Monthly Archives: 5月 2013

賃金59(ワークフロンティア事件)

おはようございます。一週間、お疲れ様でした。

さて、今日は、元従業員9名による未払割増賃金等請求に関する裁判例を見てみましょう。

ワークフロンティア事件(東京地裁平成24年9月4日・労判1063号65頁)

【事案の概要】

本件は、Y社の従業員であったXらが、Y社に対し、未払割増賃金および付加金を求めた事案である。

Y社は、産業廃棄物の収集運搬を主たる業とする会社である。

本件の争点は、(1)清算確認の効力、固定割増賃金に関する合意等の成否およびその有効性、(3)Xらの労働時間、(4)Xらに支払われるべき割増賃金の額、(5)付加金請求の可否などである。

【裁判所の判断】

Xらの未払割増賃金請求を認容(6万余円から97万余円)

未払割増賃金と同額の付加金の支払を命じた

【判例のポイント】

1 X1ら3名は、平成20年7月分以前の割増賃金についても請求しているが、X1ら3名は、平成20年9月8日及び同月12日、平成20年2月1日から同年7月31日までの未払割増賃金の額を了承し、当該割増賃金を受領したことを確認した旨、及び「今回受領した割増賃金以外に、貴社に対する賃金債権はありません」との文言が記載された第1確認書及び第2確認書を、署名捺印の上、Y社に提出していることが認められるから、X1ら3名は、上記第1確認書及び第2確認書の提出によって、Y社に対し、平成20年7月分以前の割増賃金につき清算を確認するとともに、仮に未払の割増賃金債権が存在するとしても当該債権を放棄する旨の意思を表示したものと解される
・・・これに対し、Xらは、X1ら3名の上記意思表示につき、労基法は強行法規であるから、時間外手当請求権を放棄したとまでは言えない旨を主張する。しかしながら、あらかじめ将来の割増賃金について労働者がこれを放棄することは労基法37条に違反し許されないというべきであるが、既に発生済みの割増賃金を、労働者がその自由意思に基づき放棄することは何ら労基法には反しないと解されるから、Xの上記主張は採用の限りではない。

2 ・・・報償手当は、労基法施行規則21条に規程する除外賃金には該当しないから、割増賃金の算定基礎賃金となるものと解するのが相当である。
これに対し、Y社は、報償手当は割増賃金見合いとして支給されているものであるから算定基礎賃金とならない旨主張する。確かに、Xらに交付された労働条件通知書には、報償手当につき「時間外労働等に対する割増賃金の意味を有する」との記載がされており、新賃金規程にも同趣旨の規定がある。しかしながら、証拠によれば、Xらに支給された報償手当は、粗利生産性の上位3名、リピーター顧客からの発注などの業績ないし功績を達成した者に対し、ミニボーナスとして現金支給される手当であると認められるから、労働条件通知書や新賃金規程に「割増賃金の意味を有する」等と規定されているとしても、報償手当は業績ないし功績に対する報酬としての性質を失わないものと解するのが相当である。そうであるとすると、仮に報償手当について、労働条件通知書や新賃金規程で規定されるとおり、割増賃金の意味をも有していると解し得たとしても業績ないし功績に対する報酬としての部分と、時間外労働等に対する割増賃金としての部分とを区別することができないものと言わざるを得ないから、結局、報償手当の支給をもって時間外労働に対する割増賃金が支給されたものと見ることはできないと言うべきである。したがって、Y社の上記主張は採用することができない。

