本の紹介67 ビジネスで一番、大切なこと(企業法務・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。

さて、今日は、本の紹介です。
ビジネスで一番、大切なこと 消費者のこころを学ぶ授業
ビジネスで一番、大切なこと 消費者のこころを学ぶ授業

ハーバード・ビジネススクール教授の本です。

この本も、おすすめの1冊です。

「はじめに」で、著者は、

たいして違いのない大量の選択肢や、戸惑うほど多くの機能にうんざりしている。ところが店に足を踏み入れれば、企業がいまだにこのことを理解していないのは一目瞭然だ。」(4頁)

と、消費者無視の過剰な差別化競争に警鐘を鳴らしています。

全体を通して非常に興味深い内容でした。

さて、この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

今日のビジネスにかかわりを持つ誰もが、何が『違い』になり得るかを忘れている。差別化についての考え方は、どこかが間違っている。『差別化』というコンセプトを口では賞賛しながらも、実際には違いではなく、類似性ばかりが目立つブランドを生み出し続けているのだから。・・・『わが社のブランドは他社とは違います』と伝えてみても、企業も顧客もそうではないとわかっている。誰もが同じ流れの中を漂っている。」(159頁~160頁)

消費者と同じ目で見ることが重要なのだ。消費者の目にはぼんやりとカテゴリー全体が見えるだけで、個々のブランドは映っていない。この不鮮明さから抜け出すこと。それが『違っている』ということなのだ。」(161頁)

なるほど。

企業の目が競合他社に向いていると、「差別化」がおかしな方向に行ってしまいます。

消費者にとっては、「そんな差別化、どうだっていいよ」と思ってしまうのです。

「差別化」という言葉だけが独り歩きし、消費者、顧客の目線はいずこへ・・・という状況です。

「消費者と同じ目で見ること」が難しいのですけどね。

「差別化」という言葉と同様に、「消費者と同じ目で見る」という言葉がモットーとなってはいるものの、実際に、消費者と同じ目で商品やサービスを考えることは、とても難しいのです。

業界に入り込めば入り込むほど、一般消費者や顧客の心がわからなくなってくるのです。

「消費者と同じ目で見る」ってどういうことなんだろう?

この疑問に対する答えとなるヒントも、いろいろな本に載っています。

少しのヒントとたくさんの試行錯誤が、この壁を突破するカギになるのだと思っています。