Monthly Archives: 4月 2015

本の紹介427 原則中心(企業法務・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。

今日は本の紹介です。
原則中心 会社には原則があった!

ジェームス・スキナーさんの本です。

以前、著者の本として、「100%」と「成功の9ステップ」を紹介しました。

著者の本は、どれもとても勉強になります。

今回の本もおすすめです。

さて、この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

大俳優のウィル・スミスは自分の成功を次のように説明している。
『偉大さというのは、特別な人だけが味わうものではない。誰でもなれるものだ。”これを信じている、そのために死んでもいい” そう思うことは偉大さの秘訣。私は大した才能を持っていない。私の成功というのは、馬鹿げているとしか言いようがない努力の結晶なのだ。ほかの人が寝ているとき、私は仕事している。ほかの人が食事しているとき、私は仕事している。安易な回り道はあろうはずもない』」(28頁)

さすが、ウィル・スミスさんです。

自分の仕事に命をかけている人には勝てません。

成功や目的の達成に対して貪欲になれる度合いが他の人とは異なりますね。

周りから「そこまでやらなくてもいいんじゃない」といわれるくらいの準備を毎日淡々とこなせるのです。

1日だけなら真似できますが、これを毎日やるのはちょっとできない、というレベルを継続してキープできるかどうか。

誰でもできることを誰にもできない程やる。

私は、これが最も正しい成功への道だと思っています。

配転・出向・転籍23(ゆうちょ銀行事件)

おはようございます。

今日は、配転命令の有効性が争われた裁判例を見てみましょう。

ゆうちょ銀行事件(静岡地裁浜松支部平成26年12月12日・労経速2235号15頁)

【事案の概要】

本件は、Y社の従業員であるXが、Y社に対し、Xに対するY社浜松店からY社静岡店への配置転換命令が無効であると主張して、Y社静岡店に勤務する労働契約上の義務のないことの確認を求めるとともに、本件配転命令がXに対する不法行為を構成すると主張して、不法行為による損害賠償請求権に基づき、慰謝料100万円の支払を求めた事案である。

【裁判所の判断】

請求棄却

【判例のポイント】

1 Y社は、本件人事異動制度の一環として、不正行為の防止及びXのスキルアップを目的として本件配転命令を行ったことが認められるところ、長期間同一店舗に勤務する社員に対する人事異動は不正行為の防止及び社員のスキルアップに資する合理的なものであり、このことはXにも当てはまることから、本件配転命令には業務上の必要性があるものと認められる。

2 Xは、本件配転命令により通勤時間が延伸した結果、家族と過ごす時間が大幅に短くなり、生活上の著しい不利益を被った旨主張するところ、本件は移転命令により、Xが通勤のため60分から90分程度の時間を要することとなったことは上記認定のとおりである。しかしながら、本件は移転命令がされた当時、Xの妻は専業主婦であり、上記のとおりXの通勤時間が延伸したとしても、当時小学6年生の長女及び小学3年生の長男の養育が困難となるような客観的事情は見当たらない。このことは、Xが静岡店において残業や中勤を命じられる可能性があることを考慮しても異ならない

3 Xが家族と共に過ごす時間を何よりも重視していること、本件配転命令による通勤時間の延伸によりその時間が減少して苦痛を感じていることは認められるものの、長時間通勤を回避したいというのは、年齢、性別、配偶者や子の有無等に関わらず、多くの労働者に共通する希望である配転命令の有効性を判断するに当たって考慮すべき労働者の不利益の程度は、当該労働者の置かれた客観的状況に基づいて判断すべきものであり、上記のようなXの主観的事情に基づいて判断すべきものではない
以上によれば、本件配転命令によりXが受ける不利益は、労働者が通常甘受すべき程度を著しく超えるものとは認められない。

配転事案についての裁判所の考え方がわかりますね。

配転により、かなり深刻な問題が生じない限り、通常甘受すべき程度を著しく超えるものとは認定してもらえません。

実際の対応については顧問弁護士に相談しながら慎重に行いましょう。

本の紹介426 情熱経営(企業法務・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。 今週も一週間がんばりましょう。