3 一般に、固定割増賃金に関する上記のような合意がされた場合についての合理的意思解釈としては、実際に行われた時間外労働時間に基づいて計算した割増賃金の額が、あらかじめ定められた固定割増賃金の額に満たない場合であっても、基本給は満額支払われる(固定割増賃金は減額されない。)というものであると解するのが相当である。固定割増賃金を基本給に含ませることのメリットとしては、あらかじめ時間外労働があることが予想される場合に、一定時間までの時間外労働に対する割増賃金については基本給で支払済みとすることによって、労基法に則った厳密な割増賃金の事後的な算定・支払という煩雑な手続を回避することができることが挙げられるが、Y社主張のように解した場合には、実際の時間外労働時間が本件であれば1月当たり45時間に満たない場合には、割増賃金額を計算した上で、基本給中の固定割増賃金を減額する措置が必要となって、上記メリットが得られなくなってしまう。また、そもそも、Y社主張のような内容の合意をするのであれば、端的に、固定割増賃金額を控除した額を「基本給」として合意すれば足り、あえて固定割増賃金額を含めた額を「基本給」として合意する意味はないことになるから、そのような解釈が妥当でないことは明らかである。

固定残業代に関する判断は大変参考になります。

なんでもかんでも固定残業代の趣旨であるとすることに対する警鐘の意味合いが強いですね。

形式及び実質ともに残業代であることを明確にする必要があるということです。

残業代請求訴訟は今後も増加しておくことは明白です。素人判断でいろんな制度を運用しますと、後でえらいことになります。必ず顧問弁護士に相談をしながら対応しましょう。

本の紹介202 世界のエリートはなぜ歩きながら本を読むのか?(企業法務・顧問弁護士@静岡)

おはようございます
__←先日、事務所の近くの「天盛楼」に行ってきました

写真は、「つぶ貝のねぎソースがけ」です。 味付けがたまりません。

青島ビールとよく合います。

今日は、午前中は、富士の裁判所で労働事件の裁判です

午後は、富士の顧問先会社で打合せです。

今日も一日がんばります!!

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さて、今日は本の紹介です。

世界のエリートはなぜ歩きながら本を読むのか?

本のタイトルは、とても大切だということを気付かされます(笑)

ほとんど題名だけで買ってしまいます。 「さおだけ屋はなぜ・・・」を思い出します。

僕は、この田村さんの本が好きです。

とにかく内容がおもしろいので、つい買ってしまいます。

これを読んで、僕も、早朝から筋トレをすることにしました(笑)

とても良い本です。 おすすめです。

さて、この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

・・・私は最高のパフォーマンスをコンスタントに出すために、常日ごろからコンディショニングに最大の配慮をして努力を積み重ねる彼らのひたむきさに大いに触発された。」(12頁)

・・・日本のリーダー層は運動が足らない。コンディショニングが今一つなのだ。一般のビジネスマンもしかり。・・・運動が足らないし、食事や心のケアへの配慮が不十分だから、疲れやすいし勉強や仕事に行き詰まる。そもそも文武両道は日本人の知恵であった。しかし、今や世界中で文武両道が当たり前なのだ。」(5頁)

確かに、「仕事が忙しくて、運動をする時間がない」という方は多いのではないでしょうか。

「運動する時間があったら、仕事を片付けたい」と。

気持ちはよくわかります(笑)

いかに運動を毎日の生活の中に組み込むかがポイントです。

私のおすすめは、この本にも書かれていますが、朝の時間を活用することです。

朝型の生活がしている人はわかると思いますが、朝の2~3時間というのは、1日の中で最も密度の濃い時間帯です。

この時間帯に最初は10分だけでもいいので、運動をする時間を入れるのです。

いきなり30分というと、間違いなく挫折します。

10分だけなら、続けられそうな気がしませんか?

大切なのは、1回あたりの時間を長くすることではなく、短時間でもいいので毎日続けることです。

勉強と同じです。

勉強や仕事で成功体験をしてきている人は、何か新しいことを始めるときのポイントを心得ています。

勉強も仕事も運動も、いかに習慣化するかという一点に尽きます。

人間が習慣を作れば、習慣が人間を作ってくれます。

労働災害62(リゾートソリューション(高松工場・石綿)事件)

おはようございます
写真 (4)←先日、「Venti Due」に行ってきました

定期的に行かないと、気がすみません(笑)

マリナーラとモレッティ。翼君と岬君のような関係です。

今日は、午前中は、顧問先会社の社長との打合せが入っています。

午後は、新規相談が1件、裁判の打合せが1件入っています。

今日も一日がんばります!!

