Monthly Archives: 4月 2013

本の紹介192 幸福論(企業法務・顧問弁護士@静岡)

おはようございます 今週も一週間がんばりましょう!!
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←先日、4月から新しくメンバーになった事務所スタッフの誕生日会を行いました

これからいろいろなことを吸収して、社会に貢献してもらいたいと思います。

事務所として、全面的にサポートしたいと思います。

今日は、午前中は、労働事件の裁判が1件入っています。

午後は、裁判が1件、裁判の打合せが1件、新規相談が1件入っています。

今日も一日がんばります!!

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さて、今日は本の紹介です。
幸福論
幸福論 [単行本]

須藤元気本、第7弾です。

この本は、須藤さんが、2005年の春から夏にかけて、四国八十八ヵ所を旅したときの記録です。

須藤さんが感じたことが書かれています。

この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

須藤家の家訓が『頭を使え』だったせいか、今までの人生で思考の堂々巡りを感じることが多かった。頭で考えることが多くて、自分の直感と向き合うことがほとんどなかったように思える。僕は最近、頭は『秘書』のようなもので、自分の直感こそが、『社長』であり、すべての決定機関だということに気づいた。そして改めて、自分の直感と向き合いたかったのである。つまりは、自分との対話をしたかった。物事を決断する時には、”損得=頭”ではなく、”感情=直感”を優先する。『これをやれば後で後悔する』という考えではなくて、『気持ちいいからこれをやる』という直感を大切にしたい。」(143頁)

みなさんは、決断する時の判断基準を持っていますか?

なにかをやるかやらないかを決めなければならないとき、みなさんは何を重視しますか?

これをやることは、自分にとって得か損かという理屈で考えることも多いと思いますが、直感的に「やりたい」「やるべきだ」と思ったときは、それが自分にとって損をすることだとしてもやってみる。

そもそも「損する」とは何をもって損と考えるかによりますが、多くの人は、「儲からない」とか「メリットがない」という経済的な観点で「損得」の判断をしているのではないでしょうか。

このような判断基準自体は否定しません。当然、あり得る判断基準です。

ただ、仮にこのような「損得」という判断基準に依拠するにしても、「損」と思えることがいつ「得」に変わるかわかりません。

世の中、一見、「損」に見えるものが、長い目で見れば「得」であったり、逆に一見「得」に見えるものが、実は「損」であるなんてことはざらにある話です。

つまり、自分自身の頭でぱっと見の「損得」を判断したところで、たかがしれているということです。

だったら、そんな小さな基準で物事を判断するのではなく、直感的に「やってみたい」「やるべきだ」と思ったことは、すぐにやってみるべきではないでしょうか。

とにかくやってみる。

このチャレンジ精神が大切なんだと思います。

賃金57(トレーダー愛事件)

おはようございます。

さて、今日は元従業員による未払賃金等請求に関する裁判例を見てみましょう。

トレーダー愛事件(京都地裁平成24年10月16日・労判1060号83頁)

【事案の概要】

本件は、Y社に雇用されていたXが、Y社に対し、未払賃金、時間外手当および付加金の支払を請求した事案である。

Y社は、冠婚葬祭やそれに関連する諸分野を中心に事情を展開する会社である。

Xは、ホテルにおいてフロント(宿泊)担当として勤務していたところ、平成22年5月から、本件ホテルを買収したY社との間で労働契約を締結し、本件ホテルでの勤務を継続した。

本件の争点は、成果給が時間外手当にあたり、割増賃金の基礎賃金から除外されるかという点である。

Y社の就業規則及び給与規程において、成果給を時間外手当とし、割増賃金を計算する基礎賃金にも含まれないことが明記されており、この就業規則や給与規程は、Xに交付されている。そして、成果給は、前年度の成果(業績)に応じて人事考課によって決められることになっている。