今日は本の紹介です。
情熱経営

著者は、湘南美容外科クリニックの代表の方です。

現在、国内42クリニック、海外1クリニックを展開しているそうです。

「伝説のクリニックをつくる」という目標を掲げており、その目標に突き進んでいるのがよくわかります。

また、経営に対する覚悟が読み取れます。 おすすめです。

さて、この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

『ここまで達成したからもういいや』という気持ちは、気をゆるませて、緊張感を失い、ミスや失敗を招きます。床にゴミが落ちていたら、もっときれいに掃除しようと反省し、術後に痛みを訴えてきたお客さまがいたら、もっとしっかり術後の痛みについて説明しようと反省する・・・・・・こういった、反省の積み重ねが、より良いサービス、技術の向上につながっていくのです。常に『どうすればもっと良くなるのか?』という疑問を抱きながら、スタッフみんなでその答えを探していく作業を怠ってはいけません。現状に満足せず、より良い方向に努力を積み重ねることが大切です。」(158頁)

トップだけでなく、組織全体が、「どうすればもっと良くなるのか?」ということを考えられる会社って、本当に強いですよね。

多くの経営者が、現状維持を目標にしないのは、現状維持を目標にしているようでは、現状維持すらおぼつかないことを知っているからです。

どうすればもっと良くなるのかを考えること自体はそんなに難しいことではありません。

それは夢や目標を考えるのと同じことです。

考えること自体は誰でもできるのです。

実行し続けることは誰もができることではありません。

人が休んでいるとき、人が遊んでいるときに、どれだけ自分との約束を守れるか。

それこそが、今以上に向上する唯一の方法なのだと確信しています。

解雇171(ギャップ・ジャパン事件)

おはようございます。 今週も一週間お疲れ様でした。

今日は、勤務状況不良等を理由とする解雇の有効性と反訴損害賠償請求に関する裁判例を見てみましょう。

ギャップ・ジャパン事件(東京地裁平成26年8月8日・労判1107号84頁)

【事案の概要】

甲事件は、Xが、Y社から解雇されたがその解雇が無効であると主張して、Y社に対し、解雇後再就職までの賃金の支払い、および違法な解雇に基づく損害賠償を求めるとともに、在職期間中の割増賃金および付加金の支払いを求めた事案である。

乙事件は、Y社が、Xの申し立てた労働審判が権利濫用であるなどと主張して、Xに対し、不法行為に基づく損害賠償を求めた事案である。

なお、Xは、本件解雇後、労働審判を申し立て、その後、他社へ就職した。

労働審判では、解決金60万円の支払を命じる審判がされたが、Y社が異議を申し立てたため、甲事件訴訟に移行した。

【裁判所の判断】

Y社はXに対し、48万5713円を支払え(未払賃金)

Y社はXに対し、42万5426円を支払え(在職期間中の割増賃金)

Y社はXに対し、33万7396円を支払え(付加金)

Y社の反訴請求は棄却

【判例のポイント】

1 ・・・また、Xが転職先を探していたとしても、直ちに労働意欲を失ったとは認められず、Y社の主張する解雇事由には当たらない
・・・Xは営業のCとともに同社に謝罪に出向いており、営業に責任転嫁していたわけではないし、解雇に値するほどの損害がY社に生じたと認めるに足りる証拠はない