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さて、今日は、石綿粉じん吸引等による健康被害と損害賠償請求に関する裁判例を見てみましょう。

リゾートソリューション(高松工場・石綿)事件
(高松地裁平成24年9月26日・労判1063号36頁)

【事案の概要】

本件は、Y社の高松工場で石綿セメント管製造過程での作業に従事していたXらが、Y社が石綿粉じんの飛散抑制、吸引予防、教育、早期発見および救護等の安全配慮義務を尽くさなかったことにより業務遂行中に石綿粉じんを吸引し、これによって石綿肺等の疾病に罹患したと主張し、Y社に対し、債務不履行または不法行為に基づく損害賠償を求めた事案である。

【裁判所の判断】

Y社に対し、合計約4000万円の支払を命じた

【判例のポイント】

1 国に予見可能性が生じた時期は別段として、じん肺法は、石綿を具体的に明記した上、前記のように規定したのであるから、じん肺法が施行された昭和35年頃には、一民間企業においても、石綿による健康被害の発生を具体的に予見することは十分可能というべきである

2 じん肺法の施行後もわが国で大量の石綿の使用が継続されたという点については、じん肺法が施行された昭和35年頃には、今日明らかとなっている石綿が人の健康に与える影響の大きさの全部が明らかになっていたとは認められず、じん肺法が施行された以降も大量の石綿の使用が継続されたことは認められるが、同法は、石綿粉じんによる健康被害が発生していることを前提として、粉じん発生抑制、労働者における粉じん対策、健康管理等、適切な管理を行うことにより健康被害の抑制・防止を図るために制定されたものであることからすると、同法施行後の石綿使用・消費量が多かったことをもって、予見可能性、結果回避可能性を否定することはできないというべきである。

3 被告は、防じんマスクや安全衛生手帳の支給などを行っていたのであるから、Xらが自ら石綿粉じん発生抑制、吸引防止のための措置を講じなかったことにも過失があるとして過失相殺をすべきである旨主張する。
しかしながら、X1、X4及びX6らは、石綿粉じんにばく露することを防止するための防じんマスクの支給を受けたことはなく、石綿粉じんによる健康障害発生の可能性や、石綿粉じん抑制のための教育、指導を受けたこともなく、じん肺を早期発見・予防するためのじん肺健康診断を受けたこともなかったのであるから、当該Xらにおいて、石綿粉じんのばく露を避けることは容易ではなく、Xら自ら石綿粉じん発生抑制措置や吸引抑制措置をとらなかったことに過失があると評価することはできない
したがって、Y社の上記主張は採用できず、Y社の過失相殺の主張は採用できない。

4 債務不履行に基づく損害賠償請求権や、不法行為に基づく損害賠償請求権は、その権利行使が可能な時期から消滅時効が進行するものであるところ(民法166条1項)、・・・被告はXの損害賠償請求権は消滅時効により消滅したと主張する。 
しかしながら、従前から発生している損害であったとしても、その後に、新たに合併症が発症した場合などについては、当該合併症については従前に権利行使を行うことが不可能であるから、当該合併症の発症時点から、当該合併症の発症時点から、当該合併症を含めた権利行使が可能になったものと解するのが相当である。
Xは、本件訴訟提起後である平成23年2月10日に続発性気管支炎との診断を受けており、続発性気管支炎は、じん肺法およびじん肺法施行規則において、じん肺の合併症として定められていることからすると、その診断を受けるまで、続発性気管支炎を含めた上での損害賠償請求を行うことは不可能であったといえる。
したがって、Xは、当該診断を受けた日以降から続発性気管支炎を含めた損害賠償請求が可能となったものであり、消滅時効完成前である平成23年10月3日に訴えの変更の形で、その権利行使を行ったことは当裁判所に顕著であるから、消滅時効は完成していないというべきである。

予見可能性、結果回避可能性、過失相殺、消滅時効の起算点に関する裁判所の判断について参考にしてください。

本の紹介201 起業家(企業法務・顧問弁護士@静岡)

おはようございます
__←先日、事務所の近くにある「雪有圭」(ゆきあけ)に行ってきました

山菜の天ぷらです。 お上品の一言に尽きます。

仕事帰りに落ち着きたいときに、一人でよく立ち寄ります。

今日は、午前中は、富士の顧問先会社で打合せです

午後は、静岡の裁判所で労働審判です。夜は、顧問先会社の社長と打合せです。

今日も一日がんばります!!

