインパクトが大きいため、必ず顧問弁護士に相談しながら進めることをおすすめいたします。

本の紹介24 プロフェッショナルセールスマン(企業法務・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。

3連休もばりばり働きますよ!

さて、今日は本の紹介です。
プロフェッショナルセールスマン ― 「伝説の営業」と呼ばれた男の壮絶顧客志向
プロフェッショナルセールスマン ― 「伝説の営業」と呼ばれた男の壮絶顧客志向

いつもお世話になっているプルデンシャル生命のトップセールスマンについて書かれた本です。

こういう本、大好き。 どんどん自分の仕事に取り入れます。

この本は、若手弁護士、必読です。 読むだけではダメです。 実行しましょうね。 

サービス業とはどういうものかということが非常によくわかります。 すばらしい本です。

プル村さんに「甲州賢さんって知ってます?」と聞いたら、さすがに知っていました。

プル村さん、お身体にお気をつけください。 

さて、この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

禁煙の理由については、社内の新人向けセミナーでこう語っている。
『契約者のご主人は、そんなに気にされないかもしれません。でも、ご自宅を訪問したときに奥さまがどう思うでしょうか。スーツや指先に染みこんだ匂い、ヤニで黒くなった歯、それを快く思う奥さまなんて、一人もいませんよね。』
・・・そしてカロリー制限の理由については、こう続けた。
『僕らの仕事はスーツをビシッと着こなして、まずはいい印象を持たれないといけませんよね。つまりは、体型維持も仕事のうちだと思うんです。たとえば、法人客を開拓していく際に、社長さんから、自己管理ができていないヤツという印象を持たれたら損だなと考えました』
」(39~40頁)

これはあくまで本書に書かれている一例です。

トップセールスマンがいかに顧客のことを考え、工夫し、努力しているかがよくわかります。

異業種の方とお付き合いをすると、いろいろとヒントをいただけます。

同業者とばかり集まっていると、業界の「常識」が染みついてしまいます。

「そんなことまでしている人、いないよ」というレベルまでサービスの質を上げていきたいです。

弁護士業界のこれからの「常識」をつくっていきたいと思います。

労働時間24(ジェイアール総研サービス事件)

おはようございます。

今日は、守衛の休憩・仮眠時間と割増賃金等に関する裁判例を見てみましょう。

ジェイアール総研サービス事件(東京高裁平成23年8月2日・労判1034号5頁)

【事案の概要】

Y社は、財団法人Aのビル管理等を目的等する会社であって、AからAの研究所における守衛業務を受託していた。

Xは、平成15年3月、Y社に嘱託社員として雇用され、同年4月には社員として総務部守衛室勤務を命じられた。

A研究所における守衛の業務は、守衛室において、受付、鍵の保管、火災報知器への対応、巡回、異常の有無の確認、門扉の施錠等のほか、地震や火災報知器の発報などに臨機に対応するものであった。

守衛の勤務は、一昼夜交代勤務で、休憩時間合計4時間、仮眠時間4時間であり、2人の守衛が交代で休憩・仮眠をとっていた。

Xは、平成17年1月18年12月までの間の休憩時間および仮眠時間が労働時間に当たると主張して、労働時間または労働基準法37条に基づき割増賃金等の支払を求めた。

【裁判所の判断】

休憩時間及び仮眠時間は、労基法上の労働時間に当たる。

【判例のポイント】

1 労働契約所定の賃金請求権は、不活動時間が労基法上の労働時間に当たることによって直ちに発生するものではなく、当該労働契約において休憩・仮眠時間に対していかなる賃金を支払うものと合意されているかによって定まるものと解されるが、労働契約は、労働者の労務提供と使用者の賃金支払とに基礎を置く有償双務契約であり、労働と賃金との対価関係は労働契約の本質的部分を構成しているというべきであるから、労働契約の合理的解釈としては、労基法上の労働時間に該当すれば、通常は労働契約上の賃金支払の対象となる時間としているものと解するが相当である。そして、時間外労働につき所定の賃金を支払う旨の一般的規定を有する就業規則等が定められている場合に、所定労働時間には含められていないが、労基法上の労働時間に当たる一定の時間について、明確な賃金支払規定がないことの一事をもって、当該労働契約において当該時間に対する賃金支払をしないものとされていると解することは相当でない(平成14年2月28日第1小法廷判決参照)。