1 なお、Y社は、予備的に懲戒解雇も主張するが、懲戒解雇通知は、Xの他社への就職後にされているのであるから、その効力を判断する必要がない

2 本件解雇は無効であるが、Xについて、無効な解雇に伴う損害として、賃金請求が認められてもまかなうことができない損害が生じたとは認められない。

3 本件解雇は無効であるから、本件労働審判の申立ては理由があるものであって、不法行為に当たらない

労働審判の申立が権利濫用にあたるという会社側の主張は無理があります。

最終的には、労働審判での解決金の倍以上の金額を支払うことになっています。

解雇を選択する前には必ず顧問弁護士に相談の上、慎重かつ適切に対応することが肝心です。決して、素人判断で進めないようにしましょう。

本の紹介425 接客は利休に学べ(企業法務・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。

今日は本の紹介です。
接客は利休に学べ

物語形式です。

利休の教えを接客に活かそう、という本です。

接客にとどまらず、経営に必要な要素についても触れられており、勉強になります。

さて、この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

社長、【教えざる民を以て戦う、これを棄つと謂う】という言葉はご存じですか。これは【教育ができていない民を戦わせるのは、民を棄てているのと同じだ】という意味です・・・才覚のある人物を見極め育てなくては、企業経営や店舗運営は上手くいきません。それはアルバイト従業員にしても同じで、彼らの才能を【伸ばし活用する】ことこそ企業の生命線でもあるのです」(88~89頁)

社員教育の重要性については多くを語る必要はないと思います。

教育もせずに、早々に「使えない」というレッテルを貼り、解雇したり、退職勧奨をしてしまう経営者もいると思います。

このような会社では、「使える」社員を「育てる」のではなく「採用する」という選択しかできません。

育てるというのは、本当に根気のいることです。

育てる方も育てられる方も。

お互いに本気になって向上しよう、向上させようと思ってはじめて効果が出るのです。

あまりにも早く見切りをつけてしまっては、育つものも育たなくなってしまいます。

賃金92(スロー・ライフ事件)

おはようございます。

今日は、飲食店元従業員による時間外労働手当・最低賃金額との差額請求に関する裁判例を見てみましょう。

スロー・ライフ事件(金沢地裁平成26年9月30日・労判1107号79頁)

【事案の概要】

本件は、Xが、雇用主であったY社に対し、①在職中の時間外労働手当99万0393円、深夜労働手当7万9723円および法定内労働に関する最低賃金額との差額5万1224円の合計112万1340円ならびに遅延損害金、②付加金および遅延損害金の各支払いを求めた事案である。

これに対し、反訴は、Y社が、従業員であったXに対し、労働契約の債務不履行に基づき、損害金83万0869円および遅延損害金の支払を求めた事案である。

【裁判所の判断】

Y社はXに対し、時間外労働等手当として、合計102万1863円を支払え

Y社はXに対し、最低賃金額との差額合計5万1224円を支払え

Y社はXに対し、付加金として102万1863円を支払え

反訴請求は棄却

【判例のポイント】

1 Y社は、本件ノート(Xが記録したノート)の記載内容が信用できないと主張するが、Xは、その都度、出勤時刻、退勤時刻、休憩開始時刻及び休憩終了時刻やその日の出来事等を本件ノートに記載していたと供述しており、その記載状況や記載内容の詳細さなどに照らすと、本件ノートの記載内容は信用できるというべきである。

2 証拠及び弁論の全趣旨によれば、Y社代表者は、本件店舗の運営のほとんどをA料理長に任せており、Xの仕事の内容や方法につき明確な指示を与えていなかったこと、Xは、A料理長の指示に従って作業をしていたこと、Y社代表者及びA料理長はXの仕事ぶりを認識しながら、これに異議を唱えていたわけではなかったことが認められ、XがY社の意に反して各作業をしていたとまでは認められない
そうすると、Xの前記作業は、Y社の明示又は黙示の指示に基づくものというべきである。

3 使用者には、労働者の労働時間を適正に把握する義務が課されていると解されることからすれば、使用者がタイムカードによって労働時間を管理していた場合には、これと異なる認定をすべき特段の事情が認められない限り、タイムカードに打刻された時刻に従って、労働者の労働時間を認定するのが相当である
これを本件についてみると、Y社は、Xに対して出退勤時にタイムカードの打刻をさせており、実際にXのタイムカードが継続して打刻されていたこと、タイムカードレコーダーのインクの交換はされていなかったものの、打刻された時刻を読み取ることは可能であり、Y社はXのタイムカードの打刻状況を確認していたこと、Y社がタイムカード以外にXの労働時間を適正に把握する方策をとっていなかったことが認められる。
これらの事実に照らすと、Y社は、タイムカードによって、Xの出退勤の事実を確認するだけではなく、Xの出勤の労働時間を管理していたものと認められるから、原則として、タイムカードに打刻された時刻に従って、Xの労働時間を認定すべきである