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さて、今日は本の紹介です。

起業家

サイバーエージェント社長の藤田さんの本です。

藤田さんの本は、共著も含め、ほぼ全て読んでいます。

経営に関する考え方がとても参考になるからです。

今回の本は、これまでの会社経営について振り返る内容になっています。

私は起業家ではありませんが、大切なことは業界を問わず共通しているのだと思います。

さて、この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

不可能を可能にするのが起業家です。皆の反対を押し切っても、逆風に晒されても、窮地に追い込まれても、それでも自分が本気で熱狂しているものなら不屈の精神で乗り越えなければならないのです。熱狂は、それを成し遂げるためであれば、さまざまな困難、孤独や憂鬱や怒りを乗り越える力を内包したものだと私は思います。」(288頁)

みなさんは、本気で熱狂できるものがありますか?

正直なところ、あまりないのではないでしょうか。

熱狂できるものがあれば、逆風に晒されても、窮地に追い込まれても、不屈の精神で乗り越えられます。

逆風に晒されたり、窮地に追い込まれて、あきらめるようでは、そもそも熱狂しているとはいえません。

起業家が熱狂できるものに基づいて起業することは、ある意味、当たり前なのかもしれません。

ただ、熱狂することは、起業家にしか認められていない特権ではありません。

ただ、日常の仕事の中に熱狂できることを見つけられる人は、それほど多くないように思います。

日常生活の中に熱狂できることを見つけられるかどうかが、生活を充実させるポイントになってくるのではないでしょうか。

労働者性7(サンランドリー事件)

おはようございます。

さて、今日は、代表取締役であった者の労働者性に関する裁判例を見てみましょう。

サンランドリー事件(東京地裁平成24年12月14日・労経速2168号20頁)

【事案の概要】

本件は、Y社の代表取締役であったXが、Y社に対し、自身のY社における従業員性(労働者性)を主張して、退職金及び未払賃金等を請求した事案である。

Y社は、衣類の洗濯等を業とする株式会社であり、その株式の75%を現代表取締役であるAが保有している。

【裁判所の判断】

労働者性を否定

【判例のポイント】

1 従業員性の有無については、一般的には、主に、使用者との間の使用従属関係の有無により判断されるべきものと解され、具体的には、業務遂行上の指揮監督の有無、拘束性の有無、対価として会社から受領している金員の名目・内容及び額等の他の従業員との同質性及びそれについての税務上の処理、取締役としての地位及びその具体的な担当職務、その者の態度・待遇や他の従業員の意識、雇用保険等社会保険の適用の有無、服務規律等の適用の有無等の事情を総合考慮して判断すべきと解される

2 もっとも、本件では、XがY社の代表取締役であった期間中におけるXの従業員性が問題となっているところ、代表取締役が、法令上株式会社を代表として内部的及び外部的に業務執行に当たる会社の機関であり、その代表権の範囲が会社の業務に関する一切の裁判上又は裁判外の行為に及ぶ包括的なものであることからすれば、代表取締役の地位は、原則として、使用者の指揮命令下で労務を提供する従業員の地位とは理論的に両立するものではなく、実質的にこれと両立していると解すべき特段の事情のない限り、代表取締役が従業員としての地位を兼務するということはできないというべきである