【裁判所の判断】

Y社に対し、未払賃金等283万余円の支払を命じた

付加金の支払は否定

【判例のポイント】

1 成果給はすべて時間外手当であり、基本給との区別は明確にされているので、時間外労働に対する割増賃金を計算することはできる。そして、時間外手当につき、定額で支払うことは可能であることからすると、Y社の定める賃金体系には問題はないようにみえる。
しかしながら、Y社のこうした賃金体系は、次の理由により、是認することはできない。

2 まず、Xの基本給は14万円、成果給は13万円とほぼ拮抗しており、さらに、他の手当も、役割給(役職者手当)と通勤手当を除くと、すべて時間外手当と位置づけられており、宿日直手当を受けているXの場合、宿日直手当を含めると、時間外手当が基本給を上回る仕組みとなっている
・・・所定内労働と時間外労働で労働内容が異なるものではない。そうすると、基本給(所定労働時間内の賃金)と成果給(時間外手当)とで労働単価につき著しい差を設けている場合には、その賃金体系は、合理性を欠くというほかなく、基本給と成果給(時間外手当)の割り振りが不相当ということになる

3 また、成果給は、前年度の成果に応じて人事考課によって決められる。他方、時間外手当は労働者を法定労働時間を超えて労働させた場合に使用者が支払う手当であって、労働時間に比例して支払わなければならないものであり、前年度の成果に応じて決まるような性質のものではない。そうすると、Y社において、性質の異なるものを成果給の中に混在させているということができる

4 さらにいえば、Y社における基本給は、ほぼ最低賃金に合わせて設定されている。そして、それ以外の賃金はすべて時間外手当とすることによって、よほど長時間の労働をしない限り時間外手当が発生しない仕組みになっている

5 所定労働時間内の業務と時間外の業務とで業務内容が異ならないにもかかわらず、基本給と時間外手当とで時間単価に著しい差を設けることは本来あり得ず、Y社の給与体系は、時間外手当を支払わないための便法ともいえるものであって、成果給(時間外手当)の中に基本給に相当する部分が含まれていると評価するのが相当である。

6 以上のとおり、Y社の賃金体系は不合理なものであり、成果給(時間外手当)の中に基本給の部分も含まれていると解するのが相当である。そうすると、成果給がすべて時間外手当であるということはできず、成果給の中に基本給と時間外手当が混在しているということができるのであって、成果給は割増賃金計算の基礎賃金に含まれるとともに、時間外手当を支払った旨のY社の主張は失当である

かなり踏み込んだ裁判例です。

実質的にみて、成果給の中に基本給の一部が含まれていると解釈しています。

控訴審でも維持されるのでしょうか?

このような判断が通るとすると、労働者側は争い方が増えますね。

残業代請求訴訟は今後も増加しておくことは明白です。素人判断でいろんな制度を運用しますと、後でえらいことになります。必ず顧問弁護士に相談をしながら対応しましょう。

本の紹介191 今日が残りの人生最初の日(企業法務・顧問弁護士@静岡)

おはようございます
__←先日、鷹匠の「ONIWA Cafe」に行ってきました。スープカレーのお店です。

写真は、「チキンと野菜のスープカレー」です。

はじめて行く人は、お店の場所を探すのは至難の業です(笑)

あまりスープカレーを食べる習慣はないのですが、おいしかったです。

今日は、午前中は、沼津の裁判所で交通事故の裁判です

午後は、そのまま富士へ移動し新規相談です。

今日も一日がんばります!!