4 Xがボトルワインの代金を誤って請求した事実は、当事者間に争いがない。
ボトルワインの代金を誤って請求したXの行為は、過失に基づくものではあるものの、Xは同様のミスを繰り返していたわけではないこと、Y社はXの本件店舗の業務に従事させ、その労働により収益を上げているにもかかわらず、その中で生じる損害をすべてXに転嫁するのは不当であることY社において従業員が飲食代金の計算を誤って請求することは十分予見できるのに、これに対する特段の予防策をとっていなかったこと、Y社においてこれまで従業員が損害を発生させた場合に従業員に損害賠償を請求していた事実は認められないことなどに照らすと、Y社は、Xに対し、信義則上、損害賠償を請求できないと解するのが相当である。

労働時間を算定する証拠としてタイムカードの価値をどう見るかについては、裁判官によって別れています。

労働者側からすると、上記判例のポイント3の考え方は参考になります。

使用者側からすれば、このような判断をされる可能性が十分にあることを念頭において労務管理をすべきですね。

日頃から顧問弁護士に相談しながら適切に労務管理を行うことが大切です。

本の紹介424 人生はワンチャンス!(企業法務・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。

今日は本の紹介です。
人生はワンチャンス!   ―「仕事」も「遊び」も楽しくなる65の方法

著者は、「夢をかなえるゾウ」、「夢をかなえるゾウ2」の方です。

売り方がとても上手いですね。

モノをどうやって売ったらいいかを熟知している感じがします。

さて、この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

独創力とは、思慮深い模倣以外の何ものでもない。」(ヴォルテール・フランスの作家)

人間は、他人の経験を利用するという特殊能力を持った動物である。」(R・Gコリングウッド・イギリスの歴史学者)

私のスタイルは、リトル・リチャード、ジャッキー・ウィルソン、ジェームス・ブラウン、それに教会音楽を組み合わせたものだ。」(エルヴィス・プレスリー・米国のロック歌手)(以上49番)

このブログでは、これまでにも「成功者の模倣」の重要性について、ときどき触れてきました。

モノマネを恥ずかしいと思うのではなく、モノマネこそが王道なのだと、近道なのだと考えるべきです。

成功している会社の社長とお食事をする機会をいただいたときには、ただ単にご一緒させていただくのではもったいないです。

話し方や考え方を盗み、自分の仕事に活かす。

成功しているにはそれなりの理由が必ずあります。

私が逆の立場であれば、そのくらいの貪欲さを持った若者と食事をしたいと思います。

不当労働行為109(JR東日本大宮支社・常務発言)事件

おはようございます。 今週も一週間がんばりましょう。

今日は、組合活動批判にかかる常務発言の不当労働行為性に関する裁判例を見てみましょう。

JR東日本大宮支社・常務発言事件(東京高裁平成26年9月25日・労判1105号5頁)

【事案の概要】

本件は、東京都労働委員会が、Xの不当労働行為の申立て(A常務が、宇都宮運転所及び大宮信通センターで行われた社内行事(本件安全キャラバン)の冒頭挨拶において、不当労働行為に当たる発言(本件発言)をしたとして、その救済を求めるもの)を棄却し(初審命令)、中央労働委員会が、Xの再審査申立てを棄却(本件命令)ことから、Xが、国に対し、本件命令の取消しを求めた事案である。

原判決がXの請求を棄却したので、Xがこれを不服として控訴した。

【裁判所の判断】

控訴棄却

【判例のポイント】

1 本件署名活動の対象となった浦和電車区事件は、列車の安全運行の確保を担うY社にとって、再発防止に取り組むべき重要な課題といえるから、A常務が本件安全キャラバンの冒頭挨拶において、同事件に言及することは相当である。また、本件発言当時、Y社は、本件組合員らが1審の東京地方裁判所で認定された強要行為をし、その結果、職場秩序を著しく乱し、会社の信用を著しく失墜せしめたとして、懲戒解雇しており、A常務が、本件安全キャラバンの機会を捉えて、本件組合員らを擁護することが、会社外部の者からどのように見られるかという視点を交えながら、参加者に対し、本件組合員らに執った措置への理解を求め、その判断の正当性を説明することも許されると解される