3 そこで、以下、かかる特段の事情の有無を検討すると、・・・(1)Xの勤務時間は、Y社の所定就業時間とは大きく異なっていた上、Xは他者から勤務時間管理を受けていなかったこと、(2)Xの報酬の内訳は、役員報酬のみで、諸手当等の支給はなく、その額についても、代表取締役就任当初は従前の給与額と大きな変更はなかったものの、その2、3年後には自身及び実母の都合により大幅に増額しているものであって、他の従業員給与の構成や昇給態様とは著しく異なっていると評価できること、(3)Xは代表取締役就任と同時に雇用保険の被保険者資格喪失手続をとっており、以後同保険に再び加入することはなかったこと、(4)Xの業務は、日常的に現業業務を行う一方で、Y社を代表して、従業員の採用、金融機関からの借入れ、従業員に対する懲戒の趣旨による降格処分等を行っており、その中には、Aに対する報告ないしはその了承を経ていないものも相当程度含まれていたこと、がそれぞれ認められ、これらのことに鑑みれば、Xは、他の従業員とは著しく異なる態様でY社において勤務し、経営に関する広範な権限を保有し、これを行使していたものと認められるのであって、Xには、代表取締役の地位と従業員の地位とが両立していると解すべき特段の事情は存しないというべきである。

本件では、代表取締役の労働者性が争われました。

よほどの事情がない限り、認められないことは明らかです。

ファイティングスピリットは素晴らしいです。

一般的に労働者性に関する判断は本当に難しいです。業務委託等の契約形態を採用する際は事前に顧問弁護士に相談することを強くおすすめいたします。

本の紹介200 運をつかむ技術(企業法務・顧問弁護士@静岡)

おはようございます 今週も一週間、お疲れ様でした。
__←先日、久しぶりに安東の「うなぎ亭」に行ってきました

写真は、「うな重 特上」です。

ベストは、うなぎでごはんが見えない状態ですが、やむを得ません。

このお店よりCPの高いうなぎ屋さんを僕は知りません。

すばらしいお店です。

今日は、午前中は、離婚訴訟が1件と顧問先会社でのセミナーが入っています

午後は、不動産関係の裁判が1件と新規相談が1件、打合せが1件入っています。

今日も一日がんばります!!

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さて、今日は本の紹介です。
運をつかむ技術: 18年間赤字のハウステンボスを1年で黒字化した秘密

HIS会長、ハウステンボス等の社長の澤田さんの本です。

いろんな会社の社長や会長です。

難問にチャレンジすることこそ生きがいなんだと思います。

勉強になります。

さて、この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

・・・だが、繰り返すが、しようとしていることを反対されるとどうしても燃えてしまうのが、私のもうひとつの弱点だ。我ながら、賢くないと思う。難しい案件であればあるほど本気になる。周囲に何か言われると、結局火に油を注ぐことになる。生まれつきのあまのじゃくだ。・・・難問ほど面白い。だからこそ、チャレンジしてみたい。」(75頁)

このくらいの強い気持ちを持っている人と一緒に仕事がしたいです。

難しい案件であればあるほど面白い。

敵が強ければ強いほど燃える。

この感覚というのは、あらゆる仕事で重要なファイティングスピリットだと思います。

新しいことをやるときというのは、「あまのじゃく」精神が必要です。

みんながやらないことをやるのですから、完全にあまのじゃくです。

「あまのじゃく、最高!」という考えが習慣化されている人は、どんどん新しいことをやっていきます。

配転・出向・転籍17(コロプラスト事件)

おはようございます。

さて、今日は退職勧奨後の配転命令の効力に関する裁判例を見てみましょう。

コロプラスト事件(東京地裁平成24年11月27日・労判1063号87頁)

【事案の概要】

本件は、Y社の営業サポート職(いわゆる営業事務)として勤務していたXが、平成23年7月、埼玉県のA発送センターへ異動を命じられるとともに、業務をカッティングサービス、検品に変更されたことについて、同配転命令は、XがY社からの退職勧奨を拒んだことに対する報復であり、X・Y社間の雇用契約で合意された範囲を超え、権利濫用に当たるものであるから無効であるなどと主張して、XにA発送センターで勤務する義務がないことの確認を求めるとともに、Y社に対し、本件配転命令に伴い減額された差額賃金の支払を請求したという事案である。