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さて、今日は、本の紹介です。
今日が残りの人生最初の日
今日が残りの人生最初の日 [単行本]

須藤元気本、第6弾です。

この本のタイトルは、須藤さんが講演会や著書で伝えているメッセージだそうです。

毎瞬毎秒を楽しく生きることが悩みとサヨナラし、人生で成功する最大のコツである。今日が人生最後の日でもいいと思って生きるのだ。」(6頁)

すばらしいメッセージですね。

さて、この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

『もの』を持ちすぎないことも大切であろう。マザー・テレサやブッダをイメージしてほしい。何かを成し遂げた生き方の達人は、物理的にも心理的にも非常に身軽である。
・・・つまり、ものの数と幸せは比例しない。むしろ自由に生きることの妨げになるといっていい。ものをたくさん持っている状態は、非常にエネルギーを使うし身動きが取れない。足かせが多すぎると、いまの状態を維持するほうが楽になってしまって新しいチャレンジができなくなるからだ。
」(24~25頁)

これは、私も同じ意見を持っています。

私生活においても仕事においても、背負う物が多くなればなるほど身動きが取りにくくなり、新しいチャレンジをしにくくなるという感覚です。

チャレンジをする際、失敗したときのリスクを考えると、最初の一歩を踏み出せないという方、いませんか?

「失敗したときのリスク」を自分だけ背負えばいいのであれば、どんどんチャレンジすればいいのです。

しかし、そうでない場合には、そう簡単にはいきません。

どうしても慎重になってしまうのではないでしょうか。

そうすると、思う存分チャレンジしにくくなるでしょうし、仮にチャレンジしようとしても、スピードが遅くなってしまいます。

「モノ」を持ちすぎない。 これは1つのポイントになってくると思います。

解雇102(ブランドダイアログ事件)

おはようございます。

さて、今日は情報サービス会社部長に対する懲戒解雇等の有効性に関する裁判例を見てみましょう。

ブランドダイアログ事件(東京地裁平成24年8月28日・労判1060号63頁)

【事案の概要】

本件は、Y社のインタラクティブコミュニケーショングループ(ICG)2部の部長として雇用されたXが、平成22年4月にY社から受けた懲戒解雇処分が無効であるとして、Y社に対し、雇用契約上の地位確認および解雇後の賃金の支払いを求めるとともに、上記懲戒解雇に先立ち同年3月末に受けた降格・降給処分が無効であるとして、Y社に対し、上記部長の地位にあることおよび上記降格・降給処分前の地位にあることおよび上記降格・降給処分前の額である月額48万円の基本給の支払いを受ける地位にあることの確認ならびに賃金の支払を求め、さらに、上記懲戒解雇等がY社の不法行為に当たるとして、損害賠償を請求した事案である。

【裁判所の判断】

懲戒解雇は無効

降格・降給処分も無効

不法行為の成立は否定

【判例のポイント】

1 一般に降格・降給処分のうちでも、使用者が労働者の職位や役職を引き下げることは、人事権の行使として、就業規則等に根拠規定がなくても行い得ると解される。しかし、使用者が有する人事権といえども無制限に認められるわけではなく、その有する裁量権の範囲を逸脱したり、またはその裁量権を濫用したと認められる場合には、その降格処分は無効となるというべきである。特に、降格に伴って労働者の給与も減額されるなど不利益を被る場合には、その降格に合理的な理由があるか否かは、その不利益の程度も勘案しつつ、それに応じて判断されるべきである

2 ・・・以上のとおり、Y社が本件降格・降給処分の理由として主張する具体的事実のうち、Xの責めに帰することができる事情は前記の宣伝メールに対する顧客からの苦情のみであって、他の事実についてはいずれもXの責めに帰するものと認めることはできない。しかも、上記宣伝メールの苦情といっても、どの程度広範囲の顧客に対し送信したかについては証拠上何ら明らかでないし、Xが、退会した顧客に対し故意にそのようなメールを送信する合理的な理由もないことからすれば、Y社が主張するように、これをスパムまがいと決めつけることは、およそ行き過ぎというべきである
他方で、本件降格・降給処分により、Xは、部長職から一般職員に降格され、役職手当相当額5万円を減額されている。この5万円という減額幅は相当に大きいものといわざるを得ず、Xの部長職からの降格がかような給与減額を伴う処分であることからすれば、使用者固有の権限としての人事権の行使といえども、相応の合理性が要求されるというべきであって、そのような合理性が認められない場合には、過度に不利益を課すものとして、裁量権の濫用に当たるというべきである。
しかるに、本件降格・降給処分の理由としてXの責めに帰すべき事情と認められるのは前記の限度であって、これのみでは、上記のような大きな不利益を伴う本件降格・降給処分の合理性を基礎付けることはできないというべきである。・・・したがって、本件降格・降給処分は、裁量権の濫用というべきものであって、これを無効と認めるのが相当である。