2 ・・・したがって、Y社とXとの労働契約において、本件休憩・仮眠時間について残業手当、深夜手当を支払うことを定めていないとしても、本件休憩・仮眠時間について、労働基準法13条、37条に基づいて時間外割増賃金、深夜割増賃金を支払うべき義務がある。

3 守衛らは、休憩時間に入ると、特段の事情がない限り、守衛室内の休憩室部分で、新聞や本を読んだり、テレビを見たりすることが可能とされていたが、実際には、受付に来ている来訪者が多数あって応対が長引き、所定の休憩時間帯に入っても直ちに休憩に入ることができない場合も度々あり、また、当務の守衛が来訪者に対応している間に電話があって休憩時間中の守衛が電話に対応することもあり、さらに、当務の守衛が貸出しを求められた鍵を見つけ出すことができずに休憩時間中の守衛が対応したり、近隣住人の来訪に休憩時間中の守衛が対応する必要が生ずることもあったことは前記認定のとおりである。
・・・以上のほか、前記認定の諸事実及び証拠関係を総合すると、休憩時間中の守衛については、緊急事態が発生した場合への対応はもとより、平常時においても、状況に応じて当務の守衛を補佐すべきことが予定されていたものというべきであって、労働からの解放が保障されていなかったものと認められる

4 また、仮眠時間中は、制服を脱いで、自由な服装を着用して守衛室のベッドで仮眠することも可能であったが、仮眠時間中に帰宅したりすることが許されていたものではなく、Xによると、Xは、用務があった時直ちに対応し得るようトレーナー等を着用して仮眠していたというのであり、仮眠時間中の守衛は、警報に対応することなど緊急の事態に応じた臨機の対応をすることが義務付けられていたものであり、現実に実作業に従事する必要が生ずることは、Xの場合も存在したことは前記認定のとおりであって、その必要が皆無に等しいものとして実質的に上記のような義務付けがされていないと認めることができるような事情も認められない
したがって、本件休憩・仮眠時間は、Xは、労働からの解放が保障されていたとはいえず、具体的な状況に応じて役務の提供が義務付けられ、本件休憩・仮眠時間中の不活動時間もY社の指揮命令下に置かれていたと認められるから、本件休憩・仮眠時間は労基法上の労働時間に当たるというべきである。

会社とすれば納得できないかもしれませんが、現在の裁判所の判断はこのようになっています。

実際の訴訟では、「労働からの解放」が認められるか否かについて、労働者側は丁寧に主張立証する必要があります。

結局は事実認定の問題となるので、労働者側、会社側ともに気合いを入れて、主張立証しなければいけません。

労働時間に関する考え方は、裁判例をよく知っておかないとあとでえらいことになります。事前に必ず顧問弁護士に相談することをおすすめいたします。

本の紹介23 アリストテレス マネジメント(企業法務・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。

さて、今日は、本の紹介です。
アリストテレス マネジメント
アリストテレス マネジメント

ありがちな本ですが、とりあえず読んでみました。

むりくりアリストテレスと結びつけた感は否めません。

内容は、いたって普通です。

この本で、「いいね!」と思ったのはこちら。

特にあてもなく、ただ考えているだけ。それでは何も動かない。実現したい目的を定め、そのために何をすべきかを考えろ。そうして初めて、物事は動き出す。」(6頁)

僕はどちらかというと、考えることよりも、決断すること、実行することの方が重要だと考えています。

いろいろと悩み、考え、結局、実行に移さない人をよく見ます。

たいていできない理由、失敗したときのリスクを過大に評価して、結局、やらない。

たぶん、もうそういうくせがついてしまっているのだと思います。

若手の経営者のみなさん、リスク、リスクって、呪文みたいに唱えていたって、何も始まりませんよ。

失敗したときのことばかり考えていないで、成功するためにはどうしたらよいか、もっと考えてみませんか。

僕も、みなさんに負けないように、日々、新しいことに挑戦しています。

新しいことに挑戦しているほうが生きている心地、しませんか?