2 たしかに、その際、A乗務が本件発言において用いた「覚悟」や、「今日はそれぐらいに留めておきますけどね」との表現は、適切なものであったとはいいがたいが、①A常務が、本件発言前に、「あとは社員一人ひとりの意思表示だから、会社がどうのこうの言う立場でない。」旨前置きし、本件発言後、会社も改めるべきは改めていくつもりであり、意見を聞かせてもらいたい旨付言して挨拶を締めくくったこと、②本件発言は、A常務の挨拶の一部にすぎず、特に強調され、繰り返されたものでなく、組合員のみならず参加者全員を対象として行われたものであること、③本件発言後、Y社は、本件署名活動に会社として関与する考えはないことを繰り返し表明し、本件発言に先立つ秋田支社長の発言を巡る一件でも、文書で、Xが行う本件署名活動に会社として介入するつもりはない旨回答していることなどを総合すると、本件発言が、Xの組織や運営等に対する支配介入に当たるということはできない

役職に就いている方の発言内容如何によっては、それだけで不当労働行為になってしまうこともあります。

十分ご注意ください。

組合との団体交渉や組合員に対する処分等については、まずは事前に顧問弁護士から労組法のルールについてレクチャーを受けることが大切です。決して素人判断で進めないようにしましょう。

本の紹介423 勝手に売れていく人の秘密(企業法務・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。 今週も一週間お疲れ様でした。

今日は本の紹介です。
勝手に売れていく人の秘密

マーケティングと営業に関する本です。

マーケティングは、ジェイ・エイブラハム氏、営業は、ブライアン・トレーシー氏の教えに基づいています。

終始、具体的で実践的なアドバイスが並んでいます。

おすすめです。

さて、この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

『どういう自分』として振る舞うか、どのくらいの潜在能力を使うかを決めているのは、他でもない自分自身です。もしも『どんなに頑張っても成果が上がらない』という悩みに直面しているなら、『自分は仕事で成功する』という自己概念が持てていないことが大きな原因のひとつでしょう。『自分は売れない営業マンだ』という勝手な思い込みが、本来なら持っているはずの豊かな潜在能力の発揮にブレーキをかけているのです。」(275頁)

「アファメーション」の重要性を説いています。

これは、多くの成功者が習慣的にやっていることです。

こんなことやっても、うまくいきっこないと思うのではなく、とにかくまずはやってみることが大切です。

「これをやって、何かデメリットがありますか?」という話です。

自信のなさそうな表情、話し方、しぐさをしているセールスマンからモノを買う人、いますか?

そんな方から「お任せください」なんて言われて、お任せできますか?

「根拠のない自信」という言葉がありますが、私は、「根拠のない自信」をあまり信じていません。

根拠の有無は、自分が一番よくわかっています。

それは、人が見ていないところで行う日々の努力です。

日頃怠惰な生活を送っている人が、「俺ならきっとできる」という根拠のない自信を持ったところでどれほどの意味があるのでしょうか。

自信には根拠が必要であるというのが私の考えです。

解雇170(アメリカン・エキスプレス・インターナショナル・インコーポレイテッド事件)

おはようございます。

今日は、療養休職期間満了時に休職事由が消滅したとして、雇用契約の終了が認められなかった裁判例を見てみましょう。

アメリカン・エキスプレス・インターナショナル・インコーポレイテッド事件(東京地裁平成26年11月26日・労経速2234号20頁)

【事案の概要】

本件は、Y社と雇用契約を締結した後、業務外傷病(うつ状態)により傷病休暇及び療養休暇を取得したXが、療養休職期間満了時に休職事由が消滅したから、XY社間の雇用契約がY社の就業規則により終了するものではないなどと主張して、Y社に対し、雇用契約上の権利を有する地位の確認を求めるとともに、雇用契約に基づく賃金支払請求権に基づき、休職期間満了日(雇用契約終了日)の翌日である平成24年12月21日以降、毎月20日限り45万3412円及び遅延損害金の支払を求める事案である。