3 使用者による懲戒権の行使は、企業秩序維持の観点から労働契約関係に基づく使用者の権能として行われるものであるが、就業規則所定の懲戒事由該当事実が存する場合であっても、当該行為の性質や態様等の状況に照らし、それが客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当性を欠くと認められる場合には権利の濫用に当たるものとして無効になる(労働契約法15条)。特に、懲戒解雇は、労働者にとって最も厳しい制裁手段であり、多くの局面で当該労働者に不利益を与えるのが実情であることにかんがみれば、上記の権利の濫用に当たるか否かについては、その行為により使用者側が受けた被害の重大性、回復可能性はもとより、そのような行動に出た動機や行為態様を子細に検討した上で判断する必要があるというべきである

4 ・・・以上にみたように、Xの本件顧客リスト送信行為が、Y社就業規則所定の懲戒事由に該当する行為であることは否定できないものの、その動機がY社における営業を推進するためであって不正なものとはいえないことや、Y社に実害が生じていないことなどをはじめとする諸事情を総合考慮すれば、Xを懲戒解雇に処することは酷に失するといわざるを得ない。したがって、本件懲戒解雇は、社会通念上相当であるということはできないから、懲戒権の濫用に当たり、無効と認めるのが相当である。

解雇を選択する前には必ず顧問弁護士に相談の上、慎重かつ適切に対応することが肝心です。決して、素人判断で進めないようにしましょう。

本の紹介190 レボリューション(企業法務・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。

さて、今日は本の紹介です。
レボリューション
レボリューション [単行本]

須藤元気本、第5弾です。

この本は、須藤さんが南米を旅した内容についてまとめてあります。

さて、この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

人間の決定的な過ちとは、お互いをまったく意識せずにそれぞれの人生を生きていると思いこんでいることだろう。」(170頁)

須藤さんがよく言う「We are all one」ということにつながりますね。

短い文章ですが、含蓄があります。

この抽象的な表現をいかに自分が理解できる具体的な表現に言い換えられるかが大切だと思います。

世界規模、日本規模のように、あまりにも構想が大きすぎると、現実的でなくなります。

例えば、自分の職場において、同僚のことをまったく意識せず、自分の仕事さえすればよいと思い込んでいる人と自分の仕事はもちろんのこと、隣の同僚のことに気を配ることができる人では、どちらを目指すべきでしょうか。

すべては繋がっているのだということを意識するだけで生き方、働き方が変わってくるのではないでしょうか。

多くの人がこのように考えることができたら、きっと社会や会社は変わると信じています。

解雇101(大阪市(河川事務所職員・懲戒免職)事件)

おはようございます。 

さて、今日は、河川事務所技能職員に対する懲戒免職処分の有効性に関する裁判例を見てみましょう。

大阪市(河川事務所職員・懲戒免職)事件(大阪地裁平成24年8月29日・労判1060号37頁)

【事案の概要】

本件は、大阪市長から平成22年12月、懲戒免職処分を受けた同市技能職員のXが、Y社(大阪市)に対し、本件処分はその理由としている事実の誤認に加え、裁量権の逸脱または濫用の違法があるから無効であるとして、同処分の取消しを求めた事案である。