【裁判所の判断】

配転命令は有効

【判例のポイント】

1 Xが採用に当たり勤務地が東京であり業務内容が事務職であることを告げられ、以後、東京において事務職として勤務してきたものであるとしても、本件雇用契約が長期間の雇用関係を予定した正社員としての契約であって、職種や勤務場所について限定する旨明確に合意した形跡が認められないことや、Xの職務が、通常の事務職であって格別特殊な技能や資格を要するわけでもないものであることなどの事情に照らすと、本件雇用契約が他業種、他の勤務場所への配転を排除するような職種限定・勤務地限定の雇用契約であると認めることはできない。

2 使用者の配転命令は、長期的な雇用関係を予定した正規従業員に対し使用者の人事権の行使として広く行われることが予定されているというべきである。しかし、特に転居を伴う転勤については、労働者の生活環境に少なからず影響を与えるというべきであるから、使用者としてもこれを無制約に行使できるものではないというべきであり、それが権利の濫用に当たる場合には無効となると解される。すなわち、当該配転命令に業務上の必要性が存しない場合や、業務上の必要性が存する場合であっても、当該配転命令が他の不当な動機をもってなされたものであるとき又は労働者に対し通常甘受すべき程度を著しく超える不利益を負わせるものであるときなど、特段の事情がある場合には同配転命令は権利の濫用に当たるものとして無効になる場合があるというべきである。もっとも、ここでいう業務上の必要性とは、余人をもってしては容易に替え難いといった高度の必要性に限定されるものではなく、労働者の適正配置、業務の能率増進、勤務意欲の高揚、業務運営の円滑化など企業の合理的運営に寄与する点が認められる限りはその存在を肯定すべきである(最高裁昭和61年7月14日判決)。

3 ・・・遠距離通勤になることについても、Xが単身で生活しており、要扶養、要介護の親族を抱えているわけでもなく、転居が可能な立場にあったことからすれば、この点を重視することはできない

4 ・・・なお、本件配転命令の経緯については、Xからすれば、それまでXに甘い言動をしていたC本部長が、態度を翻して退職勧奨をし、配転を命じたという点で唐突に感じた面があるかも知れないが、自らの勤務ぶりに対する営業職らからの評判が芳しくなかったことについては察知できたと考えられるし、また察知すべきであったともいえる。また、平成22年11月にはC本部長からも直接厳しい内容の話をされており、自らの勤務態度を省みる機会を与えられていたといえるのであるから、本件配転命令が不意打ちであるということもできない

配転命令については、使用者に広い裁量が認められているので、労働者側からすると、解雇の有効性を争うときに比べてハードルが高くなります。

配転により遠距離通勤となることについては、裁判所はほとんど重視していないようです。

上記判例のポイント3を参考にしてください。

実際の対応については顧問弁護士に相談しながら行いましょう。

本の紹介199 君は、世界がうらやむ武器を持っている(企業法務・顧問弁護士@静岡)

おはようございます
__←先日、スタッフを連れて、「Las Tapas」に行ってきました

写真は、「シャンピニオンとハモンイベリコのオイル煮」です。

定番メニューです。やみつきになります。

今日は、午前中は、家裁での裁判が1件、打合せが1件入っています。

午後は、労働事件等の裁判が2件、顧問先会社の社長との打合せが入っています。

今日も一日がんばります!!

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さて、今日は本の紹介です。
君は、世界がうらやむ武器を持っている
君は、世界がうらやむ武器を持っている [単行本(ソフトカバー)]

「これからは広い世界に出て行くべきだ」と唱える著者が、「世界に出られないわれわれはどうしたらいいのか?」という質問に答えた本です。

世界に出ないのであれば、徹底的に国内仕様の人間(スーパードメスティック)になるという結論なのですが、さまざまな示唆に富んだ本だと思います。

おすすめです。

さて、この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

『世界をよくする』『社会にインパクトを与えたい』『困っている人を救いたい』 志はとても立派だ。しかし、彼らに足りないのは、自分の土台を作り、しっかりと力を蓄えないとそんなことはできないという自覚だ。自らを救えない人間に他人は救えないし、社会にインパクトを与えるためにはそれなりの存在にならないといけない。・・・『日本人の若者の志やよし』と思う。しかし、それから一歩踏み出して『その志を実現させるための力を持て!稼げ!』ともいいたい。」(187頁)