【裁判所の判断】

XがY社に対し、雇用契約上の権利を有する地位にあることを確認する。

Y社はXに対し、平成24年12月21日から本判決確定の日まで、毎月20日限り45万3412円及び遅延損害金を支払え。

【判例のポイント】

1 本件就業規則24条3項は、従来規定されていない「健康時と同様」の業務遂行が可能であることを、療養休職した業務外傷病者の復職の条件として追加するものであって、労働条件の不利益変更に当たることは明らかである。・・・そして、業務外傷病のうち特に精神疾患は、一般に再発の危険性が高く、完治も容易なものではないことからすれば、「健康時と同様」の業務遂行が可能であることを復職の条件とする本件変更は、業務外傷病者の復職を著しく困難にするものであって、その不利益の程度は大きいものである一方で、本件変更の必要性及びその内容の相当性を認めるに足りる事情は見当たらないことからすれば、本件変更が合理的なものということはできない
したがって、本件変更は、労働契約法10条の用件を満たしているということはできず、本件就業規則24条3項がXを拘束する旨のY社の主張を採用することはできない。

2 業務外傷病により休職した労働者について、休職事由が消滅した(治癒した)というためには、原則として、休職期間満了時に、休職前の職務について労務の提供が十分にできる程度に回復することを要し、このことは、業務外傷病により休職した労働者が主張・立証すべきものと解される。

3 Y社は、傷病休暇及び療養休暇からの復職に関し、原則として、本件内規中に掲げた本件判定基準9項目を全て満たした場合にのみ復職を可とする運用をしているところ、本件情報提供書によれば、Xが、上記9項目を全て満たしていたとはいえないから、本件療養休職期間満了時において、Xが復職可能であるとはいえないと判断したものであり、その判断に誤りはない旨を主張する。
しかし、休職制度が、一般的に業務外の傷病により債務の本旨に従った労務の提供ができない労働者に対し、使用者が労働契約関係は存続させながら、労務への従事を禁止又は免除することにより、休職期間満了までの間、解雇を猶予するという性格を有していることからすれば、使用者が休職制度を設けるか否かやその制度設計については、基本的に使用者の合理的な裁量に委ねられているものであるとしても、厚生労働省が公表している「心の健康問題により休業した労働者の職場復帰支援の手引き」から、本件内規中に掲げた本件判定基準9項目を全て満たした場合にのみ復職を可能であるとする運用を導くことは困難である
また、本件内規は、平成23年7月頃、Y社人事部において、業務外傷病により傷病休暇及び療養休暇を取得した従業員の復職判断のための内部資料として作成されたものにすぎず、従業員には開示されていないから、上記の運用が本件雇用契約の内容として、Xの復職可否の判断を無条件に拘束するものではない

4 ・・・Y社としては、本件診断書及び本件情報提供書の内容について矛盾点や不自然な点があると考えるならば、本件療養休職期間満了前のXの復職可否の判断の際にC医師に照会し、Xの承諾を得て、同医師が作成した診療録の提供を受けて、Y社の指定医の診断も踏まえて、本件診断書及び本件情報通知書の内容を吟味することが可能であったということができる。
Y社は、そのような措置を一切とることなく、何らの医学的知見を用いることなくして、C医師の診断を排斥し、・・・そのようなY社の判断は、Xの復職を著しく困難にする不合理なものであり、その裁量の範囲を逸脱又は濫用したものというべきである

業務外の精神疾患と休職期間満了から職場復帰に関する争点は、ここ最近の重要なトピックですね。

その中でもこの裁判例は、非常に多くの重要な判断が含まれています。

是非、参考にしてください。

解雇を選択する前には必ず顧問弁護士に相談の上、慎重かつ適切に対応することが肝心です。決して、素人判断で進めないようにしましょう。