【裁判所の判断】

懲戒免職処分は無効

【判例のポイント】

1 地方公務員につき、地方公務員法所定の懲戒事由がある場合に、懲戒処分を行うときにいかなる処分を選ぶかは、平素から庁内の事情に通暁し、職員の指揮監督に当たる懲戒権者の裁量に任されており、懲戒権者は、懲戒行為に該当すると認められる行為の原因、動機、性質、態様、結果、影響等のほか、当該公務員の当該行為の前後における態度、懲戒処分等の処分歴、選択する処分が他の公務員及び社会に与える影響等、諸般の事情を総合的に考慮して、懲戒処分を行うかどうか、行う場合にいかなる処分を選択すべきかを資料によって決定することができるものと解するべきである。したがって、裁判所が当該処分の適否を審査するに当たっては、懲戒権者と同一の立場に立って懲戒処分をすべきであったかどうか又はいかなる処分を選択すべきであったかについて判断し、その結果と懲戒処分とを比較してその軽重を論ずべきものではなく、懲戒権者の裁量権の行使に基づく処分が社会通念上著しく妥当を欠き、裁量権の範囲を逸脱しこれを濫用したと認められる場合に限り、違法であると判断すべきものである(最高裁平成2年1月18日)。
そして、懲戒免職処分は、被懲戒者の公務員たる地位を失わせるという重大な結果を招来するものであるから、懲戒処分として免職を選択するに当たっては、他の懲戒処分に比して特に慎重な配慮を要する

2 Xには本件処分理由である、本件領得行為及び本件粗暴行為が認められ、本件領得行為については、ジュース代領得行為及び物品領得行為のみならず、いわゆる不法領得の意思につき経済的用法に従って処分する意思を要しないとする立場(最高裁昭和24年3月8日)を前提とするとその全てについて遺失物横領罪が成立し、また、本件粗暴行為のうち、本件器物損壊行為については器物損壊罪が成立するものであり、また、本件暴言等についても、遅くとも平成21年秋ころから上司も含めた複数人に関する配船について、自己の意を通そうとするメールを送信するなど暴言や恫喝と評価せざるを得ない言動を繰り返しているものであって、その態様は悪質といわざるを得ず、これらのXの行為が公務員としての職務上の義務に違反し、Y社職員としてその職の信用を傷つけたことは明らかである

3 ・・・以上のとおり、本件処分理由の各事実はいずれも悪質であり、特に、その一部は、Y社において市立斎場事案やM川事務所事案といった組織的不祥事が続いて発覚したため服務規律の徹底に努めていた最中に行われたことを考慮したとしても、他方で、Xは従前懲戒処分歴がなく、上記各事実はいずれもそれだけでは直ちに懲戒免職処分に付されるべき重大な非違行為とまで評価できるものではなく、そもそも、Y社においても、上記各事実を招いたことについては、応分の帰責事由が認められるなど、処分量定上Xに有利な事情をも考慮すれば、他にXが主張する事情を考慮するまでもなく、懲戒処分歴のないXに厚生の機会を与えることなく直ちに懲戒免職とした本件処分は重きに失するものといわざるを得ず、社会通念上著しく妥当を欠き、裁量権の範囲を逸脱しこれを濫用したものとして違法というべきである

行政に関する判断については、裁量権の逸脱濫用の有無を裁判所が判断する方法をとります。

また、当然のことながら、懲戒免職処分も、懲戒解雇と同様に、その有効性については厳格に判断されます。

本事案においては、Xについて一定の非違行為を認定しつつも、懲戒免職とするのは重きに失すると判断しました。

懲戒解雇事案でもこのような相当性を否定し、解雇を無効と判断されることがあります。

懲戒処分の選択の際は、十分注意してください。

解雇を選択する前には必ず顧問弁護士に相談の上、慎重かつ適切に対応することが肝心です。決して、素人判断で進めないようにしましょう。

本の紹介189 神はテーブルクロス(企業法務・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。

さて、今日は本の紹介です。

神はテーブルクロス (幻冬舎文庫)
神はテーブルクロス (幻冬舎文庫) [文庫]

