不当労働行為282 組合と合意した休日出勤の振替休日等にかかる会社の対応の不当労働行為該当性(労務管理・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。 今週も一週間お疲れ様です。

今日は、組合と合意した休日出勤の振替休日等にかかる会社の対応が不当労働行為に当たるとされた事案を見ていきましょう。

東京空港交通事件(東京都労委令和2年7月7日・労判1253号150頁)

【事案の概要】

本件は、組合と合意した休日出勤の振替休日等にかかる会社の対応が不当労働行為に当たるかが争そわれた事案である。

【労働委員会の判断】

不当労働行為にあたる

【命令のポイント】

1 会社は、本件合意B及び本件合意Cで合意した事項を遵守したとはいえず、また合意を遵守する努力も怠っていたといえる。そして、休日の振替休日等が厳格に管理されていなかったことを踏まえ、本件合意Bでその改善を図ることを労使間で確認した上、本件合意Cでは、「必ず事前に振替休日を設定して実施し」、「3か月以内に必ず代休を取得させる」、「責任を持って説明する」など強い文言で実施の徹底等を図ることが労使間で合意された経緯を考えれば、本件合意B及び本件合意Cがあるにもかかわらず、事前の振替休日の設定もせず、3か月以内に代休を取得させることもせず、その理由も説明せず、同一給与計算期間の精算も行わなかった会社の対応は、労使間で懸案事項となっていた振替休日等の管理の改善と実施の徹底を図った組合との合意を軽視するものであるといわざるを得ない。このような会社の対応は、組合との合意を軽視することにより、組合員や従業員の組合に対する信頼を損ない、組合を弱体化させるものであるから、組合の運営に対する支配介入に当たるといえる。

合理的理由なく組合との合意に反した対応をすると本件同様、不当労働行為とされてしまいます。

守れない約束はしない、約束したら守る、ということに尽きます。

労働組合との対応については、日頃から顧問弁護士に相談しながら進めることが肝要です。