僕のやっているのは慈善事業ではない。経済活動なんだ。こんなに利益を出していることに注目してほしい。儲からないと続かないし、たくさんの人を救い、社会にインパクトを与えることはできない。稼げない人間に世の中は変えられない」(ムハマド・ユヌス氏・ノーベル平和賞受賞者、グラミン銀行設立者)(187頁)

ボランティアで「世界をよくする」、「困っている人を救う」方法を考えるのは、実はそう難しくありません。

これでごはんを食べていこうと思うと、とたんにハードルがあがるのです。

つまり、事業として行うのはとても難しいということです。

慈善事業でやるほうがよほど簡単です。

事業の持続可能性を考えた場合、そこからいかに利益を生み出すかということがキモとなります。

ですから、いいアイデアを生み出すよりも、そこからいかに利益を生み出すかを考えるべきです。

労働災害61(J株式会社事件)

おはようございます GWも終わりましたね。また今週も一週間がんばっていきましょう!!
__←先日、事務所の近くにオープンした「韓国家庭料理 韓旅(kantabi)」に行ってきました

写真は、「海鮮チヂミ」です。外はカリッと、中はフワッとしており、おいしいです。

新しいお店ができたら、とりあえず一度行ってみるのです。

今日は、午前中は、不動産に関する裁判が1件入っています。

午後は、交通事故等の裁判が2件、新規相談が2件入っています。

今日も一日がんばります!!

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さて、今日は、石綿で精神障害発病・自殺と業務起因性に関する裁判例を見てみましょう。

J株式会社事件((岡山地裁平成24年9月26日・労判1062号84頁)

【事案の概要】

本件は、業務上の疾病である石綿肺を患っていたXが精神障害を発病し自殺したことに関し、Xの妻が、倉敷労基署長に対し、労働者災害補償保険法に基づく遺族補償年金および葬祭料の支給を請求したところ、同署長から、上記自殺による死亡が業務上の死亡に当たらないことを理由として、これらをいずれも支給しない旨の決定を受けたことから、その取消しを求めた事案である。

【裁判所の判断】

倉敷労基署長による遺族補償給付等不支給処分は違法である。
→業務起因性肯定

【判例のポイント】

1 労働基準法及び労災保険法上の災害補償制度が業務に内在する危険が現実化して労働者に損害を生じた場合には使用者の故意・過失を問うことなくその損害を補償すべきであるという危険責任の法理に基づくものであることに鑑みれば、上記相当因果関係の存在を肯定するためには、当該負傷又は疾病が当該業務に内在する危険が現実化したことによるものであると認められることが必要であると解される(最高裁平成8年1月23日判決)。当該疾病が精神障害の場合、精神障害の成因について環境由来の心理的負荷(ストレス)と個体側の反応性、脆弱性との関係で精神的破綻が生ずるかどうかが決まるという「ストレス-脆弱性」理論が精神医学上の知見として広く受け入れられていると認められることからすれば、業務による心理的負荷が、社会通念上、客観的にみて当該精神障害を発病させる程度に過重といえる場合に、業務に内在する危険が現実化したものとして、上記相当因果関係の存在を肯定し得るものと解するのが相当である。
また、精神障害を発病した者の自殺による死亡については、精神障害によって、正常の認識、行動選択能力が著しく阻害され、又は自殺行為を思いとどまる精神的抑制力が著しく阻害されていた状態で自殺したと認められる場合に、精神障害が原因となって死亡したと認めることができるというべきである。