須藤元気本、第4弾です。

この本は、とても読みやすく、また内容もおもしろいです。

とてもいい本です。

さて、この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

僕はいろいろな苦悩と迷いを、シンプルな法則を使って乗り越えてきた。その法則とは、『今、この瞬間を生きる』というものである。人は過去も未来も生きることはできず、今この瞬間しか生きられない。人はいろいろと問題や悩みを持っているかもしれないが、今この瞬間に我慢できない苦しみはあるだろうか。・・・今しか生きられないのに多くの人は常に過去か未来のことを考え、頭のなかで生きてしまう。リアリティとは、今この瞬間にしかない。今生きることにより、過去の過ぎてしまったことにあれこれ後悔せず、未来に対する不安もなくなる。・・・では、今、この瞬間を生きる方法とは何か?それは一瞬一瞬『常に、自分のベスト尽くす』ことである。・・・今、自分の立ち位置でベストを尽くせば、悩みに費やすエネルギーは減少し、意味のない後悔や不安から解放されていく。」(153~155頁)

私は、この「今、この瞬間を生きる」という言葉に出会い、それ以降、常にこの言葉を意識しています。

全ての悩みは、過去の後悔と未来の不安から成り立っています。

しかし、そのいずれもが悩んでも仕方がないことです。

過去の失敗を失敗で終わらせないために、その失敗を次に活かす。 それ以上の後悔は全く無意味です。

また、今後、起こるかどうかわからないことを不安に感じ、苦しむことはもっと無意味です。

考えられる準備をすることしか、今、できることはありません。

無意味に自分で自分を苦しめることはしない。

今、持っている力を最大限発揮して、常にベストを尽くすことだけに集中する。

そういう思いで、生きてみませんか?

賃金56(テックジャパン事件)

おはようございます。

さて、今日は、派遣会社契約社員からの時間外手当等請求に関する裁判例を見てみましょう。

テックジャパン事件(最高裁平成24年3月8日・労判1060号5頁)

【事案の概要】

本件は、人材派遣を業とするY社に雇用されて派遣労働者として就労していたXが、Y社に対し、Y社がXを社会保険に加入させなかったことおよびXに有給休暇を取得させなかったことは不法行為に当たると主張して、Xが被った精神的損害に対する慰謝料の支払ならびに、平成17年5月から18年10月までの時間外手当および付加金の支払を求めた事案である。

XとY社は、本件雇用契約を締結するにあたり、月間総労働時間が140時間から180時間までの労働について月額41万円の基本給を支払う旨を約したものというべきであり、Xは、本件雇用契約における給与の手取額が高額であることから、標準的な月間総労働時間が160時間であることを念頭に置きつつ、それを1か月に20時間上回っても時間外手当は支給されないが、1か月に20時間下回っても上記の基本給から控除されないという幅のある給与の定め方を受け入れ、その範囲の中で勤務時間を適宜調節することを選択したものということができる

高裁は、本件雇用契約の条件は、それなりの合理性を有するものというべきであり、Xの基本給には、月間180時間以内の労働時間中の時間外労働に対する時間外手当が実質的に含まれているということができ、また、Xの本件雇用契約に至る意思決定過程について検討しても、有利な給与設定であるという合理的な代償措置があることを認識した上で、月間180時間以内の労働時間中の時間外労働に対する時間外手当の請求権をその自由意思により放棄したものとみることができると判断した。

【裁判所の判断】

破棄差戻し

【判例のポイント】

1 月額41万円の基本給について、通常の労働時間の賃金に当たる部分と同項の規定する時間外の割増賃金に当たる部分とを判別することはできないものというべきである。
これらによれば、Xが時間外労働をした場合に、月額41万円の基本給の支払を受けたとしても、その支払によって、月間180時間以内の労働時間中の時間外労働について労働基準法37条1項の規定する割増賃金が支払われたとすることはできないというべきであり、Y社は、Xに対し、月間180時間を超える労働時間中の時間外労働についても、月額41万円の基本給とは別に、同項の規定する割増賃金を支払う義務を負うものと解するのが相当である(高知県観光事件・最高裁平成6年6月13日判決)。

2 また、労働者による賃金債権の放棄がされたというためには、その旨の意思表示があり、それが当該労働者の自由な意思に基づくものであることが明確でなければならないものと解すべきであるところ(シンガー・ソーイング・メシーン事件・最高裁昭和48年1月19日判決)、そもそも本件雇用契約の締結の当時又はその後にXが時間外手当の請求権を放棄する旨の意思表示をしたことを示す事情の存在がうかがわれないことに加え、上記のとおり、Xの毎月の時間外労働時間は相当大きく変動し得るのであり、Xがその時間数をあらかじめ予測することが容易ではないことからすれば、原審の確定した事実関係の下では、Xの自由な意思に基づく時間外手当の請求権を放棄する旨の意思表示があったとはいえず、Xにおいて月間180時間以内の労働時間中の時間外労働に対する時間外手当の請求権を放棄したということはできない

最高裁判決です。

従来の原則的な考え方に基づいた解釈をしています。

基本給と残業代が明確に区別できるかどうかという基準を貫いています。

残業代請求訴訟は今後も増加しておくことは明白です。素人判断でいろんな制度を運用しますと、後でえらいことになります。必ず顧問弁護士に相談をしながら対応しましょう。

本の紹介188 バシャール スドウゲンキ(企業法務・顧問弁護士@静岡)

おはようございます
写真 (2)←先日、事務所の近くの「八百屋の台所 酒菜」にお昼ご飯を食べに行きました。

写真は、「オムカレー」にチキンカツをトッピングしたものです。

おいしゅうございました。 まだまだ知らないお店がいっぱいあります。

午前中は、打合せが1件入っています。

午後は、裁判の打合せが2件入っています。

今日も一日がんばります!!

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さて、今日は本の紹介です。
バシャール スドウゲンキ
バシャール スドウゲンキ [単行本]

須藤元気本、第3弾です。

この本は、かなりぶっとんでます(笑)

普通の感じで読み始めると、わけがわかりません。

ちゃんとバシャール(ダリル・アンカ)さんと会話が成り立っているのがすごいです。

さて、この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

人々が人生でいろいろな出来事を経験したとき、私たちがまず提案しているのは、ニュートラル(中立的)な状態に入る、ということです。ニュートラルな状態に入ると、現実を変えやすくなります。ニュートラルな状態に入り、自分自身がその経験についてどのような信念を持っているのか、どんなことを信じているのかを自問してみるのです。
・・・何かの出来事に対して感情的な反応をしているとき、私たちは次のような質問を自分自身にすることを提案しています。『この出来事によってこのような感情的な反応が出てくるということは、私はこの出来事に関してどのような信念を持っているのだろうか。どんな信念を持っているからこんな感情になるのだろう』この質問をすることによって、自分がどのような信念を持っているのか、自分は現実をどのように定義しているのかがわかってきます。
」(162~163頁)

中立な立場で先入観なく物事を見ることを習慣化することはとても大切なことです。

先入観を持っていると、誤解が生じるし、物事を正確に把握することが難しくなります。

これは、弁護士という仕事だけではなく、あらゆる仕事において共通していることだと思います。

とにかく人の話を聞くときは、これまでの経験等をひとまず横に置き、先入観なく話を聞く。

途中で人の話を遮り、最後まで話を聞く前に「こういうことでしょ」と勝手に解釈しないようにする。

このように、人の話を途中で遮る行為自体、相手に対して失礼ですし、そもそも「こういうことでしょ」という解釈が全く間違っていることも少なくありません。

まずは、先入観なく、最後まで人の話を聞く習慣をつけることから始めるのがいいのではないでしょうか。

労働時間31(ロア・アドバタイジング事件)