2 これを本件についてみると、Xは、Y社において、高濃度の石綿暴露作業とされる石綿吹付け作業に従事していたため、昭和62年に石綿肺を発病した。・・・このような、平成2年から10年以上の期間にわたり続く咳や痰の症状や、次第に悪化していく息切れなどの症状は、Xに心理的負荷を与え続け、かつその心理的負荷は次第に大きくなっていったものということができる。また、石綿肺は、根治療法がなく、慢性的な苦しみを与え続け最終的には死に至る危険の高い疾病であるが、Xは、そのことを悲惨な姿で死んでいった同僚らの姿を通じて認識せざるを得ない状況にあり、石綿肺の病状が悪化していく度に、一生続くであろう苦しみや死に対する恐怖を強く感じていたというべきである
・・・以上のことに加えて、じん肺を始めとする慢性呼吸器疾患の患者が精神障害を発病することについての研究報告等が存在することなどをも考慮すれば、石綿肺の病状等によるXの心理的負荷は、社会通念上、客観的にみて本件精神障害を発病させる程度に過重であったというべきである。そして、Xには、石綿肺による病状以外の心理的負荷や個体側の脆弱性、遺伝素因など他に発病因子となり得るような事情が証拠上明らかにはうかがわれないことからすれば、本件精神障害の発病と石綿肺の病状等との間、ひいては本件精神障害の発病と石綿肺発病の原因である業務との間に相当因果関係を認めることができる

本件は、石綿肺→精神障害発症→自殺という因果関係を認めています。

長時間労働→精神障害発症→自殺という因果関係よりもハードルが高いですが、裁判所は肯定しました。

本の紹介198 成功をめざす人に知っておいてほしいこと(企業法務・顧問弁護士@静岡)

おはようございます 明日からまた4連休ですね。 ずっと仕事してまーす。
__←先日、同世代の損保会社の方と「ふじの井」に行ってきました

久しぶりに2人で熱い話をしました。

定期的に意見交換をし、パワーをもらっています。

今日は、午前中は、建物明渡しの打合せです。

午後は、新規相談が1件と、掛川の会社で打合せです

今日も一日がんばります!!

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さて、今日は本の紹介です。
成功をめざす人に知っておいてほしいこと
成功をめざす人に知っておいてほしいこと [単行本]

著者は、バスケットボールの監督です。

奇をてらったことは1つも書かれていません。

「はじめに」の内容として、以下のとおり書かれています。

成功をめざすからには、成功に値する人にならなければなりません。どうやって? 人の何倍も努力することです。小さなことであれ大きなことであれ、一生懸命になることです。これで十分だと思っても、さらにもっと努力することです。何をするにしても、心をこめて常に全力を尽くすことです。」(5頁)

真実です。

真実は、いつもシンプルです。

さて、この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

他人のアイデアを改良して独自のものにするのを恐れてはいけません。真似をするだけでは不十分です。自分の個性に合わせて修正することが重要で、そこに独自性が求められます。『これを取り入れて自分流につくり上げるにはどうすればいいか?』と常に自問することが必要です。ここでいう『自己流』とは、基本を無視した『我流』という意味ではなく、成功者のやり方をもとに創意工夫した合理的な方法という意味です。」(120~121頁)

・・・要するに、賞賛するのではなく見習うということです。賞賛するだけなら誰でもできます。成功の秘訣は、ロールモデルを研究して長所を取り入れることなのです。」(119頁)

1つ目は、いわゆる「守・破・離」の発想です。

いきなり「我流」でやり始めるのではなく、基本となる「型」を身につけることから始める。

これはどんな仕事でもそうだと思います。

へんなくせがついている人は、なかなかそのくせが治りません。

某外資系生保会社では、社員全員、中途採用(ヘッドハンティング)とのことですが、決して、他の生保会社で勤務していた人を採用しないそうです。

どんなトップセールスマンでも、例外はないそうです。

その理由は、へんなくせがついているからだそうです。

2つ目は、「わかる」ことと「できる」ことは違いということです。

多くの人は、本を読み、セミナーを聞き、それを実行することはありません。

「いいね!」と思ったことを次の瞬間に実行に移す習慣がある人は、どんどん挑戦し、小さな失敗を繰り返しながら、ステップアップしていくものです。