おはようございます。

さて、今日は、元企画営業部長からの残業代等請求に関する裁判例を見てみましょう。

ロア・アドバタイジング事件(東京地裁平成24年7月27日・労判1059号26頁)

【事案の概要】

Y社は、昭和45年8月に設立され、広告製作、広告代理業等を事業内容とする会社である。

Xは、平成20年1月にY社に入社し、その後、企画営業部部長となったが、仕入超過取引に伴う個人的利益享受が疑われ、企画営業部部長代理に降格され、その頃にうつ病を発症し、休職状態となり、22年9月、自主退職した。

Xは、Y社に対し、未払割増賃金(時間外・休日)および遅延損害金ならびに付加金の支払いを求めた。

【裁判所の判断】

Y社に対して約1130万円の支払を命じた。

付加金として700万円を認めた。

【判例のポイント】

1 ・・・Xに対する本件賞与は、Y社給与規程11条に依拠してではなく、Y社代表者が諸般の事情を考慮して、その裁量により随意決定していたものであると認められ、そうだとすると、このようにして決定される賞与(的な金員)を「臨時に支払われた賃金」(労基法施行規則21条4号)ないしは「一箇月を超える期間ごとに支払われる賃金」(同条5号)に当たるものとして、労基法37条1項所定の「通常の労働時間の賃金」から除外することは相当ではない。そうすると本件基礎賃金1の中には当然上記賞与部分も含まれることになり、したがって、本件請求期間1における単価は、本件年俸(最低800万円)を年間の本件所定労働時間数(160時間×12か月)で除すことにより算定すべきものと解される(なお菅野和夫著「労働法[第9版]」235頁参照)。

2 出張に伴う移動時間について、果たすべき別段の用務を命じられておらず、具体的な労務に従事していたと認めるに足る証拠がない場合には、労働時間に該当しない

3 納品物の運搬それ自体を出張の目的としている場合には、使用者の指揮命令下に置かれているものと評価することができるとして、労働時間に該当すると判断し、また、ツアー参加者の引率業務のサポートという具体的な労務の提供を伴っている場合には、労働時間に該当する

4 休日労働として行われた出張中の業務につき、場所的拘束性に乏しいうえ、当該業務の実施方法、時間配分等について直接的かつ具体的な指示等を欠いていた場合には、当該業務は労基法38条の2第1項にいう「労働時間を算定し難いとき」に該当する。休日労働が法定外休日であって所定労働時間の定めがなくても、同条項の趣旨を類推して「所定労働時間労働したもの」とみなされる

5 出張(事業場外労働)の前後に事業場内においても業務従事がなされた場合に、当該事業場外の労働が1日の所定労働時間の一部を用いて行われているときには、当該事業場内・外を併せて労基法38条の2第1項が適用されて「所定労働時間労働したもの」とみなされる

6 内勤業務が出張時の業務(事業場外労働)に付随する業務であるとみることができるときには、一連の業務に事業場内・外を併せて労基法38条の2第1項が適用され、他方、内勤業務が出張時の業務(事業場外労働)に付随してそれと一体のものとして行われたことを認めるに足りる証拠がないときには、当該内勤業務は別途通常の労働時間として把握計算されるべきであり、この場合の「労働時間」は労基法38条の2第1項にいう「みなし労働」と「内勤労働時間」を合算することにより算定される。

労働時間の解釈については、本件のように残業代請求事件でよく問題となります。

使用者の指揮命令下に置かれていたか否かという抽象的な規範だけではどのように解釈してよいのか迷ってしまうことも多々あると思います。

そのような場合には、本件裁判例のように過去の裁判例がどのような解釈をしているのかを調べてみると、何かのヒントになると思います。

労働時間に関する考え方は、裁判例をよく知っておかないとあとでえらいことになります。事前に必ず顧問弁護士に相談することをおすすめいたします。